始めに(特徴紹介)
BRAHMANのギタリスト・KOHKIは、ハードコア/オルタナティブの激しさと叙情性を兼ね備えた独自の音作りで知られています。 鋭いリフ、ディレイを活かした空間的なフレーズ、そしてBOSS PS-2を駆使した飛び道具的サウンドは、他のバンドでは聴けないBRAHMAN特有の世界観を支えています。
代表曲「ARRIVAL」「SEE OFF」などでは、強烈なディストーションと深い残響を共存させる音色が印象的です。 また、ライブではアンプを3台同時に使い分けることで、クリーンと歪みを切り替えるだけでなく、立体的な音像を作り上げています。これはハードコアシーンでありながらも「美しさ」を追求するBRAHMANの音楽性に直結しています。
KOHKIのプレイスタイルは、力強いストロークやタイトなリフに加え、ディレイやリバーブを絡めた浮遊感のあるフレーズまで幅広く、BRAHMANの楽曲を彩ります。特にBOSS PS-2を使った独自のシフトサウンドは、ファンの間でも象徴的な要素として語られています。
彼の音が注目される理由は、単なる「ハードなディストーション」ではなく、空間系エフェクトや複数アンプを組み合わせることで「重さ」と「広がり」を両立している点にあります。これにより、轟音の中でも各フレーズが埋もれず、聴き手の心を打つ強烈な存在感を放っています。
下記リンクからBRAHMANの公式MVをチェックし、実際にKOHKIのサウンドを体感してみてください。
使用アンプ一覧と特徴【BRAHMAN・KOHKI】
KOHKIのサウンドを支える大きな要素がアンプ選びです。BRAHMANのライブやレコーディングでは、メサブギーのRectifierシリーズを中心に据え、さらにクリーン担当のBad CatやRoland JC-120を組み合わせることで、圧倒的な音圧と多彩なクリーントーンを共存させています。
歪み担当としてはMESA/Boogie Dual Rectifierがメインです。強烈なハイゲインながらも粒立ちがはっきりしており、KOHKIの刻むリフを鮮明に表現します。ツアーや大規模会場では、さらにパワフルなMESA/Boogie Triple Rectifierを使うこともあり、より広い会場でも迫力のある轟音を届けています。 また、キャビネットにはMESA/Boogie Recto Slant Cabinet 4×12を組み合わせ、重心の低い迫力あるサウンドを実現しています。
クリーントーンに関してはBad Cat Black Cat 30Rが使用されます。こちらは独特のきらびやかさを持ち、コード感を損なわずにクリーンでも存在感を放つサウンドが特徴です。これにより、激しいリフの合間に挟まれる静かなパートでもBRAHMANらしい透明感を維持しています。 さらにRoland JC-120 Jazz Chorusは、コーラスを常時オンにしたまま“エフェクター的”に使われることが多く、浮遊感のあるアルペジオや空間的な響きを強調します。
ライブ写真や雑誌インタビューでも、この3台体制は長年にわたり確認されており、BRAHMANサウンドの根幹を担っているといえます。特に「SEE OFF」や「SPECULATION」などでは、クリーンと歪みが交錯するダイナミックな曲展開を、アンプの切り替えで見事に再現しています。
またラックの上にはKORG TONEWORKS DTR-1(チューナー)が設置されており、ステージ上でも安定したチューニング管理を可能にしています。全体をまとめると、MESAで重厚な歪みを生み、Bad CatとJC-120でクリーンを支える3台の組み合わせが、KOHKIのギターサウンドを象徴していると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
MESA/Boogie Dual Rectifier | MESA/Boogie | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | メイン歪み用アンプヘッド。ライブでも定番。 |
MESA/Boogie Triple Rectifier Solo Head | MESA/Boogie | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | 大規模ツアーなどで使用。 |
MESA/Boogie Recto Slant Cabinet 4×12 | MESA/Boogie | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | 低音域が強く、迫力あるステージサウンドを支える。 |
Bad Cat Black Cat 30R | Bad Cat | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | クリーン担当。煌びやかなサウンドが特徴。 |
Roland JC-120 Jazz Chorus | Roland | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | コーラスを常時オンにしてエフェクター的に使用。 |
KORG TONEWORKS DTR-1 | KORG | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | ラックチューナー。Rectifier上に設置される定番。 |
使用ギターの種類と特徴【BRAHMAN・KOHKI】
