① 始めに(特徴紹介)
SILENT SIREN(通称:サイサイ)のギターサウンドを語るとき、吉田菫(すぅ)さんの”抜けの良さ”と”歌を邪魔しない歪みの整理”が核になります。コードストロークは軽快なのに、バンド全体のビートが太く聴こえる。これは、ギター単体で「ローが出過ぎない設計」にして、ベースやキックの帯域と衝突しないように組んでいるからです。特に代表曲系のキャッチーなロックでは、歪みを深くしすぎず、ピッキングの粒立ちを残したまま、サビで一段だけ前に出る”ブーストの設計”が上手いタイプ。
機材面でもその思想は明確で、Marshall(ドライブ)+Fender(クリーン)を併用し、スイッチャーで足元から整理して切り替える運用が確認されています。ライブだと会場の反射・PAの乗り方で歪みが暴れやすいですが、すぅさんの構成は「クリーンの芯」「歪みの密度」「飛び道具(ピッチやドロップ)」が役割分担されていて、曲の展開に合わせて破綻しにくい。結果として、サイサイの”踊れるロック”の輪郭が崩れません。
また、ギターはJazzmasterやThinlineなど、ハイが出やすい・レンジが広いモデルを中心に運用。だからこそ音作りでは「ローを意識する(出し方を設計する)」が重要になります。ローをただ上げるのではなく、ローを”整形して”太くする。ここが真似するときのコツです。
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②使用アンプ一覧と特徴【SILENT SIREN・吉田菫(すぅ)】
すぅさんのアンプ運用は、ライブ現場の”再現性”を最優先にした構成が確認されています。具体的には、Marshall JVM 410H(ドライブ担当)とFender Super-Sonic 22(クリーン担当)の2台を併用し、基本的にFenderがクリーン、Marshallがドライブとして使い分ける形です。2024年のツアー機材紹介では、Marshall JVM 410Hヘッド+Bogner 212キャビネット、そしてFender Super-Sonic 22 Combo Blondeの2台運用が明記されています。クリーンをFenderで確保すると、PA側でEQしても芯が残りやすく、歌モノのアンサンブルで”ギターが消える事故”を防げます。一方でMarshall JVMは、歪みの密度を作りやすいのに、EQ次第でレンジを整理できるので、サイサイのようにビートが速い楽曲でも輪郭が崩れにくい。
さらに2021年のライブ機材紹介では、ホワイトトーレックス仕様のMarshall JVM 410Hヘッド&1960Aキャビネットに加えて、バックアップ用のJVM 410H、そしてFender Super-Sonic 22というラインナップが記載されています。大箱ライブでは、ヘッドのバックアップ運用は”止めないための保険”で、プロ現場の合理性がそのまま出ています。つまり、音の良し悪し以前に「同じ音を毎回出す」ことがシステム要件になっているわけです。
この思想を真似るなら、ポイントは2つです。1つ目は”クリーンの基準アンプ”を決めること(Fender系の張りのあるクリーンは相性が良い)。2つ目は”歪み担当アンプ”を別で作り、歪みはアンプ側で主役を作ること。ペダル歪みだけで完結させるより、帯域の土台が安定します。加えて、キャビネットや会場でローが膨らむ前提で、ローは出し過ぎず「ローミッドを太く」寄せるのがサイサイ方向の近道です。
なお、時期や会場でキャビネットが1960AだったりBogner 212だったり差があるため、完全同一の固定ではなく”現場最適”で変化している可能性があります。以上を踏まえると、すぅさんのアンプ像は「Fenderで芯、Marshallで密度」を軸に、バックアップも含めた実戦設計で組まれていると、想定されます。
| 機材名 | メーカー | Amazon | 楽天 | Yahoo! | メルカリ | 石橋楽器 | サウンドハウス | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Marshall JVM 410H | Marshall | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 2021/2024のライブ機材紹介で使用が確認。基本はドライブ担当。ホワイトトーレックス個体・バックアップ運用も記載あり。 |
| Marshall 1960A Cabinet | Marshall | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 2021年機材紹介でJVM 410Hとの組み合わせが記載。大箱での”定番スタック”としてローと押し出しを確保。 |
| Bogner 212 Cabinet | Bogner | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 2024年機材紹介でJVM 410Hと組み合わせが記載。212でローの広がりを抑えつつ押し出しを作りやすい。 |
