① 始めに(特徴紹介)
Angra(アングラ)のRafael Bittencourt(ラファエル・ビッテンコート)の音作りは、一言でいうと「クラシックなハイゲインを土台に、歌う中域と”整いすぎない人間味”を同居させる」タイプです。
速弾きやツインリードが映えるブラジリアン・パワーメタルの文脈にいながら、リフはタイトで輪郭が立ち、リードは太くて粘る。
この両立の鍵が、ミッドの置き方(出し方というより”居場所の確保”)と、ローの締め方(特に7弦やバリトン想定のロー処理)にあります。
代表的に分かりやすいのは、ツインの高速ハモりやメロディックなリードが出る曲(例:『Ride Into The Storm』系のパート)で、音が速く動いても”芯が消えない”こと。
一方でクリーンやクランチも、完全な無菌クリーンではなく、軽いコンプ感と空間の奥行きで「バンドの中で映えるクリーン」を作っている印象です。
この方向性は、現代的なデジタル環境(Kemper等)でも再現しやすく、実際にライブ運用でもKemperを中心にしたセットが語られています。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
つまり狙うべきゴールは、”激歪み=低音ドカーン”ではなく、低音は締めて、中域に歌を置き、プレゼンスで抜けを作る。
Angraの「オーケストレーション的に重なるギター」を成立させるための、かなり理性的なハイゲイン設計です。
リードはディレイやリバーブで伸ばすより、まずアンプ側(またはプロファイル)で「倍音が気持ちよく立つ歪み」を作り、そこに最小限の空間を足すのが近道です。
②使用アンプ一覧と特徴【Angra(アングラ)・Rafael Bittencourt】
ラファエルの近年運用で大きいのが、Kemper Profilerを”ライブの主力”として扱う流れです。ツアーでの機材紹介動画文脈で、Kemperをアンプとして使っている旨が引用されており、フット側はProfiler Remoteでクリーン/ベース/ソロなど曲用に切り替える運用が語られています。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
この発想に寄せると、音作りは「アンプ1台を頑張って万能化」よりも、「用途別にプロファイルやシーンを切り替えて、常に最適状態を呼び出す」が本筋になります。
Angraは曲展開が多く、クリーン→ハイゲイン→リードの繋ぎもシビアなので、こういう”確実性の高い設計”は理にかなっています。
アナログ側の王道としては、Marshall JCM800(2203など)やJCM900の系統が「抜ける中域」「歯切れの良いロックな歪み」の基準点になりやすいです。一般論としてJCM800はブライトでミッドが前に出やすく、TS系でローを締めて押し出す運用が定番、という性格が知られています。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
Angra文脈では、ここにモダン側のゲイン(5150系、Rectifier系)を足して”リフの密度”を上げると、アルバムのリズムの圧が作りやすい。
Mesa/Boogie Dual Rectifier / Single Rectifierは、ローが厚くて迫力が出る一方で、放っておくと低域が膨らむので、EQとブーストで締めるのが前提のアンプです(Kemper側ならプロファイル選びでだいぶ解決します)。
さらにEVH 5150 / Peavey 5150は、メタルの”タイトな粒立ち”が作りやすく、Palm muteのアタックが揃います。Laney VH100Rは英国系の抜けを保ったままゲインが作れるので、ミッドの歌い方が欲しい場面と相性がいい。
そしてBOSS KATANA MkIIについては、BOSS TONE CENTRAL上でRafael Bittencourt名義のライブセット(Songwriting Collection)が公開されており、作曲に使う音色を詰め込んだ趣旨が明記されています。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
「本人がKATANAの音色セットを公式に出している」という意味で、再現性重視の入口として価値が高いです。
ただし、ここまでの”候補アンプ像”は、時期や曲で使い分けがある前提です。特にKemper運用はプロファイル選択が音の大半を決めるため、同じ”機材名”でも中身が変わります。
したがって「Kemper中心+必要に応じてMarshall/5150/Rectifier系プロファイル(または実機)に寄せる」という設計が妥当で、細部は楽曲・チューニング・ギター(7弦/バリトン含む)により動く、と想定されます。
