① 始めに(特徴紹介)
DEAD ENDのギタリスト、足立“YOU”祐二は、80sジャパニーズ・ハード/ゴシック/ニューウェーブの要素を織り混ぜた唯一無二のリフ&テクスチャ作りで支持されてきました。煌びやかなクリーン、湿度高めのモジュレーション、そして鋭く伸びるハイゲインの三層を巧みに行き来し、MORRIEの声と幽玄なリリックを包み込む“景色”を描くのがYOU流。代表曲の「Blue Vices」「Serafine」「So Sweet So Lonely」などでは、ストラト系らしいアタックとハイミッドの抜けが印象的で、1980年代後半のモダン・メタルとポストパンクの架け橋のようなサウンドが耳を捉えます。こうした曲群は当時のみならず2010年代の復活期『Dream Demon Analyzer』(2012)にも継承され、装飾的でありながら歌心を失わないフレージングが貫かれました。
ギターはストラトタイプ(FenderやFernandesカスタム、Greco Y-60等)を軸に、時期によりH-S-S/S-S-S/シングル一発など配列を使い分け。スタジオではクリーン〜クランチのレンジを広く確保し、ライブでは中域が前に出る個体を選ぶ傾向が見られます。ピッキングのニュアンスがそのまま曲のダイナミクスに直結するため、歪み量は“必要最小限+ブースト”という設計が基本。後年のライブやイベントではワイヤレス/プリアンプ/ディレイ/ドライブを足元にコンパクトでまとめたボードを確認でき、実戦的な切替えを重視していたことがうかがえます。
エフェクト面ではディレイ/コーラス/ビブラートの“揺れ”と、ブースターや軽いオーバードライブによる“押し出し”の二本柱。復活期以降はtc electronicのFLASHBACKや、XoticのBB Preamp/EP Boosterなどの採用が広く知られ、ソロの尾を引く残響や、アルペジオの奥行き作りに寄与しました。遺品エフェクターの販売記事からも、実機での採用歴やバリエーションの広さが読み取れます。GrecoのシグネイチャーY-60は当時のYOU像を象徴する一本で、アルダーボディとDRY系PUによる“乾いた速いレスポンス”が、彼の切れ味ある右手と相性抜群でした。
アンプに関しては長らくMesa/Boogie系のタイトなレスポンス/中域の密度を好み、ハイゲインでも粒立ちを損なわない方向へ。ユーザー間では“Mark VI”の言及が散見されますが、市販機としてはMark VIIが2023年発表で、公式ラインに“Mark VI”は存在しない見解もあるため、時期によってはMark IV/V、あるいはラックやプリアンプとの組み合わせで近似ボイシングを得ていた可能性が高い、と補足しておきます(詳細は後章で整理)。いずれにせよYOUの核は“中域の歌う倍音”であり、機材はその再現手段にすぎません。
まずは公式MVやライブ映像で耳を慣らし、クリーンの透明感→揺れ物→ブースト→ハイゲインのレイヤーが曲中でどう切り替わるかを俯瞰しましょう。復活期『Dream Demon Analyzer』期の音像も押さえると、80s期との設計思想の共通点が見えてきます。
② 使用アンプ一覧と特徴【DEAD END・足立“YOU”祐二】
YOUのサウンドを支える大きな要素がアンプ選びです。初期の頃から歪みの粒立ちがクリアで、音の厚みを保ちながらも輪郭が失われない音色を追求していました。その中で主に使用されていたのが、MESA/Boogie Markシリーズです。近年の本人談や使用機材リストでは「Mark VI」という表記が見られるものの、実際にはMark IVやMark Vなどを中心にしたブギー系アンプの使用が確認されています。DEAD END再結成後のアルバム『METAMORPHOSIS』や『DREAM DEMON ANALYZER』のレコーディングでも、このBoogieサウンドが軸になっており、煌びやかなクリーンと粒立ちの良いリードトーンを得ていました。
また、一時期はアメリカ製のモダン系アンプとして知られるEgnaterも使用していたとされます。柔軟なチャンネル切替えやブティック的な音作りに魅力を感じて導入していた可能性がありますが、最終的にはMesaへ回帰したとの記録が残っています。Egnater特有の甘いクランチは、バラード曲やクリーン〜クランチ間のニュアンス重視の楽曲での採用が推測されます。
さらにラックシステムでは、Marshall JMP-1(プリアンプ)とEL34 100/100(ステレオ・パワーアンプ)の組み合わせも確認されています。このセットアップは90年代以降のプロギタリストに多用され、MIDIでのチャンネルコントロールが可能である点から、ステージ上で多彩なサウンドを瞬時に切り替えるのに適していました。YOUがライブで重視していた“楽曲の世界観に沿った音色切替え”を支える機材だったといえるでしょう。
