始めに(特徴紹介)
Mark Knopfler(マーク・ノップラー)は、Dire Straits(ダイアー・ストレイツ)のフロントマンであり、ギタリストとしても非常に個性的なスタイルを確立しています。彼のサウンドは、ピックを使わず指弾きで奏でられるクリアかつ温かみのあるトーンが最大の特徴です。代表曲「Sultans of Swing」では、シングルコイルのギターを活かした繊細なタッチとフレーズが印象的で、ロックとカントリー、ブルースの要素を融合した独特のサウンドを確立しました。
また、「Money for Nothing」に代表されるように、ピッキングダイナミクスを強調した音作りは彼ならでは。アンプのセッティングやエフェクターの使い方もシンプルながら奥深く、余計な歪みやエフェクトを排した「ギターそのものの音」を前面に出すスタイルが多くのギタリストに影響を与えています。
さらに、ソロ活動期にはアコースティックギターやナショナルのリゾネーターを用いたサウンド作りも展開し、シンガーソングライター的な深みを備えたプレイへと進化しています。その結果、ロックギタリストとしてだけでなく、ストーリーテラーとしての魅力も併せ持つ存在となりました。
なぜMark Knopflerの音が注目されるのか。それは一言でいえば「余白を活かした表現力」です。速弾きや派手な歪みとは対極にある、間の取り方とタッチの妙が、唯一無二のサウンドを生み出しています。彼の機材研究は単なるコピーにとどまらず、ギタリストにとって「音をどう鳴らすか」という根本的な問いに気づかせてくれるのです。
以下では、Dire Straits時代からソロ活動までに使用されたアンプ・ギター・エフェクターを時代ごとに整理し、どのように音作りが構築されてきたのかを解説します。最後には、比較的安価に音を近づけられる代替機材も紹介するので、これからKnopflerサウンドを追求したい方は参考にしてください。
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使用アンプ一覧と特徴【Dire Straits・Mark Knopfler】
Mark Knopflerの音作りにおいてアンプは非常に重要な役割を果たしており、その選択は時代ごとに変化しています。初期のDire StraitsではFender VibroluxやTwin Reverbといったフェンダー系のアンプを中心に使用しており、クリーンで奥行きのあるトーンが彼の指弾きスタイルと絶妙にマッチしていました。特にFender Vibrolux(ブラウンフェイス)は、程よい出力と1×12のスピーカー構成により、小規模のライブやレコーディングで繊細なニュアンスを表現するのに最適でした。
1978年頃のツアーでは、Fender Twin ReverbとMarshall 4×12キャビネットを組み合わせたセッティングも見られ、より広がりと押し出し感のあるサウンドを実現しています。また、同時期にはRoland Jazz ChorusやConcert Ampも使用され、透明感と立体感のあるクリーントーンを追求していたことが確認できます。
80年代に入ると、音楽性の拡大とスタジアム規模のライブ増加に伴い、Mesa BoogieやMarshallヘッドのようなハイパワーアンプが導入されました。「Brothers in Arms」ツアーではMesa BoogieのヘッドとMarshall 4×12キャビネットを組み合わせ、当時の象徴的なリッチで厚みのあるクリーントーンを形成しています。さらに、Jim Kelleyアンプも導入され、コンボタイプとキャビネットの両方で使用されました。
90年代以降はスタジオ志向が強まり、Soldano SLO-100が重要な役割を果たしました。独特のクリーン〜クランチサウンドを持つこのアンプは、1996年のアルバム『Golden Heart』でも使用されています。また、この時期にはCrate VC5212やHughes & Kettnerのキャビネットも併用され、アンプの選択肢をさらに広げています。2000年代以降はテクノロジーの進化に伴い、Kemper Profiling Ampを使用し、過去に愛用してきたアンプの音をプロファイルしてライブで再現するスタイルに移行しました。
こうした流れを見ると、Knopflerは一貫して「クリーンでリッチなトーン」を重視しており、そのために様々なアンプを試行錯誤してきたことが分かります。小規模のライブからスタジアム規模、さらには現代のデジタル化まで、状況に応じて機材を使い分けてきた結果、彼のサウンドは時代を超えて愛され続けていると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Selmer 2×12 チューブアンプ | Selmer | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | 1976年「Cafe Racers」で使用。 |
Fender Vibrolux | Fender | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | 1977〜78年や1996年『Golden Heart』で使用。 |
Fender Twin Reverb | Fender | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | 1978年のアルバム・ライブで使用。Marshallキャビと組み合わせ。 |