| Fender Super-Sonic 22 Combo (Blonde) | Fender | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 2021/2024の機材紹介で併用が確認。基本はクリーン担当として運用され、歌モノで芯を残す役割。 |
③使用ギターの種類と特徴【SILENT SIREN・吉田菫(すぅ)】

すぅさんのギター選びは、見た目のアイコン性だけでなく「曲ごとにキャラクターを切り替える」実務性が強いのが特徴です。2021年のライブ機材紹介では、Fender Classic Player Jazzmaster Special(Shell Pink)が近年のメインとして紹介され、複数曲で使用されたことが明記されています。同じく、Fender American Deluxe Telecaster Thinline(3-Color Sunburst)も長年信頼している一本として、複数曲での使用が具体的に書かれています。さらにFender Custom Stratocaster(Burgundy Mist Metallic)が一部楽曲で使用された記載もあり、音色の”レンジ調整”や”抜け方の違い”を曲で使い分けていることが読み取れます。
2024年のツアー機材紹介では、Telecaster Thinline、Classic Player Jazzmaster Special、そしてFender SILENT SIREN Telecaster(Arctic White)がギターラックに並び、曲ごとの使用状況まで書かれています。ここが重要で、単に「持っている」ではなく「この曲でこのギター」という運用が見える。つまり、サイサイ風に寄せるなら、ギターは1本に固定するよりも、最低でも”ジャズマスター系(歯切れとレンジ)”と”テレ系(芯とアタック)”の2キャラを用意すると再現度が上がります。
音のキャラクターとしては、Jazzmaster Specialはソリッドでハイが強めになりやすいので、ローを意識して作るのがコツ。低域を闇雲に盛るより、ローミッドの芯(だいたい200〜400Hz付近)を整えて太さを作ると、サビで埋もれません。Telecaster Thinlineはセンターの温かみとリアの歪みのバランスが取りやすく、コードバッキングでも”歌の邪魔をしない前に出方”を作りやすいタイプです。加えて、Fender公式ではすぅさん監修のSILENT SIREN TelecasterがArtist Modelとして展開され、HS配列など本人の理想サウンドに寄せた設計思想が説明されています。ここからも、本人が「テレの芯+必要な歪みの扱いやすさ」を重視している流れが見えます。
なお、ご提示リストにあるFender American Ultra Stratocaster Ash(Plasma Red Burst)も2021年機材紹介で”新たに入手した”旨が記載されており、時期によって運用が変わる可能性があります。Gibson J-45(アコギ)については、バンドのアレンジや弾き語り/アコースティック編成での使用が想定され、エレキとは別に”中域の歌を支える帯域”として役割が分かれるのが自然です。以上を踏まえると、すぅさんのギター運用は「テレ系で芯」「ジャズマスターで抜けと個性」「必要に応じてストラトでレンジ調整」を軸に組まれていると、想定されます。
| 機材名 | メーカー | Amazon | 楽天 | Yahoo! | メルカリ | 石橋楽器 | サウンドハウス | ギターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Fender Classic Player Jazzmaster Special (Shell Pink) | Fender | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ジャズマスター | 実使用が複数年で確認。ソリッドでハイが強めになりやすいので、音作りはロー(特にローミッド)を”整形して”太さを作るのが要点。本人の「相棒」ポジション。 |
| Fender American Deluxe Telecaster Thinline (3-Color Sunburst) | Fender | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | テレキャスター(シンライン) | 実使用が曲単位で確認。センターの温かみとリアの歪みのバランスが良く、コードでもメロでも”歌の隙間”に収まりやすい。信頼の一本として紹介。 |
| Fender Custom Stratocaster (Burgundy Mist Metallic) | Fender | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ストラトキャスター | 2021年機材紹介で使用記載あり。特定曲でレンジやアタックを変えるための”キャラ切替”として運用されている可能性。 |