KOHKIが長年愛用するギターは、国産ブランドのPsychederhythm(サイケデリズム)製Moderncasterシリーズが中心です。BRAHMANの激しいライブパフォーマンスにおいても安定感を誇り、ハムバッカー仕様やマホガニーボディをベースにしたモデルは、厚みのあるサウンドを生み出します。 中でも「Moderncaster TL(マホガニーボディ&ネック、ハムバッカー仕様)」は彼のメインギターとして定着しており、ライブやMVでも頻繁に確認されています。
また、サイケデリズム製では10年以上愛用している「Moderncaster T #005」、ソニックグリーンカラーの「Moderncaster T #042」など複数本を所有しており、いずれもライブやレコーディングで使用されています。特に#042はアルダートップ&マホガニーバックという構成に、Lundgren Heaven 57とVintage Vibe Blade Type T HBを搭載。 これにより、ビンテージライクな音と現代的なパワーを併せ持つ独特のトーンを出しています。
さらにGretsch G6136T-WHT Players Edition Falconもステージで使用され、独特の煌びやかさと太さを兼ね備えた音色を曲によって使い分けています。Fender系ではヴィンテージの1962年製Stratocasterを使用するほか、Fender Custom Shop製Masterbuilt(Dale Wilson製作/SUGIZOから借用)もステージに登場したことがあります。
Gibson系では1976年製Explorerを所有しており、ピックアップはDiMarzio PAFとSeymour Duncan ’59に交換、さらにアルミ製テールピースへ改造が施されています。力強いリフを支えるサウンドとして、ハードコアにマッチした厚みのある音を提供しています。 また、Historic Les Paul 1957 Goldtopはかつてのメイン機であり、現在はNavigator製N-LP-350LTD(Seymour Duncan SH-1 ’59 & SH-5搭載)なども併用しています。
これらのギターは「重厚さと抜けの良さ」を共存させるために選ばれており、ライブの激しい動きにも耐える堅牢性と、BRAHMAN特有の広がりある音像を支える多彩さが特徴といえます。総じて、KOHKIのギター群は、単なる機材選びではなくBRAHMANの音楽性そのものを体現する楽器群と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Psychederhythm Moderncaster TL | Psychederhythm | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | テレキャスタータイプ | マホガニーボディ&ネック、ハムバッカー仕様。メイン使用。 |
Psychederhythm Moderncaster T #005 | Psychederhythm | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | テレキャスタータイプ | 10年以上愛用する個体。 |
Psychederhythm Moderncaster T #042 | Psychederhythm | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | テレキャスタータイプ | Sonic Greenカラー。PUにLundgren Heaven 57 & Vintage Vibe Blade Type T HBを搭載。 |
Gretsch G6136T-WHT Players Edition Falcon | Gretsch | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | ホロウボディ | 煌びやかで太いサウンド。ステージで使用確認。 |
Fender Stratocaster 1962 | Fender | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | ストラトキャスター | ヴィンテージ。要所で使用。 |
Fender Custom Shop Stratocaster Masterbuilt by Dale Wilson | Fender | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | ストラトキャスター | SUGIZOから借用された個体。 |
Gibson Explorer 1976 | Gibson | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | エクスプローラー | PU交換(DiMarzio PAF & SD ’59)、アルミテールピース搭載。 |
Gibson Historic Les Paul 1957 Goldtop | Gibson | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | レスポール | 元メイン機。フロントPUはオリジナル。 |
Navigator N-LP-350LTD | Navigator | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | レスポール | SD SH-1 ’59 & SH-5搭載。ペグをシュパーゼルに交換。 |
使用エフェクターとボード構成【BRAHMAN・KOHKI】