Roland Jazz Chorus | Roland | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | 1978年のアルバムで使用。 |
Mesa Boogie ヘッド | Mesa Boogie | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | 1982〜86年『Love Over Gold』『Brothers in Arms』で使用。 |
Soldano SLO 100 | Soldano | Amazonで探す | Dire Straits / ソロ | Mark Knopfler | 1987〜92年、1996年『Golden Heart』で使用。 |
Kemper Profiling Amp | Kemper | Amazonで探す | ソロ | Mark Knopfler | 2019年ツアーで使用。過去アンプの音をプロファイル。 |
使用ギターの種類と特徴【Dire Straits・Mark Knopfler】
Mark Knopflerのサウンドを語る上で最も重要なのはギター選びです。彼のスタイルはピックを使わないフィンガーピッキングにあり、そのため選ばれるギターは「レスポンスの速さ」と「倍音の豊かさ」を持つモデルが多いのが特徴です。初期のDire Straits時代にはフェンダー・ストラトキャスターがメインで使用され、特に赤いモデルは「Sultans of Swing」をはじめ数多くのライブ映像で確認されています。このクリーンで煌びやかなシングルコイルのサウンドは、彼の代表的なトーンそのものです。
また、シェクター・ドリームマシンも大きな役割を果たしています。シェクター製の赤いモデルは、80年代初頭のライブで頻繁に使用され、ストラト同様のシングルコイルの響きを保ちながらも、よりパワフルで安定感のある音を実現しました。加えて、ギブソン・レスポール(特に1958年モデル)は、位相反転スイッチを搭載しており、Marshallアンプなどと組み合わせることで独自のミドルレンジを持ったトーンを生み出しています。このレスポールは、ソロ活動期にもシグネチャーモデルが使用されたことで知られています。
90年代以降には、カスタムギターの導入も進みました。特にPensa-Suhr MKiiは、Knopflerのシグネチャーモデルともいえる存在で、ストラト的な音とレスポール的な厚みを両立するモダンなギターとして長く愛用されています。さらに、近年ではGrosh ElectrajetやDanelectro 59 DC(オープンCチューニングでスライド用に使用)、ナショナル・トライコーン・リゾネーターなども取り入れ、音楽性の幅を広げています。
彼のギター選びの基準は「弾き手のニュアンスをどれだけ正確に表現できるか」にあり、単なるブランドや価格帯ではなく、楽曲に応じた最適なサウンドを得るために様々なギターを試しています。そのため、時代ごとに異なるモデルを用いても、常に「Knopflerらしさ」が保たれているのです。これらのギターの使い分けによって、彼の多彩な表現力が生まれていると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
フェンダー・ストラトキャスター | Fender | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | エレキギター | 初期ライブ・レコーディングで使用。赤いモデルが有名。 |
テレキャスター | Fender | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | エレキギター | 初期のレコーディングで時々使用。 |
シェクター・ドリームマシン | Schecter | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | エレキギター | 赤いモデルを特に愛用。80年代前半のライブで使用。 |
ギブソン・レスポール(1958年モデル) | Gibson | Amazonで探す | Dire Straits / ソロ | Mark Knopfler | エレキギター | 位相反転スイッチ搭載。シグネチャーモデルも存在。 |
Pensa-Suhr MKii | Pensa | Amazonで探す | ソロ | Mark Knopfler | エレキギター | Knopflerの代表的なカスタムモデル。長期使用。 |
Grosh Electrajet | Grosh | Amazonで探す | ソロ | Mark Knopfler | エレキギター | 2019年に使用。 |
Danelectro 59 DC | Danelectro | Amazonで探す | ソロ | Mark Knopfler | エレキギター | 2019年にスライド用として使用。オープンCチューニング。 |
National Tricone Resonator | National | Amazonで探す | Dire Straits / ソロ | Mark Knopfler | リゾネーターギター | 「Romeo and Juliet」などで使用。 |
その他カスタムギター | カスタムメーカー | Amazonで探す | ソロ | Mark Knopfler | エレキ/アコースティック | レコーディングやステージで状況に応じて使用。 |