| Fender American Ultra Stratocaster Ash (Plasma Red Burst) | Fender | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ストラトキャスター | 機材紹介で新規入手の記載あり。ライブ当日はスタンバイ中心など、時期によって運用が変わる可能性があるため”サブ/予備”枠として想定。 |
| Fender SILENT SIREN Telecaster (Arctic White) | Fender | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | テレキャスター | 2019年にシグネチャーとして発売、本人監修。ライブでの使用が曲単位で確認され、本人が”理想のテレ”として設計した方向性がFender公式でも説明されている。 |
| Gibson J-45 | Gibson | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | アコースティックギター | 愛用アコギとして提示情報に基づき記載。エレキ主体のバンドでも、アコ編成や録りで”歌を支える中域”を作りやすい定番モデル。 |
④使用エフェクターとボード構成【SILENT SIREN・吉田菫(すぅ)】

すぅさんの足元は、いわゆる”ペダルを踏んで盛り上げる”というより、ライブの進行を破綻させないための「スイッチング・システム化」がポイントです。2021年の機材紹介では、ステージ袖にメインボードを置き、Free The Tone ARC-3を中枢にして、Drop(ドロップチューン)、Decimator(ノイズ対策)、Flight Time(ディレイ)、OCD/DC DRIVE/EP Booster(歪みと押し出し)、Classic Flange(揺れ)、PitchFactor(ハーモナイザー)、Zoom MS-100BT(マルチ)までをまとめて運用していることが具体的に列挙されています。さらに、ステージ上の足元にはARC-3+チューナー+パワーサプライだけを置き、袖のボードを遠隔操作できるようにしている。これは大箱での導線や歌いながらの安定運用を考えると、めちゃくちゃ合理的です。
2024年の機材紹介では、この構成がさらに”実戦寄り”に更新されており、OCDがBOSS BD-2Wへ入れ替わり、Zoom MS-100BTが外され、代わりにStrymon BlueSky(リバーブ)が入っていることが明記されています。つまり、マルチで何でもやるより、必要な役割を専用ペダルに分けて、トラブルや音の再現性を管理している方向です。チューナーもMORLEYからWalrus Audio Canvas Tunerへ変更、パワーサプライもVA-08 Mk-IIからVA-05 ADJへ変更が記載されており、運用時期で細部がアップデートされているのが分かります。
サウンド面の要点は3つです。1つ目はDropの存在で、キーの都合や曲展開に合わせて”ギター側のチューニング問題”を即解決していること。2つ目はノイズリダクションで、JVMの歪みやブーストを使っても、歌モノの静かなセクションでノイズが目立たないように制御していること。3つ目が空間とピッチで、PitchFactorやディレイ/リバーブで”サイサイらしいキラッとした飛び道具”を、必要な曲にだけ差し込めるようにしている点です。これを真似るなら、まずは「スイッチャーで切替を整理」「歪みは1〜2台に役割分担」「Drop+ノイズ対策+空間系」で骨格を作るのが近道です。以上から、すぅさんのボードは”歌いながらでも事故らない設計”を軸に進化していると、想定されます。
| 機材名 | メーカー | Amazon | 楽天 | Yahoo! | メルカリ | 石橋楽器 | サウンドハウス | エフェクターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Free The Tone ARC-3 | Free The Tone | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | スイッチングシステム | ステージ上と袖ボードの同期運用が確認。音色切替を”システム化”して、歌いながらの事故を減らす中枢。 |
| Fulltone OCD | Fulltone | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | オーバードライブ | 2021年ボードで使用が列挙。粒立ちを残したまま押し出しを作り、サビで”前に出る”用途に合う。 |