KOHKIのサウンドを語るうえで外せないのが、エフェクター類の存在です。BRAHMANの楽曲は轟音の中に緻密な空間処理が施されており、その多くをペダルボードの構成が支えています。特徴的なのは、プログラマブル・スイッチャーを導入しつつも、最終的には「直列接続」に戻すことが多い点です。本人曰く、直列特有の“音痩せ感”を逆にBRAHMANサウンドの一部として活かしているとされています。
ボードにはLehleやProvidenceのA/B BOXを用い、3台のアンプを自在に切り替える複雑なシステムが組み込まれています。特にLehle 1@3はアンプ3台の切替に用いられ、ライブでの切り替え精度を高めています。Providence P-3GやA/B BOXは、チューナーミュートや信号分岐の用途として配置されています。
ドライブ系では伝説のKLON Centaurを導入。クランチ~ブースト的に使われ、強烈なRectifierの歪みと組み合わせても音抜けが損なわれません。加えてIbanezとVemuramのコラボTSV808、さらにXotic EP BoosterやUNION TUBE & TRANSISTOR MODEL MOREといったプリアンプ/ブースター系も常用。これにより、楽曲ごとに細かいゲインやトーンの調整が可能になっています。
コンプレッサーはHUMAN GEAR TENUTOを採用。ピッキングの粒立ちを揃えつつ、BRAHMAN特有の轟音の中でもギターの存在感を失わないために重要な役割を担います。モジュレーションではMXR Phase 90やBOSS HF-2 Hi Band Flangerを活用。特にフェイザーはアルペジオやブリッジ部分で浮遊感を与え、BRAHMANの楽曲の持つ「静と動」のコントラストを強調します。
空間系ではStrymon TIME LINE(ディレイ)、Strymon FLINT(トレモロ+リバーブ)、LINE6 DL4、DigiTech RV-7 Stereo Reverbといった高品質なペダルを組み合わせています。楽曲の深みを生むディレイとリバーブ処理はBRAHMANサウンドの核心であり、静かな曲から爆発的な展開まで幅広く対応します。
そして特筆すべきはBOSS PS-2 Pitch Shifter/Delayの存在です。生産終了モデルでありながらKOHKIは今も現役で使用し、独自のシフトサウンドをBRAHMANの象徴的な音色にしています。 これらの組み合わせにより、BRAHMANのステージでは轟音と浮遊感が交錯する唯一無二のサウンドスケープが生み出されていると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Lehle 1@3 | Lehle | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | スイッチングシステム | 3台のアンプ切替に使用。 |
Providence P-3G | Providence | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | ジャンクションボックス | 信号分岐用。 |
Providence A/B BOX | Providence | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | スイッチングシステム | チューナーミュート用。 |
KLON Centaur | Klon | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | オーバードライブ | 伝説のOD。クランチやブースト用。 |
Ibanez × Vemuram TSV808 | Ibanez/Vemuram | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | オーバードライブ | TS系サウンドを補完。 |
Xotic EP Booster | Xotic | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | ブースター | 音抜けを維持しつつプッシュ。 |
UNION TUBE & TRANSISTOR MODEL MORE | Union Tube & Transistor | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | プリアンプ/アンプシミュレーター | クリーンブースト兼プリアンプ。 |
HUMAN GEAR TENUTO | Human Gear | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | コンプレッサー | 粒立ちを整え存在感を強調。 |
MXR Phase 90 | Dunlop | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | フェイザー | アルペジオや静かなパートで使用。 |
BOSS HF-2 Hi Band Flanger | BOSS | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | フランジャー | 生産終了モデル。浮遊感を演出。 |
Strymon Timeline | Strymon | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | ディレイ | 多彩なモードで楽曲を彩る。 |
Strymon Flint | Strymon | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | リバーブ | トレモロ+リバーブ。空間処理用。 |
