【Gary Holt(ゲイリー・ホルト)・Exodus(エクソダス)】風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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① 始めに(特徴紹介)

Exodus(エクソダス)のGary Holt(ゲイリー・ホルト)の音って、一言でいうと「前に飛び出すミッド」と「切れ味のいい右手」で、スラッシュの”刃物感”をそのままアンプから吐き出すタイプです。ピッキングの粒立ちがハッキリしていて、16分の刻みでも輪郭が潰れにくい。いわゆるベイエリア・スラッシュの伝統(鋭いミッド、締まったロー、耳に刺さりすぎないハイ)を、現代の現場で使える形にアップデートしてる印象ですね。

代表曲でイメージを掴むなら、リフが”ノコギリ”みたいに進む曲(例:速いダウンピッキングが続くパート)で、ギターがベースやキックとぶつからず、それでいて存在感が消えないところに注目すると分かりやすいです。ミッドが強いのに、モコつかない。これはEQだけじゃなくて「ブーストの当て方」「ゲート(ノイズ処理)」「ピッキングの角度」といった、全体の設計で作られている音です。

あと、Garyは”機材の魔法”というより「いつでも同じ破壊力を出すための現場仕様」に寄せるタイプ。つまり、スタジオの一発勝負でも、ツアーの連戦でも、同じキャラクターを出すための道具立てになっています。だから再現するときも、音色の真似だけじゃなく「どうやって安定させてるか」を真似すると近づきます。

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②使用アンプ一覧と特徴【Exodus・Gary Holt】

Gary Holtのアンプ周りは、伝統的なMarshallのスラッシュ基盤を持ちつつ、時期や現場に合わせて「真空管の鉄板」と「モデリングの安定性」を使い分けてきた流れが見えます。初期~王道ラインとして語られるのがMarshall JCM800。スラッシュの”硬い芯”を作るのに、これ以上分かりやすい母体はないです。JCM800系はローがだらけにくく、ピッキングのアタックがそのまま歪みに変換されるので、刻みの粒が立ちやすい。Garyのリフが「速いのに聴き取れる」方向に寄るのは、こういうベースがある前提だと思ってOKです。

一方で近年の文脈だと、Marshall Silver Jubilee(2555系)も重要。JCM800よりも中域の押し出しが強く、太さと艶が出やすいので、現代ミックスでもギターが埋もれにくい。硬すぎないけど、緩くない。この”ちょうどいい凶器感”が、Exodusの現行サウンド(アルバムや近年のライブ)に合います。ここにブーストを足すと、ローが締まり、ミッドが前に寄って、まさに「パンチで顔面を殴る」系のトーンになります。

さらに、ENGL Savage 120やPeavey Triple XXXのようなハイゲインヘッドも文脈に出てきます。ENGLはタイトで、特に速いリフの輪郭が崩れにくいのが強み。Triple XXXはより荒々しいアメリカンハイゲインの押し出しで、ミッドの当たり方が派手になりやすい。Garyのキャラクター(ミッドで切る)と相性が良いので、「時期や現場で使われていても不思議じゃない」ラインです。

そしてツアー現場での安定性という意味で、Kemper Profiler Rackのようなプロファイラーが重要になります。ライブ連戦で”毎回同じ音”を出すには、会場差・運搬差・メンテ差を減らせるのが強い。Garyは基本的に1つのメインサウンドを軸にしやすいタイプなので、プロファイル運用と相性が良いです。バックアップとしてMarshall DSL100Hのような現行ヘッドを用意する発想も、現場ではかなり現実的です。

ただし、ここまでの構成は「時期・ツアー・レコーディングで揺れがある」前提で捉えるのが安全です。JCM800やJubileeのような核がありつつ、ENGL/Peavey/Kemperなどが用途で入れ替わってきた、という理解が一番ズレにくい。つまり、あなたの再現としては”核(Marshall系のミッド)+ブースト+ノイズ管理”を中心に組むのが近道で、と、想定されます。

