- 始めに(特徴紹介)
- 使用アンプ一覧と特徴【System of a Down・Daron Malakian】
- 使用ギターの種類と特徴【System of a Down・Daron Malakian】
- 使用エフェクターとボード構成【System of a Down・Daron Malakian】
- 音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【System of a Down・Daron Malakian】
- 比較的安価に音を近づける機材【System of a Down・Daron Malakian】
- 総括まとめ【System of a Down・Daron Malakian】
- 下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
始めに(特徴紹介)
Daron Malakian(ダロン・マラキアン)は、System of a Down(システム・オブ・ア・ダウン)の独創的なサウンドを支えるギタリストです。彼のプレイは、激しいリフと中東的なスケール感を持つメロディーを行き来するスタイルが特徴で、メタルでありながら独自の民族的要素を感じさせます。
代表曲「Chop Suey!」「Toxicity」では、強烈なディストーションサウンドに加え、リズムの緩急や空間系エフェクトを絶妙に組み合わせています。一方で「Lonely Day」ではクリーントーンにフェイズを絡めた浮遊感のあるサウンドを聴かせ、幅広い表現力を示しています。
彼の音作りは、ギターそのもののキャラクターを活かしつつ、MarshallやMesa/Boogieといった王道アンプを使い分け、時期ごとに大きな変化を見せてきました。特に『Mezmerize』『Hypnotize』期のレコーディングでは、複数のヴィンテージギターとアンプを重ね録りすることで、厚みと奥行きのある音像を作り上げています。
このように、Malakianのサウンドは単なる「ヘヴィ・メタルギター」ではなく、バンドの政治的・社会的メッセージを彩る重要な表現手段となっているのです。
以下では、彼が使用してきたアンプ、ギター、エフェクターを時系列や使用目的に沿って整理しつつ、その特徴を詳しく解説していきます。最後に彼の音作りを再現するためのセッティングや、比較的安価で導入できる代替機材についても紹介しますので、SOADファンやコピーバンド志向のギタリスト必見の内容です。
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使用アンプ一覧と特徴【System of a Down・Daron Malakian】
Daron Malakianの音作りを語る上で欠かせないのがアンプの選択です。彼は時期ごとにMarshallやMesa/Boogieといった王道モデルを組み合わせ、楽曲に応じて音の厚みや切れ味を変化させてきました。特にSOADの代表作『Toxicity』や『Mezmerize』『Hypnotize』期には、アンプの種類を大胆に使い分けてレコーディングを行っていたことが知られています。
ライブでは、安定性とパワーを重視してMarshall JCM800やMODE FOURを多用し、ステージ写真からも4×12キャビネットとセットで鳴らしている姿が確認されています。この組み合わせはSOADのヘヴィでありながらも明瞭なリフサウンドを作る要因となっています。
一方で、レコーディング時にはDave Friedmanによってモディファイされた70年代Marshall JMP100を中心に、Mesa/Boogie Dual RectifierやTriple Rectifierを併用。特に『Mezmerize』『Hypnotize』ではこの改造アンプがメインとなり、強烈なゲイン感とタイトな低音を実現しました。また、Divided by 13 FTR-37を導入し、ギリシャ音楽的なスケールや雰囲気を楽曲に持ち込むための独特なトーン作りも行っています。
加えて、Soldano、Orange、Matchless、Voxといったブランドのアンプも使用経験があり、場面によって音の色付けを試していたことが推測されます。彼のアンプ選びは「ライブでの安定感」と「レコーディングでの多層的サウンド」という二つの目的を巧みに使い分けた結果といえるでしょう。
結果として、MalakianのサウンドはMarshallの骨太なミドルレンジとMesa/Boogieのモダンなゲインが絶妙にブレンドされたものとなり、System of a Down特有のリフの重厚感とアグレッシブさを支えています。これらを総合すると、彼のアンプ遍歴は多彩でありながらも一貫して「パワーと独自性」を追求してきたと想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Marshall JCM800 | Marshall | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ライブやレコーディングで定番使用。SOADの基本的なサウンドを形成。 |
Dave Friedman-modded ’70s Marshall JMP100 | Marshall | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | 『Mezmerize』『Hypnotize』期のメインアンプ。改造により強烈なゲイン。 |
Marshall Plexi (1959 Super Lead 100 / 1987X) | Marshall | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | クラシックなトーンで補助的に使用。 |
Marshall MODE FOUR | Marshall | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ハイゲイン・ハイパワーのライブ用アンプ。 |