LINE6 DL4 Delay Modeler | Line6 | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | ディレイ | 飛び道具的に使用。 |
DigiTech RV-7 Stereo Reverb | DigiTech | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | リバーブ | ステレオリバーブ。深みを演出。 |
BOSS PS-2 Pitch Shifter/Delay | BOSS | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | ピッチシフター | 生産終了モデル。BRAHMANサウンドの象徴。 |
BOSS Dr.Beat DB-12 | BOSS | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | リズムマシン・メトロノーム | 練習用。リズム感維持のため導入。 |
Ex-Pro PS-1 | Ex-Pro | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | パワーサプライ | 安定した電源供給。 |
Noah’s Ark AC/DC-1 | Noah’s Ark | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | パワーサプライ | 安定した電源供給。 |
DNA Mr. Eight | DNA | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | パワーサプライ | 複数ペダルの電源管理用。 |
Providence シールドケーブル一式 | Providence | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | ジャンクションボックス | 本人談「音痩せが比較的少ない」。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【BRAHMAN・KOHKI】
KOHKIの音作りは単なるアンプやエフェクターの組み合わせにとどまらず、EQやミックス段階での工夫によってBRAHMAN特有の重厚かつ広がりのあるサウンドを実現しています。 ここでは、実際のライブやレコーディングに基づくセッティングの傾向や、PA・エンジニアの視点から見た工夫を整理します。
まずアンプの役割分担です。MESA/Boogie Dual Rectifierは歪み用チャンネルを主体に設定され、ゲインは比較的高め(12時〜2時程度)で、ローを引き締めつつもローエンドの厚みを残すようにEQされています。ミドルはカットしすぎず、バンド全体での音抜けを意識した調整。トレブルは曲によって変化しますが、アルペジオ部分では少し上げ、リフ主体の楽曲では落ち着かせていると想定されます。
クリーントーンを担当するBad Cat Black Cat 30Rでは、ゲインは低めに抑え、トレブルとミドルを強調し、コードを弾いたときの分離感を確保。ここで得られる「煌びやかさ」が、BRAHMANの静かなパートやビルドアップ前の展開で強い存在感を発揮します。Roland JC-120はコーラスを常時オンにしたセッティングで、深い奥行きを与えつつ、ミックス内で“セカンドギター的な残響”を作り出します。
EQ処理の傾向としては、レコーディングではローをある程度削り、ベースやドラムのキックと干渉しないよう調整されます。一方でライブでは逆にローを厚く残し、会場全体を揺らすような低域を強調。これはBRAHMANのライブが「体感する音」であることを意識したセッティングです。
エフェクターの使用においては、クランチはKLON CentaurやTSV808を軽くかけ、強烈な歪みとのコントラストを出します。ブースター系(EP BoosterやMODEL MORE)はソロやアルペジオの音量を持ち上げ、ミックス内で埋もれない工夫が施されています。コンプレッサーTENUTOはアタックを自然に整え、ディレイやリバーブと組み合わせることで、持続感と広がりを演出します。
ディレイに関しては、Strymon Timelineでショートディレイをかけ厚みを加えるケースと、ロングディレイで空間的な広がりを強調するケースの両方が確認されます。特に「SEE OFF」や「Speculation」などでは、音の残響が次のフレーズと絡み合い、BRAHMANらしい浮遊感を形成します。Strymon FlintやDigiTech RV-7はアンビエントリバーブとして組み込まれ、ステージ全体を包み込む残響感を付加しています。
ミックス段階では、左右に広がる空間系の処理が意識されており、ギターは片側だけでなくダブルトラック的に配置されることもあります。PAオペレーターはRectifierの歪み成分をセンターに厚く配置し、クリーンや空間系の成分を左右に広げることで、轟音の中にも立体感を持たせています。これにより、ライブでは観客が“音の壁”に包み込まれるような感覚を味わうことができます。
総じて、KOHKIのセッティングは「轟音の中に透明感を生む」ことを徹底しており、アンプの複数運用とエフェクターの緻密な使い分け、EQでの抜けの確保、PAでのミックス処理まで一貫しています。これがBRAHMAN特有のサウンドの核であり、他バンドには再現しにくい唯一無二の音世界を形成していると想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【BRAHMAN・KOHKI】