機材名 メーカー Amazon メルカリ 備考
JCM800 2203 Marshall 検索 検索 スラッシュの核になりやすい”硬い芯”。刻みの粒立ちを作りやすく、ブースト前提でローが締まる。初期~伝統的なGaryの母体として語られる定番。
Silver Jubilee 2555X Marshall 検索 検索 中域の押し出しと太さが出やすいMarshall。現代ミックスでもギターの存在感が残りやすく、近年のメイン候補として語られがち。
Savage 120 ENGL 検索 検索 タイトで輪郭が崩れにくいハイゲイン。速い刻みでも分離が良く、スラッシュ適性が高い。レコーディング文脈でも名前が挙がりやすい。
Triple XXX Peavey 検索 検索 荒々しい押し出しのハイゲイン。ブーストと組むとローが締まり、ミッドの”噛み”を出しやすい。過去のライブ運用で語られることが多い。
Profiler Rack Kemper 検索 検索 ツアーでの再現性・安定性を取りに行く選択肢。Marshall系の”核”をプロファイルして、会場差を減らす運用がしやすい。
DSL100H Marshall 検索 検索 バックアップ/代替として成立しやすい現行ヘッド。Marshall系の方向性を崩さずに現場対応しやすいので”あり得る選択”として押さえたい。

③使用ギターの種類と特徴【Exodus・Gary Holt】

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Gary Holtのギターは、見た目の攻撃性と実戦スペックが直結していて分かりやすいです。メインとして語られるのが、ESP / LTDのシグネチャーモデル群。代表的にはESP/LTD Gary Holt Signature Models(GH-600 / GH-SV / GH-200)で、Eclipse系のシングルカットと、Vシェイプが軸になります。ここで大事なのは「ピックアップ構成がほぼ答え」になっている点。EMG 81(ブリッジ)とEMG 89R(ネック)のセットで、スラッシュに必要な”速い立ち上がり”と”ローの締まり”を最初から取りにいけます。カラーが赤いのも特徴で、見た目も含めて”Garyの顔”みたいな仕様ですね。

ブリッジはFloyd Rose(1000 SeriesまたはOriginal)搭載が基本線。スラッシュでFloyd?と思う人もいますが、Garyの場合はアーミング表現というより「過酷なライブ運用での安定」と「チューニングの管理」の意味が大きい。ハードウェアもFU-Toneのチタンパーツやスプリング、Grover製ペグ等にアップグレードされていると言われ、実戦の”壊れにくさ”を優先している方向性が読み取れます。

弦はDunlop Heavy Coreのカスタムゲージ(.010-.050)や、Von Frankenstein Monster Gear(.009-.052等)とされ、ここも「ローを落としてもテンションを維持して、刻みの芯を残す」狙いが見えます。スラッシュは手元がルーズになると一瞬で音が崩れるので、弦ゲージ設計はかなり重要です。

サブやレコーディング用途として、Yamaha SBGシリーズ(情報としてはSBG-3000、または近いSBG系)が挙がることがあります。Persona Non Grata期の録音で使ったという文脈で語られやすく、シグネチャーとは違う質感(木の太さ、ミッドの密度)を狙う用途として筋が通ります。さらにESP Strat(Scalloped、12フレット以降スキャロップ)も話題に出ることがあり、これは”速い運指での抜け”や”タッチの差”を作る意図として理解すると納得しやすいです。

まとめると、Garyのギター選びは「EMG+Floydで戦場仕様」「太いミッドを前に出す木材・構造」「弦ゲージで低音の暴れを制御」が柱。時期や現場でモデルは揺れても、設計思想は一貫しているので、ここを掴むと再現が一気に楽になります。なお、細部は時期で変動する可能性があるため、総合するとこうした構成が中心、と、想定されます。

