始めに(特徴紹介)
BOØWY(ボウイ)のギタリスト・布袋寅泰(ほていともやす)は、1980年代以降の日本ロックシーンにおいて、その革新的かつスタイリッシュなギターサウンドで多大な影響を与えた存在です。
彼のギタープレイは「攻撃的なカッティング」と「独特のディレイ処理」を軸にしながらも、エレガントでアート性の高いスタイルを融合させており、BOØWYの音楽的核として機能していました。
代表曲である「B・BLUE」「ONLY YOU」「BAD FEELING」などでは、コンパクトなフレーズとリズム感の鋭さが絶妙にミックスされたギタープレイを堪能できます。
布袋サウンドの最大の魅力は「キレと余韻」のバランスです。特にディレイのタイム設定やピッキングの粒立ちを巧みにコントロールすることで、リスナーに強烈な印象を残すリフを生み出しています。
そのプレイスタイルは、スカ・パンク・ニューウェーブをベースにしつつも、YMOやクラフトワークに影響されたシンセティックな要素を取り入れており、当時としては非常に先鋭的でした。
また、ライブでは非常にダイナミックでエンターテイナー性の高いパフォーマンスを見せる一方、レコーディングでは極めて繊細かつミニマルなフレーズ構成を心がけていた点も特徴的です。
BOØWY解散後もソロ活動や映画音楽、プロデュース業など多彩に活躍している布袋ですが、彼のBOØWY期の音作りは今もなお多くのギタリストにとってコピー・研究対象となっており、「布袋っぽい音」という言葉がジャンルを超えた共通語となっています。
この記事では、そんな布袋寅泰のBOØWY期のギターサウンドを再現するための機材・アンプ・エフェクター構成を、実使用例に基づきながら、実践的なセッティング例とともに解説していきます。
特に、再現性の高い安価な機材も含めて紹介しているので、「布袋サウンドに近づきたいけど何から揃えたらいいのかわからない」という方にも参考になる内容です。
布袋寅泰のサウンドを探求することは、単に音を真似るだけでなく、ギタリストとしての哲学を学ぶ旅でもあります。
使用アンプ一覧と特徴【BOØWY・布袋寅泰】
布袋寅泰のBOØWY期におけるアンプの選択は、ステージ上での音圧と鋭いアタック、そしてディレイ処理との相性を考慮した「カッティング重視」の構成が基本となっています。
特に確認されている代表的なアンプは「Roland JC-120」と「Marshall JCM800」の2種類。ライブ映像や当時の機材紹介記事、本人のインタビューからもこの2つのアンプが中核を担っていたことがわかります。
まず、布袋サウンドの代名詞ともいえる「Roland JC-120」は、彼のクリアで立体感のあるクリーントーンを支えてきた存在です。特に「B・BLUE」や「Cloudy Heart」などのバラード系やアルペジオ系では、JC-120特有のステレオコーラスが深い情感を演出しています。
JC-120の優れたポイントは、エフェクターの乗りが非常に良く、布袋が多用するディレイやコーラス、コンプレッサーといった外部エフェクターとの相性も抜群な点です。カッティング時の「キレ」も非常に明瞭で、音抜けの良さがバンドアンサンブルの中でも存在感を放ちます。
一方、ハードな楽曲や歪みの効いたトーンが求められる場面では「Marshall JCM800」が登場します。特に「BAD FEELING」「NO.NEW YORK」といった攻撃的なナンバーでは、JCM800の荒々しい歪みと中域の押し出しが活躍しています。
JCM800では、布袋はクリーンではなく軽くドライブしたクランチ寄りのセッティングを用いることが多く、そこにオーバードライブやディレイをかけて輪郭を強調する手法を取っています。
また、セッションやスタジオレコーディングでは「Fender Twin Reverb」も使用された可能性があります。これはクリーンかつ柔らかいトーンを活かした楽曲(例:「MEMORY」など)において、一部インタビューでも言及されており、BOØWY後期や解散後の機材移行期に確認されています。
他にも本人がプロファイルして使用していたという情報が残る「Bogner Ecstasy」や「Soldano SLO-100」などの高出力アンプに関しては、BOØWY解散後〜ソロ初期のものであるため、本記事ではBOØWY期の再現という観点からは補足情報とします。
アンプのセッティング傾向としては、ベースをやや下げ目、プレゼンスとミドルを上げて、コンパクトエフェクターのキャラクターが前に出るよう調整されていたようです。音圧よりも「抜けの良さ」と「ディレイとの相性」が布袋のサウンドにおけるキーワードであると言えるでしょう。
使用ギターの種類と特徴【BOØWY・布袋寅泰】

布袋寅泰のBOØWY期のギターといえば、誰もが真っ先に思い浮かべるのが「白黒の幾何学模様(ギターグラフィック)」を施した通称「布袋モデル」でしょう。