Mesa/Boogie Dual & Triple Rectifier Solo Head | Mesa/Boogie | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | モダンメタルの王道。ライブ・レコーディングともに多用。 |
Marshall Cabinets (MF 400, 1960AHW) | Marshall | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ステージセットで確認。4×12キャビ。 |
Mesa Boogie Cabinets | Mesa/Boogie | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | Marshallと組み合わせて使用。 |
Divided by 13 FTR-37 | Divided by 13 | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ギリシャ風サウンドを表現する際に使用。 |
Soldano Amplification | Soldano | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | 補助的に使用したとされる。 |
Orange, Matchless, Vox, Ibanez, Carvin | 各社 | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | 一部の楽曲や実験的なセッションで使用経験あり。 |
使用ギターの種類と特徴【System of a Down・Daron Malakian】
Daron Malakianのサウンドを形作る最重要ポイントは、彼が愛用してきた多彩なギター群です。SOAD初期から現在に至るまで、彼はIbanez Icemanを筆頭に、ヴィンテージGibsonやFenderを巧みに使い分けています。ライブとレコーディングでの選択は必ずしも一致せず、場面に応じて音の厚みやキャラクターを切り替えるスタイルを取ってきました。
特にIbanez Icemanは、System of a Down初期からメインギターとしてステージに立ち、黒や金の塗装の個体を数多く所有しています。初期のモデルは父親が塗装を施したもので、最初の一本は盗難に遭ったと本人が語っています。後にシグネチャーモデルDMM-1が登場し、SOADの象徴的なギターとして認知されました。
一方で、Gibson SG StandardやLes Paul SG Standardといったヴィンテージギターも重要な位置を占めています。特に1962年製のSGと1968年製のES-335を組み合わせ、『Mezmerize』『Hypnotize』期にレコーディングで重厚なサウンドを生み出しました。このコンビネーションはSOAD独特の分厚いギターサウンドの秘密といえるでしょう。
また、ライブや特定の楽曲でJackson Randy Rhoads、Gibson Les Paul Standard、Flying Vなども使用。さらにFender StratocasterやJazzmasterなども初期〜中期に確認されており、クリーントーンやギリシャ音楽的なサウンドを表現するために選ばれました。
珍しい使用例としては、Gibson EDS-1275 Double-Neckや、1964年製のSG Special(P90搭載)も確認されています。さらに若い頃にはCarvinのブルーのギターを所有していましたが、盗難に遭った過去もあるとされています。
このように、Malakianのギター選びは「サウンドの多様性」と「ステージでの存在感」の両立を意識しており、単にメタルギターにとどまらない幅広い音世界を支える基盤となっています。これらを総合すると、彼の使用ギター群はその時期ごとの音作りと楽曲に深く結びついていたと想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Ibanez Iceman (IC 300’s, IC 200, ICX 120, DMM-1) | Ibanez | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ソリッド | 初期からメイン使用。シグネチャーモデルDMM-1も存在。盗難歴あり。 |
Gibson SG Standard | Gibson | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ソリッド | レッドモデルをライブ使用。ホワイトモデルは盗難。 |
1962 Gibson Les Paul SG Standard (LPSG) | Gibson | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ソリッド | 1968年製ES-335と重ね録りで使用。『Mezmerize』『Hypnotize』期に重要。 |
1968 Gibson ES-335 | Gibson | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | セミアコ | SGと組み合わせ厚みを演出。火災時に唯一持ち出したと語られる大切な1本。 |
Jackson RR5 Randy Rhoads (RR1T) | Jackson | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ソリッド | 主にスタジオ用に使用。 |
Gibson Les Paul Standard (Black) | Gibson | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ソリッド | ステージやレコーディングで補助的に使用。 |