使用エフェクターとボード構成【Dire Straits・Mark Knopfler】
Mark Knopflerは、基本的に「ギター+アンプ」で成立するシンプルなサウンドを信条としていますが、その中でも必要に応じてエフェクターを取り入れてきました。初期のDire Straitsでは、コンプレッサーとしてDan Armstrong Orange Squeezerが噂レベルながらも使用されたとされ、シングルコイルのピッキングニュアンスをより均一に整える役割を担っていた可能性があります。さらに、Aphex ExciterやRoland Chorusデバイスなど、70年代後半のレコーディングに独特の輝きを与える空間系エフェクトも導入されていたようです。
ライブでは、Morley Volume Pedalを用いて「Lions」や「News」で聴けるような滑らかな音量変化を演出。MXR Analog DelayやNady Guitar Transmitterを組み合わせることで、クリーンで抜けの良いトーンをさらに立体的に広げていました。特に1979年後半のツアーでは、ワイヤレス送信機を積極的に導入し、当時としては先進的なシステムを構築していたことが特徴です。
80年代以降はラックシステムが主流となり、Deltalab DelayやMic-Mix Dyna-Flanger、RolandのEQやリバーブユニットを駆使しながら、より広がりのある空間処理を実現しました。「Brothers in Arms」期にはアンプのステレオ出力と空間系を巧みに組み合わせ、レコードとライブの双方で壮大な響きを構築しています。
90年代になるとPete Cornishによるカスタムラックシステムを導入。ここにTC 2290 DelayやAlesis Quadraverb、Lexicon 300 Reverbなどを組み込み、当時の最新技術を活用した複雑なシグナルルーティングを構築しました。さらに、Ernie Ball Volume PedalやWah Wahもこのシステムに組み込まれ、「Money for Nothing」など特定の楽曲で象徴的な効果を出しています。
2000年代以降はデジタル機材の活用も進み、Zoom 9010マルチエフェクターやKemper Profiling Ampのエフェクト機能を用いて、従来のラック機材を置き換える形でライブを簡略化。それでも本質的な音作りは一貫しており、エフェクトは「味付け」に留め、ギター本来のトーンとタッチを最大限に活かす方向性が見られます。
こうした流れから分かるのは、Knopflerは決してエフェクター頼りではなく、必要な場面で最小限のツールを選び抜くというスタンスです。ラック全盛期にも彼らしさを崩さず、あくまで「指弾きとギターの響き」を核にしたサウンド設計を貫いていたと想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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Dan Armstrong Orange Squeezer | Dan Armstrong | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | コンプレッサー | 1978〜79年のアルバムで使用の噂あり。 |
Morley Volume Pedal | Morley | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | ボリュームペダル | 「Lions」「News」で滑らかな音量変化を実現。 |
MXR Analog Delay | MXR | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | ディレイ | ライブで使用。独自バイパス機能搭載。 |
Boss CE-2 Chorus | BOSS | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | コーラス | 複数台を使用し、空間的な広がりを演出。 |
TC 2290 Delay | TC Electronic | Amazonで探す | Dire Straits / ソロ | Mark Knopfler | ディレイ | 1991年Cornishシステム、1996年『Golden Heart Tour』で使用。 |
Ernie Ball Volume Pedal | Ernie Ball | Amazonで探す | ソロ | Mark Knopfler | ボリュームペダル | スウェル効果やライブでのダイナミクス表現に使用。 |
Crowther Hotcake | Crowther | Amazonで探す | ソロ | Mark Knopfler | オーバードライブ | ソロ時にブーストとして使用。 |
Lexicon 300 Reverb Unit | Lexicon | Amazonで探す | ソロ | Mark Knopfler | リバーブ | 1996年ライブでTC 2290とMIDI接続し使用。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Dire Straits・Mark Knopfler】
