【Tosin Abasi(トシン・アバシ)・Animals as Leaders(アニマルズ・アズ・リーダーズ)】風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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① 始めに(特徴紹介)

現代のギター・ミュージックにおいて、最も革新的で「異次元」なサウンドを奏でる一人と言えば、Animals as Leaders(アニマルズ・アズ・リーダーズ)のTosin Abasi(トシン・アバシ)でしょう。
彼のスタイルは、プログレッシブ・メタルやジェント(Djent)という枠組みを軽々と超え、ジャズ、フュージョン、エレクトロニカを融合させた、極めてテクニカルで知的なサウンドが特徴です。

トシンの音作りを語る上で欠かせないのが、8弦ギターという多弦楽器を駆使した圧倒的なレンジの広さです。
超低音域でのパーカッシブな「サムピング(親指弾き)」や「セレクト・ピッキング」、そして透明感あふれるクリーン・トーンに、深いリバーブを伴ったアンビエントな響き。
これらが複雑に絡み合い、まるでピアノやシンセサイザーのような多層的な音像を作り出しています。

なぜ彼の音がこれほどまでに世界中のギタリストを魅了するのか。
それは、歪んでいながらも驚異的な解像度を持つドライブ・サウンドと、指先のタッチを繊細に反映するダイナミック・レンジの広さにあります。
単なる「重たい音」ではなく、一音一音が結晶のようにクリアなトシン・サウンドの秘密を、愛用機材から紐解いていきましょう。

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②使用アンプ一覧と特徴【Animals as Leaders・Tosin Abasi】

Tosin Abasiのアンプ選びは、彼のプレイスタイルの進化と共にデジタルとアナログの両極を極めています。
初期から中期にかけては、Mesa/BoogieのRectifierシリーズを愛用しており、特にTriple Rectifierをあえて「クリーン・セッティング」で使用し、足元のエフェクターでメインの歪みを作る手法を好んでいました。
これは、多弦ギターの低音が潰れないよう、アンプ側で高いヘッドルームを確保するためです。

近年では、よりポータブルかつ再現性の高いシステムとしてKemperやFractal Audioといったハイエンド・プロファイラーをライブの主軸に据えています。
しかし、一方でBad Cat LynxやJet Black、Morgan Ampといった高品質な真空管アンプを使用したステレオリグも構築しており、デジタルの利便性とアナログの奥行きを共存させています。
特にBad CatのLynxは鋭いハイゲインを、Jet Blackは透き通るようなクリーンとトレモロを担当し、彼の立体的なサウンドスケープの核となっています。

また、自らのサウンドを完璧にパッケージ化した「Neural DSP Archetype: Abasi」は、今やトシン・サウンドを目指す全ギタリストのバイブルとなっています。
デジタル環境ではこのプラグインを、実機環境ではSeymour Duncan Powerstage 700のような色付けのないパワーアンプを使用することで、どこでも「アバシ・トーン」を再現できる体制を整えています。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
Bad Cat Lynx Bad Cat 検索 検索 検索 検索 検索 検索 近年のメインハイゲインアンプ。ステレオリグの片翼。
Bad Cat Jet Black Bad Cat 検索 検索 検索 検索 検索 検索 クリーンおよびトレモロ担当。来日公演でも使用。
Mesa Boogie Triple Rectifier Mesa Boogie 検索 検索 検索 検索 検索 検索 クリーン設定で使用し、エフェクターで歪みを作る土台として。
Kemper Profiling Amplifier Kemper 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ツアーでの利便性を追求したメインシミュレーター。
Neural DSP Archetype: Abasi Neural DSP 検索 検索 検索 検索 検索 検索 本人の音そのものを再現するシグネチャープラグイン。

最新のライブシーンでは、デジタルプラグインの利便性とBad Cat等のハイエンドブティックアンプの質感を組み合わせたハイブリッドな構築が行われていると想定されます。

③使用ギターの種類と特徴【Animals as Leaders・Tosin Abasi】

Tosin Abasiは、単なるギタリストというだけでなく、ギターデザインの革命児でもあります。
彼のキャリアの初期を支えたのはIbanezの多弦モデルで、シグネチャーモデルであるTAM100はDjentシーンを象徴する一本でした。
しかし、彼はさらなる理想を求め、自身のブランド「Abasi Concepts」を立ち上げます。