| BOSS BD-2W | BOSS | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | オーバードライブ | 2024年ボードでOCDからの入れ替えが明記。よりレンジが扱いやすく、ライブでの再現性重視の選択に見える。 |
| Carl Martin DC DRIVE | Carl Martin | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | オーバードライブ | 2021/2024ともにボード記載。メイン歪みと役割分担して”曲で歪みの密度”を変える運用がしやすい。 |
| Xotic EP Booster | Xotic | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ブースター | 太さ・押し出しを作る定番ブースト。歌モノで”ギターだけ大きい”にならずに前に出しやすい。 |
| Free The Tone Flight Time FT-1Y | Free The Tone | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ディレイ | 高機能ディレイとしてボード記載。テンポ感のある曲で”奥行きだけ足す”運用がしやすい。 |
| Strymon BlueSky | Strymon | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | リバーブ | 2024年ボードで追加が明記。空間を”綺麗に”作っても輪郭が崩れにくく、サイサイのキラ感に寄与しやすい。 |
| Eventide Pitch Factor | Eventide | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ピッチシフター | ハーモナイザー用途としてボード記載。サビ前後の飛び道具で”サイサイらしい派手さ”を足す枠。 |
| Digitech Drop | DigiTech | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ピッチシフター | ドロップチューニング用としてボード記載。曲キーの最適化を”ギター持ち替え無し”で成立させる実戦装備。 |
| Carl Martin Classic Flange | Carl Martin | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | フランジャー | 2021年ボードで記載。セクションの色変えに使いやすく、派手でも”歌の帯域”を壊しにくい枠。 |
| Zoom MS-100BT | Zoom | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | マルチエフェクター | 2021年ボードで記載。多目的に使えるが、2024年は外されたと明記されており、時期で運用が変化。 |
| iSP Technologies Decimator II G-String | iSP Technologies | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ノイズリダクション | 歪み運用でも静かな場面でノイズを抑え、歌モノでの”無音の美しさ”を守る役割。 |
| MORLEY Accu-Tuner | MORLEY | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | リズムマシン・メトロノーム | 2021年の足元チューナーとして記載。2024年は別機種に変更されているため、時期差がある。 |
| Walrus Audio Canvas Tuner | Walrus Audio | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | リズムマシン・メトロノーム | 2024年の足元チューナーとして変更が明記。視認性や運用性のアップデートと想定。 |
| Vital Audio VA-08 Mk-II | Vital Audio | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | パワーサプライ | 2021年ボード/足元で記載。複数ペダルの安定駆動が前提のため”地味に最重要”枠。 |
| Vital Audio VA-05 ADJ | Vital Audio | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | パワーサプライ | 2024年足元で記載。運用機材の変化に合わせた電源系アップデートと想定。 |
| Free The Tone JB-41S | Free The Tone | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ジャンクションボックス | ボード入出力を整理してトラブルを減らす”裏方の要”。システム化と相性が良い。 |