| 機材名 | メーカー | Amazon | メルカリ | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Kemper Profiler | Kemper | 検索 | 検索 | ツアー運用の”アンプ本体”として言及され、Remoteで曲ごとに切替運用が語られている。:contentReference[oaicite:4]{index=4} |
| JCM800 2203 | Marshall | 検索 | 検索 | ブライトで中域が前に出やすい王道歪み。TS系でローを締める運用が定番という一般的特徴。:contentReference[oaicite:5]{index=5} |
| JCM900 | Marshall | 検索 | 検索 | 90年代以降のMarshall系ハイゲインの選択肢。JCM800と同系統で、曲によりキャラクター差を使い分けやすい。 |
| Dual Rectifier | Mesa/Boogie | 検索 | 検索 | ローが厚いモダンハイゲイン枠。Angraの密度あるリフに合うが、低域はブースト/EQで締める前提で扱う。 |
| Single Rectifier | Mesa/Boogie | 検索 | 検索 | Rectifier系の別バリエーション。リード/バッキングでゲイン感の質を変えたい時の候補。 |
| EVH 5150 | EVH | 検索 | 検索 | タイトで粒立ちが揃うメタル定番。ブースト前提でローを締めるとAngraの刻みに寄せやすい。 |
| Peavey 5150 | Peavey | 検索 | 検索 | 5150系の原点。録音でのリズム用途として想定されやすい。Kemperなら5150系プロファイルで近づけるのが現実的。 |
| VH100R | Laney | 検索 | 検索 | 英国系の抜けを保ちつつゲインも作れる枠。ミッドの歌い方を保ったまま歪ませたい時の候補。 |
| KATANA MkII | BOSS | 検索 | 検索 | BOSS TONE CENTRALにRafael名義のライブセットが掲載(作曲向け音色コレクション)。入口として再現性が高い。:contentReference[oaicite:6]{index=6} |
③使用ギターの種類と特徴【Angra(アングラ)・Rafael Bittencourt】

ラファエルのギター選びは時期・用途でかなり幅がありますが、方向性は一貫していて「メロディが歌うミッドを確保しつつ、リズムはピッキングの立ち上がりが揃う」ことを優先している印象です。
近年のメタル文脈では、Evertuneブリッジ搭載モデルが”録りの安定性”という意味で強力です。チューニングが暴れにくく、同じテイクを重ねてもピッチが揃いやすいので、Angraの密度ある多重ギターに向いています(特にバッキングの重ね録り)。
実際にコミュニティ情報としても、Kemper運用と並んで現場志向のセットが語られがちで、合理的な選択だと考えられます。:contentReference[oaicite:7]{index=7}
指定機材として挙がっているESP Custom Shop Eclipse(90年代から愛用)や、ESPのEvertune搭載モデル(『ØMNI』等のバッキングでメイン)というラインは、「レスポール系の太さ+安定運用」という文脈で筋が通っています。
さらにIbanez RGD61ALET(Fishman+Evertune)は、よりモダンに”輪郭が立つリズム”へ寄せるための理屈が明快で、『Cycles of Pain』のような現代寄りの硬さ・タイトさに近づけやすいタイプです。
また、公式MVでESP E-II Horizon FR-7(7弦)が描写されているという情報もあり、低音域の拡張(7弦運用)を視覚証拠ベースで押さえられるのがポイントです。:contentReference[oaicite:8]{index=8}
Yamaha系(AES Dragon、RGXA2/RGX-A2 W、Revstar)は、ブラジル勢にありがちな”派手なメタル一点突破”ではなく、曲作りやオーバーダブで音色の幅を作る発想と相性が良いです。RGXA2は軽量構造や新開発PUなど、設計思想として歪みにも対応するモデルとして説明されています。:contentReference[oaicite:9]{index=9}
