【Paul Stanley(ポール・スタンレー)・Kiss(キッス)】風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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① 始めに(特徴紹介)

Kiss(キッス)のギターサウンドを語るうえで、Paul Stanley(ポール・スタンレー)の存在は避けて通れません。通称「スターチャイルド」としての派手なパフォーマンスが注目されがちですが、実は”バンドのリズムギターの核”として、極めて職人的な音作りをしているタイプです。

彼のサウンドの特徴を一言でいうなら、「抜けるミッドレンジ」と「分厚いのに輪郭が崩れない歪み」。Marshall系のドライブを軸にしつつ、コードストロークでも音が潰れすぎず、ライブ会場でもギターが前に出てくる設計です。特に『Detroit Rock City』『Rock and Roll All Nite』『Love Gun』あたりを聴くと、歪みはしっかりあるのに低域が暴れず、ハイが耳に痛くない絶妙なバランスが分かります。

プレイスタイルとしては、ソロよりも「バンド全体を持ち上げるバッキング」が主戦場。つまり、歪ませ過ぎるとアンサンブルが崩れるし、逆に歪みが足りないとKissの”巨大なロック感”が出ない。そのギリギリのラインを狙っているのがポールの音作りの面白さです。ここが、同じハードロックでもメタル寄りのギタリストと決定的に違うポイントですね。

さらに機材面では、キャリアを通じてシグネチャーモデル(Ibanez、Washburn、Silvertone)を中心に、ヴィンテージのGibson(Flying VやLes Paulなど)も使用。アンプは「Marshallがサウンドの魂」と語る通りMarshall中心で、近年はENGLやRandallのシグネチャーモデルも登場しています。エフェクターは意外とシンプルで、基本はアンプドライブ主体。ここも”王道ハードロックの教科書”みたいで、再現性が高いのが嬉しいところです。

この記事では、Paul Stanleyの実使用機材(確度の高い情報)を優先しつつ、時期による変遷や推定機材も整理しながら「どうすればKissっぽい音に寄せられるか」を、EQやミックス目線まで含めて解説します。派手に見えて、実はめちゃくちゃ理にかなった音作り——そこを一緒に解剖していきましょう。

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②使用アンプ一覧と特徴【Kiss(キッス)・Paul Stanley(ポール・スタンレー)】

Paul Stanleyのアンプ観はとても分かりやすく、「Marshallがサウンドの魂」という言葉に集約されます。Kissのギターって、意外と”激歪み”ではありません。むしろ、ミドルが太くて前に出るクラシックなロックディストーションで、会場の大音量でもコードの芯が残るのが重要。だからこそMarshallのような「中域が歌うアンプ」が軸になるわけです。

代表格はJCM800 2203とJCM900。JCM800はKissのハードロック感を作る王道で、歪ませても音が潰れにくく、ピッキングニュアンスが残るのが強み。特にPaulのようにバッキング主体で”刻みとストローク”を繰り返すスタイルでは、低域がダブつかず、ミドルが前に出るJCM800系は相性抜群です。

70年代のライブやレコーディングでは、1959 Super Lead(いわゆるPlexi)系のMarshallも重要です。Plexiは単体だと歪み量が控えめですが、そのぶん音の立ち上がりが速く、太いのに抜ける。Kiss初期の「乾いたのにデカいロックサウンド」は、まさにこの方向性で、今の感覚だと”歪みは少ないのに迫力がある”という不思議な領域に入っています。

一方、近年のツアーやシグネチャー絡みでは、ENGLやRandallも登場します。ENGLはE650 Richie Blackmore Signatureをベースにしたカスタム(パワー管をEL84に載せ替えたプロトタイプ)やFireball 100のカスタムモデルが挙げられます。ENGLらしいタイトな低域と高解像度な歪みは、巨大な会場での安定感を狙った選択と考えられます。RandallはColossusというシグネチャーヘッドが知られており、よりモダンなドライブ感をステージで扱いやすくした方向性です。