アンプの選択から見えるYOUの哲学は、“ハイゲインでありながら情報量を失わない中域”。歪み過ぎず、しかし厚みと持続感を兼ね備えるトーンは、バンド全体のサウンドバランスの中でボーカルやベースと干渉しない絶妙なポジションを占めていました。結果として、彼のギターはアンサンブルの中で浮き上がるのではなく“溶け込みながらも耳に残る”独自の存在感を獲得していたのです。
なお、アンプの具体的な年式やモデルについては諸説あり、記録や証言の食い違いも存在します。よって「Mark VI」とされるものがMark IVやVを含む複数機種を指していた可能性や、時期によって使い分けられていた可能性が高いと考えられます。確定情報としてはMesa/Boogie、Egnater、Marshallシステムが中心であった、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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MESA/Boogie Mark VI(Mark IV/V系統) | MESA/Boogie | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | レコーディングやライブでメイン使用。粒立ちの良いハイゲインと煌びやかなクリーン。 |
Egnater アンプ | Egnater | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | 一時期使用。甘いクランチや多彩なチャンネル切替えが特徴。 |
Marshall JMP-1(プリアンプ) | Marshall | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | ラックシステムで使用。MIDIコントロール対応。 |
Marshall EL34 100/100(ステレオ・パワーアンプ) | Marshall | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | 100W+100Wの大出力ステレオ仕様。JMP-1と併用。 |
③ 使用ギターの種類と特徴【DEAD END・足立“YOU”祐二】
YOUのサウンドの核を形づくっているのは、数多くのストラトタイプとカスタムギターです。1980年代インディーズ期からGrecoやFernandesを多用し、後年はFreedomやSagoといった国内ブランドのカスタムモデルも導入していきました。本人がこだわったのは「どのギターでもネック形状は同一に揃える」「フレットはFreedom製ステンレスへ統一」といった徹底したプレイアビリティの管理です。これにより、機種を持ち替えても弾き心地が変わらず、ステージでの再現性を高めていました。
特に代表的なのは、Fernandesのカスタムモデル。ストラトタイプやVタイプを複数本オーダーし、アッシュボディに自社製ピックアップを搭載した仕様を愛用。サスティナー搭載個体やハムバッカー+シングルのH-S-S構成もあり、多彩な音色変化に対応していました。これとほぼ同仕様とされるFreedom Custom Guitar Research製の蛇柄ストラトは、外観的にも象徴的で、アルダー+メイプル構成、サスティナー、DiMarzio DP188など現代的なパーツを組み合わせたハイスペック仕様です。
GrecoからはシグネイチャーモデルY-60をリリース。アルダーボディにDRYハムを搭載し、裏通しブリッジとシンプルな1Vol構成。クリーンでの分離感とドライブ時の速い立ち上がりを両立しており、当時のDEAD ENDサウンドを象徴する一本でした。また、改造Spitfireやファイヤーバード、さらには父親が製作したオリジナル「般若」ギターなども使用歴があり、オリジナリティを重視する姿勢が表れています。
Fender系も多く登場。USA製の’61〜’79のオリジナルストラトやカスタムショップ製、さらにはIkebe Neo-Vintageなど、時代ごとに多彩な個体をステージに投入。白やキャンディアップルレッド、ターコイズなどカラーバリエーションも豊富で、ビジュアル面でも楽曲の世界観に寄与していました。ピックアップはFenderヴィンテージからDuncan Quarter Pound、Bartoliniまで幅広く交換されており、常に最新のトーンを追求していたことが分かります。
こうした多種多様なギターの選択は、単に見た目やブランドの好みではなく、音のキャラクターを細かくコントロールするため。ライブでは明るく抜ける個体、レコーディングでは中域が豊かな個体、といった具合に用途ごとに持ち替えていたと考えられます。結果として、DEAD ENDの楽曲群に漂う“光と影のコントラスト”は、このギター選択の妙によって実現されていたといえるでしょう。