これはFernandes(フェルナンデス)製の「TEJ-70HT」がベースとなっており、実際にライブ映像やプロモーションビデオで本人が使用している姿が数多く確認できます。
特にこのモデルは、独自のボディシェイプと鋭いアタック感、そして歯切れの良いトーンが特徴で、布袋のカッティングスタイルと非常に高い親和性を持っています。
実はこの幾何学模様のデザイン、本人がマジックペンで書き込んだのが始まりとも言われており、そこからシグネイチャーモデルが量産されることになります。まさに布袋サウンドとビジュアルの象徴的な存在です。
使用ピックアップには、初期はFERNANDESオリジナルのシングル+ハムバッカー構成が使われており、リアポジションのハムバッカーにより芯のある太いサウンドを確保しています。フロントシングルではディレイやコーラスとの相性も抜群で、独特の浮遊感を演出することが可能です。
また、ライブやPVによっては、他にも以下のギターが使用されていた形跡があります:
- Fender Telecaster(カスタムタイプ):PV『BAD FEELING』に登場。鋭く切れ味のあるトーンが特徴。
- Greco SS600:BOØWY初期に使用されていたとされるレスポールスペシャルタイプ。
- FERNANDES ZO-3:遊び心での使用もあり、ライブでは一部の楽曲で登場。
また、BOØWY解散直前には、本人がプロトタイプとして試していた「TEJ-CUSTOM」の存在も確認されており、これは現代におけるBurny HOTEIモデル(FR Custom)などの原型となっています。
布袋のギター選びには、「音質」よりも「ステージでの説得力」や「視覚的インパクト」といった美学が強く反映されており、楽曲とのマッチングも考えたトータルデザインが徹底されています。
BOØWY期のギターセッティングでは、ミドル寄りのEQに合わせたチューニングがなされ、ピッキングの強弱での表現が生きるようなセッティングが多かったとされています。クリーン時のカッティングでも輪郭がしっかり出るように、PUバランスやボリューム操作も多用していたとのこと。
特に「ONLY YOU」や「LONGER THAN FOREVER」といったバラードでは、布袋のギターは単なる伴奏ではなく、楽曲の感情を引き立てる語り部のような役割を果たしています。その要素の根幹にあるのが、個性的でありながらも非常に機能的なギター選びに他なりません。
使用エフェクターとボード構成【BOØWY・布袋寅泰】
布袋寅泰のBOØWY期におけるエフェクターボード構成は、派手さよりも「実用性」と「即応性」を重視した非常にシンプルかつ洗練されたものでした。
その中でも特に重要な役割を果たしていたのが、空間系エフェクター、そしてダイナミクス系の2カテゴリです。布袋サウンドの最大の個性である「タイトで抜けの良いクリーントーン」と「トリッキーなディレイ処理」は、まさにこのエフェクターボードの構成に支えられていたと言えるでしょう。
まず必須とも言えるのがBOSSの「DD-2 Digital Delay」。これは日本製コンパクトディレイの先駆けで、80年代中盤に登場。布袋はこのモデルを多用しており、ディレイタイムを「1/8音符」や「3連符」など曲に合わせて緻密に設定し、リズムと完全に同期したディレイを生み出していました。
特に「ONLY YOU」や「B・BLUE」といった中期〜後期BOØWYの楽曲では、このDD-2の空間処理がサウンドの深みと立体感に大きく寄与しています。
もう1つ重要な要素が「コンプレッサー」です。BOSSの「CS-2 Compressor Sustainer」は、布袋がクリーンカッティング時に使用していたモデルとして知られており、カッティングの粒立ちと音の安定感を出すための必須アイテムとなっていました。
さらに、布袋のギターソロや歪みパートでは「OD-1 OverDrive」や「DS-1 Distortion」といったクラシックなBOSS歪み系が活躍していました。これらのエフェクターは、JC-120のクリーンな基音にうまく乗るようなセッティングで、歪ませすぎずトーンに芯を与える役割を果たしています。
「BAD FEELING」や「NO.NEW YORK」といったアグレッシブな楽曲では、DS-1の切れ味鋭いディストーションが、布袋の鋭いピッキングと相まって唯一無二のサウンドを構築しています。
モジュレーション系では、「CE-2 Chorus」や「BF-2 Flanger」も導入されていたとされ、布袋の使用するRoland JC-120のステレオコーラスと組み合わせることで、幻想的な広がりを持たせたプレイも可能にしていました。
また、一部の映像やライブ写真では「Wah(Cry Baby系)」ペダルの使用も確認されており、これは主に「IMAGE DOWN」やインストパートなどでのフィルイン的な活用が見られます。