キャビネットはMarshall 1960Bが基本で、Celestion Vintage 30などを搭載することが多いとされます。V30は中域のピークがあり、ライブでギターが埋もれにくい。Paul Stanleyの「ミッドで押し切る」音作りと非常に相性が良いスピーカーです。

まとめると、Paulのアンプは”Marshall中心+近年はモダンハイゲインも併用”という構図。時期や現場(会場規模)によって最適解が変わるため、複数アンプが情報として混在しますが、核は「ミッドで前に出るロックアンプ」。この方針で機材が選ばれている、と想定されます。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
JCM800 2203 Marshall 検索 検索 検索 検索 検索 検索 長年の核。中域が前に出る王道ハードロックサウンド。
JCM900 Marshall 検索 検索 検索 検索 検索 検索 JCM800よりモダン寄り。ライブ現場で扱いやすい歪み量。
1959 Super Lead (Plexi) Marshall 検索 検索 検索 検索 検索 検索 70年代の基盤。歪み控えめだが抜けが良く太い。
E650 Richie Blackmore Signature (Customized) ENGL 検索 検索 検索 検索 検索 検索 カスタムプロトタイプとされる。大型会場向けの安定感狙い。
Fireball 100 ENGL 検索 検索 検索 検索 検索 検索 タイトで解像度高い歪み。近年のモダン運用候補。
Colossus Randall 検索 検索 検索 検索 検索 検索 シグネチャーヘッドとして知られる。モダン寄りのドライブ感。
Marshall 1960B Marshall 検索 検索 検索 検索 検索 検索 Celestion Vintage 30搭載例あり。ライブで抜けやすい定番キャビ。

③使用ギターの種類と特徴【Kiss(キッス)・Paul Stanley(ポール・スタンレー)】

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Paul Stanleyのギター遍歴は、「見た目の派手さ」と「実用性」の両立がテーマです。Kissは視覚的インパクトが命のバンドなので、ステージ映えするシェイプが求められる。しかし同時に、Paulはリズムギターの要。つまり、弾きやすくてチューニングが安定し、バッキングで音が潰れない”仕事道具”である必要があります。その結果として、彼は長年にわたりシグネチャーモデルを中心にしつつ、要所でヴィンテージGibsonを投入するスタイルを確立しました。

最も象徴的なのがIbanezのPSシリーズ(PS10 / PS120 / PS60)。これはPaulの代名詞とも言えるモデルで、いわゆるIcemanシェイプをベースにしたシグネチャーです。特徴は、見た目の奇抜さに反して、意外と演奏性が高いこと。ボディバランスが良く、ハイポジションも弾きやすい。Kissのようにステージを動き回りながら演奏する場合、ここはかなり重要です。

さらに上位機種としてPS1CM(Cracked Mirror=ひび割れた鏡)フィニッシュのトップモデルが存在します。ステージ映えの極致で、Paul Stanleyのキャラクターそのもの。近年のモデルではピックアップにSeymour Duncan ’59(フロント)とCustom 5(リア)が搭載されているとされ、フロントは甘く太いクリーン〜クランチ、リアは低域が締まったパワフルなロックトーンを担当します。特にCustom 5はハイゲインでも耳に痛いピーキーさが出にくく、Marshall系アンプの中域と合体させると”王道の太いロック”になります。

Washburn時代のシグネチャーとしてはPS2012 Starfire / PS2000が有名で、Ibanez形状をベースにしつつブランドが変わったもの。さらにPreacherのような独自ダブルカッタウェイ形状もあり、モデルによってはSeymour Duncan Pearly Gates採用例も語られます。Pearly GatesはヴィンテージPAF系の中でもミッドの粘りが強く、Kissの70s的な太さに寄せるならかなり良い選択肢です。

そして忘れてはいけないのがGibson群。Flying Vは1958年製コリーナVや1975年製などを所有・使用したとされ、より”クラシックハードロックの直球”を狙う場面で登場します。Les Paulは1959年製バースト、1960年製SG/Les Paul Custom、Standardなどが挙げられ、レコーディングや特定の曲での音の説得力を担う存在。Explorer(1976年製)やFirebird / L6 Midnight Specialなども70年代に使用したとされ、時期によって多彩です。