多彩なギターの中でも「ストラトタイプを軸に、サスティナーやPUを切り替えつつ、どんな状況でも同じフィーリングで演奏できる」点がYOUサウンドの大きな秘密といえます。よって、どの時期もストラトを基盤としつつ、それを拡張するかたちで音作りが構築されていた、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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Fernandes カスタム(ストラトタイプ/Vタイプ) | Fernandes | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | ストラト/Vタイプ | 多数所有。アッシュボディ、Fernandes製PU。全ギターでネック形状統一&Freedomフレット換装。 |
Freedom カスタム(蛇柄ストラト) | Freedom C.G.R. | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | ストラトタイプ | 蛇柄外観。サスティナー、DiMarzio DP188搭載。高出力かつ多彩な音色が可能。 |
Greco Y-60(YOUモデル) | Greco | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | シグネイチャー | アルダーボディ、DRYハムPU。シンプル構造で当時の代表機。 |
Fender USA Strat ’61改 | Fender | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | ストラトキャスター | ダフネブルー。改造多数。Schallerペグ、PU交換。 |
オリジナル「般若」ギター | ハンドメイド | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | カスタム | 父親が制作したボディにY-60ネックを装着した特注機。 |
④ 使用エフェクターとボード構成【DEAD END・足立“YOU”祐二】
YOUの音作りにおいて、エフェクターはきわめて重要な役割を担っています。特徴的なのは「空間系とブースターを巧みに使い分け、常に楽曲に寄り添うトーンを構築する」点です。本人が実際に使用していたエフェクターは幅広く、ライブ用・レコーディング用・セッション用で構成が異なっていました。以下では代表的なエフェクター群とボードの全体像を解説します。
まずブースター/オーバードライブ系では、Xotic BB Preampが長年にわたり愛用されました。アンプをナチュラルにプッシュし、ハイゲインでも音の輪郭を崩さずにリードを際立たせる用途です。加えてEP BoosterやOvaltone FOUNTAINなども併用し、トランスペアレントなブーストでクリーン〜クランチを艶やかに補強していました。近年ではニュージーランド製のG2D Cream Toneも導入され、柔らかくウォームなドライブを生み出していました。
空間系では、tc electronic FLASHBACK x4やT-Rex Replicaが定番。ディレイの残響はYOUサウンドを象徴する要素であり、単なる反復ではなく「音の余韻として楽曲を包み込む」設計になっていました。また、コーラスやフランジャー系としてT-Rex Twister、ビブラート系としてtc electronic Shaker mini Vibratoを用いることで、浮遊感ある揺れを表現しています。
さらに、Whammy(Digitech)によるピッチシフトや、T-Rex Octaviusでのオクターブ効果など、時に大胆な飛び道具も投入。セッションや特殊なフレーズではボードの一部に追加され、即興性と劇的な音色変化を演出しました。ラック時代にはtc electronic G-Systemを常設し、MIDIでのシームレスなコントロールを実現していました。
電源供給ではVOCU Dual Gain Distortion/パワーサプライが使用され、安定した電圧供給とノイズレスな環境を確保していました。チューナーは定番のtc electronic Polytuneを愛用し、シンプルながらステージ必須の安定性を担保しています。
このように、YOUのボードは常に「クリーン〜クランチの透明感」「リードの押し出し」「揺れと残響による幻想感」を支えるよう構成されていました。実機写真やオークション出品情報からも、その多様性と緻密さが裏付けられています。全体としては、「Mesa/BoogieやMarshallラックを基盤に、コンパクトとラックを組み合わせて使い分ける」姿勢が徹底されていた、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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Xotic BB Preamp | Xotic | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | オーバードライブ | レコーディング/ライブで常用。アンプをナチュラルにブースト。 |