機材名 メーカー Amazon メルカリ ギターの種類 備考
GH-600 (Eclipse style) ESP / LTD 検索 検索 シングルカット EMG 81(ブリッジ)/ EMG 89R(ネック)赤カバーが特徴。Floyd Rose搭載の戦闘仕様で、Exodus/Slayer文脈の”鉄板”として語られやすい。
GH-SV ESP / LTD 検索 検索 Vシェイプ シグネチャーV。見た目の攻撃性だけでなく、ハイポジションのアクセスやライブでの存在感も含めて”Garyっぽさ”が出る枠。
GH-200 ESP / LTD 検索 検索 シングルカット 入手性のある価格帯で”方向性”を掴みやすい。完全一致ではなくても、EMG系のアタック感と相性が良く、再現用として筋が良い。
Yamaha SBG-3000 Yamaha 検索 検索 シングルカット Persona Non Grata期の録音で使ったという文脈で語られやすい”別キャラ枠”。情報はSBG系で揺れがあるため、近いSBGモデルも含めて要確認。
ESP Strat (Scalloped, 12F+) ESP 検索 検索 STタイプ 12フレット以降スキャロップ加工。速い運指の抜けやタッチ差を出す用途として理解すると筋が通る(確定情報は時期で変動し得る)。
Floyd Rose (Original / 1000 Series) Floyd Rose 検索 検索 ブリッジ GHシリーズの要素として重要。アーミングよりも”ライブでの安定運用・チューニング管理”の意味が大きい。
EMG 81 EMG 検索 検索 ピックアップ ブリッジの定番。速い立ち上がりとローの締まりで、刻みの粒立ちが作りやすい。Garyの”刃物感”に直結する要素。
EMG 89R EMG 検索 検索 ピックアップ ネック側の表現力と実用性を確保。ソロやフレーズで”太いのに抜ける”方向に寄せやすい(仕様はモデルや年で差があり得る)。
Dunlop Heavy Core Strings (.010-.050) Dunlop 検索 検索 低音の暴れを抑えてテンションを維持し、刻みの芯を残す狙い。スラッシュ再現で”実は超重要”な要素。
Von Frankenstein Monster Gear Strings (.009-.052等) Von Frankenstein Monster Gear 検索 検索 ゲージ運用に幅を持たせる選択肢として言及されやすい。チューニングや曲でテンション感を調整する発想に合う。

④使用エフェクターとボード構成【Exodus・Gary Holt】

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Gary Holtのエフェクト周りは、「歪みはアンプ(またはプロファイル)で作る」「ペダルは前段のブーストと現場対応に集中」というスラッシュ系の王道を踏みつつ、本人が”ペダル好き”と言われるだけあって実戦的な選択が多いです。まず外せないのがオーバードライブ/ブースト枠。Boss SD-1は、Marshall系の入力を押してローを締め、ミッドを前に出すのに向いています。Tube Screamer系(Ibanez TS808/TS9、Maxon OD808など)も同じ文脈で、ゲインを上げるというより「アンプの歪みを整形して、ピッキングの輪郭を立てる」用途が中心になります。

Gary Holt Mid Boost(Pro Toneのシグネチャー・ブースト)は、まさに彼の”ミッドで切る”哲学をそのまま装置化したような存在。スラッシュでよくある悩みが「ローを盛るとモコる」「ハイを上げると耳が痛い」「ミッドを抜くと存在感が消える」なんですが、ここをミッドの押し出しで解決する方向。結果として、バンドの中でギターが前に出て、速いリフが聴き取れるようになります。

空間系は、スラッシュだから薄め……と思いきや、ソロでのディレイ/リバーブは”聴かせるための実務”として入ります。TC Electronic Flashback Delayはソロの奥行き作りに向いていて、タイムを曲に合わせれば速いフレーズでも音像が崩れにくい。Hall of Fame Reverbもライブでの質感調整に使いやすく、会場の鳴りが薄いときに”スカスカ感”を埋めるのに便利。Corona Chorusのようなモジュレーションも、常時ONではなく「必要な瞬間だけキャラを変える」用途で入ると考えると、スラッシュの文脈でも自然です。

そして現場で効いてくるのがワイヤレス。Shure GLXD16のようなペダル型ワイヤレスは、ボードに組み込みやすく、トラブルを減らしやすい。ケーブルの取り回しが減るだけで、ステージでの事故率が下がります。Dunlop Wah(Cry Baby系)は、スラッシュ/ハードコア寄りのソロで”声”を作る定番。派手な表現だけじゃなく、ミッド帯のピークを動かして、ソロが前に出るようにする実務的な意味もあります。

まとめると、Garyのボードは「ブーストで芯を作り、空間系でソロを成立させ、ワイヤレス等で現場の再現性を上げる」という構造。細かな機種や並びは時期で変わる可能性があるので、方向性としてはこの設計がベース、と、想定されます。