Tagima T-Zeroのようなブラジルブランドを経由している点も、地元シーンの文脈として自然。Tagima自体がブラジルで展開されるブランドであることも、一般的な解説で触れられています。:contentReference[oaicite:10]{index=10}
「Gibson Les Paul / PRS Custom 22」「Charvel by Jackson(Floyd Rose)」「Fender Baritone」などは、曲のキャラクターに合わせた”色付け枠”として合理的です。
結論として、基本はレスポール系/スーパーストラト系を軸に、7弦・バリトン・Evertuneで録りとライブの精度を上げる、という設計がAngra的で、細部のモデルは時期・曲・チューニングで前後する、と想定されます。
| 機材名 | メーカー | Amazon | メルカリ | ギターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| Custom Shop Eclipse | ESP | 検索 | 検索 | レスポール系 | 90年代からの愛用とされる主要機材枠。太い中域でリードが歌いやすい。 |
| ESP(Evertuneブリッジ搭載モデル) | ESP | 検索 | 検索 | エレキギター | 近年作のバッキング録音でメインとされる枠。多重録りのピッチ安定に有利。 |
| RGD61ALET(Fishman + Evertune) | Ibanez | 検索 | 検索 | エレキギター | 近作リズム録音用途とされる枠。タイトで輪郭の立つモダンメタル寄り。 |
| AES Dragon(Custom) | Yamaha | 検索 | 検索 | エレキギター | シグネチャー的カスタムモデル枠。中域の押し出しでリードに合う想定。 |
| RGXA2 / RGX-A2 W | Yamaha | 検索 | 検索 | エレキギター | 軽量ボディが特徴。新開発PUで歪みにも対応する設計思想が説明されている。:contentReference[oaicite:11]{index=11} |
| Revstar | Yamaha | 検索 | 検索 | エレキギター | オーバーダブ用途の色付け枠。ミッドの質感を変えて重ね録りで立体感を出しやすい。 |
| T-Zero | Tagima | 検索 | 検索 | エレキギター | ブラジルブランド枠。Tagimaはブラジルで展開されるブランドとして一般解説もある。:contentReference[oaicite:12]{index=12} |
| Les Paul | Gibson | 検索 | 検索 | レスポール系 | 録音での色付け枠。太いミッドでソロの”歌”を作りやすい。 |
| Custom 22 | PRS | 検索 | 検索 | ダブルカッタウェイ | 録音での色付け枠。レンジの広さでバッキング/リード両対応しやすい。 |
| Charvel by Jackson(Floyd Rose搭載) | Charvel / Jackson | 検索 | 検索 | スーパーストラト系 | 初期プロ機材として使用とされる枠。アーミングを含む80s系表現に強い。 |
| Baritone Guitar | Fender | 検索 | 検索 | バリトンギター | 特定曲の低音補強枠。7弦とは別の”ローの質感”を作れるのが利点。 |
| E-II Horizon FR-7 | ESP | 検索 | 検索 | 7弦ギター | 公式MVでの使用が示される情報あり。低音域拡張と現代的リフに有効。:contentReference[oaicite:13]{index=13} |
④使用エフェクターとボード構成【Angra(アングラ)・Rafael Bittencourt】

ラファエルのエフェクト運用は、ざっくり言うと「歪みはアンプ側(またはプロファイル)で完成させ、足元は”整える・繋ぐ・空間を作る”」が基本になりやすいです。
特にKemper運用が前提になると、足元はシーン切替と必要最低限のアナログ補助(ブーストや定番ディレイ)に寄るのが自然で、実際にKemperをアンプとして使い、Remoteでクリーン/ベース/ソロ等を切り替える発言が引用されています。:contentReference[oaicite:14]{index=14}
歪み・ブースター枠で象徴的なのがIbanez Tube Screamer系。これは”ゲインを足す”というより、ローを削って中域を押し、ピッキングの輪郭を揃えるための道具です。
Angraのように、速いパッセージとコードリフが同居するバンドでは、ここが効くとミックスでの居場所が決まりやすい。
