始めに(特徴紹介)
tricotのギタリスト、キダ モティフォは、その唯一無二のカッティングとリフでバンドサウンドを牽引する存在です。
変拍子やポリリズムが多い楽曲の中で、ギターのリフやコードワークが鮮烈に耳に残るのは、彼女の音作りとプレイセンスに大きく起因しています。
クリーンからクランチ、時にドライブ感のあるリードまで自在に操り、繊細かつ攻撃的なトーンが楽曲に躍動感を与えています。
代表曲として「POOL」や「potage」では、カラッとしたクリーントーンに短いディレイを加え、複雑なコード進行とリフを際立たせています。
また「E」や「Melon Soda」では、オーバードライブを薄く加えて切れ味のあるカッティングが強調され、ライブ映えする鋭いサウンドが印象的です。
こうした音は、Altero Custom Guitarsのオリジナルモデルをはじめとした独自の機材チョイスと、緻密なエフェクト構成に支えられています。
さらに特徴的なのは、コードを弾くときに「余白」を感じさせる音作りです。エフェクト過多に頼らず、必要最小限の歪みやモジュレーションで楽曲のリズムを支配することで、tricotの複雑なリズム構造を整理し、聴き手に爽快感を与えるギターサウンドを作り出しています。
「音数の多さ」よりも「音のキレ味」にこだわる姿勢が、多くのギタリストから支持される理由といえるでしょう。
ライブにおいては、FenderアンプとAltero製オーダーメイドギターを中心に、オーバードライブやディレイを組み合わせたセットアップで、原音に忠実ながらもアグレッシブなサウンドを展開。これにより、バンド全体の音圧を支えつつもギターが前に出過ぎない絶妙なバランスが保たれています。
その音作りは、マスロックやオルタナティブギターを志すプレイヤーにとっての指標とも言えるでしょう。
使用アンプ一覧と特徴【tricot・キダ モティフォ】
キダ モティフォの音作りを支える重要な要素のひとつがアンプ選びです。彼女は長らくFender系アンプを中心に使用しており、クリーンからクランチまで幅広く対応できる特性を活かしています。特に、複雑なリズムやコードワークを際立たせるには、余計な色づけが少なく、かつ音抜けの良いFender系アンプが最適と言えるでしょう。
現在のメインは、2020年に導入したFender ’57 Custom Twin-Ampです。40W出力で、Eminence製Alnicoスピーカー(12インチ×2)を搭載。ツインアンプならではの広がりと芯のあるクリーントーンが特徴で、キダのカッティングプレイと複雑なコードに透明感を与えています。特にライブでは、空間系エフェクトやブースターとの相性が良く、音の立ち上がりとサスティンの両方を両立させている点がポイントです。
それ以前はFender Twin Reverbをメインに使用しており、よりクラシカルなクリーントーンと深いリバーブ感を軸にしていました。Twin Reverbは60年代から続く定番アンプで、音圧と煌びやかさに優れており、トリコの初期サウンドの基盤を支えていたと考えられます。録音やスタジオ練習でもTwin Reverbを選ぶことが多かったようです。
また、よりコンパクトな場面ではFender Deluxe Reverbも使用歴が確認されています。22Wと出力が小さめで、自宅や小規模スタジオでの演奏に適しています。Deluxe Reverbはクリーンから自然なクランチまで得意とし、キダの繊細なアルペジオやクランチ寄りのカッティングに相性が良いアンプです。
これらの選択から見えてくるのは、キダ モティフォが「クリーンを基盤にしつつ、ピッキングの強弱やエフェクターで音の彩りを変える」というスタイルを重視していることです。アンプ側で過度に歪ませるのではなく、ギターと手元の操作によって表情を付けるため、Fender系の透明感あるトーンが不可欠となっています。
一部の楽曲やスタジオ使用ではMarshallや他ブランドの可能性も考えられますが、公式写真やインタビューに基づくと、メインはFender系で間違いないと想定されます。
使用ギターの種類と特徴【tricot・キダ モティフォ】
キダ モティフォのサウンドを語る上で欠かせないのが、Altero Custom Guitarsによるオーダーメイドモデル「Astra KID-A」シリーズです。彼女はtricot結成初期からオリジナルモデルを使用しており、音抜けの良さと独自の仕様が、バンドの複雑な楽曲構造を支える重要な要素となっています。単なる「ストラトタイプ」ではなく、彼女のプレイスタイルに最適化された仕様であることが特徴です。
まず2012年製のAstra KID-Aは、AlderボディとHard Mapleネックを採用し、Callaham製のハードテイル・ブリッジを搭載。ピックアップはVanzandt TRUE VINTAGEをセンターにのみ搭載するという特殊な仕様で、リアPUとトーンを排した独自設計が際立ちます。この仕様により、クリアでエッジの効いたカッティングを得意とし、バンドのリズムを前面に押し出す音作りが可能となっています。