| Kenton THRU-5 | Kenton | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | スイッチングシステム | MIDIスルーボックスとして記載。スイッチャー中心の運用で外部制御を安定させる枠。 |
⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【SILENT SIREN・吉田菫(すぅ)】
サイサイ風の音作りを”現場で成立する形”に落とすなら、結論はシンプルで、「ギターを太くし過ぎない」「でも薄くもしない」をEQと運用で両立させます。すぅさんはMarshall(歪み)+Fender(クリーン)を併用し、基本的にFenderがクリーン、Marshallがドライブで使われることが機材紹介で明記されています。ここから逆算すると、歪みの音色は”ペダルで作る”より、アンプ側で密度を作って、ペダルは押し出しや質感調整に回している可能性が高い。これ、歌モノで強いです。歪みをペダルで作り過ぎると、会場によって高域が刺さったり、逆に埋もれたりしますが、アンプ歪みはレンジの土台が比較的安定します。
具体的なEQの作戦としては、まずギター側のローカット(HPF)を”やり過ぎない程度に必ず入れる”。目安は80〜120Hzあたりを整理し、キックとベースの居場所を空けます。その上で、太さは200〜400Hz(ローミッド)で作ります。Jazzmaster系はハイが出やすいので、ここを丁寧に作ると”細いのにうるさい”状態から脱出できます。次に、抜けは2〜4kHzで作りますが、上げ過ぎると歌の子音と喧嘩します。だから「2.5kHz付近を少し持ち上げ、3.5kHz以上は刺さるなら抑える」くらいの発想が安全。さらに、7〜8kHz以上はピッキングノイズが目立つ会場もあるので、PA側で状況に応じて丸めるのが現場的です。
アンプのCH切り替えは、すぅさんのシステムだとスイッチャー(ARC-3)を中枢に、ステージ袖のボードやアンプ切替まで含めてコントロールできる運用が確認されています。ここから真似るなら「クリーン=Fender系」「歪み=Marshall系」「ブースト=EP Booster系」「飛び道具=Pitch/Drop」「ノイズ対策=Decimator」という役割分担が基本形。例えば、AメロはFenderクリーン+薄いディレイ、Bメロで少しだけドライブ(OD1)、サビでブーストON(EP Booster)+リバーブ/ディレイを曲に合わせて足す、という”段階設計”がやりやすい。ドロップチューニングが必要な曲はDigitech Dropで処理し、同じギターのまま曲間を最短にする。ライブの流れを止めないための設計です。
ミックス視点だと、サイサイ系のギターは「ステレオで広げる」より、「センター寄りに芯を置き、空間は薄く足す」がハマりやすいです。理由は、ボーカルが主役で、コーラスやシンセも鳴るから。ギターを広げると華やかになりますが、同時に”歌の前”に出やすい。そこで、ディレイはテンポ同期のショート〜ミドル(例えば8分や付点8分)を薄めに、リバーブはプレディレイを少し長めにして”後ろに下げる”運用が安定します。BlueSkyのような上品なリバーブは、まさにこの用途に向く。ピッチ系(PitchFactor)は、常時ではなく「ここぞ」というサビ前・間奏・アウトロに限定すると、曲の展開が一段ドラマチックになります。
最後に、ノイズとゲインの管理。JVMのようなハイゲイン環境にブーストを足すと、どうしてもノイズは増えます。そこでDecimator II G-Stringのようなノイズリダクションを”ゲートとしてではなく、整流装置として”使う発想が重要です。切れ味良く切り過ぎるとサステインが死ぬので、あくまで無音時の床(ノイズフロア)を下げる目的で設定する。これが歌モノでの品の良さに直結します。以上を踏まえると、すぅさんの音作りは「帯域の衝突回避」と「曲進行を止めないシステム設計」を両立したものだと、想定されます。
⑥比較的安価に音を近づける機材【SILENT SIREN・吉田菫(すぅ)】
ここは”沼に沈まず、ちゃんとサイサイっぽく聴こえる”を最優先に、1万円〜5万円(上限10万円)で現実的な代替案を組みます。結論から言うと、すぅさんの核は「Fender系クリーンの芯」「Marshall系の歪みの密度」「Drop+ノイズ対策+空間の薄足し」です。全部を完全再現するのは難しくても、役割を模倣すれば”雰囲気の8割”は取れます。