また、空間系はBOSS DD-3のような定番デジタルディレイで、ソロに「長さ」と「距離感」を与える。テープエコー(実機)をクリーンで使う、という発想も、完全に綺麗すぎない”温度”を足すためのものとして理屈が通ります。
さらに面白いのが「録音では5〜6種類のディレイを使い分ける」という思想。これは、単に派手にするためではなく、曲のテンポ感やフレーズ密度に合わせて”反射の粒”を変えている可能性が高いです。
16分が多いソロにロングディレイを深く入れると濁るので、短め+フィードバック控えめ、逆に歌ものメロディなら少し長くして余韻を作る。
この”ディレイの設計”が、Angraらしいシンフォニック感(広がり)を支える隠れボスです。
マルチ/プロセッサーではFractal Audio Axe-Fx II XL+が挙げられています。Axe-Fx IIは多種のアンプ/キャビ/エフェクトを内部で組める設計思想が説明されており、持ち運びや再現性の点で合理的です。:contentReference[oaicite:15]{index=15}
キャリアの時期によりBOSS ME-5やZoom G5nのようなマルチも使われた、とされているので、ここは「時期で変遷がある」前提で捉えるのが安全です。
ワイヤレスはShure ULXP14、Kemper側の操作はProfiler Remoteという整理にすると、ライブでの段取りが非常に読みやすくなります(Remote自体の仕様説明も一般に公開されています)。:contentReference[oaicite:16]{index=16}
まとめると、足元は”派手なペダルボード”というより、曲数が多いAngraを破綻なく回すための制御系+必要最小限の音色補助、という設計が近そうです。
ただし、具体的にどのディレイやモジュレーションを何台並べたかは時期・制作環境で変わるため、ここは「こういう思想で組まれている可能性が高い」という前提で追うのが妥当で、と想定されます。
| 機材名 | メーカー | Amazon | メルカリ | エフェクターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| Tube Screamer | Ibanez | 検索 | 検索 | オーバードライブ | アンプ前でローを締め、ミッドを押してピッキングの輪郭を揃える用途。Angraの刻みと相性が良い。 |
| DD-3 | BOSS | 検索 | 検索 | ディレイ | 定番ディレイ。ソロの”長さ”と定位(奥行き)を作る基本装備として想定しやすい。 |
| テープ・エコー(実機) | 不明(Roland/Fulltone等の可能性) | 検索 | 検索 | エコー | クリーンの温度感や揺れを足す用途。完全に無菌にならない”人間味”が出る。 |
| ディレイ各種(5〜6台使い分け想定) | 不明 | 検索 | 検索 | ディレイ | 曲/テンポ/フレーズ密度で反射の粒を変えるための運用想定。録音で濁りを避ける狙い。 |
| Axe-Fx II XL+ | Fractal Audio | 検索 | 検索 | ギター用マルチエフェクター | 多くのアンプ/キャビ/エフェクトを内蔵し、持ち運びと再現性に寄せられる設計思想が説明されている。:contentReference[oaicite:17]{index=17} |
| ME-5 | BOSS | 検索 | 検索 | ギター用マルチエフェクター | キャリアの時期により使用とされる枠。80s-90s的なマルチ運用の延長として想定。 |
| G5n | Zoom | 検索 | 検索 | ギター用マルチエフェクター | 時期により使用とされる枠。現代の”軽量で実用”なボード構成に寄せる際の候補。 |
| ULXP14 | Shure | 検索 | 検索 | ノイズ系エフェクター | ワイヤレスシステム。ステージ上の動きや段取りを安定させる運用枠(分類上は”システム機材”)。 |
| Profiler Remote | Kemper | 検索 | 検索 | スイッチングシステム | Kemperの制御用。ツアー機材紹介文脈で使用が語られ、曲別クリーン等を切替。:contentReference[oaicite:18]{index=18} |
⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Angra(アングラ)・Rafael Bittencourt】
ここが一番おいしい所です。Angraのギターは「単体で聴くと意外と細いのに、バンドに入ると異様にデカい」になりがちで、ラファエル周辺の音作りもその思想に寄っています。