機材名 メーカー Amazon メルカリ エフェクターの種類 備考
SD-1 Super OverDrive BOSS 検索 検索 オーバードライブ Marshall系の入力を押してローを締め、ミッドを前に出す定番。スラッシュの”刻みの粒立ち”を作る用途に強い。
Tube Screamer TS808 Ibanez 検索 検索 オーバードライブ ゲイン追加より”整形”目的。ローの暴れを抑え、ミッドの芯を前に出してリフが聴こえるようにする。
Tube Screamer TS9 Ibanez 検索 検索 オーバードライブ TS808同様の役割。入手性が良く、Gary系の”ミッドで切る”方向に寄せやすい。
OD808 Maxon 検索 検索 オーバードライブ TS系ブーストの代表。ローを締めてアタックを立てる用途で、スラッシュ再現にそのまま使える。
Gary Holt Mid Boost Pro Tone 検索 検索 ブースター 中域の押し出しでギターを前に出す設計。バンドの中で”速いリフが聴き取れる”方向に寄せやすい。
Flashback Delay TC Electronic 検索 検索 ディレイ ソロで奥行きを作る実務機。ディレイタイムを曲に合わせると速いフレーズでも濁りにくい。
Hall of Fame Reverb TC Electronic 検索 検索 リバーブ 会場の鳴りに合わせて質感を補正しやすい。薄く足すと”スカスカ感”を埋められる。
Corona Chorus TC Electronic 検索 検索 コーラス 常時ではなく”瞬間キャラ変”で効く。クリーンや薄い歪みの場面で広がりを作れる。
GLXD16 Shure 検索 検索 バッファー ペダル型ワイヤレス。ボードに組み込みやすく、現場の再現性・取り回しの安全性が上がる。
Cry Baby Wah Dunlop 検索 検索 ワウペダル ソロの”声”を作る定番。ピークを動かしてミッドの当たり方を変え、前に出す実務効果もある。

⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Exodus・Gary Holt】

Gary Holtっぽさを再現するうえで大事なのは、「歪み量」より「ミッドの設計」と「ローの交通整理」です。スラッシュはつい歪みを増やしたくなるんですが、歪みを増やすほどアタックが丸くなり、速い刻みの情報量が減ります。Garyのリフが”刃物”に聴こえるのは、歪みが多いからではなく、アタックが残っていて、ミッドの芯が前に出ているからです。なので出発点は、アンプ(またはプロファイル)のゲインを「思ったより少し下げる」。そのうえでブースト(SD-1/TS系)を使ってローを締め、アタックを立てる。これが一番ズレにくいです。

具体的なEQの考え方としては、ロー(80Hz以下)は”キックとベースの領域”なのでギターでは深追いしない。ギターのロー感が欲しいなら、100~140Hz付近を薄く足すほうがミックスで安定します。逆に、200~300Hzあたりはモコつきやすいので、ここを軽く削ると刻みが前に出ます。Gary系の”ミッドの噛み”は、だいたい800Hz~1.6kHzあたりに出やすいので、ここを主役にする設計が有効。ハイは上げすぎると耳が痛いので、3~4kHzの刺さりが出る帯域を必要に応じて軽く抑えつつ、存在感は2kHz前後で作る、みたいな発想が扱いやすいです。

EQ設定例(あくまで出発点)を挙げるなら、Marshall系の場合は、Bassは控えめ(2~4)、Middleは高め(6~8)、Trebleは中間(4~6)、Presenceは会場で調整(3~6)。ここにブーストを前段で入れて、ブースト側はDrive最小、Level高め、Toneは中間~やや明るめ。これでローが締まり、ミッドが前に寄って、ピッキングの輪郭が残ります。ENGL/Peavey系のハイゲインの場合は、アンプ側のローが過剰になりやすいので、Bass/Depth系のつまみを絞り、代わりに中域のキャラクターを作るほうがGary方向に寄ります。

