【Pat Metheny(パット・メセニー)・Pat Metheny Group(パット・メセニー・グループ)】風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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① 始めに(特徴紹介)

ジャズ・ギターという枠組みを大きく超え、コンテンポラリー・ミュージックの金字塔を打ち立てたパット・メセニー。
パットのサウンドは、温かく、太く、そしてどこか幻想的な「メセニー・トーン」として知られています。
その核となるのは、ホロウ・ボディ・ギターのフロント・ピックアップでトーンを絞り込んだ甘い響きと、
Lexicon Prime Time等のデジタル・ディレイによって生成されるステレオ・コーラス効果です。

プレイスタイルにおいては、チャーリー・クリスチャンの影響を感じさせる流麗な単音フレーズ、
オルタード・スケールやクロマチックなアプローチを駆使したメロディアスなアドリブ、
そしてアコースティックギターやギターシンセを使い分けるマルチ奏者としての側面が特徴的です。
「Bright Size Life」での衝撃的なデビューから、Pat Metheny Group(PMG)での壮大なアンサンブルまで、
常に「新しいギターの音」を追求し続けているのがパットの最大の魅力と言えるでしょう。

なぜ彼の音がこれほどまでに注目されるのか。それは、一聴して「パットだ」とわかる独自の音色(ボイシング)にあります。
アンプ2台を左右に配置し、わずかにピッチをずらしたディレイ音を混ぜることで生み出される、
あの奥行きのあるサウンドは、現代のジャズ・ギタリストにとって一つの聖典となっています。
本記事では、長年のメイン機材から最新の2024年ツアー機材までを徹底的に深掘りしていきます。

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②使用アンプ一覧と特徴【Pat Metheny Group・Pat Metheny】

パット・メセニーのアンプ選びの歴史は、特定のトーンへの強いこだわりと、ツアーにおける実用性のバランスで成り立っています。
長年、彼のトーンの代名詞となっていたのは「Acoustic 134」というソリッドステートのコンボアンプです。
真空管を使わないこのアンプが持つ、レスポンスの速さとフラットな特性が、あのダークで太いフルアコの音を支えていました。

近年では、機材のデジタル化と安定性を重視し、Kemper Profiler Power Rackがシステムの中心に鎮座しています。
お気に入りのアンプ(Fender TwinやRoland JC-120等)をプロファイリングし、どこへ行っても「自分の音」を再現できる環境を構築。
また、ステージ上でのモニター環境にも非常に神経を使っており、Yamaha DXR-10やBose L1 Pro32など、
PAスピーカーに近いクリアな再生能力を持つユニットを多用しているのが現代のパット流です。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
Acoustic 134 Combo Amp Acoustic 検索 検索 検索 検索 検索 検索 1970年代〜90年代中期のメイン。唯一無二のクリーン。現在はKemper等と併用。
Kemper Profiler Power Rack Kemper 検索 検索 検索 検索 検索 検索 2016年以降のメイン。自身のAcoustic 134やTwin等をリグとして使用。
Leslie Speaker (Mini Leslie Amp) Leslie 検索 検索 検索 検索 検索 検索 オルガン風サウンドや、持続音のテクスチャ付与のために使用される。
Yamaha DXR-10 Speakers YAMAHA 検索 検索 検索 検索 検索 検索 現在のステージモニターとして使用。フラットな音響特性を重視。

パットのアンプシステムは、単に音を増幅するだけでなく、空間そのものをデザインするツールとして機能しています。
基本的にはKemperを中心に、ステレオ出力とドライ音の3系統をミックスするスタイルが継続されていると、想定されます。

③使用ギターの種類と特徴【Pat Metheny Group・Pat Metheny】

パット・メセニーの代名詞といえば、ガムテープが貼られたGibson ES-175でしたが、現在はIbanezのシグネチャーモデルがメインです。
PM-100やPM-200といったフルアコモデルは、彼が求める「早いパッセージでも音の粒立ちが消えないレスポンス」と「深い低域」を両立しています。
特にPM-100は、ピックアップの位置が通常のフルアコよりブリッジ寄りに配置されており、これがパット特有のアタック感を生む秘訣となっています。