重要なのは”低音を出す”より”低音を管理する”こと。特に7弦・バリトン・ダウンチューニングを混ぜる場合、ローが暴れるとキックとベースが死にます。
なので、基本設計は「HPF(ローカット)+ローはタイトに、中域で存在感、プレゼンスで抜け」です。これ、地味だけど強い。
具体的なEQの目安(ギター・バス)
・録りの段階:80〜120Hzあたりは思い切って整理(HPFの開始点は曲で調整)。
・濁り帯域:200〜350Hzは、キャビやプロファイルによって”箱鳴り”が出やすいので、必要なら軽くカット。
・歌う中域:800Hz〜1.6kHzあたりは、ラファエル的な”メロの芯”が出る帯域。削りすぎるとAngra感が消えます。
・痛い帯域:2.5〜4kHzはピッキングの痛さが出やすいので、耳に刺さるなら軽く整える。
・抜けの帯域:4〜6kHzはアタックの抜け。出し過ぎると薄くなるので「抜ける最小量」を狙う。
チャンネル切替(またはKemperシーン切替)の考え方
ライブでKemperを”アンプ”として使い、Remoteでクリーン/ベース/ソロを切り替える発想が示されています。:contentReference[oaicite:19]{index=19}
これを再現設計に落とすと、1プリセットで全部やろうとせず、最低でも以下の3状態を作るのが早いです。
(1) クリーン:コンプ軽め+(必要なら)テープエコー系で温度。
(2) リズム:ローを締めたハイゲイン。TS系で前段整形(Drive低め、Level高め)。
(3) リード:リズムから”音量と中域”を足し、ディレイを薄く足して前に出す。
曲ごとの使い分け(Angraで効くやつ)
・ツインハーモニーが速い曲:ディレイは短め(スラップ寄り)か、ほぼ無し。代わりにリバーブ極小で”糊”を作る。
・メロディが歌うソロ:ディレイは付点8分や4分で”歌の尾”を作る。フィードバックは上げすぎない。
・ラテン/シンフォ系の広がりが欲しい曲:ステレオ感(ダブリングやマイクIR差)で横を作り、リバーブは長さより”初期反射感”を意識。
ミックス処理(PA/エンジニア目線)
Angraはアレンジ情報量が多いので、ギターの役割は「情報を増やす」より「音像の柱を作る」ことになります。
・ダブは”同じ音を重ねない”:メインL/Rは同系統でも、ピックアップ/ギター/プロファイル/IRを少し変えて、位相の勝ち負けを避ける。
・ソロは”音量より帯域”:フェーダーを上げるより、1kHz前後を少し足す、または2〜3kHzの邪魔を減らす方が前に出る。
・ノイズ管理:ハイゲインはゲートを深くしすぎるとレガートが死ぬので、ゲートは軽め+手ミュートで詰める(もしくは2段ゲート)。
KATANA MkIIを入口にする場合
BOSS TONE CENTRALにRafael名義のライブセットが掲載され、作曲向けの音色を詰め込んだ趣旨が明記されています。:contentReference[oaicite:20]{index=20}
これを”基準音”として、ライブや宅録で「Angraっぽいミッド」「タイトなリズム」を作ってから、Kemperや他アンプへ移行するのはかなり賢いルートです。
結局、ハイエンド機材は”正解に近づく速度”が速いだけで、正解の設計図(EQ/帯域の考え方)が無いと迷子になります。
最終的には、ギター(レスポール系/7弦/バリトン)とチューニング、そして曲の密度で、HPF位置・ミッドの量・ディレイの長さが動きます。
このあたりは「固定プリセット」より「設計思想」を持って調整するのが現実的で、と想定されます。
⑥比較的安価に音を近づける機材【Angra(アングラ)・Rafael Bittencourt】
ここは”沼への優しい入口”です。ラファエルの方向性を安価に再現するコツは、機材のブランドより「ローを締める」「ミッドで歌わせる」「空間は最小限で気持ちよく」の3点を再現すること。
つまり、最初に買うべきは”万能ハイゲイン”ではなく、(1) そこそこ良いアンプ/モデラー、(2) TS系、(3) 使いやすいディレイ。この3つが揃うと、かなり近づきます。
特にBOSS KATANA MkIIは公式にRafael名義のライブセットが存在するので、再現性の観点で強いです。:contentReference[oaicite:21]{index=21}
安価構成の考え方(1〜5万円帯の現実解)
・アンプ:KATANAや小型モデラーで「ミッドが前に出る歪み」を作る。
・ブースト:TS系でローを削ってピッキングを揃える(Driveは上げすぎない)。
・ディレイ:DD-3系の”わかりやすいディレイ”でソロの余韻を作る。