曲ごとの使い分けとしては、リフ主体の曲ではディレイ/リバーブは基本薄めかOFFで、ノイズゲート(または入力ノイズ管理)を強めにして”無音部分が黒くなる”ようにするのがスラッシュ的。ソロに入る瞬間だけディレイを足し、必要ならワウでピークを動かして前に出す。この”必要な瞬間だけ盛る”のがライブでも混ざりやすいです。Kemper等のプロファイラー運用なら、リグ自体は1つのメインを中心に、ソロ用にディレイONの同系統リグを用意するだけで現場が回ります(切替が少ないほど事故が減る)。

PA/エンジニア目線の工夫としては、ギターのローを削っても”細く聴こえない”ようにするのがポイントです。スラッシュはドラムが速く、ベースも動くので、ギターがローを抱えるほど全体が濁ります。だからギターはローを捨てる代わりに、ミッドで情報量を稼ぐ。ミックスでよくやるのは、ギターにハイパスを入れて80~100Hzあたりを整理し、200~300Hzの濁りを軽く抑え、1kHz前後で存在感を作る。さらに、ダブルトラックの左右で微妙にEQをズラすと、広がりが出て”壁”になります。

もうひとつ重要なのが、キャビ/IRの選び方。Celestion V30系のようにミッドの山が分かりやすいキャビは、Gary方向に寄せやすい。逆にフラットすぎるIRだと、ミックスでは埋もれやすいので、最初から”ミッドが前に出る箱”を選ぶと勝ちです。ライブでも、V30系の押し出しはスラッシュで安定しやすいです。

結論として、Gary Holtの音作りは「歪みを増やす」じゃなく「歪みを整形して、ミッドを前に出し、ローを交通整理する」。ここを守れば、使用機材が多少違ってもかなり近い場所に着地します。とはいえ細部は時期や現場で変動しうるため、この設計思想が中核、と、想定されます。

⑥比較的安価に音を近づける機材【Exodus・Gary Holt】

Gary Holt(というかベイエリア・スラッシュ)の再現で一番コスパがいいのは、「ブースト」「ノイズ管理」「それっぽいアンプ/モデラー」の3点セットです。ギター本体やアンプを完全一致させるのは沼が深いけど、スラッシュの”聴こえ方”は前段の整形でかなり決まります。ここでは1万円~5万円程度(上限10万円)で、初心者でも扱いやすく、再現性が高いものを中心に組みます。

まずブースト枠。BOSS SD-1は鉄板で、Garyの方向性(ミッドの芯、ローの締まり)に直結します。Driveを絞ってLevelを上げ、Toneを中間に置くだけで「アンプの歪みが引き締まる」のを体感できます。TS系が好きなら、Ibanez TS9やMaxon OD808も同じ役割で使えます。SD-1とTSはキャラクターが少し違うので、”どっちが正しい”というより「あなたのアンプが欲しい帯域を補える方」が正解です。

次にノイズ管理。スラッシュは無音が多いジャンルではないですが、速い刻みほど”弦の余計な鳴り”が音に混ざります。そこでBOSS NS-2のようなノイズリダクションを入れるだけで、音の輪郭が一段上がります。ゲートを強くしすぎるとサステインが死ぬので、目的は「無音を黒くする」より「余計な鳴りを減らして粒立ちを守る」。この発想が重要です。

アンプ/モデラー枠は、現代ならマルチが強い。BOSSのマルチ(GX-100やME-90など)は、スラッシュに必要な”ミッドの押し出し”と”タイトな歪み”を作りやすいです。特にアンプモデル+キャビIR相当の処理ができると、ヘッドホンでもラインでも、それなりに”アルバムっぽい聴こえ方”に寄せられる。さらにSD-1を前段に置くと、Gary方向に一気に寄ります。

もう少し”アンプ感”が欲しいなら、BOSS Katana系も強いです。理由は単純で、ミッドの設計がしやすく、ブーストとの相性が良い。自宅でもライブでも運用できる再現性がある。スラッシュ再現でありがちな「家では良いけどスタジオで埋もれる」を避けやすいのが利点です。

空間系については、TC Electronic Flashbackのようなディレイが1台あると、ソロが一気にそれっぽくなります。スラッシュのソロは速いので、ディレイは深くかけない。300~380msあたりで控えめに、フィードバック少なめ。これだけで”奥行き”が出て、弾いていて気持ちよくなります。リバーブはHall of Fameのような扱いやすいものを薄く足す程度で十分。