Mark Knopflerの音作りは、アンプやエフェクターの派手なセッティングよりも「指弾きによるダイナミクス」と「ギターの特性をそのまま生かす」ことに重点を置いています。彼はほとんどの楽曲で歪みを最小限に抑え、クリーン~軽いクランチを中心とした音色を構築。そのため、セッティングにおいてはクリーンチャンネルとトーンコントロールのバランスが鍵となります。
具体的なEQ設定例としては、Fender VibroluxやTwin Reverbを使用する際には、Trebleをやや抑え気味(4~5程度)、Middleを強めに(6~7)、Bassを中庸(5前後)に設定することで、暖かみを残しつつも抜けの良いトーンを作り出しています。特にMiddleを強調することで、彼特有の「太くも繊細なクリーン」が実現されます。また、アンプのVolumeはギターのボリュームノブ操作で細かく調整し、タッチによる強弱を活かしています。
曲ごとの使い分けも特徴的です。「Sultans of Swing」ではストラトキャスターのリア~センターピックアップを使用し、指弾きのニュアンスを最大限に引き出すクリーントーンを追求しています。一方で「Money for Nothing」では、レスポールの位相反転スイッチを活用し、中域に特徴的なクセを加えたトーンを演出。さらに「Brothers in Arms」ではリバーブを深めにかけ、広がりのあるサウンドを作り上げています。
ミックス面では、スタジオ録音時にスラップバックディレイやテープディレイを薄く重ねることで奥行きを演出。エンジニアによるマイク配置も重要で、アンプの近接マイクとルームマイクをブレンドし、自然な空気感を含んだギターサウンドに仕上げています。また、リバーブはアンプ内蔵のスプリングリバーブだけでなく、LexiconやYamaha REV5といったラックエフェクトも使用され、曲ごとに適切な空間処理が施されています。
ライブにおいては、複数アンプをステレオで鳴らすこともあり、Mesa BoogieやSoldanoとMarshallキャビネットを組み合わせることで、広い会場でも抜けの良いサウンドを確保。PAエンジニアはギター音を他の楽器に埋もれないよう中域をやや持ち上げ、ベースやドラムとの住み分けを意識したEQ処理を行っています。この結果、彼のトーンは「ギター単体でも完成された音」でありながら、バンド全体に溶け込むバランスを保っています。
最も重要なのは、Knopflerの音作りは「セッティングに依存するのではなく、タッチとダイナミクスで完成する」という点です。エフェクトやEQはあくまで補助的な存在であり、根幹はギタリスト自身の表現力にあります。つまり、彼のサウンドを再現するには、まずピッキングの強弱や右手の位置によるトーンコントロールを意識することが欠かせません。その上で、アンプやEQを調整することで、あの独特な響きを得られると想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【Dire Straits・Mark Knopfler】
Mark Knopflerのサウンドは、超高級アンプやビンテージギターを必要とするイメージがありますが、実際には「クリーンを基調としたセッティング」と「指弾きによるタッチ」が大きな要素を占めています。そのため、比較的安価な市販モデルでも、工夫次第でかなり近い雰囲気を再現することが可能です。ここでは初心者から中級者に向けて、手頃な価格帯でKnopflerトーンを再現できる代替機材を紹介します。
まず、アンプに関してはフェンダー系のクリーントーンを再現できるモデルが最適です。例えば「Fender Champion 40」は2万円台で購入可能ながら、クリーンチャンネルが非常に透明感に優れ、EQで中域を持ち上げればKnopflerらしい響きを得られます。また、Roland JC-22は小型ながらも名機Jazz Chorusの系譜にあり、立体的なクリーンが手軽に楽しめます。
ギターに関しては、ストラトキャスター系統が第一候補。Squier Classic Vibeシリーズは、価格を抑えつつもヴィンテージ感あるシングルコイルサウンドを備えており、「Sultans of Swing」の雰囲気を掴むには十分です。さらに、テレキャスターの廉価モデルも選択肢になり、カッティングやクリアなアルペジオでKnopflerらしさを表現できます。
エフェクターに関しては、必須ではないもののボリュームペダルや軽いコンプレッサーがあると効果的です。BOSS CS-3は価格も手頃で、タッチを整えつつ指弾きの粒立ちを際立たせてくれます。また、BOSS CE-2W Chorus(Waza Craft)はオリジナルCE-2の復刻で、Knopflerが80年代に多用したコーラス的な揺らぎを再現可能。さらに、BOSS DM-2W Delayもシンプルに奥行きを与えることができ、「Brothers in Arms」のような空気感を表現できます。
近年ではマルチエフェクターも進化しており、Line 6 HX StompやBOSS GT-1000COREは、複数のアンプシミュレーションや空間系エフェクトを組み合わせることで、ライブでもスタジオでも即戦力になります。これらは5万円台から購入できるため、実機のMesa BoogieやSoldanoを揃えることなくKnopfler的な音作りを楽しめます。
結論として、Knopflerのサウンドを再現するためのポイントは「クリーン主体のアンプ」「シングルコイルギター」「最小限のエフェクト」「指弾きのニュアンス」の4つです。これらを意識して安価な機材を選べば、初心者でもその雰囲気を十分に掴むことができるでしょう。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