近年では布袋本人のSNSやインタビューで「Providence」「Free The Tone」など、現代的なスイッチャー/電源周りの使用が明かされていますが、BOØWY期ではあくまでBOSS系コンパクトが中心で、シンプルながら効果的なボード構成が基本でした。
布袋のエフェクトセッティングは「効果を意識させないナチュラルな処理」を目指していたことが多く、エフェクトのかけ過ぎを避け、リズムギターとしての役割を強く意識した音作りが徹底されていました。
全体として、「エフェクトで色づけするのではなく、楽曲とプレイで世界観を構築する」というプロフェッショナルな姿勢が随所に感じられる構成となっています。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
DD-2 | BOSS | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | ディレイ | ディレイタイムを細かく調整してリズムと同期。布袋サウンドの核心 |
CS-2 | BOSS | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | コンプレッサー | クリーンカッティング時の粒立ちとサステインをコントロール |
OD-1 | BOSS | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | オーバードライブ | 軽い歪みで音に芯を与える。リードプレイで使用 |
DS-1 | BOSS | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | ディストーション | 鋭いアタックと明瞭な歪み。「BAD FEELING」などで使用 |
CE-2 | BOSS | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | コーラス | JC-120と併用し、空間系の広がりを強調。バラードに多用 |
BF-2 | BOSS | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | フランジャー | 一部楽曲で使用。浮遊感と空間の広がりを付加 |
Cry Baby | Dunlop | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | ワウペダル | フィルインやソロ時に使用。ファンキーなニュアンスを付加 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【BOØWY・布袋寅泰】

布袋寅泰のBOØWY期の音作りは、「タイトでエッジの効いたカッティング」「残響の美学」「全体ミックスとのバランス」が柱となっています。
とりわけ、アンプセッティングやEQ調整においては、個性的なディレイプレイを引き立たせるための緻密な設計が施されており、単なる歪みや派手な効果ではなく、“バンドサウンドにおける空間のコントロール”という視点で構築されていました。
まずアンプ側の基本セッティングですが、Roland JC-120を使用する場合は以下が基本値と言われています:
- Bass: 3〜4(控えめ)
- Middle: 6〜7(押し出し強め)
- Treble: 6
- Reverb: 2〜3
- Chorus: ON(DEPTH 5、RATE 3前後)
このように、布袋はミドル〜ハイの帯域を活かして「キレのある音抜け」を重視していました。Bassを抑えることで、ドラムやベースと住み分けをはっきりさせつつ、ギターが高域で“踊る”ようなトーンを得るのが狙いです。
Marshall JCM800を使う場合の歪みセッティングでは、プリゲイン6〜7、マスター3〜4程度。特にプレゼンスを上げすぎないことで、耳に刺さる高域をコントロールしつつ、中域の密度感でパワーコードに“芯”を出していました。
また、BOØWYの楽曲において布袋が意識していたのは「ディレイとリズムの完全同期」です。BOSS DD-2を使って、曲のBPMに対して1/8ディレイや3連ディレイを正確に設定し、ギターのリフに「もう1本の影を重ねる」ような効果を加えていました。
代表的な例が「ONLY YOU」のイントロ。ピッキングとディレイのリズムが完全に一致することで、浮遊感と立体感が生まれています。これは単に機械的にエフェクトをかけるのではなく、プレイヤーとしてのリズムコントロール能力と機材の理解がなければ成立しない手法です。
EQにおいては、レコーディング時に100Hz以下のローエンドはバッサリとカット。ローエンドをあえて整理することで、ドラム・ベースとの被りを防ぎ、全体の抜け感を確保していました。
さらに、ブーストポイントとしては3kHz付近と6kHz前後をわずかに持ち上げ、布袋独特の「カッティングのアタック感」や「シャリッとしたエッジ」を強調する処理が行われていました。