また、パットの音楽性を語る上で欠かせないのが、リンダ・マンザー製の特殊ギター群です。
42弦を持つピカソ・ギターや、バリトン・ナイロンギターなど、通常のギターの概念を超えた楽器を曲ごとに持ち替えます。
さらに、MIDI制御用のPM120 “Axon Guitar”を使い、オーケストリオンやシンセ音源をギターから直接トリガーする手法も近年の彼のスタイルを象徴しています。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス ギターの種類 備考
Ibanez PM-100 Ibanez 検索 検索 検索 検索 検索 検索 フルアコ 長年のメイン。CCピックアップ搭載、特殊弦構成。
Gibson ES-175 Gibson 検索 検索 検索 検索 検索 検索 フルアコ 70〜80年代のメイン。ガムテープでのハウリング対策が有名。
Manzer Picasso 42-String Guitar Linda Manzer 検索 検索 検索 検索 検索 検索 特殊多弦 4つのネックを持つ伝説的楽器。幻想的なアルペジオに使用。
Roland G-303 Roland 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ギターシンセ用 GR-300を鳴らすための専用機。リードシンセサウンドの核。

これら以外にも、2024年登場の廉価版PM3Cから、ヴィンテージのGibson L-5、Fender Mustang、Daniel Slaman製ギターに至るまで、楽曲の色彩に合わせて驚くほど多彩なギターが使い分けられていると、想定されます。

④使用エフェクターとボード構成【Pat Metheny Group・Pat Metheny】

パット・メセニーのエフェクターボードにおいて、最も重要なのは「空間の広がり」です。
彼のステレオ・コーラス・サウンドは、一般的なコーラスペダルで作られるものではなく、
2台のデジタル・ディレイ(Lexicon Prime Time)を使い、左右のスピーカーから出る音のピッチを極微量(10セント程度)上下させることで生まれます。
この「揺れないのに広がっている」サウンドが、PMGサウンドの根幹です。

また、ルーパーの活用も彼のソロ・パフォーマンスには欠かせません。
Electro-Harmonix 95000やPigtronix Infinity 3を使い、リアルタイムで多重録音を行いながらオーケストラのような厚みを作ります。
足元にはMIDIコントローラー(Roland FC-300やBlackstar Live Logic)が並び、Kemperのプリセット切替やAbleton Live上のエフェクト制御をシームレスに行っています。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス エフェクターの種類 備考
Lexicon Prime Time (II) Lexicon 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ディレイ 2台使用。パット独特のステレオ・コーラス効果を生み出す要。
Roland GR-300 Synth Roland 検索 検索 検索 検索 検索 ギターシンセサイザー トランペットのような独特のリードサウンドを生み出す。
Electro-Harmonix Superego EHX 検索 検索 検索 検索 検索 サスティナー フリーズ効果でドローン音を作成。Leslieスピーカーへ送ることも。
Gamechanger Audio Plus Pedal Gamechanger Audio 検索 検索 検索 検索 検索 サスティナー ピアノのサステインペダルのような持続音作成に使用。

近年ではIK Multimedia TONEX Pedalなどの最新シミュレーターも導入されており、常に進化し続ける複雑なルーティングが構築されていると、想定されます。

⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Pat Metheny Group・Pat Metheny】

パット・メセニーの音作りにおいて、最も重要なのは「中域の密度」と「高域のロールオフ」です。
具体的なEQセッティングとしては、アンプ側でトレブルをかなり低く設定(1〜3程度)し、ミッドレンジを強調します。
これに加えてギター側のトーンノブを0から3程度まで絞り込むことで、アタックが丸く、バイオリンのような持続感を持つリードトーンが完成します。
しかし、単にこもった音にするのではなく、Lexiconによるステレオ効果によって「広がり」と「透明感」を維持しているのがプロの技です。