その他、SilvertoneのSovereignやApocalypse(シグネチャー)、80年代にはHamerのダブルネック(EMGピックアップ搭載)も使用例があります。さらにMarauderは”ステージで破壊する用”として知られ、Kissらしい演出と機材が直結しているのが面白いところです。

まとめると、Paul Stanleyのギターは「シグネチャーを主軸にしつつ、要所でGibsonヴィンテージを投入」。見た目と音、両方でKissを成立させるための選択であり、このラインナップが語られている、と想定されます。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス ギターの種類 備考
PS10 / PS120 / PS60 Ibanez 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター(シグネチャー) Paulの代名詞。ステージ映えと演奏性を両立。
PS1CM (Cracked Mirror) Ibanez 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター(シグネチャー) 「ひび割れた鏡」フィニッシュ。近年モデルはSD ’59+Custom 5搭載とされる。
PS2012 Starfire / PS2000 Washburn 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター(シグネチャー) Ibanez形状を継承したシグネチャー。時期によって使用。
Preacher Washburn 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター 独自ダブルカッタウェイ。Pearly Gates採用モデルも語られる。
Flying V(1958 Korina / 1975) Gibson 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター(変形) クラシックハードロック直球の音。所有・使用例が語られる。
Les Paul(1959 Burst / 1960 SG/Les Paul Custom 等) Gibson 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター(レスポール系) レコーディングや特定曲で説得力ある太さ。ヴィンテージ所有例が語られる。
Explorer(1976) Gibson 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター(変形) 使用例が語られる。音は太く押し出し強めでライブ向き。
Firebird / L6 Midnight Special Gibson 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター 70年代に使用とされる。曲や時期で使い分けの候補。
Sovereign / Apocalypse Silvertone 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター(シグネチャー) シグネチャーとして知られる。時期により使用とされる。
ダブルネック(EMG搭載) Hamer 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター(ダブルネック) 80年代に使用とされる。派手な演出と楽曲対応のため。
Marauder (破壊用ギター) 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター ステージで破壊するためのギターとして知られる。演出の一部。

④使用エフェクターとボード構成【Kiss(キッス)・Paul Stanley(ポール・スタンレー)】

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Paul Stanleyの音作りで面白いのは、「派手なステージ=派手なエフェクター」ではないところです。むしろ真逆で、基本はアンプの歪みが主役。エフェクターは”必要な場面だけ最小限”という思想が強い。これはKissというバンドの特性——巨大な会場、爆音、照明、炎、演出——の中で、機材トラブルを極力減らしつつ、常に安定したロックギターを鳴らす必要があるからだと考えられます。

ドライブ系で挙げられる定番はBoss SD-1 Super Overdrive。これはメインの歪みというより「ブースト用途」。Marshallを軽く歪ませた状態にSD-1を足すと、低域が締まり、ミッドが前に出て、ソロやリフが一段前に飛び出します。Kissのように”全体の音量がデカいバンド”では、ソロ時に音量を上げるだけだとPAが大変なので、周波数(特にミッド)を押し出すブーストは理にかなっています。

空間系としてはBoss DD-3 Digital Delayがよく挙げられます。ディレイは派手にかけるというより、ソロの奥行き・余韻作り。ポールのソロは速弾きで圧倒するタイプではなく、歌うフレーズが多いので、短めのディレイで”ギターをボーカル的に聴かせる”方向に寄せるとそれっぽくなります。

80年代的なキャラクター付けとしてMXR Phase 90も候補に入ります。フェイザーはKissのディスコ〜ポップ寄りの時期や、80年代のモダンロック寄りサウンドで活躍しやすい。Phase 90は音が太く、かけても芯が残るので、Paulのバッキングにも馴染みます。