現在、彼のメイン機はAbasi Conceptsの「Larada 8」です。
このギターはエルゴノミクス(人間工学)に基づいた独特な形状を持ち、マルチスケール(ファンドフレット)を採用することで、8弦という多弦構成でも全弦で適切なテンション感を確保しています。
ピックアップにはFishman Fluenceのシグネチャーモデルが搭載されており、クリスタルのようなクリーンから、濁りのないハイゲインまで、3つのボイスを瞬時に切り替えて使用しています。

また、近年の特筆すべきトピックとして、Ernie Ball Music Manと共同開発した「Kaizen」の登場があります。
これも7弦または8弦モデルが存在し、トシンの求める最新のプレイアビリティが凝縮されています。
彼はギターの素材にも妥協がなく、新素材「アリウム」を用いたAristides 080や、独創的なRick Toone製ギターなど、常に新しいトーンの可能性を追求し続けています。
弦ゲージに関しては、8弦の最低音に.074を使用するのが彼の基本ですが、楽曲やチューニングによってはさらに太い.084を選択することもあり、あの凄まじい低音のタイトさを支えています。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス ギターの種類 備考
Larada 8 Abasi Concepts 検索 検索 検索 検索 検索 検索 8弦エレキギター 現在の不動のメイン機。Fishman Fluence搭載。
Kaizen 7/8 Ernie Ball Music Man 検索 検索 検索 検索 検索 検索 多弦エレキギター トシンと共同開発された最新鋭の意欲作。
TAM100 Ibanez 検索 検索 検索 検索 検索 検索 8弦エレキギター かつてのメイン機。シグネチャーモデルの原点。
080 Aristides 検索 検索 検索 検索 検索 検索 8弦エレキギター 人工素材アリウムによる圧倒的なサスティーンが特徴。

現在は自社ブランドAbasi Conceptsの Laradaシリーズを中核としつつ、楽曲のカラーに合わせてKaizenやAristidesを使い分けるスタイルが定着していると想定されます。

④使用エフェクターとボード構成【Animals as Leaders・Tosin Abasi】

トシンのボード構成は、複雑な楽曲展開をワンアクションでコントロールするためのBOSS ES-8を中心としたシステムです。
彼の音作りの「核」となる歪みは、自社ブランドのPathosや、Horizon DevicesのPrecision Drive、そしてWamplerのDual Fusionなどが担っています。
特にPrecision Driveは、Djent特有の「タイトな低域」と「アタックの強調」を両立するために不可欠なツールです。

また、彼の代名詞である美しいクリーン・アンビエントを支えるのが、StrymonやEventide、MXRのリバーブ・ディレイ群です。
BigSkyやTimelineによる深い残響は、Animals as Leadersの静寂のパートを彩ります。
一方で、パーカッシブな奏法を活かすためにコンプレッサーの使い方も非常に巧妙で、Wampler Ego CompressorやSeymour Duncan Vise Gripを使用し、音の粒立ちを均一に揃えています。
これら膨大な機材を、Fractal Audio Axe-FXやKemperの内部エフェクトと併用し、ライブでは緻密なプリセット管理を行っています。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス エフェクターの種類 備考
Pathos Abasi Concepts 検索 検索 検索 検索 検索 検索 オーバードライブ トシン自身のシグネチャーペダル。アンプライクな歪み。
Precision Drive Horizon Devices 検索 検索 検索 検索 検索 検索 オーバードライブ ゲート機能を備え、低域をタイトに引き締める必須ペダル。
BigSky Strymon 検索 検索 検索 検索 検索 検索 リバーブ 広大な空間を演出するハイエンド・リバーブ。
ES-8 BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 スイッチングシステム ボード全体のコントロールを司る心臓部。

ボード構成は非常に多岐にわたりますが、基本的には「歪み+空間系」をスイッチャーで統合し、デジタルプロセッサーと組み合わせて運用していると想定されます。

⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Animals as Leaders・Tosin Abasi】

Tosin Abasiの音作りにおいて最も重要なのは、**「多弦ギターの低域をどう処理するか」**という点に集約されます。
通常の6弦ギターと同じ感覚で低域(Bass)を上げてしまうと、8弦ギターの超低域はベース(楽器)の帯域と干渉し、音の輪郭が完全に消えてしまいます。
そのため、彼のEQセッティングは「引き算」が基本です。