続く2013年頃に製作されたAstra KID-A Mk-Ⅱでは、Light Ashボディを採用し、VooDoo Pickupsを搭載。こちらはトーンコントロールが追加され、より幅広いサウンドメイクが可能になりました。さらにJim Dunlopのフラッシュマウント・ストラップピンや、暗所で光るLuminlayポジションマークなど、実戦的な仕様も盛り込まれています。ライブでの視認性や安定性を考慮したアップデートといえるでしょう。
また、Fender製のギターも使用しています。特にFender Made in Japan Troublemaker Telecasterは、ボディトップをアイス・ブルー・メタリックにリフィニッシュしており、リアまたはミックスPUを使用する場面が多いとされています。時にはトーンを絞ることで柔らかさを演出し、オルタナティブ的なアプローチを見せています。
さらにFender Made in Japan Hybrid II Jazzmasterも、フェンダーから贈られたモデルとして知られています。こちらはレコーディングでの使用歴があり、主にリアPUを使用してタイトでドライなトーンを得ています。独特のアタック感を持つJazzmasterは、tricotの緻密なリズムと相性が良く、サウンドの幅を広げています。
これらのギター選択から見えるのは、キダ モティフォが「カッティング主体の鋭いトーン」と「複雑なフレーズでも分離感を失わない音」を最重視している点です。Alteroのオーダーモデルを軸にしつつ、Fender製品をサブとして活用することで、ライブ・レコーディング双方で安定したトーンを確保していると考えられます。と、想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Astra KID-A | Altero Custom Guitars | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | オーダーメイド(2012) | センターPUのみ搭載、リアPUとトーンなしの独自仕様。 |
Astra KID-A Mk-Ⅱ | Altero Custom Guitars | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | オーダーメイド(2013) | Light Ashボディ、VooDoo Pickups、トーン有り、Luminlay採用。 |
Troublemaker Telecaster | Fender Made in Japan | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | テレキャスタータイプ | リフィニッシュ済み、リアorミックスPU使用、トーン絞り活用。 |
Hybrid II Jazzmaster | Fender Made in Japan | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | ジャズマスタータイプ | フェンダーから贈呈、リアPU使用。レコーディング歴あり。 |
使用エフェクターとボード構成【tricot・キダ モティフォ】
キダ モティフォのサウンドを作る上で欠かせないのが、精密に組み上げられたエフェクターボードです。tricotの楽曲は複雑なリズムと多彩な音色変化を要求するため、ブースターやオーバードライブからマルチエフェクターまで、多岐にわたるペダルを駆使しています。特に、クリーン基調のアンプに対して歪みや空間系を重ね、楽曲ごとに繊細なニュアンスを付与するのが彼女の音作りの特徴です。
歪み系は、VEMURAM GaleaやElectro-Harmonix Soul Food、さらには自身のブランドでもあるAltero Custom Guitars KAEDE -楓-を愛用。これらは軽いブーストから厚みのあるオーバードライブまで幅広く対応でき、曲中での音量差やリフの抜けを支えています。また、VAHLBRUCH Jewel Driveや定番のBOSS SD-1 / SD-1Wも加えられ、曲ごとに異なるドライブ感を演出しています。
空間系ではElectro-Harmonix Memory ToyやBOSS DD-5といったディレイを用いて、細かいリフやアルペジオを立体的に響かせます。これらは短めのディレイタイムに設定されることが多く、複雑なリズムに奥行きを加える役割を果たしています。加えて、BOSS RC-20XLのルーパーを駆使してリフを重ねるスタイルも、ライブにおいて大きな武器となっています。