ミックス面での工夫としては、以下の3系統のパラレル出力が基本となります。
1. ドライ音(センター):アンプから出る生の音。芯を作る。
2. ウェット音(左):ピッチをわずかに下げたディレイ音。
3. ウェット音(右):ピッチをわずかに上げたディレイ音。
この手法により、音像が左右に大きく広がり、ソロ・ギターでもアンサンブルに埋もれない立体的なサウンドになります。
また、パットは演奏中にボリュームペダルを頻繁に使い、音の立ち上がりをコントロールして管楽器のようなスウェル奏法(バイオリン奏法)を多用します。

PAエンジニア目線では、パットの音は非常にダイナミクスが広いため、コンプレッサーを深くかけすぎず、
自然なレンジを保ったまま空間系エフェクトとのバランスを取ることが求められます。
曲ごと(バラードから激しいシンセリードまで)にKemperのパッチを切り替えつつ、
常に「歌っているようなギター」をフロントに配置するEQ処理が行われていると、想定されます。

⑥比較的安価に音を近づける機材【Pat Metheny Group・Pat Metheny】

パット・メセニーの巨大なシステムを再現するのは困難ですが、エッセンスを取り入れることは可能です。
重要なのは「フルアコの甘いトーン」と「ステレオ・ディレイによるコーラス感」をいかに安価に作るかです。
BOSSのマルチエフェクターや、良質なデジタル・コーラス/ディレイ・ペダルを組み合わせることで、驚くほど近い質感を得ることができます。

種類 機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
マルチ BOSS GT-1 BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 JC-120モデリングとステレオディレイで、手軽にメセニー・トーンを作れる。
コーラス BOSS CE-2W BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 アナログコーラスの名機。広がりを付与するのに最適。
ギター Ibanez PM3C Ibanez 検索 検索 検索 検索 検索 検索 2024年登場の本人の廉価シグネチャー。フルアコの入門にも最適。

再現性が高い理由として、BOSS GT-1などのマルチは「ステレオ・ディレイ」の設定が細かく行える点が挙げられます。
ディレイタイムを15ms〜30ms程度と非常に短く設定し、フィードバックを0、ミックスを適量にしつつ、左右でわずかに時間をずらしてみてください。
また、アンプモデルは「Clean」系を選び、ミッドを強調してトレブルを思い切り絞るだけで、グッとパットのトーンに近づきます。

⑦総括まとめ【Pat Metheny Group・Pat Metheny】

パット・メセニーの音作りの本質とは、単なる「機材の組み合わせ」ではなく、「ギターという楽器の限界を押し広げようとする意志」そのものです。
彼のトーンがこれほどまでに愛されるのは、そこに人間味あふれる温かさと、最先端のテクノロジーが完璧なバランスで共存しているからに他なりません。
フルアコという伝統的な楽器から、42弦ギターやオーケストリオンといった奇想天外な装置まで、
すべては「自分の頭の中で鳴っているメロディを具現化するため」の道具として選ばれています。

これからパットのサウンドを再現しようとする皆さんに伝えたいのは、まず「中域を愛すること」です。
多くのギタリストが派手な高域を求めがちな中、パットはあえてその領域を削ぎ落とし、
アンサンブルの中で最も歌える帯域、つまり人間の声に近い帯域を大切にしています。
そして、その密度のある音を、ディレイやリバーブという「空気」で包み込むこと。
この「芯の太さ」と「空間の広がり」の両立こそが、メセニー・トーンの真髄です。

まずは手持ちのギターのトーンを絞り、ステレオ出力の環境を試してみてください。
音が左右にふわっと広がった瞬間、あなたはパットが見ている景色の一端に触れることができるはずです。
音楽の歴史を更新し続ける彼の背中を追いかけることは、ギタリストとしての感性を磨く最高の修行になるでしょう。

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