KOHKIの機材はKLON Centaurやヴィンテージのストラトなど、なかなか手の届かないハイエンドモデルが多く含まれています。しかし、BRAHMANの音作りの本質は「直列接続によるシンプルな構成」「強烈な歪みと空間系の巧みな組み合わせ」「BOSS PS-2的な飛び道具感」にあります。 ここでは、1万円〜5万円台で入手可能な市販品を中心に、初心者でも比較的容易にKOHKIサウンドへ近づける代替機材を紹介します。
まず歪みに関しては、MESA/Boogie Dual Rectifierのようなヘッドを揃えるのは高額ですが、代替としてBOSS DS-1XやMXR M75 Super Badass Distortionなどがオススメです。ミドル帯を活かしたカッティングと、ローを支える音圧を得やすく、KOHKIの刻むリフに近いサウンドを出せます。 さらにブースターとしてXotic EP Boosterは本物も比較的手の届く価格帯であり、安価に音抜けを補強することができます。
空間系では、BOSS DD-8(デジタルディレイ)が万能。Strymon Timelineほどの多機能性はないものの、ショートディレイからロングまで対応でき、BRAHMANの浮遊感を再現可能です。リバーブはBOSS RV-6が良い選択肢で、ステレオ対応で深みのある残響を得られます。 BOSS CE-2W(コーラス)をRoland JC-120の代替とすれば、常時オンで奥行きを作るセッティングを模倣できます。
さらにBRAHMANサウンドの象徴であるBOSS PS-2は既に生産終了のため入手困難ですが、後継的な役割を果たすBOSS PS-6 Harmonistを代替として導入するのが現実的です。PS-6のピッチシフトとディレイ機能を使い分けることで、あの独特な飛び道具感をある程度再現できます。
アンプについては自宅練習や小規模ライブならRoland JC-22(JC-120の小型版)がオススメ。クリーンの透明感とコーラス機能をそのまま体感できます。歪みはアンプ直ではなくペダルで作り、JC-22をクリーン基盤とすることで、KOHKI流の3アンプ体制をコンパクトに模倣できます。
総じて、「ハイゲイン系ディストーション+ブースター」「ディレイ+リバーブで空間処理」「PS-6で飛び道具感」という構成が、低予算でKOHKIの音に寄せるためのポイントです。以下の表はその一例です。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディストーション | BOSS DS-1X | BOSS | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | Rectifier的なモダン歪みを再現しやすい。 |
ディストーション | MXR M75 Super Badass Distortion | Dunlop | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | 幅広いゲイン幅でKOHKIの刻みリフに対応。 |
ブースター | Xotic EP Booster | Xotic | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | 実機と同様、価格も比較的入手しやすい。 |
ディレイ | BOSS DD-8 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | 多彩なディレイ。Timelineの代替として最適。 |
リバーブ | BOSS RV-6 Reverb | BOSS | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | 深みあるリバーブで空間処理を再現。 |
コーラス | BOSS CE-2W Chorus | BOSS | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | JC-120のコーラスを模倣可能。 |
ピッチシフター | BOSS PS-6 Harmonist | BOSS | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | PS-2の代替として飛び道具的サウンドを再現。 |
アンプ | Roland JC-22 | Roland | Amazonで探す | BRAHMAN | KOHKI | 小型版JC。クリーン+コーラス用として実用的。 |
総括まとめ【BRAHMAN・KOHKI】

KOHKI(BRAHMAN)の音作りを総括すると、その本質は「轟音と透明感の共存」にあります。MESA/Boogie Rectifierによる圧倒的なハイゲインサウンドを軸に、Bad CatやRoland JC-120のクリーントーンを巧みに組み合わせ、さらに直列接続のエフェクトチェーンで“音痩せ感”すら武器に変えています。これにより、硬質で力強いリフと、広がりある浮遊感が同時に存在する独自のサウンドが完成しています。
ギターの選択においても、サイケデリズムModerncasterシリーズをはじめ、GibsonやGretsch、ヴィンテージのFenderなど、多彩な個体を使い分けています。それぞれのギターが持つキャラクターを的確に活かし、楽曲ごとに最適な音色を選んでいる点が、BRAHMANのダイナミックなライブパフォーマンスを支える大きな要素です。