ギター側の再現は、最安で寄せるなら「ハムバッカー+ハイゲイン向きPU(できればEMG 81的な方向)」です。ただ、EMGを載せ替えるのは予算が上がりやすいので、最初はアンプ側で作るのが現実的。弦ゲージは意外と効くので、Dunlop Heavy Core系の”やや太め”にするだけでも、刻みの芯が出やすくなります。

結論として、安価再現の勝ち筋は「SD-1(またはTS系)+ノイズ管理+扱いやすいマルチ/アンプ」。ここを揃えると、ギターやピックアップが完全一致じゃなくても”聴こえ方”がGary Holt方向に寄ります。

種類 機材名 メーカー Amazon メルカリ 備考
オーバードライブ SD-1 Super OverDrive BOSS 検索 検索 Gary方向の最短ルート。ローを締めてミッドの芯を前に出し、刻みの粒立ちが出やすい。Drive最小・Level高めが基本。
ノイズリダクション NS-2 Noise Suppressor BOSS 検索 検索 速い刻みで余計な鳴りを減らし、輪郭を守る。スラッシュは”無音が黒いほど強い”ので再現性が上がる。
ギター用マルチエフェクター ME-90 BOSS 検索 検索 アンプ/キャビ相当まで一気に揃えられる。SD-1を前段に置くと”スラッシュの整形”が簡単になり、再現性が高い。
ギター用マルチエフェクター GX-100 BOSS 検索 検索 より深い音作りが可能。ミッドの押し出しとローの整理を作りやすく、Gary系の”前に出る刻み”に寄せやすい。
ディレイ Flashback Delay TC Electronic 検索 検索 ソロの奥行き作りに直結。薄くかけるだけで”それっぽいライブ感”が出て、速いソロでも濁りにくい。
リバーブ Hall of Fame Reverb TC Electronic 検索 検索 会場や宅録の”乾きすぎ”を補正できる。スラッシュは薄く足すだけで十分で、扱いやすい機種が有利。
Heavy Core Strings (.010-.050) Dunlop 検索 検索 低音の暴れを抑えてテンションを維持し、刻みの芯が出る。意外と”音の土台”が変わるのでコスパが高い。

⑦総括まとめ【Exodus・Gary Holt】

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Gary Holtの音作りの本質は、派手な機材の羅列というより「スラッシュの情報量を潰さずに、バンドの中で前に出す設計」にあります。ポイントは3つ。1つ目は、歪みを増やしすぎないこと。刻みの輪郭は、歪みで作るんじゃなくて”歪みの整形”で作る。2つ目は、ミッドを主役にすること。ローを盛ると気持ちいいけど、ミックスでは濁る。だからローは交通整理して、ミッドで殴る。3つ目は、現場の再現性。ツアーでもスタジオでも、同じキャラクターを出すために、ブースト・ノイズ管理・(必要なら)モデラーを使って”毎回同じ凶器”にする。

機材でいえば、ESP/LTDのシグネチャーに代表される「EMG 81/89R+Floyd」という戦闘仕様は、Garyの音を支える合理そのものです。アンプ側も、JCM800やSilver Jubileeのような”ミッドが前に出るMarshall系”が核になりやすい。そこにSD-1やTS系で前段ブーストを足すと、ローが締まり、アタックが立ち、速いリフが聴き取れる。これがExodusっぽさの正体です。

再現したい人がやりがちな落とし穴は、「歪みと低音を足して迫力を出す」こと。これは単体では気持ちいいんですが、バンドで鳴らすと一気に埋もれます。Garyの音は”迫力”をローで作ってない。ミッドの密度と、アタックの情報量で迫力を作ってる。ここを理解した瞬間、機材選びが一気にシンプルになります。

なので読者への結論としては、まずSD-1(またはTS系)でブーストを作り、アンプ/モデラーのゲインを少し下げ、ミッドを前に出し、ローを整理する。ノイズ管理を加えて”無音を黒く”する。ソロはディレイを薄く足す。これだけで、あなたの手元の機材でもGary Holt方向の”刃物感”に近づけます。時期や現場で機材は揺れても、設計思想は一貫しているので、この考え方で組むのが最短ルートで、と、想定されます。

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