Fender Stratocaster (Big Apple Strat含む) | Fender | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ソリッド | 初期に使用。2本盗難被害。 |
Early Eighties Gibson Korina Flying V | Gibson | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ソリッド | 『Mezmerize』『Hypnotize』で使用。ライブでも稀に登場。 |
1964 Gibson SG Special (P90搭載) | Gibson | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ソリッド | P90の独特なサウンドを一部楽曲で利用。 |
Fender Jazzmaster | Fender | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ソリッド | 『Mezmerize』『Hypnotize』で民族的サウンドのために使用。 |
Gibson EDS-1275 Double-Neck | Gibson | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ダブルネック | ライブで稀に使用。存在感のあるルックス。 |
Carvin (ブルー) | Carvin | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ソリッド | 10代で所有。父のトラックから盗難。 |
使用エフェクターとボード構成【System of a Down・Daron Malakian】
Daron Malakianのエフェクターボードは、メタルギタリストとしては比較的シンプルでありながら、楽曲ごとに必要なニュアンスを加えるための個性的な機材が揃っています。彼の音作りはアンプのドライブを軸とし、空間系やモジュレーション系を適度に加えることで、SOAD独特のドラマチックなサウンドを実現してきました。
代表的な使用例として、MXR Phase 90は「Chop Suey!」や「Lonely Day」における独特な揺らぎのある音を作り出すために必須で、彼のクリーン寄りのパートを際立たせています。さらにBossのディレイ群(DD-3、DD-6、DD-20、GigaDelay)やLine 6 DL4、Strymon DIGなどを使用し、リフの隙間に空間を与える工夫をしています。
ワウペダルについては、Fulltone Clyde Standard WahやVox Wah、MSD Silvermachine Wahなど複数を使い分けており、楽曲の攻撃的なニュアンスやソロの表現力を高めています。特にライブ写真からはVox Wahの使用も確認されており、その時期ごとに違ったワウサウンドを導入していたことが伺えます。
歪み系については、Boss MT-2 Metal Zoneが知られており、一部ではHM-2を使っていた可能性も指摘されています。とはいえ、基本的にはアンプのゲインを主体としており、ペダルは補助的役割にとどまっていたと考えられます。
また、Ground Control Proを導入してペダルボード全体を制御し、複数のディレイやモジュレーションを効率的に切り替えられるようにしていました。さらに、パワーサプライとしてVoodoo Lab Pedal Powerを使用し、安定した電源供給を確保。特殊なものでは、Boss PC-2 Percussion Synthesizerを使用しており、これはSOADの実験的なサウンドメイクを象徴する機材のひとつといえます。
このように、Malakianのエフェクト構成は「必要最低限だが、ポイントで強烈な個性を放つ」設計となっており、SOADのサウンドに深みを与える重要な役割を果たしていました。これらを総合すると、エフェクターボードはアンプ直結に近い潔さを保ちながらも、空間系とモジュレーションで独自の世界観を加えるための工夫が随所に見られると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Boss DD-6 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ディレイ | 多用途ディレイ。ライブでも使用。 |
MXR M101 Phase 90 | MXR | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | フェイザー | 「Chop Suey」「Lonely Day」で使用。 |
Strymon DIG Dual Digital Delay | Strymon | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ディレイ | 近年の空間系サウンド構築に使用。 |
Ground Control Pro | Voodoo Lab | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | スイッチングシステム | ペダルボード全体の制御に使用。 |
Boss MT-2 Metal Zone | BOSS | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ディストーション | 一部でHM-2使用説もあるが、基本はアンプ歪み。 |
Fulltone Clyde Standard Wah | Fulltone | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ワウペダル | 攻撃的なワウサウンドを提供。 |