ノイズ対策ではBoss NS-2 Noise Suppressorがラック内で確認されることがある、という情報もあります。ただし常時使用ではないとも言われ、会場の電源状況やゲイン量によって投入する”保険”のような立ち位置かもしれません。

特殊枠としてE-Bowも重要です。『Tonight You Belong To Me』などで使用されたとされ、サスティナー的に音を伸ばして幻想的な表現を作るための道具。Kissはハードロックだけでなく、バラードやドラマチックな楽曲も多いので、こうした飛び道具が局所的に出てくるのも納得です。

総合すると、Paul Stanleyのエフェクトは「ブースト(SD-1)+ディレイ(DD-3)+時々フェイザー(Phase 90)」が骨格で、ノイズ対策や特殊表現を必要に応じて足す構成。これが大規模ツアーでの安定運用として合理的であり、機材情報としても広く語られている、と想定されます。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス エフェクターの種類 備考
SD-1 Super Overdrive BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ブースター アンプ歪み主体のブースト用。低域を締めてミッドを押し出す。
DD-3 Digital Delay BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ディレイ ソロの奥行き作り。短め設定で歌う余韻を足す用途。
Phase 90 MXR 検索 検索 検索 検索 検索 検索 フェイザー 80年代的キャラクター付け。かけても芯が残りやすい。
NS-2 Noise Suppressor BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ノイズリダクション ラック内で確認されることがある。状況により投入とされる。
E-Bow E-Bow 検索 検索 検索 検索 検索 検索 サスティナー 『Tonight You Belong To Me』などで使用とされる。幻想的な伸びを作る。

⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Kiss(キッス)・Paul Stanley(ポール・スタンレー)】

Paul Stanley風の音作りで最重要なのは、「ギター単体で気持ちいい音」ではなく「バンドの中でデカく聴こえる音」を狙うことです。Kissの楽曲は、リズム隊が太く、コーラスも厚い。ここにギターが埋もれると、ただの”騒がしいロック”になってしまう。だからPaulのギターは、常にミッドレンジで存在感を確保しつつ、低域を整理して、会場でもレコーディングでも抜けるように作られています。

まずアンプの基本方針は「歪みは出しすぎない」。Marshall系でGainを上げすぎると低域が膨らみ、コードが潰れてしまいます。Paulのバッキングはストローク主体なので、歪みが多いと”ジャーッ”としたノイズ塊になりやすい。目安としては、JCM800系ならPreamp Gainは4〜6程度。ここにSD-1を足してソロやリフを押し出す。つまり、アンプ単体では”少し足りないくらい”が正解です。

EQは、Bassを控えめ、Middleをしっかり、Trebleは刺さらない程度、Presenceは会場次第。Kissの音はハイがギラギラしているようで、実は耳に痛い帯域(3〜4kHz)を過剰に出していないことが多いです。なのでTrebleを上げすぎるより、Middleを上げて”前に出す”。MarshallのMiddleは単なる中域ではなく、音の密度そのものなので、ここをケチるとKiss感が消えます。

具体的なEQ設定例としては、Marshall系で「Bass 3〜4 / Middle 6〜8 / Treble 4〜6 / Presence 3〜5」あたりからスタートすると、かなりPaul寄りになります。そこから会場やキャビ(V30かどうか)に合わせて微調整。V30搭載キャビならMiddleが強いので、Middleを少し下げてTrebleを少し上げる、といったバランスもありです。

曲ごとの使い分けとしては、70年代のクラシックKiss(『Rock and Roll All Nite』系)ならPlexi寄りの”歪み少なめ・太さ重視”。80年代〜90年代寄りなら、JCM900やENGLのような解像度高い歪みで、リフの粒立ちを強化。近年の巨大会場ツアーでは、よりタイトで安定したモダンハイゲイン(ENGL/Randall)を混ぜることで、PA側でまとめやすい音作りをしている可能性があります。

アンプのCH切り替えは、基本はリズム=クランチ〜ディストーション、ソロ=ブースト(SD-1)+ディレイ(DD-3)で押し出す構造が再現しやすいです。もし2chアンプやマルチを使うなら、リズムは歪み少なめ、ソロはミッドが増えて音量も少し上がるように設計してください。ここで音量だけ上げるとPAで潰されるので、周波数設計(ミッド強化)が重要です。

