始めに(特徴紹介)
Jonny Greenwood(ジョニー・グリーンウッド)は、Radioheadの中核を担うギタリストであり、実験的かつ革新的なサウンドメイキングで知られています。彼の演奏は「ただのギターサウンド」にとどまらず、クラシック音楽や電子音楽のアプローチを取り込み、バンドの音像を根本から広げてきました。
代表的な例として、『OK Computer』収録の「Airbag」や「Paranoid Android」では、Telecaster Plusに搭載されたキルスイッチとMarshall ShredMasterを組み合わせ、独特のリズミカルなノイズを刻み込みました。また、「Pyramid Song」ではFender Starcasterに弓を当て、チェロやヴァイオリンを思わせる幻想的な音を再現。これらの工夫は、ロックバンドの枠を超えたサウンドスケープを築き上げています。
彼の音作りの特徴は「対比」にあります。クリーンで煌びやかなVox AC30のサウンドと、荒々しく歪んだFender Eighty-Five+ShredMasterのラインをBOSS LS-2で切り替えることで、1曲の中で全く異なる質感を演出しています。そのため、Jonnyのギターは常に「場面転換」を担い、楽曲の物語性を支える存在となっています。
また、ライブにおいてはボリュームペダルやWhammyの操作を駆使し、楽曲中にリアルタイムで劇的な変化を加える点も大きな特徴です。これにより、予測不能かつダイナミックな音像が生まれ、観客を没入させる要因となっています。
こうした独自性は、ギタリストとしてのテクニックだけでなく、クラシックの作曲家として活動するJonnyの音楽観とも密接に結びついており、Radioheadのサウンドを唯一無二のものにしているのです。
使用アンプ一覧と特徴【Radiohead・Jonny Greenwood】
Jonny Greenwoodが構築するサウンドの中で、アンプの役割は非常に大きなウェイトを占めています。彼の音作りは基本的に「歪み専用のソリッドステート+クリーン用の真空管アンプ」という二系統構成で、BOSS LS-2を使って切り替える方式を長年維持してきました。
歪み系の中核を担ったのは、90年代初期から用いてきたFender Eighty-Five/Deluxe 85/Studio 85といったソリッドステートアンプ群です。これらはMarshall ShredMasterと組み合わせることで独特のコンプレッション感と鋭いミッドを生み、Radioheadの初期代表曲「Airbag」「My Iron Lung」などで確認されています。チューブアンプにはない硬質なレスポンスを逆手に取ったJonnyらしい選択だといえるでしょう。
一方で、クリーン~低ゲイン領域の要となるのがVox AC30系です。AC30TBXやDave Petersen Specialなど複数の個体を運用し、『OK Computer』以降の瑞々しく広がりのあるトーンを支えました。空間系エフェクトとの相性が抜群で、「Lucky」や「Subterranean Homesick Alien」といった楽曲に見られる立体的な音像は、このアンプとディレイ/リバーブの組み合わせによるものです。
さらに補強的に、Fender Twin Reverb(’65 ReissueやSilverface)、Super Reverb、Vibro-Kingなども登場。これらはライブの規模や楽曲の性格に応じて選ばれ、広い会場でも抜ける高域とウォームなローを両立させています。また、ヴィンテージのBassman Headや小型のChamp 5C1(1953年製)をスタジオで試していた記録もあります。
加えて、Orange OR80/OD80やMesa/Boogie Mark系、Roland Jazz Chorusといったアンプも特定のツアーやセッションで用いられたとされます。特にRoland JCはモジュレーション系エフェクトとの親和性が高く、Jonnyのアンビエント的な音色づくりを補強してきました。Ampeg PortaflexやAshdownベースアンプをギター用に組み込んだケースもあり、これは低音域の厚みをバンド全体に与えるための工夫と推測されます。
こうしたアンプ群の特徴は、常に「クリーンと歪みを別系統で極端に作り分ける」ことにあり、これが彼の音のドラマ性を決定づけてきました。ライブ写真やインタビューの断片情報に基づくものも多いため、時期によって細部は異なるものの、全体としては上記のシステムを基本に運用していたと想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Fender Eighty-Five / Deluxe 85 / Studio 85 | Fender | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | ShredMasterと組み合わせた歪み専用クリーン母艦 |
Vox AC30 TBX / Petersen Special / CC2 | Vox | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | クリーン~低ゲインの基盤。ディレイとの相性抜群 |
Fender Twin Reverb(’65 RI/Silverface) | Fender | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | 大規模会場でのクリーン補強 |