Line 6 DL4 Delay Modeler Looper | Line 6 | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ディレイ / ルーパー | 空間系サウンドやループ演出に使用。 |
Vox Wah | Vox | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ワウペダル | ライブ写真で確認された使用例。 |
Boss PC-2 Percussion Synthesizer | BOSS | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ギターシンセサイザー | 実験的なサウンド構築に使用。 |
Voodoo Lab Pedal Power | Voodoo Lab | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | パワーサプライ | 安定した電源供給を確保。 |
MSD Silvermachine Wah | MSD | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ワウペダル | 独特なサウンドを生む特殊ワウ。 |
Boss DD-3 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ディレイ | 初期のディレイペダル。 |
Boss DD-20 GigaDelay | BOSS | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ディレイ | 多機能ディレイとして使用。 |
Line 6 MM4 Modulation Modeler | Line 6 | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | モジュレーション系 | コーラスやフランジャーなどを再現。 |
SIB Electronics Mr. Delay | SIB Electronics | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ディレイ | アナログ的な温かいディレイを提供。 |
Boss Chromatic Tuner | BOSS | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | チューナー | ライブ用に定番のチューナー。 |
EHX Deluxe Memory Man | Electro-Harmonix | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | ディレイ / エコー | アナログエコーサウンドを実現。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【System of a Down・Daron Malakian】
Daron Malakianの音作りは、単なるハイゲインではなく「ヘヴィさと明瞭さのバランス」を追求している点が特徴です。彼のリフはドロップCやドロップDといった低めのチューニングで演奏されることが多く、音が潰れすぎないようにEQやアンプの設定で工夫が施されています。特にSOADの楽曲ではギター単体ではなく、ベースやドラムとの絡みを前提とした音作りが重要視されています。
アンプ設定としては、Marshall JCM800やFriedmanモッドのJMP100を使う場合、ゲインは7〜8程度に抑え、過剰な歪みを避けています。これは、音圧を稼ぎながらもリフの一音一音をクリアに聴かせるための工夫です。トレブルはやや抑え気味、ミドルはしっかり持ち上げ、ベースはアンプごとに調整しつつも低音を潰さないレベルで設定していました。これにより、特に「Toxicity」や「B.Y.O.B.」のような刻みリフで音の輪郭がはっきりと聞き取れるサウンドが得られます。
Mesa/Boogie Dual RectifierやTriple Rectifierを使用する際は、モダンチャンネルを活用し、ゲインを抑えつつタイトなローエンドを強調。パームミュートのアタック感を際立たせるため、プレゼンスをやや上げることも多いと考えられます。特に「Hypnotize」収録曲では、この組み合わせによってヘヴィながらも分離の良いギターサウンドを実現していました。
エフェクトの使い方に関しては、ディレイやフェイザーを積極的に取り入れています。クリーントーンのパートではMXR Phase 90を使用し、揺らぎを持たせることで中東音楽的な浮遊感を演出。「Lonely Day」ではBoss DD-6やStrymon DIGを活かし、ディレイタイムを曲のテンポに合わせることで幻想的な広がりを作り出しています。これらのエフェクトは常時使用するのではなく、曲の特定の場面で切り替える点にMalakianのセンスが表れています。
ミックスの段階では、ダブルトラッキングやトリプルトラッキングを多用して分厚い壁のようなサウンドを形成。片側にSG、もう片側にES-335を配置し、中央にRectifierを混ぜるといったように、異なる質感のギターを重ね合わせることで立体感を出していました。この手法は「Mezmerize」「Hypnotize」で顕著に聴き取ることができます。
また、PAやエンジニアの視点からすると、彼のギターサウンドは中域が非常に重要であり、ライブではPA卓でローエンドを整理しつつ、ミドルを押し出すEQ調整が求められます。SOADのサウンドは低域がベースとキックに集中するため、ギターはあえてベースを絞り、中域で存在感を確立する方向で仕上げられていると考えられます。