アンプ | Champion 40 | Fender | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | クリーントーン重視で中域を強調すれば雰囲気を再現可能。 |
アンプ | JC-22 | Roland | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | 小型ながらジャズコーラス系の透明感あるクリーン。 |
ギター | Classic Vibe 60s Stratocaster | Squier | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | ストラト系の音色で「Sultans of Swing」に最適。 |
エフェクター | CS-3 Compression Sustainer | BOSS | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | タッチを整え粒立ちを向上。Orange Squeezerの代替に。 |
エフェクター | CE-2W Chorus | BOSS | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | 80年代のコーラスサウンドを再現可能。 |
エフェクター | DM-2W Delay | BOSS | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | 温かみあるアナログディレイで空間感を演出。 |
マルチエフェクター | HX Stomp | Line 6 | Amazonで探す | Dire Straits | Mark Knopfler | 幅広いアンプ/エフェクトシミュレーションで総合的に再現可能。 |
総括まとめ【Dire Straits・Mark Knopfler】

Mark Knopfler(マーク・ノップラー)の音作りを振り返ると、その本質は「機材の選択」以上に「弾き方と表現力」にあることが分かります。彼はピックを使わず、親指と人差し指を中心としたフィンガーピッキングを徹底し、ギター本来の倍音やアタックを最大限に引き出しました。その結果、同じギターやアンプを使っても、他のプレイヤーには真似できない独特のサウンドが生まれています。
機材面では、フェンダー・ストラトキャスターやシェクター・ドリームマシンといったシングルコイル系のギターを中心に据えつつ、必要に応じてレスポールやカスタムギターを導入してきました。アンプはフェンダーのクリーンから、Mesa BoogieやSoldanoのようなハイパワーアンプ、そして近年はKemperによるデジタル再現へと進化。エフェクターは最小限に留め、コーラスやディレイ、ボリュームペダルでニュアンスを補強する程度に抑えています。
つまり、彼のサウンドを再現するための視点は「高価なビンテージ機材を揃えること」ではなく、「クリーンでリッチなトーンを活かし、指弾きによるダイナミクスを前面に出すこと」にあります。初心者であれば、シングルコイル搭載のストラト系ギターとクリーンに強いアンプを選び、ボリュームペダルや軽いコーラス/ディレイを加えるだけでも十分に雰囲気を掴めます。
Knopflerの音作りから学べるのは、「余白を活かす美学」です。速弾きや派手な歪みに頼らず、シンプルなフレーズに感情を込めることで、リスナーの心を強く揺さぶることができる。その哲学こそが、彼を時代を超えて支持されるギタリストにしているのです。
最終的に、Mark Knopfler風のサウンドを目指す人に必要なのは、完璧に同じ機材を揃えることではなく、「音の抜け感」「ダイナミクスの幅」「タッチの繊細さ」を意識すること。そうすれば、手持ちの機材でも彼のスピリットを感じさせる音を再現できるでしょう。機材の探求はもちろん楽しいですが、最も大切なのは「自分の指先から生まれる音」に耳を傾けることだといえます。
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
ギター
フェンダー・ストラトキャスター
備考: 初期レコード・ライブで使用。特に赤色が有名。2019年にはシグネチャーやヴィンテージモデルを『Down The Road Wherever』で使用。
テレキャスター
備考: 初期レコードで時々使用。
シェクター・ドリームマシン
備考: 特に赤いモデルを使用。
ギブソン・レスポール
備考: 特に1958年モデルを使用。位相反転スイッチ搭載で、ヘビーアンプと組み合わせることで独特なミドルのサウンドを得る。2019年にシグネチャーモデルも使用。
ペンサ・ギター (Pensa-Suhr MKiiなど)
Grosh Electrajet
備考: 2019年に使用。
Danelectro 59 DC
備考: 2019年にオープンCチューニングでスライドギターとして使用。
National Tricone Resonator
その他カスタムギター
備考: 必要に応じてレコーディングやステージで使用。
アンプ
Selmer 2 x 12 チューブアンプ
備考: 1976年のパブバンド「Cafe Racers」で使用。
Fender Vibrolux (ブラウン、初期60年代製)