Orange OR80 / OD80 | Orange | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | 70年代コンボ、限定的に使用 |
Roland Jazz Chorus | Roland | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | モジュレーション系と組み合わせて使用 |
Ampeg Portaflex B-15R / PF-50T | Ampeg | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | 低音域補強用途で導入 |
使用ギターの種類と特徴【Radiohead・Jonny Greenwood】
Jonny Greenwoodの音作りにおいて最も象徴的なのは、Fender Telecaster Plus V1です。アンティークバーストの個体はLace Sensor Blue(ネック)+Dually Red-Red(ブリッジ)という特殊なピックアップ構成を持ち、さらに自作でApem製のキルスイッチを搭載。このギターこそが『OK Computer』期の「Airbag」「Paranoid Android」「Electioneering」などで独特のカッティングノイズを生み出した原点です。ボディには「Attack No.1」やHondaのステッカーが貼られており、ライブ映像でもファンにはお馴染みのルックスとなっています。
同じくTelecaster Plus V1のEbony Frostカラーも重要で、『My Iron Lung』のイントロやヴァース部分で使用されたことが知られています。この個体は1995年に盗難被害に遭いましたが、なんと2014年に再び所有者の手元に戻ってきたという逸話を持ちます。Jonnyにとって単なる機材以上の「歴史を背負った一本」と言えるでしょう。
それ以外にも、アメリカンスタンダードTeleを改造してPlus仕様に仕立てた個体や、16歳の時に初めて手にしたクリームカラーのTelecaster Standard(残念ながら1992年に盗難)など、Telecasterは彼のキャリアを通して最重要の存在でした。
また、エクスペリメンタルなサウンドを追求する中で、Fender Starcaster(1970年代)も多用。特に「Pyramid Song」ではバイオリンの弓を用いてボウイング奏法を取り入れ、幻想的でクラシカルな響きを作り出しました。これはクラシック作曲家としての側面を持つJonnyならではの試みと言えるでしょう。
さらにGretsch Chet Atkins Tennessee Rose HT、Gibson Les Paul StandardやCustom、Rickenbacker 360 Fireglo、Gibson ES-335など、シーンや楽曲ごとに異なるギターを導入。いずれもRadioheadの幅広い音楽性を支えるための多彩な音色パレットとして活用されてきました。
アコースティックギターも重要で、Lakewood M14、Martin D-35や00-18、Gibson Hummingbirdなどをステージやレコーディングで使用。特に「Exit Music (For a Film)」のようなシンプルでエモーショナルな楽曲では、その表現力が大きく貢献しています。The SmileではGibson Les Paulの使用が確認されており、現在も進化し続けるサウンド構築の一端を担っています。
このように、Telecaster Plusを軸としつつ、セミアコやレスポール、リッケンバッカーなどを適宜使い分けることで、Radioheadの実験的で幅広い音像を可能にしてきたと想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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Fender Telecaster Plus V1(Antique Burst) | Fender | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | エレキ | メイン機。キルスイッチ搭載。OK Computer期の象徴 |
Fender Telecaster Plus V1(Ebony Frost) | Fender | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | エレキ | 『My Iron Lung』録音に使用。盗難→再取得の逸話あり |
Fender Starcaster(1970s) | Fender | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | セミアコ | 『Pyramid Song』で弓奏法に使用 |
Gretsch Chet Atkins Tennessee Rose HT | Gretsch | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | セミアコ | クリーンなアルペジオや装飾音で使用 |
Rickenbacker 360 Fireglo | Rickenbacker | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | セミアコ | きらびやかなクリーントーンを補強 |