総じて、Malakianの音作りは「アンプ本来のキャラクターを最大限活かし、エフェクトは必要最小限で個性を加える」アプローチです。ゲインを上げすぎず、EQで中域を確保し、録音ではギターを重ねて分厚さを演出する。これこそがSystem of a Down特有の攻撃的でありながら知的なギターサウンドの核であると想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【System of a Down・Daron Malakian】
「Daron Malakian風の音を出したいけれど、実際の機材は高額で手が届きにくい」という方も多いでしょう。そこで、初心者から中級者でも導入しやすい比較的安価な機材を紹介します。これらは1万円〜5万円程度で手に入り、SOAD風のサウンドに近づける再現性が高い選択肢です。
まずアンプに関しては、彼が愛用するMarshallやMesa/Boogieは高価ですが、代替としてはMarshall CODEやBlackstar HTシリーズが有効です。これらはデジタルモデリングやチューブ回路を採用し、JCM800やRectifierに近いサウンドを比較的低価格で再現可能です。特にCODEはプリセットからハイゲイン・ブリティッシュトーンが選べるため、SOADのリフ向きの音作りがしやすいでしょう。
歪み系ペダルでは、Boss MT-2 Metal Zoneが代表的。Malakian自身も使用経験があるため、そのまま導入しても違和感はありません。ただし素のままでは「ドンシャリ」傾向が強いため、EQでミドルを持ち上げて丸みを出すと、彼の音に近づけやすくなります。また、より扱いやすい選択肢としてはProCo RAT 2もおすすめで、タイトなミドルレンジを得られるため、リフの輪郭が出やすいです。
空間系としてはBoss DD-7やDD-8が万能です。彼が使用したDD-6の後継にあたるモデルで、ディレイタイムの幅が広く、ステレオ出力やルーパー機能も搭載。特に「Lonely Day」のような幻想的な響きを表現するには効果的です。さらに、MXR Phase 90は比較的安価で手に入りやすく、SOAD特有の浮遊感のあるクリーントーンをすぐに再現できます。
ギターについてはIbanez Icemanシグネチャーは入手困難ですが、同社のエントリーモデルであるIbanez Gioシリーズや、Epiphone SG Standardで代用可能です。SGはミドルに強いキャラクターを持ち、SOAD風の分厚いリフサウンドに近い感触を得られます。ピックアップをSeymour Duncan SH-6(Daronが実際に使用)に載せ替えることで、さらに再現度が上がるでしょう。
このように、アンプはモデリング系、エフェクターはBOSSやMXRの定番、ギターはEpiphoneやIbanezの下位モデルを選ぶことで、比較的低予算でもDaron Malakianの音作りに近づけます。重要なのは「ゲインを上げすぎず、中域を確保する」というEQの考え方を忘れないことです。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
アンプ | Marshall CODE 50 | Marshall | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | JCM800やRectifier系サウンドをモデリング。低価格で多機能。 |
アンプ | Blackstar HT-5R | Blackstar | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | 小型チューブアンプ。タイトなハイゲインが特徴。 |
ディストーション | Boss MT-2 Metal Zone | BOSS | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | 本人使用歴あり。EQ調整でSOADらしい音に近づく。 |
ディストーション | ProCo RAT 2 | ProCo | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | 輪郭が出やすい歪み。リフ向き。 |
ディレイ | Boss DD-7 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | DD-6の後継。多機能で初心者にも扱いやすい。 |
フェイザー | MXR Phase 90 | MXR | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | 本人愛用。SOAD特有の浮遊感を簡単に再現可能。 |
ギター | Epiphone SG Standard | Epiphone | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | Gibson SGの廉価版。中域が豊かでリフ向き。 |
ギター | Ibanez Gioシリーズ | Ibanez | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | Icemanの廉価代替としておすすめ。改造ベースに最適。 |
ピックアップ | Seymour Duncan SH-6 | Seymour Duncan | Amazonで探す | System of a Down | Daron Malakian | 本人実使用。パワフルでタイトなハイゲインを提供。 |
総括まとめ【System of a Down・Daron Malakian】

Daron Malakianの音作りを改めて整理すると、その本質は「過剰に歪ませず、リフの力強さを前面に押し出す」という点に尽きます。彼のギターサウンドはメタルの中でも異質で、単に重いだけでなく、旋律的で民族音楽的なニュアンスを強く持ちます。これはギター選び、アンプ設定、エフェクターの使い方、そして最終的なミックス処理までを一貫して意識しているからこそ生まれるものです。