これは特に「BAD FEELING」や「NO.NEW YORK」のようなパンク/ロック系ナンバーに顕著で、リードギターとして前に出るのではなく、リズムの一部としてギターを混ぜ込むためのEQ戦略でした。
空間系処理では、リバーブはJC-120の内蔵スプリングを使うことが多く、あくまで軽く補助的な扱い。むしろメインは「ディレイ」であり、そのセッティングが布袋サウンドの肝であると言っても過言ではありません。
Pro Toolsなどでの後処理では、ギターのダブリングを行わず、モノラルソース1本で勝負するケースが多かったともされます。これは、布袋のギタートーンが単体で十分に「完成されている」ため、音の輪郭をぼかすような処理をあえて避けていたと考えられます。
また、曲ごとにコンプの強さやEQカーブを変化させ、以下のようなアプローチをとっていました:
- 「ONLY YOU」「LONGER THAN FOREVER」: やや高域ブースト、ディレイ深め、コーラス強調
- 「BAD FEELING」「WORKING MAN」: ミッド強調、歪み増強、コンプ軽め
- 「CLOUDY HEART」: 中域控えめ、リバーブ多め、アタック抑え気味
ステレオミックスにおいては、布袋のギターはL/Rどちらかにフルパンされることが多く、ボーカルやキーボードのクリアレンジとぶつからないように配置されていました。
ライブでは、布袋自身がワイヤレス+エフェクター直結でPA卓まで送り、PAエンジニア側でディレイ処理を担う場合もあったとされており、ステージ側・PA側の双方で「布袋らしい音」を共同構築していたことがわかります。
最終的に、布袋寅泰の音作りにおける本質は「目立つ音」ではなく「全体に活きる音」。ソロギターとしてではなく、1つのパーカッションのようにリズムへ貢献し、空間を操るミニマルなアートとも言えるプレイスタイルです。
比較的安価に音を近づける機材【BOØWY・布袋寅泰】
布袋寅泰のBOØWY期サウンドは、機材そのものよりも「セッティングと使い方」によって完成されている部分が大きく、比較的安価な機材でもしっかりポイントを押さえれば、かなり近いトーンを得ることが可能です。
ここでは、初心者でも手が届きやすい価格帯(1万円〜5万円程度)で、「布袋サウンド再現」に適した機材をカテゴリ別に紹介します。いずれもAmazonで市販されている定番モデルを中心にピックアップしています。
■ アンプ部門
もっとも布袋サウンドの土台を担っていたのが「Roland JC-120」です。これの廉価版である「Roland JC-22」は、そのクリーンとステレオコーラスを継承しつつ、サイズも小さく家庭用に最適。コンパクトで扱いやすく、布袋のアルペジオやカッティングの練習に非常に向いています。
また、より多機能でコストパフォーマンスに優れる選択肢として「BOSS Katana-50 MkII」もオススメです。マーシャル系サウンドはもちろん、JC-120風のクリーンチャンネルも内蔵されており、空間系やオーバードライブもプリセットで再現可能です。
■ ギター部門
見た目でも布袋モデルに近づけたいなら、「FERNANDES TEJ HOTEIモデル(Burny製含む)」の入門機が断然おすすめです。Amazonや中古市場では4〜5万円台でも入手でき、布袋サウンド特有の「硬質で輪郭のある音」に非常に近い質感を得ることができます。
もしより汎用性の高いモデルを探すなら「Squier Classic Vibe Telecaster」が優秀。Fender Telecasterの雰囲気を再現しつつ、シングルコイルのキレと抜け感が布袋のカッティングと相性抜群です。特に「BAD FEELING」のような硬派なプレイには最適です。
■ エフェクター部門
ディレイ部門のおすすめは、BOSS「DD-3T」です。これはかつてのDD-2〜DD-3を踏襲した現行モデルで、テンポタップ機能が追加されているため、布袋のような「リズム同期ディレイ」が簡単に実現できます。
コンプレッサーには、現行モデル「CS-3」を。かつて布袋が使用していた「CS-2」の後継で、若干現代的なセッティングになっていますが、粒立ちやカッティングのアタック補強という目的では同様に効果を発揮します。
オーバードライブでは「SD-1」が秀逸です。これはOD-1の系譜を継いだBOSSの現行スタンダードで、布袋が使っていたOD-1のキャラクターを継承しつつ、価格帯も抑えめです。程よい中域ブーストが「ギターの芯」を作るには最適です。
さらに、マルチエフェクターとして「ZOOM G2 Four」も紹介しておきます。1〜2万円台ながら、JC-120やOD-1、DD-3、CE-2などのエフェクトモデリングがすべて収録されており、1台で布袋サウンドを構築できます。練習・自宅録音に最適な選択肢です。
これらの組み合わせにより、アンプ直でも「布袋らしさ」を感じさせるプレイ感が出てきます。重要なのは、“音の密度”ではなく“抜けと配置”という視点です。