ミックス目線での工夫としては、まずローカット(ハイパス)をしっかり入れること。ギターの低域(80Hz以下)は不要どころか邪魔です。目安は80〜120Hzでカット。さらに250Hz付近が膨らむと”モコモコ”するので、必要に応じて少し削る。逆に1.2〜2.5kHzあたりを少し持ち上げると、ギターの存在感が前に出ます。ただし3〜4kHzを上げすぎると耳が痛いので注意。

ダブルトラック(左右に同じリフを重ねる)もKissの厚みには重要です。Paulのリズムは左右に広げ、Ace Frehley(時期によりTommy Thayer)側と棲み分けることで、ステージでも音源でも”壁”を作っています。自宅録音で再現するなら、同じフレーズを2回弾いて左右に振り分け、片方は少しだけTrebleを落とすなど微差を作ると一気にそれっぽくなります。

最後に重要なのは、歪みを増やすより”ミッドで押す”こと。歪みを増やすと気持ちいいけど、Kissのようなバンドサウンドでは埋もれます。だから、歪み控えめ+ミッド強化+低域整理。この3点セットがPaul Stanleyサウンドの再現の近道であり、ライブ現場でも機能する音作りだと想定されます。

⑥比較的安価に音を近づける機材【Kiss(キッス)・Paul Stanley(ポール・スタンレー)】

Paul Stanley風の音作りは、実は「超高級ヴィンテージ機材がないと無理」というタイプではありません。理由はシンプルで、彼の音の本質が”王道のロック中域”にあるからです。つまり、ミッドが太くて抜けるアンプライクな歪み、必要最低限のブースト、短めディレイ。この3点が揃えば、初心者〜中級者でもかなり近づけます。

まず最優先はドライブ。Marshallの実機がなくても、Marshall系のアンプシミュやプリアンプペダルで十分再現可能です。たとえばBOSSのIR-2やIR-200のようなアンプシミュは、キャビIR込みで”会場っぽい抜け”まで作れるので、Paul Stanley的な音作りに向いています。特にIR-200はEQやブーストの自由度が高く、SD-1的な押し出しも内部で作れます。

マルチでいくならBOSS GT-1000 COREやLine 6 HX Stompが鉄板。価格帯は上がりますが、1台でアンプ・キャビ・ブースト・ディレイ・ノイズ処理まで完結し、ライブでも使える再現性があります。Kiss系の音は「歪み量よりバランス」なので、こういう現代マルチのほうがむしろ安定して寄せられることも多いです。

歪みペダル単体で寄せるなら、BOSS SD-1は必須級。実際にPaulもブースト用途で使うとされるので、ここは”買って損がない”。SD-1をアンプのクランチに足すだけで、低域が締まってミッドが出る=Kiss感が出ます。さらにMarshall系の歪みペダルとしては、JHS Angry CharlieやBOSS JB-2 Angry Driver(ただし価格帯は上振れ)も候補です。もう少し安価なら、Marshall系を狙った定番コピー系ペダルでも方向性は作れます。

ディレイはBOSS DD-3(現行ならDD-3T)をそのまま選ぶのが最短距離です。設定はシンプルで、Timeは300ms前後、Feedbackは2〜3回、Levelは原音よりかなり小さめ。これだけでソロが”歌う”ようになります。Kissはディレイを派手にしないので、むしろこの控えめ設定が重要です。

フェイザー要素が欲しいならMXR Phase 90系。安価帯ならPhase 95(小型)もあり、Phase 90のキャラを持ちつつ扱いやすいです。ここは必須ではないですが、80年代寄りのKiss感を出したいなら効果的。