マルチエフェクターとしてはLine 6 M9やLine 6 HX Stompを導入。モジュレーションやオートワウといった特殊効果を補完しつつ、コンパクトに多機能を活用できる点が魅力です。特にHX Stompは、MIDIコントローラーMorningstar FX MC6 MKIIと組み合わせることで、複雑なプリセット切替をスムーズに実現しています。これは変拍子や曲展開の多いtricotにとって、ステージ上で大きな安心感を生む装備と言えるでしょう。
その他にも、Lee Custom Amplifier 12AU7 Buffer + BoosterやOne Control Minimal Series AB Boxなどの補助的なペダル、チューナーとしてKORG Pitchblack Advance、電源供給にはFREE THE TONE PT-3Dを使用。プロフェッショナル仕様の安定性を重視したボード構成であることが分かります。
全体として、キダのエフェクトセッティングは「必要最小限の歪み+緻密な空間処理+スイッチング効率化」に特化しています。音数の多いtricotのアンサンブルの中で、ギターが埋もれることなく存在感を放つのは、このエフェクト選択とボード設計の妙によるものだといえるでしょう。と、想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
12AU7 Buffer + Booster | Lee Custom Amplifier | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | バッファー/ブースター | 信号劣化防止と音量調整に使用。 |
ARC-53M | FREE THE TONE | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | スイッチングシステム | プログラマブルスイッチャー。エフェクト切替効率化。 |
Galea | VEMURAM | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | オーバードライブ | 太く粘りのある歪みを提供。 |
Soul Food | Electro-Harmonix | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | オーバードライブ | Klon系回路。軽いブーストから歪みまで対応。 |
KAEDE -楓- | Altero Custom Guitars | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | オーバードライブ | 本人愛用のオリジナルペダル。 |
Jewel Drive | VAHLBRUCH | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | オーバードライブ | 滑らかなドライブ感が特徴。 |
SD-1 SUPER OverDrive | BOSS | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | オーバードライブ | 定番OD。バリエーションでSD-1Wも使用。 |
Memory Toy | Electro-Harmonix | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | ディレイ | アナログディレイ。短め設定で奥行き感。 |
DD-5 | BOSS | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | ディレイ | デジタルディレイ。タイム精度が高い。 |
RC-20XL | BOSS | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | ルーパー | リフ重ねやライブでの即興に使用。 |
M9 | Line 6 | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | マルチエフェクター | モジュレーションやファズ系をカバー。 |
HX Stomp | Line 6 | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | ギター用マルチエフェクター | モジュレーション中心。オートワウも使用。 |
MC6 MKII | Morningstar FX | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | スイッチングシステム | HX Stomp用MIDIコントローラー。 |
Minimal Series AB Box | One Control | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | ジャンクションボックス | ループ出力切替に使用。 |