Lakewood M14 | Lakewood | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | アコースティック | ライブでも用いたアコースティック代表機 |
Martin D-35 | Martin | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | アコースティック | クラシカルで深い響きを持つ代表機 |
使用エフェクターとボード構成【Radiohead・Jonny Greenwood】
Jonny Greenwoodのサウンドにおいて最大の鍵を握るのが、膨大かつ実験的なエフェクターボードです。彼は90年代から一貫してMarshall ShredMasterを基盤に据え、ソリッドステートアンプと組み合わせることでRadiohead初期の攻撃的なリフを構築しました。特に「Airbag」や「My Iron Lung」では、この組み合わせがバンドの骨格を成しています。加えて白筐体の改造クローンも導入し、独自の歪みキャラクターを確立しました。
ローゲイン寄りのサウンドにはBOSS SD-1を長らく愛用し、2000年代以降はOD-3に移行。The Smileの活動ではIbanez TS-808も追加されており、オーバードライブの選択は時期ごとに進化していることが伺えます。
モジュレーション系ではDigitech Whammy(WH-1、WH-4)が象徴的です。キルスイッチと組み合わせたピッチシフトによる「ずり落ちるような音」は、Jonnyの代名詞とも言えるテクニックです。他にもEHX Small Stone(複数世代)やPolyChorus、DOD 440 Envelope Filterなどがセットされ、楽曲ごとに音色を変化させています。さらにZ-Vex Fuzz Probeによるノイズ実験や、Demeter Tremulatorでのトレモロ表現も確認されています。
空間系では、往年のRoland RE-201 Space Echoを筆頭に、BOSS RE-20やRV-3→RV-5(特にPlateリバーブ)といった定番エフェクトを導入。近年はStrymon TimelineやBOSS DD-200といったデジタルディレイがセットされ、ルーパー用途にはAkai Headrush E1/E2が用いられました。
ユーティリティ面ではBOSS LS-2がシステムの心臓部となり、アンプの切替えを制御。ボリュームペダル(BOSS FVシリーズ、Ernie Ball VP Jr)やチューナー(TU-2/TU-3)、電源供給にはVoodoo Lab Pedal Power 2が使用されました。さらに、Korg Kaoss Pad KP1やMutronics Mutatorといったオフボード機材を駆使し、スタジオやライブで即興的なサウンドデザインを行っています。
演奏小物としてもEBowやコイン、弓、ペイントブラシなど多彩な道具を用い、通常のギタリストの枠を超えたアプローチを展開。これらを組み合わせることで、Jonny Greenwood特有の「ギターでありながらギターらしくない」音像が生まれているのです。
結果として彼のボード構成は時期ごとに流動的ではあるものの、「ShredMaster+Whammy+空間系+LS-2切替」という基本軸を保ちつつ進化してきたと想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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Marshall ShredMaster | Marshall | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | ディストーション | 90年代のリード/ヘヴィ基盤。白筐体改造版も使用 |
BOSS SD-1 / OD-3 | BOSS | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | オーバードライブ | 時期により切替。SD-1→OD-3→The SmileではTS-808も使用 |
Digitech Whammy WH-1 / WH-4 | Digitech | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | ピッチシフター | キルスイッチと併用。代表的トリック奏法 |
EHX Small Stone / PolyChorus | Electro-Harmonix | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | モジュレーション系 | フェイザー/コーラスとして複数世代を運用 |
Roland RE-201 Space Echo | Roland | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | エコー | スタジオ/ライブ双方で使用。BOSS RE-20で代替も |
BOSS LS-2 | BOSS | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | スイッチングシステム | アンプ2系統の切替え中枢 |
Akai Headrush E1/E2 | Akai | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | ルーパー | ライブでの即興ループ構築に使用 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Radiohead・Jonny Greenwood】