例えば、Marshall JCM800や改造JMP100を使ってゲインを絞り気味に設定する一方、Mesa/Boogie Rectifierで低音を補強する。その上にヴィンテージのGibson SGやES-335を重ね、曲によってIbanez IcemanやFlying Vを選ぶ。この緻密なレイヤリングこそが、System of a Downの圧倒的な音圧と独自性を作り上げています。
エフェクトに関しても、MXR Phase 90やBoss DDシリーズのように必要最低限で効果的なものを選び、使う場面を限定することで楽曲に深みを与えています。ワウやシンセ的なアプローチも要所で導入し、SOADならではの不安定でスリリングな雰囲気を演出してきました。ここには「音を作り込むよりも、楽曲の表情を引き立てるためのアクセントとして使う」という哲学が見て取れます。
初心者やコピーバンドで彼のサウンドを再現する場合、必ずしも同じ機材を揃える必要はありません。重要なのは、ゲインを控えめにしてミドルを確保するEQバランス、そして必要な場面だけ空間系やモジュレーションを加える判断力です。安価な代替機材でも十分に雰囲気を出せるため、「どんな状況でも再現可能なサウンド設計」という点で学ぶべき部分が多いと言えるでしょう。
総じて、Malakianの音作りは「リフそのものの力」「アンプ本来のトーン」「必要最小限のエフェクト」という3つの柱で成立しています。彼のサウンドを追求することは、単に機材をコピーするだけでなく、楽曲に合わせて音を使い分ける柔軟さを学ぶことにもつながります。SOADの音楽が20年以上にわたって世界中で愛される理由は、この独自の音作りの哲学にあるといえるでしょう。
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
ギター
Ibanez Iceman
・カスタムモデル(IC 300’s、IC 200、ICX 120、DMM-1シグネチャー)。
・System of a Down初期から使用し、ステージでFenderの代わりにメインに。
・ブラックやゴールドの個体を多数所有。初期モデルは父親が塗装。最初のIcemanは盗難。
Gibson SG Standard
・レッドモデルをライブで使用。ホワイトのSGは盗難。
1962 Gibson Les Paul SG Standard (LPSG)
・『Mezmerize』『Hypnotize』以降、1968 Gibson ES-335と重ねてレコーディング。
・ライブ使用もあり。ブラックやゴールドの個体も所有。
1968 Gibson ES-335
・1962 SGと組み合わせて重厚サウンドを作成。
・ライブ使用経験あり。火災の際に唯一持ち出した大切なギター。
Jackson RR5 Randy Rhoads (RR1T)
・主にスタジオ用。
Gibson Les Paul Standard
・ブラックモデル。
Fender Stratocaster (Big Apple Strat含む)
・バンド初期に使用。2本盗難に遭う。
Early Eighties Gibson Korina Flying V
・『Mezmerize』『Hypnotize』で使用。ライブでも稀に使用。
1964 Gibson SG Special (P90搭載)
Fender Jazzmaster
・『Mezmerize』『Hypnotize』でギリシャ風サウンドのために使用。
Gibson EDS-1275 Double-Neck
Carvin (ブルー)
・10代で所有した2本目のギター。父親のトラックから盗難。
ピックアップ
Seymour Duncan SH-6
・所有ギターに搭載。
アンプ & キャビネット
Marshall JCM800
・System of a Downの基本サウンドに貢献。
Dave Friedman-modded ’70s Marshall JMP100
・『Mezmerize』『Hypnotize』以降、Scarsのレコーディングでメイン。
・ゲインモッドでヘビーなトーンに改造。
Marshall Plexi (1959 Super Lead 100 / 1987X)
Marshall MODE FOUR
Mesa/Boogie Dual & Triple Rectifier Solo Head
・SOADサウンドで多用。
Marshall Cabinets (MF 400, 1960AHWなど)
・ステージ写真で4×12キャビ確認。
Mesa Boogie Cabinets
Divided by 13 FTR-37
・ギリシャ風サウンドに使用。
Soldano Amplification
その他使用経験あり: Orange, Matchless, Vox, Ibanez, Carvin
エフェクター & 周辺機材
Boss DD-6 Digital Delay
MXR M101 Phase 90(「Chop Suey」「Lonely Day」で使用)
Strymon DIG dual digital delay
Ground Control Pro(ペダルボードのコントローラー)
Boss MT-2 Metal Zone(一部でHM-2説あり)
Fulltone Clyde Standard Wah
Line 6 DL4 Delay Modeler Looper
Vox Wah(写真で確認)
Boss PC-2 Percussion Synthesizer
Voodoo Lab Pedal Power
MSD Silvermachine Wah
Boss DD-3 Digital Delay
Boss DD-20 GigaDelay
Line 6 MM4 Modulation Modeler
SIB Electronics Mr. Delay
Boss Chromatic Tuner
EHX Deluxe Memory Man
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