Pitchblack Advance | KORG | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | チューナー | ライブ用定番チューナー。 |
PT-3D | FREE THE TONE | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | パワーサプライ | 電源供給の安定化に使用。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【tricot・キダ モティフォ】
キダ モティフォの音作りは、機材そのもの以上に「セッティングとニュアンス」で支えられています。tricotの楽曲は変拍子やポリリズムが頻出するため、ギターの音が他の楽器に埋もれないようにしながらも、決して主張しすぎないバランスをとる必要があります。そのため、彼女のEQやアンプセッティングには一貫して“抜けの良さ”と“耳障りにならないクリアさ”を意識した工夫が見られます。
アンプのセッティングは、Fender ’57 Custom Twin-Ampを基盤とし、ベースは控えめ(3〜4程度)、ミドルをやや持ち上げ(5〜6)、トレブルを強め(6〜7)に設定するケースが多いと考えられます。これは、低域が膨らみやすいバンド編成においてギターが埋もれないようにするための工夫です。ピッキングで音の強弱をつける彼女のスタイルには、このフラット寄りながらトレブルを少し押し出したEQが最適です。
歪みのコントロールについては、アンプのゲインを低めに保ち、ほぼクリーンを基盤とします。必要な歪みはオーバードライブペダルで付与し、曲ごとに踏み分けています。例えば「E」や「POOL」ではSoul FoodやVEMURAM Galeaを薄くかけ、カッティング時の輪郭を際立たせます。一方、「Melon Soda」や「おちゃんせんすぅす」でのリードパートでは、Altero KAEDEやSD-1Wを重ねることで、やや荒々しく、かつ前に出るトーンを作り出しています。
ディレイと空間系の使い方も特徴的です。Memory ToyやDD-5は短めのディレイタイムに設定し、リフやアルペジオに奥行きを加える程度に留めています。トリコの複雑なリズムを邪魔しないよう、あくまで“影”のように響かせるセッティングが多いのがポイントです。リバーブはアンプ内蔵のスプリングリバーブを薄くかける程度で、音像を広げすぎない方向性を取っています。
ミックスやPAでの工夫としては、中域を重視しすぎるとボーカルやドラムと干渉するため、エンジニアは2kHz〜3kHzをやや強調しつつ、250Hz前後をカットする傾向が見られます。これにより、リズムを切り裂くようなカッティングが際立ち、ベースとキックのローエンドも活きる形となります。また、ライブではアンプ直マイキングに加え、ラインからの補助をミックスすることで、音抜けをさらに改善する場合もあると想定されます。
曲ごとの使い分けでは、例えば「potage」ではほぼクリーン+ディレイで透明感を重視し、「あふれる」などの楽曲ではオーバードライブを強めにしてバンド全体を押し上げる役割を果たします。この切り替えのスムーズさは、スイッチャーやMIDIコントローラーによる効率的なボード設計に支えられており、演奏中の操作ストレスを最小限にしているのが大きな特徴です。
まとめると、キダ モティフォのセッティングは「クリーンを基盤にした切れ味重視」「オーバードライブでの色付け」「ディレイによる奥行き」「PAでの中域整理」という4本柱で成り立っています。決して過剰なエフェクトに頼らず、必要な成分だけを加えていく音作りの姿勢が、tricotサウンドの透明感と攻撃性を両立させていると言えるでしょう。と、想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【tricot・キダ モティフォ】
キダ モティフォの音作りは、オーダーメイドギターやハイエンドアンプによって支えられていますが、初心者や予算を抑えたいギタリストでも比較的手の届きやすい機材で近づけることが可能です。ポイントは「クリーン基調」「軽めのオーバードライブ」「短いディレイ」で構成することです。これらを意識すれば、tricotの楽曲に見られる切れ味と透明感を再現しやすくなります。
ギターについては、Altero Customのような特注品は難しいため、代替としてFender JapanやSquierのテレキャスターやジャズマスターが候補になります。特にSquier Classic Vibe Telecasterは、価格が抑えられつつも明るいトーンを得やすく、カッティング主体のスタイルに最適です。また、Squier J Mascis Jazzmasterは太さと透明感を兼ね備え、キダのレコーディングでのJazzmaster使用に近づける一本といえるでしょう。