Jonny Greenwoodの音作りは、単純な「ギター+アンプ」の関係に収まらず、PAやスタジオミックスを含めた総合的なサウンドデザインです。彼のセッティングはライブとレコーディングで大きく異なる場合がありますが、基本軸は「歪み系とクリーン系の明確な分離」にあります。
歪み側では、Marshall ShredMasterとFenderソリッドステートアンプの組み合わせによって、粒立ちの細かいハイゲインを形成。EQの設定は中域を強調し、ローエンドをカット気味にすることで、ノイジーでありながらもミックス内で抜けやすい音に仕上げています。例えば「Airbag」では、低域を削ったドライな歪みがドラムやベースと分離し、独自のアタック感を前面に押し出しています。
クリーン側のVox AC30では、トレブルとプレゼンスをやや上げつつ、ベースは控えめにセッティングするのが基本。これにより空間系エフェクトをかけた際に濁りを防ぎ、ギターが広がりを持って定位するようになります。特に「Lucky」や「No Surprises」では、リバーブやディレイと融合しながらもクリアな音像を維持しているのが特徴です。
ディレイやリバーブの設定は、曲ごとに大きく異なります。例えば「Subterranean Homesick Alien」ではリピート回数を多めにし、フィードバックを浅めにしてアン비エントな揺らぎを演出。対して「Just」や「Electioneering」ではリバーブを極力抑え、タイトで攻撃的なサウンドを意識しています。これはエンジニアNigel Godrichの意図も大きく反映されており、レコーディングでは曲単位でセッティングが緻密に変えられていると考えられます。
また、Jonnyはライブにおいてボリュームペダルの操作を駆使し、フェードイン/アウトやオルガンのようなサスティン効果を生み出します。これにリバーブやディレイを重ねることで、ギターでありながらシンセやストリングスに近い響きを作り出しているのです。「How to Disappear Completely」や「Pyramid Song」に顕著なこの手法は、Radioheadの世界観を象徴するサウンドの一部です。
ミックス面では、Jonnyのギターは必ずしも「正面」に配置されるわけではなく、左右に振り分けられたり、時には奥行きの中に溶け込むように処理されます。特に実験的なトラックでは、Kaoss PadやMutronics Mutatorなどの外部機材を通した加工音が別チャンネルに加えられ、ギターの存在感が「音色」から「質感」へと変換されています。
EQの具体例としては、歪みチャンネルではMidを6~7割、Trebleを5~6割、Bassを3割程度に設定する傾向。クリーン側はMidを抑え、TrebleとPresenceを強調するイメージです。これにより、エフェクトを多用しても輪郭が失われず、バンド全体の中で確実に居場所を確保できる音作りが実現しています。
総じてJonny Greenwoodの音作りは、単なるアンプやエフェクターの選択ではなく、「楽曲の物語に合わせてギターの役割を変える」という発想が基盤になっていると想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【Radiohead・Jonny Greenwood】
Jonny Greenwoodの音作りを完全に再現するのは、特殊改造を施したTelecaster Plusやヴィンテージのアンプ、膨大なエフェクターボードが必要であり、現実的には困難です。しかし、入門者やコストを抑えたいギタリストにとっても「似たニュアンス」を掴む方法は存在します。ここでは、比較的安価に手に入る機材を活用し、Greenwoodサウンドの要素を再現するアイデアを紹介します。
まず歪みサウンドの核となるのがMarshall ShredMaster系統ですが、オリジナルはプレミア価格となっており入手困難です。代替としては、BOSS DS-1やBOSS SD-1を活用するのが現実的です。DS-1は低価格ながら鋭い粒立ちを持ち、EQ調整によってShredMaster的な攻撃的トーンを再現可能。SD-1は中域の張り出しが強いため、「My Iron Lung」や「Just」的なトーンに近づけやすいです。
次にピッチシフト奏法の代名詞であるDigitech Whammy。最新モデルのWH-5やWH-7は3~4万円台で入手可能であり、Jonnyの象徴的な「下降グリッチ音」を再現する最短ルートです。キルスイッチを持たないギターでも、Whammyのピッチシフトとボリュームペダルを組み合わせれば、即興的な音の切り替えが可能です。
空間系エフェクトについては、StrymonやヴィンテージRE-201は高価なため、BOSS RV-6やDD-8がコストパフォーマンスに優れています。RV-6のPlateリバーブはJonnyが多用する残響感に近く、DD-8のモジュレーションディレイはアンビエントな質感を演出できます。さらに、BOSS RE-20(Space Echoクローン)は中古で3~4万円程度で手に入るため、「Subterranean Homesick Alien」的な浮遊感を得やすいでしょう。
ギターについてはTelecaster Plusの復刻は存在しませんが、代替としてはFender Player TelecasterやSquier Classic Vibe Telecasterが候補。ピックアップ交換やキルスイッチ改造を施すことで、Greenwoodのメイン機のニュアンスを取り入れられます。また、セミアコのサウンドを求めるならEpiphone DotやIbanez Artcoreシリーズなど5万円前後のモデルも選択肢になります。