これだけで、Angraの「速いのに芯がある」が体感できます。逆に、ここが無いまま高級機材に行くと”設定迷子”になりやすい。
もう一歩寄せるなら
・EQペダル(またはアンプ内蔵EQ)で、200〜350Hzの濁りを管理。
・ノイズリダクションは強すぎない設定で、レガートが死なない範囲に。
・IRが使える環境なら、キャビIRで”抜けの質”が一気に近づく(特にKemper/Axe-Fx文脈の再現に有利)。
大事なのは、ラファエル風サウンドは「歪み量の多さ」ではなく「帯域の整理と、曲の中での前後関係」で成立している点。
なので安価機材でも、HPF的な発想(ローを削ってタイトに)と、ミッドを置く発想ができれば十分戦えます。
以下に、1〜5万円中心(上限10万円)で”似せやすい理由が明確”な候補をまとめます。
| 種類 | 機材名 | メーカー | Amazon | メルカリ | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| アンプ | KATANA-50 MkII / KATANA-100 MkII | BOSS | 検索 | 検索 | 公式にRafael名義のライブセットが存在し、入口として再現性が高い。ミッドの作り方を学びやすい。:contentReference[oaicite:22]{index=22} |
| オーバードライブ | TS Mini(またはTS系互換) | Ibanez | 検索 | 検索 | ローを締めて輪郭を揃える”Angraの刻み”再現に直結。Drive控えめ+Level高めが基本。 |
| ディレイ | DD-3T(またはDD-3系) | BOSS | 検索 | 検索 | ソロの余韻を”分かりやすく”作れる定番。薄く混ぜるだけでそれっぽさが出る。 |
| マルチエフェクター | G5n | Zoom | 検索 | 検索 | アンプ/空間/ゲートをまとめて管理しやすい。プリセット運用で曲展開の多いAngraに対応しやすい。 |
| ノイズリダクション | NS-2 | BOSS | 検索 | 検索 | ハイゲインの休符を締める。強くかけすぎず、レガートが死なない範囲で使うのがコツ。 |
| イコライザー | GE-7 | BOSS | 検索 | 検索 | 200〜350Hzの濁り整理、1kHz前後の芯作りに直結。Angraの”バンドでデカい”を作りやすい。 |
| プリアンプ/アンプシミュレーター | IR-2 / IR-200 | BOSS | 検索 | 検索 | キャビIR運用で”抜けの質”が作りやすい。Kemper/Axe系思想への橋渡しとして優秀。 |
⑦総括まとめ【Angra(アングラ)・Rafael Bittencourt】

ラファエル(Rafael Bittencourt)風の音作りを一言でまとめるなら、「速いフレーズが埋もれないように、帯域と段取りを”設計”する」ことです。
メタルって、つい歪み量や低音量で殴りたくなるんですが、Angraは情報量が多いぶん、殴るほど逆に見えなくなる。
だから彼のサウンドの本質は、ローを締めて、ミッドに歌を置き、必要最小限の空間で立体にする——この理性的な設計にあります。
機材面では、Kemperを”アンプ”として使い、Remoteで曲ごとにクリーン/ベース/ソロを切り替えるような運用が語られており、ライブでの再現性を最優先する思想が見えます。:contentReference[oaicite:23]{index=23}
さらにKATANA MkIIについても、BOSS TONE CENTRALにRafael名義のライブセットがある点は、初心者〜中級者が「本人の方向性を外さずに始める」強い助けになります。:contentReference[oaicite:24]{index=24}
再現のために必要な視点は、実は3つだけ。
(1) 低域は”出す”より”管理する”(HPF、ブースト、EQ)。
(2) 中域は”出す”のではなく”居場所を作る”(1kHz前後の芯を守る)。
(3) 空間は”派手に”ではなく”気持ちよく最小限”(曲の密度でディレイを変える)。
この3点を守ると、アンプがKemperでもMarshall系でも、かなりの確率でAngraの輪郭に寄ります。
そして最後に、ちょっとだけ身も蓋もない真実。
Angraの”それっぽさ”は、実はギター単体より「ベースとキックと競合しない設計」で決まります。だからあなたが家で作るなら、単体音がカッコよすぎるより、バンドで聴いた時にデカい音を目指すのが近道。
機材はそのための道具で、設計図(帯域・切替・空間)が主役です。そう考えると、再現はかなり現実的で、と想定されます。