また、KOHKIのエフェクトボードは一見複雑ですが、その使い方は非常に実直です。KLON CentaurやTSV808でのゲイン調整、Strymon TimelineやFLINTでの空間処理、そして何よりBOSS PS-2の象徴的なサウンドが、BRAHMANのアイデンティティを決定づけています。これらはすべて「曲のために音を作る」という姿勢から生まれており、テクニックやブランドではなく、必要な表現を追求する結果として選ばれているのです。
ライブやレコーディングでのEQ・ミックスの工夫もまた重要です。低域を厚く残しつつ、バンド全体で干渉しないよう整えるバランス感覚は、PAやエンジニアと連携しながら磨かれたもの。観客を音の壁で包み込みつつ、フレーズの輪郭を崩さない音作りは、BRAHMANが国内外で高い評価を受ける理由の一つです。
総じて、KOHKIの音作りの特徴は「圧倒的な音圧」と「繊細な残響」の二面性を両立させることにあります。ギタリストとして真似る際には、必ずしも同じ高価な機材を揃える必要はなく、 ・歪み+ブースターで迫力を出す ・ディレイ/リバーブで空間を演出する ・ピッチシフターでアクセントを加える という3点を意識するだけでも、KOHKIに近いサウンドを体感できます。
BRAHMANの音楽が多くのリスナーを惹きつける理由は、その音が単なる「ハードコアの轟音」ではなく、精神性や世界観を伴った表現だからです。KOHKIの音作りを研究することは、機材選び以上に「どう音でメッセージを伝えるか」を学ぶことにつながるでしょう。
“`
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
ギター
Psychederhythm Moderncaster TL(マホガニーボディ&ネック、ハムバッカー仕様、長年のメイン)
Psychederhythm Moderncaster T #005(10年以上愛用)
Psychederhythm Moderncaster T #042(カラー:Sonic Green、Alder Top / Mahogany Back、PU:Lundgren Heaven 57 & Vintage Vibe Blade Type T HB)
Gretsch G6136T-WHT Players Edition Falcon
Fender Stratocaster 1962(ヴィンテージ)
Fender Custom Shop Stratocaster Masterbuilt by Dale Wilson(SUGIZOから借用)
Gibson Explorer 1976(PU:DiMarzio PAF & Seymour Duncan ’59、アルミテールピースに変更)
Gibson Historic Les Paul 1957 Goldtop(元メイン、フロントPUオリジナル/リア不明)
Navigator N-LP-350LTD(PU:Seymour Duncan SH-1 ’59 & SH-5、ペグ=シュパーゼルに交換)
アンプ
MESA/Boogie Dual Rectifier(メイン、歪み担当)
MESA/Boogie Triple Rectifier Solo Head(ツアー時などで使用)
MESA/Boogie Recto Slant Cabinet 4×12
Bad Cat Black Cat 30R(クリーン担当)
Roland JC-120 Jazz Chorus(クリーン+コーラス常時ON、エフェクター的に使用)
KORG TONEWORKS DTR-1(ラックチューナー、Rectifier上)
エフェクター / ペダルボード
ジャンクションボックス / A/B BOX類
Lehle 1@3(A/B/C BOX、アンプ3台切替用)
Providence P-3G(A/B BOX)
Providence A/B BOX(チューナーミュート用)
One Control Crocodile Tail Loop(プログラマブル・スイッチャー)
ドライブ / ブースター
KLON Centaur(Overdrive、クランチ用)
Ibanez × Vemuram TSV808(Overdrive)
Xotic EP Booster(ブースター)
UNION TUBE & TRANSISTOR MODEL MORE(プリアンプ/クリーンブースター)
コンプレッサー
HUMAN GEAR TENUTO
モジュレーション
MXR Phase 90(フェイザー)
BOSS HF-2 Hi Band Flanger(生産終了モデル)
ディレイ / リバーブ
strymon TIME LINE(ディレイ)
strymon FLINT(トレモロ/リバーブ)
LINE6 DL4 Delay Modeler(飛び道具的に使用)
DigiTech RV-7 Stereo Reverb
ピッチ / シフター
BOSS PS-2 Pitch Shifter/Delay(愛用、生産終了モデル)
その他
BOSS Dr.Beat DB-12(メトロノーム)
パワーサプライ
Ex-Pro PS-1
Noah’s Ark AC/DC-1
DNA Mr. Eight
ケーブル
Providence製シールド一式(「音痩せが比較的少ない」と本人談)
👉 特徴として、
ギターは サイケデリズム製 Moderncaster(特注品含む)を複数本 所有し、ヴィンテージやハイエンドモデルも使用。
アンプは Rectifierで歪み、Bad CatとJC-120でクリーン を使い分ける3台体制。
エフェクターは 直列接続派(スイッチャーは使うこともあるが音痩せ感を好んで直列に戻す)。
特に BOSS PS-2 がBRAHMANサウンドの要。
コメント