備考: 12インチ1基、約30W。1977〜78年アルバム・ライブ、1996年『Golden Heart』で使用。現在も所有。
Fender Twin Reverb (シルバーフェイス)
備考: 1978年アルバム・ライブで使用。6月にはMarshall 4×12″キャビネットと組み合わせ。
Roland Jazz Chorus
備考: 1978年アルバムで使用。
Fender Concert Amp (ブラックフェイス)
備考: 4×10″スピーカー、1978年1月ライブで使用。
Music Man HD 130 (2×12″, 130W)
備考: 1978年10月以降〜1980年、アルバム『Making Movies』とツアーで使用。アルミコーンスピーカー搭載モデルあり。
Marshall 4×12″ キャビネット
備考: 複数アンプヘッドと使用。Electro Voiceスピーカー搭載。
Mesa Boogie ヘッド
備考: 1982-84『Love Over Gold』、1985-86『Brothers in Arms』で使用。Marshall 4×12″と組み合わせ。
Marshall ヘッド / JTM
備考: 1982-86年アルバム・ライブで使用。
Jim Kelley コンボアンプ (EVM12L搭載) / ヘッド
備考: 1985-86年アルバム・ライブで使用。4×12″キャビネットと組み合わせ。
Gallien & Krueger アンプ
備考: 1987-89年、Willy DeVille『Miracle』で使用。
Soldano SLO 100
備考: 1987-92年のライブ・スタジオ、1996年『Golden Heart』で使用。4×12″キャビネットと組み合わせ。
Crate VC5212 (50W, 2×12″)
備考: 1996年『Golden Heart』スタジオで使用、ライブはバックアップ用。
Hughes & Kettner 2×12 キャビネット (EV搭載)
備考: 1996年『Golden Heart Tour』でSoldanoヘッドと組み合わせ。
Kemper Profiling Amps
備考: 2019年ツアーで使用。メインとバックアップ2台。スタジオの既存アンププロファイルを使用。
エフェクター
Dan Armstrong Orange Squeezer (コンプレッサー)
備考: 1978-79年アルバムで使用の噂。JFETトランジスタ使用。
Aphex Exciter
備考: 1978-79年アルバムで使用の噂。
Roland Chorus デバイス
備考: アルバム1作目で使用。
Morley Volume Pedal
備考: ライブで使用。「Lions」「News」などで滑らかなサウンド作り。
MXR Analog Delay (グリーンボックス)
備考: ライブで使用。独自のバイパス機能で信号への影響を最小化。
Nady Guitar Transmitter
備考: 1979年後半ライブで使用。ブライトなサウンド効果。
Deltalab Delay Unit / Delt Lab Digital Delay
Flanger / Mic-Mix Dyna-Flanger
Master R Reverb / Master Room Reverb Unit
Roland Equalizer / Roland Graphic EQ
Mantec Switch Unit / Mantec Preamp / Mantec Remote Switching Unit
Roland Choms Echo / Roland SRE 555 Chorus/Echo
Ibanez UE 303 Multi Effect
Boss ペダル類
CE 300 / Super Chorus CE 300 / DM 2 Delay / CS 2 Compressor / CE 2 Chorus (2台) / BF 2 Flanger / PH 2 Phaser / OC 2 Octaver
Pete Cornish カスタムシステム
備考: 1991-92年構築、ラックシステム。
TC 2290 Delay
備考: 1991-92年Pete Cornishシステム、1996年『Golden Heart Tour』でメインコントローラー。
Alesis Quadraverb
Zoom Multieffect 9010
Yamaha REV 5 (リバーブ)
TC-Equalizers/Preamps (2台)
Wah Wah
備考: 1991-92年システムに統合、『Money for Nothing』などで使用。
Ernie Ball Volume Pedal
備考: 1991-92年、1996年ライブでも使用、スウェル効果に使用。
Sony Wireless System
Lexicon 300 Reverb Unit
備考: 1996年ライブでTC 2290とMIDI接続。
MXR Micro Amp
備考: 1996年ライブでクリーンブーストに使用。
TC 0144 Footswitch
備考: 1996年ライブでTC 2290操作用。
スラップバックディレイ / テープディレイ
Crowther Hotcake
備考: ソロ時に使用。
アンプまたはスタジオプレートからのリバーブ
備考: 使用例あり。
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