アンプに関しては、Fender ’57 Custom Twin-Ampは高額なので、代替としてFender Champion 40やYAMAHA THR30IIをおすすめします。Champion 40はFender系の明るく抜けの良いサウンドを再現可能で、EQの効きもよく、クリーントーンを主体にした練習に最適です。YAMAHA THRシリーズは宅録・自宅用に強く、ディレイやモジュレーションを内蔵しているため、彼女の音作りを一台で試せる点が魅力です。
オーバードライブは、キダ本人が愛用するVEMURAMやSoul Foodは高価な部類に入るため、手頃な選択肢としてBOSS SD-1やElectro-Harmonix Soul Foodが挙げられます。特にSD-1は価格帯が安く、かつ彼女自身も使用しているため「本家のトーンに直結する選択肢」と言えるでしょう。
ディレイはBOSS DDシリーズが定番です。中古市場でも入手しやすく、BOSS DD-3Tなどを使えば、Memory ToyやDD-5と同様に短めのディレイでリフを立体的にできます。また、アナログ的な響きを重視するならElectro-Harmonix Memory Toyも手頃な価格で導入可能です。
さらに、マルチエフェクターを活用するのも現実的です。ZOOM G3nやLine 6 HX Stompの下位機種(Pod Goなど)を導入すれば、歪み・空間系・モジュレーションをまとめて扱え、彼女のエフェクトボード構成を簡略化して再現できます。初心者が練習やコピーで使う場合、コストパフォーマンスが非常に高い手段です。
総じて「テレキャスター/ジャズマスター系の安価モデル」+「Fender系のクリーンアンプ」+「SD-1や安価なディレイ」という組み合わせが、最も現実的でキダ モティフォのサウンドに近づける再現方法といえます。特にBOSSの定番機材は価格も手頃で、ライブでも通用する耐久性を持っているため安心して導入できます。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ギター | Classic Vibe Telecaster | Squier | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | 安価でトーンが明るく、カッティングに適した代替モデル。 |
ギター | J Mascis Jazzmaster | Squier | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | 太さと透明感のバランスが良く、レコーディング使用モデルの代替に最適。 |
アンプ | Champion 40 | Fender | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | Fender系クリーンを安価に再現可能なモデル。 |
アンプ | THR30II Wireless | YAMAHA | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | 宅録や自宅練習に適し、空間系も内蔵。 |
オーバードライブ | SD-1 SUPER OverDrive | BOSS | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | 本人も使用する低価格OD。カッティングに最適。 |
ディレイ | DD-3T | BOSS | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | 短めディレイ設定でリフに奥行きを与える。 |
マルチエフェクター | G3n | ZOOM | Amazonで探す | tricot | キダ モティフォ | 安価で多機能。歪み・空間系を網羅できる。 |
総括まとめ【tricot・キダ モティフォ】

キダ モティフォの音作りは、一言でいえば「クリーンを基盤とした切れ味のあるトーン」と「繊細な歪みコントロール」に尽きます。tricotの音楽は変拍子や複雑なコード進行が前提となるため、ギターが過度に歪んだり、音が濁ってしまうと全体のバランスが崩れてしまいます。そのため、彼女はFender系アンプを中心に据え、透明感とレンジの広さを最大限に活かしながら、必要に応じてオーバードライブやディレイを加えるというシンプルかつ的確なアプローチを取っています。
ギターはAltero Customのオリジナルモデルをメインに、Fenderのテレキャスターやジャズマスターを使い分けています。これにより、ライブでは視覚的にも個性的な存在感を放ちつつ、音的にはカッティング主体のシャープなトーンから太さのあるリードまで、幅広い表現を可能にしています。ピックアップ配置やトーン回路をあえて簡素化した仕様は、彼女がどれほど「弾き手のニュアンス」に重きを置いているかを物語っています。