ギター側は、ハムバッカー搭載なら基本OKです。PaulのIbanez PS系やGibson系はハムバッカーが前提なので、ストラトSSSよりはレスポール系、SG系、あるいはHHのスーパーストラトのほうが近づけやすい。ピックアップはSeymour Duncan ’59+Custom 5のような組み合わせが理想ですが、まずはリアが中出力〜やや高出力のハムであれば十分。重要なのは、歪ませても低域が暴れないことです。

最後に”安価に近づける最大のコツ”は、EQで低域を削ってミッドを出すこと。機材を買い足すより、まずアンプ(or マルチ)のBassを下げてMiddleを上げる。これだけで一気にPaul Stanleyっぽい「前に出る壁ギター」になります。結論として、BOSS系中心の現行機材でも十分に再現可能で、むしろライブや宅録では現代機材のほうが安定して寄せやすい、と言えます。

種類 機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
ブースト/OD SD-1 Super Overdrive BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 本人使用候補。低域を締めてミッドを押し出し、ソロが前に出る。
ディレイ DD-3T Digital Delay BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 本人使用DD-3の現行互換。短め設定でソロの奥行き再現。
フェイザー Phase 95 MXR 検索 検索 検索 検索 検索 検索 Phase 90系のキャラを安価・省スペースで再現。80年代寄りに有効。
ギター用マルチ HX Stomp Line 6 検索 検索 検索 検索 検索 検索 Marshall系アンプモデル+IRで再現性が高い。ライブ/宅録両対応。
ギター用マルチ GT-1000 CORE BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ブースト〜ディレイまで一括管理。EQの自由度が高く再現性が良い。
アンプシミュ IR-200 BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 Marshall系の方向性を作りやすい。キャビIRでライブ感の抜けも再現。

⑦総括まとめ【Kiss(キッス)・Paul Stanley(ポール・スタンレー)】

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Paul Stanley(ポール・スタンレー)風サウンドの本質は、派手な見た目とは裏腹に「めちゃくちゃ堅実で合理的」なところにあります。Kissは炎も爆発もあるし、衣装もメイクも派手。だから音作りも過剰に派手だと思われがちですが、実際は”王道のロックギターを最大出力で鳴らす”という、極めてストレートな思想です。

その核になるのがMarshall系アンプ。JCM800/JCM900、そして70年代のPlexi。ここで重要なのは、歪み量ではなく「ミッドの押し出し」。Paulのギターは、バンドの中で壁のように鳴りつつ、ちゃんと抜けてくる。これはMiddleを中心に音を設計しているからです。逆に、歪みを増やして気持ちよくなった瞬間にKiss感は消えます。ロックって不思議で、気持ちよさと説得力は一致しないことが多いんですよね。

ギターはIbanezのPSシリーズを中心に、WashburnやSilvertoneのシグネチャー、そして要所でGibsonのFlying VやLes Paulを投入。ここにも一貫性があって、どれも「ハムバッカーで太く、ミッドが出る」方向性です。見た目が変形でも、音の設計思想はぶれていない。つまり、Kissの巨大なサウンドを支えるための”実用品”としてギターを選んでいるわけです。

エフェクターはさらに合理的で、SD-1でブースト、DD-3で奥行き、Phase 90で時々キャラ付け。必要最低限。巨大なツアーで壊れない、迷わない、常に同じ結果が出る。ここにプロの恐ろしさがあります。エフェクター沼に沈む前に、まずアンプとEQで勝負している。

再現のポイントをまとめると、①歪み控えめ、②Bass整理、③Middle強化、④ディレイは短めで控えめ。この4つを守るだけで、驚くほどPaul Stanleyの「前に出る壁ギター」に近づきます。高級機材がなくても、BOSSのマルチやアンプシミュでも十分に再現できるのが、彼の音作りの偉いところです。

結局のところ、Paul Stanleyサウンドは”派手さ”ではなく”設計”。ステージの派手さを支えるために、音は徹底的に安定と抜けを優先している。ここを理解すると、あなたの音作りも一段レベルアップします。ギターは自己満足じゃなく、聴かせてナンボ。Kissの壁ギターは、その哲学を叩き込んでくれる最高の教材だと想定されます。

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