具体的には、プリアンプの段階で100Hz〜200Hzあたりの「ボワつき」をカットし、逆に4kHz〜6kHzあたりの「アタック成分」を強調します。
これにより、スラップやサムピング時の「カチッ」としたパーカッシブな音が前面に出てきます。
ハイゲイン設定時でも、Gainの値は意外にも控えめで、ピッキングの強弱で歪み量をコントロールできるよう設定されています。
これが、Animals as Leadersの楽曲で見られる「激しいのに透明感がある」サウンドの正体です。

また、ミックス面では、彼のギターはしばしばステレオで広く配置されます。
特にクリーン・トーンでは、ディレイのフィードバックを左右で微妙にずらしたり、コーラスやビブラートを薄くかけることで、音像を横に広げ、中心のベースやドラムとのスペースを確保しています。
さらに、ライブやレコーディングでは「コンプレッサーの多段がけ」も特徴的です。
入力直後で軽くピークを抑え、エフェクトの最後で全体の音圧を整えることで、タッピングやサムピングといった特殊奏法時でも音量が一定に保たれ、リスナーにストレスを与えないプロフェッショナルなミックスを実現しています。
これらは、PAエンジニアと密に連携し、ライブ会場の特性に合わせてKemperやAxe-FXのグローバルEQで微調整を行っていると想定されます。

⑥比較的安価に音を近づける機材【Animals as Leaders・Tosin Abasi】

トシンのような8弦ギターを前提としたサウンドを、安価なシステムで再現するのは容易ではありませんが、近年のデジタル技術の進化により、手が届く範囲でも十分に「アバシ・トーン」のニュアンスを出すことが可能です。

まず、システムの中心としておすすめなのが、**Line 6 POD Go**や**BOSS GX-100**といったマルチエフェクターです。
これらは高品質なアンプモデル(特にMesa/BoogieやFriedman系)を搭載しており、内部のEQやコンプレッサーを駆使することで、トシンの緻密な音作りをシミュレートできます。
特に、低域をカットしてアタックを出すための「パラメトリックEQ」が自由に使えるモデルを選ぶのがポイントです。

コンパクトエフェクターで揃えるなら、歪みの前に**Horizon Devices Precision Drive**(またはそのコピーモデル)を置くのが近道です。
これにより、多弦ギター特有の低域のダルさを解消できます。
また、クリーン・トーンを美しく見せるためには、**TC Electronic Hall of Fame 2**のような「シマー(Shimmer)」リバーブが搭載されたペダルを導入すると、彼の幻想的な世界観に一気に近づけます。
ギター自体も、IbanezのRG8やRGMS8といったエントリークラスの8弦ギターをベースに、ピックアップを後からFishmanに変更するなどの段階的なアップグレードが、最もコストパフォーマンス高く「本物」に近づく方法と言えるでしょう。

種類 機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
マルチエフェクター POD Go Line 6 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ハイエンド機のアルゴリズムを継承し、緻密な音作りが可能。
オーバードライブ Precision Drive Horizon Devices 検索 検索 検索 検索 検索 検索 これ一つでモダンな多弦サウンドの「締まり」が手に入ります。
リバーブ Hall of Fame 2 TC Electronic 検索 検索 検索 検索 検索 検索 安価ながら幻想的なマッシュ機能とシマーを搭載。

⑦総括まとめ【Animals as Leaders・Tosin Abasi】

Tosin Abasiの音作りの本質は、**「伝統的なギターの概念を捨て去り、新しい時代の楽器として8弦ギターを定義し直したこと」**にあります。
彼のサウンドを再現するために必要なのは、単に高価な機材を揃えることではなく、「音の周波数分布をいかにコントロールするか」という冷静な視点です。

多弦ギターという広大な音域を持つ楽器を扱う際、何もしなければ音は濁り、音楽的な響きを失います。
トシンは、自身の指先のテクニック(サムピング、タッピング)を最大限に活かすために、機材側のEQやコンプレッサーを「整形手術」のように精密に設定しています。
この「タイトな低域」と「クリスタルな高域」のコントラストこそが、彼のサウンドを唯一無二にしている特徴です。

読者の皆さんが彼の音を目指すなら、まずは自分の出す音の「不要な帯域」を見つけることから始めてみてください。
そして、クリーンなパートでは思い切り空間を広げ、歪みのパートでは恐れずに低域をカットする。
この大胆なメリハリが、トシン・アバシという巨人の背中を追うための第一歩となるはずです。
技術的にも機材的にもハードルは高いですが、その先にはまだ誰も聴いたことのない新しいギターの地平が広がっています。

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