エフェクターボードは、多彩なペダルを揃えつつも「最低限必要な要素だけを厳選して並べた」実戦仕様です。複数のオーバードライブを組み合わせて音の厚みを変えたり、短めのディレイでリフに奥行きを持たせたりと、決して派手さではなく「曲を活かすための効果」を重視していることが分かります。また、スイッチャーやMIDIコントローラーを駆使することで、変拍子が連続するtricotのライブでも確実なエフェクト切替を実現しています。
最終的に彼女の音作りを支えているのは、「過度な装飾に頼らず、演奏そのものの切れ味を強調する」という姿勢です。tricotの音楽においてギターは常にリズムの一部であり、旋律とリズムを同時に提示する役割を担っています。キダ モティフォはその役割を完璧に理解し、プレイヤーとしてもエンジニアとしても合理的な選択を積み重ねているのです。
読者の皆さんが彼女のサウンドを再現したい場合、最も大切なのは「クリーントーンの質感」「オーバードライブのかけ方」「ディレイの控えめな使用」です。ハイエンド機材が揃っていなくても、この3つを意識すれば十分に彼女の雰囲気を掴むことができます。結局のところ、キダ モティフォの音作りの本質は、独自の機材よりも「シンプルさの中にある緻密さ」にあると言えるでしょう。
このように、tricotのギターサウンドは、一見複雑に聴こえても実際には「削ぎ落とされた構成」と「演奏者の表現力」に依存しています。その奥深さこそが、多くのリスナーやギタリストを惹きつけ続ける理由なのです。と、想定されます。
“`
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸 Guitars
Altero Custom Guitars / Astra KID-A
オリジナル・オーダーモデル(2012年製)
Alderボディ、Hard Mapleネック
Callaham製ハードテイル・ブリッジ
Vanzandt TRUE VINTAGE(センターPUのみ)
リアPU/トーンなしの独自仕様
Altero Custom Guitars / Astra KID-A Mk-Ⅱ
2本目のオリジナル(2013年頃製)
Light Ashボディ
VooDoo Pickups搭載
トーン・コントロール有り
Jim Dunlop フラッシュマウント・ストラップピン
Luminlay ポジションマーク
Fender Made in Japan / Troublemaker Telecaster
ボディトップをアイス・ブルー・メタリックにリフィニッシュ
使用PUはリア or ミックス、時々トーン絞り
Fender Made in Japan / Hybrid Ⅱ Jazzmaster
フェンダーから贈られたモデル
リアPU使用
レコーディングで使用歴あり
🔊 Amplifiers
Fender / ’57 Custom Twin-Amp
メインアンプ(2020年購入)
40W、Eminence製12インチ×2(Alnico)
Fender / Twin Reverb
以前使用(メインから変更)
Fender / Deluxe Reverb
使用歴あり
🎛 Pedals & Multi-Effects
Lee Custom Amplifier / 12AU7 Buffer + Booster(バッファ/ブースター)
FREE THE TONE / ARC-53M(プログラマブル・スイッチャー)
VEMURAM / Galea(オーバードライブ)
Electro-Harmonix / Soul Food(オーバードライブ)
Altero Custom Guitars / KAEDE -楓-(オーバードライブ)
VAHLBRUCH / Jewel Drive(オーバードライブ)
BOSS / SD-1 SUPER OverDrive
BOSS / SD-1W SUPER OverDrive
Electro-Harmonix / Memory Toy(ディレイ)
BOSS / DD-5(ディレイ)
BOSS / RC-20XL(ルーパー)
Line 6 / M9(マルチ、モジュレーション/ファズ等)
Line 6 / HX Stomp(マルチ、モジュレーション中心、オートワウ使用)
Morningstar FX / MC6 MKII(MIDIコントローラー for HX Stomp)
One Control / Minimal Series AB Box(ABボックス、ループ出力用)
KORG / Pitchblack Advance(チューナー)
FREE THE TONE / PT-3D(パワーサプライ)
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