初心者向けにはマルチエフェクターも有効です。ZOOM G3XnやBOSS GT-1、Line 6 HX Stompなどは、歪み+ディレイ+リバーブ+ピッチシフトを同時に扱えるため、ライブや宅録で多彩なJonny的サウンドを再現できます。特にHX Stompは空間系の質感が高く、Greenwood的な実験的サウンドに最適です。
以上のように、廉価モデルやマルチを駆使することで、Jonny Greenwood特有の「実験精神」を体験することは十分可能です。重要なのは完璧な機材コピーではなく、彼のように「楽曲ごとにギターの役割を変える柔軟な発想」を取り入れることだと言えるでしょう。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディストーション | BOSS DS-1 | BOSS | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | ShredMaster代替として鋭い歪みを再現可能 |
オーバードライブ | BOSS SD-1 | BOSS | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | 中域が前に出るローゲイン。OD-3の廉価代替 |
ピッチシフター | Digitech Whammy WH-5 | Digitech | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | キルスイッチ的奏法と組み合わせて必須 |
リバーブ | BOSS RV-6 | BOSS | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | Plate設定で「OK Computer」的残響を再現 |
ディレイ | BOSS DD-8 | BOSS | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | モジュレーション機能でアンビエント感を演出 |
エレキギター | Squier Classic Vibe Telecaster | Squier | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | Telecaster Plusの廉価代替。改造ベースに最適 |
マルチエフェクター | BOSS GT-1 | BOSS | Amazonで探す | Radiohead | Jonny Greenwood | 歪み+空間系を同時再現できる入門用マルチ |
総括まとめ【Radiohead・Jonny Greenwood】

Jonny Greenwoodの音作りを振り返ると、単なる「機材リスト」では説明できない奥深さが浮かび上がります。彼のギターは常に「楽曲の物語をどう描くか」という視点から組み立てられており、時にノイズとして、時にストリングスのように、そして時に攻撃的なリフとして存在します。つまり、Greenwoodサウンドの本質は「ギターを楽器としての枠から解き放つ」という思想にあるのです。
具体的には、Telecaster Plusにキルスイッチを搭載してリズミカルなノイズを刻む一方で、Starcasterを弓で鳴らし幻想的な音を作る。その対比がRadioheadサウンドのダイナミズムを形作っています。アンプも同様で、ソリッドステートと真空管という正反対のキャラクターを切り替えることで、1曲の中に光と影のようなコントラストを演出しました。
エフェクター群も「豪華な並べ方」ではなく「発想を拡張するための道具」として機能しています。Whammyのグリッチ、Space Echoの揺らぎ、Mutatorの過激なフィルタリング。それらは常に「次に何が起こるか分からない」音の展開を生み出し、聴衆を没入させる効果を持っています。
また、彼の音作りはエンジニアNigel Godrichとの共同作業によって磨かれた側面も大きいです。EQやコンプ処理、リバーブの深さは曲単位で綿密に調整され、ギターは時に前面、時に背景に溶け込む。これは単独のギタリストではなく、作曲家/サウンドデザイナーとしてのGreenwoodの役割を反映しています。
再現を目指す際に最も重要なのは、同じ機材を持つことではなく、彼の柔軟な発想と実験精神を取り入れることです。安価なギターやエフェクターでも十分に「Greenwood的な質感」を体験でき、そこから自分なりの音を生み出すことが可能です。むしろJonny本人も、意図的に「不完全さ」や「偶然性」を利用しており、それが唯一無二の表現に繋がっています。
総じて、Jonny Greenwoodの音作りは「型を真似る」よりも「発想を真似る」ことに価値があります。ギタリストとしての自由な探求心を持つ限り、誰しもがその精神に触れ、自分だけの音を生み出すことができるでしょう。
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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸 ギター
• Fender Telecaster Plus V1(Antique Burst):メイン。Lace Sensor Blue(N)+Dually Red-Red(B)/キルスイッチ(Apem 300)増設/“Attack No.1”& Honda ステッカー。『Airbag』『Paranoid Android』『Electioneering』等でキルスイッチ活用。