まずアンプ/歪み土台。Marshall JVM+Fender Super-Sonicの2アンプ併用は予算的に厳しいので、初心者向けならBOSS Katana-50 MkIIのようなモデリングで”クリーンと歪みの2基準”を作るのが最短です。Katanaはクリーンが作りやすく、歪みもレンジを整えやすいので、サイサイのようにリズムが速い曲でも輪郭が残しやすい。次に歪みペダルは、2024年にOCD→BD-2Wへ入れ替わった事実があるので、BOSS BD-2(通常版)を使って”粒立ちの残る歪み”を作るのがコスパ最強。ブースター枠はEP Boosterが理想ですが、同価格帯ならXoticの系統に近い「音を太くしつつ前に出す」用途で、小型ブースターを1台追加するだけでサビの押し出しが再現しやすいです。
次に空間系。Free The Tone Flight TimeやBlueSkyは高級ですが、ディレイはBOSS DD-8、リバーブはTC Electronic Hall of Fame 2などで”薄く奥行きを足す”目的なら十分戦えます。重要なのは「深くかけない」こと。歌モノで深いリバーブは一気にアマチュア感が出るので、プリディレイ気味、ミックス少なめが安全です。ピッチ/ドロップは、Digitech Dropが理想ですが、中古も含めて手が届くことが多いので最優先投資枠。もし難しければ、マルチでドロップ相当を作れる機種を選び、曲ごとにプリセット運用します。
最後に”システム感”。ARC-3のようなスイッチャー運用は本格的ですが、初心者は「BOSS GT-1」や「ZOOM G1X FOUR」などでプリセット切替の運用に寄せるのが現実的です。すぅさんの思想は”曲で音色を切り替える”なので、マルチの方がむしろ近道になる場合もあります。例えば、プリセット1=クリーン+薄ディレイ、プリセット2=クランチ、プリセット3=歪み+ブースト、プリセット4=飛び道具(ピッチ/モジュレーション)という形にすると、サイサイのライブ感が出やすい。ノイズ対策は、歪みを使うならOne Controlなどの小型ノイズゲートを1台入れるだけでも”無音の品”が出ます。
ギター本体は本家がFender中心なので、予算内ならSquier Classic Vibe JazzmasterやSquier Thinline系で「ジャズマスターっぽい抜け」「テレっぽい芯」を作るのが狙い目です。見た目のテンションも含めて”弾きたくなる”のは、練習継続に効きます。以上の構成なら、完全コピーではなくても「帯域の整理」「曲ごとの切替」「薄い空間処理」で、サイサイ方向へ現実的に寄せられるはずです。
| 種類 | 機材名 | メーカー | Amazon | 楽天 | Yahoo! | メルカリ | 石橋楽器 | サウンドハウス | 備考 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| アンプ/アンプシミュ | KATANA-50 MkII | BOSS | 目安1〜4万円台 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 1台でクリーン基準と歪み基準を作りやすく、サイサイ系の”輪郭が残る歪み”を出しやすい。2アンプ併用の思想を疑似的に再現。 |
| 歪み | BD-2 Blues Driver | BOSS | 目安1〜2万円台 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 2024年にBD-2W採用が確認されているため方向性が近い。粒立ちを残して”歌を邪魔しない歪み”を作りやすい。 |
| ディレイ | DD-8 Digital Delay | BOSS | 目安2万円台 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | Flight Time系の”テンポ感ある奥行き”を安価に再現しやすい。薄くかけて輪郭優先がサイサイ向き。 |
| ドロップチューニング | Drop | DigiTech | 目安3〜5万円台 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 本人機材で実使用が確認されている”再現度の要”。曲キー対応が一気に楽になり、ライブの流れも止まらない。 |
| マルチ | GT-1 | BOSS | 目安2〜4万円台 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ARC-3的な”曲ごとの切替思想”をプリセットで疑似再現できる。初心者でも運用が簡単で再現性が高い。 |
⑦総括まとめ【SILENT SIREN・吉田菫(すぅ)】

吉田菫(すぅ)さんのサウンドを一言で言うなら、「歌を主役にしたまま、バンドの熱量を底上げするギター」です。これ、実はめちゃくちゃ難しい。ギターを派手にすれば一瞬で目立てるけど、サイサイがやっているのはその逆で、派手さは”必要な瞬間だけ”に限定して、普段は曲の推進力として機能させています。そのために、アンプを2台併用し(Fenderでクリーン、Marshallでドライブ)、スイッチャー中心にシステム化して、曲の展開ごとに確実に音色を切り替える。さらにDropやPitch、ディレイ/リバーブを”飛び道具として制御”して、必要な