布袋のように「弾かないところ」「鳴らさない隙間」を美学とした音作りを意識すれば、安価な機材でも十分に「らしい音」が出せるはずです。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
アンプ | JC-22 | Roland | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | JC-120のコンパクト版。クリーンとコーラスが布袋サウンドに最適 |
アンプ | Katana-50 MkII | BOSS | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | モデリング対応で幅広い音作りが可能。ディレイやODも内蔵 |
ギター | TEJ HOTEIモデル | FERNANDES | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | 幾何学模様で視覚的にも再現性高い。硬質なカッティング向き |
ギター | Classic Vibe Telecaster | Squier | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | テレキャスター系の抜ける音質。コストパフォーマンス◎ |
ディレイ | DD-3T | BOSS | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | テンポ同期可能な現行版ディレイ。布袋式ディレイに最適 |
コンプレッサー | CS-3 | BOSS | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | CS-2の現行版。カッティングやアルペジオの粒立ち向上 |
オーバードライブ | SD-1 | BOSS | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | OD-1直系のナチュラルOD。ギターの芯を出すには最適 |
マルチエフェクター | G2 Four | ZOOM | 検索する | BOØWY | 布袋寅泰 | 布袋系の主要エフェクトを1台で再現。練習にもレコーディングにも◎ |
総括まとめ【BOØWY・布袋寅泰】

布袋寅泰のBOØWY期のサウンドを振り返ってみると、その本質は「音数の少なさ」ではなく、「情報量の密度」にあります。
彼は1音1音に明確な意味と役割を与えることができる数少ないギタリストの一人であり、それを支えているのが、ディレイやコンプレッサー、独自のピッキングニュアンスといった“緻密なコントロール”です。
布袋の音作りは、決して「歪ませて勢いで弾く」タイプではなく、「音の間を活かす」「リズムと空間を設計する」という、非常にアーキテクチャ的な思考に基づいています。つまり、彼のギタープレイは「建築」のように計算された美しさを持っているのです。
そのため、彼のサウンドを再現しようとするときに大切なのは、「何を使うか」よりも「どう鳴らすか」。ピッキングの角度や位置、ボリュームコントロール、タッチのニュアンスに至るまで、自身の指先が“音作りの起点”であるという意識を持つことが求められます。
また、布袋は非常に「ミックス的視点」を持ったギタリストでもあります。自分の音が全体の中でどう機能するか、ボーカルの邪魔をしていないか、ベースやドラムとぶつかっていないか。こういった意識が自然と備わっているからこそ、あの「抜けるのにうるさくないギター」が成立するのです。
BOØWYの音楽におけるギターは、単なるリフやコードワークではなく、「楽曲そのものの構造の一部」であり、布袋はその構造設計者として、サウンドに緊張感と美学を持ち込んだ存在でした。
だからこそ、彼のプレイはいつの時代も色褪せず、聴く者を惹きつけ、演奏する者に「何か」を気づかせるのです。
布袋サウンドを再現するにあたっては、高価なシグネイチャーモデルやフルスペックのボードを揃えるよりも、むしろ「耳を鍛え、自分のピッキングを見直す」ことのほうが圧倒的に重要です。
そして、クリーン~クランチの設定においては「抜ける中域」「リズムとのシンクロ」「空間処理のバランス」を意識するだけで、ギターがアンサンブルの中でまるで布袋のような存在感を発揮することが可能になります。
布袋寅泰のような“音を削ぎ落とすギタリスト”になるには、機材の数を減らし、自分のタッチと耳を信じる勇気が必要です。
この総まとめを通じて、あなた自身の布袋サウンド構築がより深いレベルへと到達するきっかけになれば幸いです。
「派手なエフェクトではなく、タイトな間を制する」── それこそが布袋寅泰の真髄であり、BOØWYという伝説を支えた“音作りの哲学”なのです。
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