• Fender Telecaster Plus V1(Ebony Frost):初期バックアップ。1995年盗難→2014年に再取得。『My Iron Lung』イントロ/ヴァース録音で使用。
• Fender American Standard Tele(Sunburst, Plus化):上記の代替として導入・Plus仕様に改造。
• Fender Telecaster Standard(Cream, 初期):16歳で購入/1992年に盗難。
• Fender Starcaster(1970s): ‘mellow’曲で多用。『Pyramid Song』で弓奏(ボウイング)。
• Gretsch Chet Atkins Tennessee Rose HT、Gibson Les Paul Standard(Natural)、Gibson Les Paul Custom、“Macca” Les Paul、Rickenbacker 360 Fireglo、Gibson ES-335、Gibson ES-125T、Fender Mustang(Blue)、Peavey T-60、ほか一時使用個体(Grey/Apple/Black Tele など)。
• アコースティック:Lakewood M14、Martin D-35/00-18、Gibson Hummingbird、Taylor Big Baby、Fender Acoustics 等(※一部はThomの個体をJonnyが使用)。
• (補強情報)The Smile ではGibson Les Paul使用の言及あり。
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🔊 アンプ
• Fender Eighty-Five / Deluxe 85 / Studio 85(ソリッドステート):90年代のShredMasterの歪み専用クリーン母艦。BOSS LS-2で他系統と切替。
• Vox AC30 系(AC30TBX / 6-TB / Dave Petersen Special / CC2 ほか):クリーン~低ゲイン+ディレイの系統。『OK Computer』期以降の基盤。
• Fender Twin Reverb(’65 Reissue / Silverface)、Super Reverb(BF/SF/’65RI)、Vibro-King(通常/20th Anniv.)、Bassman Head(early ’60s)、Champ 5C1(’53)、Super 112(Red-Knob)。
• Orange OR80/OD80(’70sコンボ)、Mesa/Boogie(Mark系/1×12 Blonde, Maverick関係個体の可能性)、Silvertone 1474、Roland Jazz Chorus。
• Ampeg Portaflex(B-15R / PF-50T)、Ashdown ABM 300 C110 / AMB 300 or 500 EVO II+USA115(ベース/下物帯域補強用途で併用)。
概要:歪みはShredMaster→Fender SS、クリーン/ローゲインはAC30/Twin系という2系統をLS-2で切替える運用が基本。
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🎛️ エフェクター
歪み/ブースト
• Marshall ShredMaster(+白筐体の改造クローン)— 90年代のリード/ヘヴィ基盤。『Airbag』『My Iron Lung』等。
• BOSS SD-1(中低ゲイン, ’95〜2007中心)→BOSS OD-3(以降のローゲイン)→(The Smileで)Ibanez TS-808追加。
ピッチ/モジュレーション/フィルター/ファズ
• Digitech Whammy(WH-1×2 / WH-4)— キルスイッチと併用する代表技。
• EHX Small Stone(V2×2 / V4)、EHX PolyChorus、DOD 440 Envelope Filter、Z-Vex Fuzz Probe、Demeter Tremulator。
ディレイ/リバーブ/ルーパー
• Roland RE-201 Space Echo(スタジオ/オフボード)、BOSS RE-20、BOSS RV-3 → RV-5(Plate中心)、Strymon Timeline、BOSS DD-200、Akai Headrush E1/E2(主にルーパー用途)。
ユーティリティ/その他
• BOSS LS-2(アンプ/系統切替中枢)、BOSS FV-100/300H/300L/500LやErnie Ball VP Jr(ボリューム)、BOSS TU-12/TU-12H/TU-2/TU-3(チューナー)、Voodoo Lab Pedal Power 2 / MXR DC Brick(電源)、Roland FC-200 / Studiologic MP-117(MIDI)。
• オフボード/スタジオ効果:Korg Kaoss Pad KP1(EIIRPでのヴォーカル加工ループ投入)、Mutronics Mutator、EMT 140 Plate、Max/MSP。
• 奏法/小物:EBow、コイン、弓(ボウイング)、指マッサージャー、ペイントブラシ等。
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