Xotic EP Booster | Xotic | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | ブースター | 最新作録音にも使用。クリーンやクランチに艶を加える。 |
tc electronic FLASHBACK x4 | tc electronic | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | ディレイ | ライブ定番。長めの残響で浮遊感を演出。 |
T-Rex Replica | T-Rex | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | ディレイ | ラック常設。温かみのあるアナログライクなディレイ。 |
T-Rex Twister | T-Rex | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | モジュレーション系 | コーラス/フランジャー効果を付加。 |
Digitech Whammy | Digitech | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | ピッチシフター | ソロでの大胆な音程変化や飛び道具的な使用。 |
Ovaltone FOUNTAIN | Ovaltone | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | オーバードライブ | 3モード×3キャラの多彩なOD。透明感あるトーンを補強。 |
tc electronic Polytune | tc electronic | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | チューナー | ライブ必須の安定チューナー。 |
⑤ 音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【DEAD END・足立“YOU”祐二】
YOUの音作りは「機材選び」だけでなく、「EQバランス」「アンプのチャンネル切り替え」「空間処理」といったセッティング面にも強い特徴があります。特にDEAD ENDの楽曲は、クリーンとハイゲインが曲中で激しく切り替わるため、エフェクターとアンプの設定を最適化することが不可欠でした。
EQの基本設計としては、中域を厚めに確保するのが大前提です。Mesa/BoogieやMarshall JMP-1を使う際も、Trebleは抑えめ、Middleを押し出し、Bassはタイトに絞ることで「伸びやかでありながら混ざる」トーンを作っていました。例えば、リードではTrebleをやや上げ、Presenceを加えることで前に出るサウンドに調整し、アルペジオやバッキングではMiddleを少し下げて透明感を強調する、といった使い分けが想定されます。
アンプのチャンネル切替えについては、Mesa/Boogie Markシリーズを基盤とした3チャンネル構成(クリーン/クランチ/リード)が理想的でした。ライブではMIDIスイッチャーと連動し、BB PreampやEP Boosterで細かくゲインを調整。特にクランチとリードの境界を行き来するフレーズでは、ペダルのオンオフとピッキングの強弱でダイナミクスを作り出していました。
曲ごとの使い分けでは、例えば「Blue Vices」や「Serafine」では空間系を深めにかけ、ディレイタイムを曲のテンポに合わせた設定(1/4や1/8ディレイ)を使用。逆に「Sacrifice of the Vision」や「Angel’s Cry」などハードエッジな楽曲では、ディレイを短く抑え、ブースターを併用してアタック感を優先していました。
ミックスでの処理については、YOUのギターは「厚みよりも抜け」を重視。エンジニアは中域(1kHz〜2kHz)を持ち上げ、ローエンドはベースやドラムとぶつからないようにカット。リバーブやディレイはステレオに広げることで、MORRIEのボーカルと干渉しない立体感を確保していました。特にリードトーンでは、コンプレッションを軽くかけることで持続感を補い、音の輪郭を維持していたと考えられます。
また、レコーディングとライブでセッティングは変化しました。レコーディングではアンプ直の音を基盤に、後からリバーブやディレイを加える傾向があり、ライブではボード上のディレイ/モジュレーションを積極的に使用。結果として、ライブでは「その場で完結する立体感」を、スタジオでは「後処理で空間を作る」方向性が見られます。
総じてYOUのセッティング哲学は、「ギター単体で完結する音ではなく、バンド全体で映える音」を意識していた点にあります。したがってEQも過剰に加工せず、アンプとブースターで基音を作り、エフェクターで楽曲ごとの色付けを行う。その柔軟さこそが、DEAD ENDの独自サウンドの要でした、と想定されます。
⑥ 比較的安価に音を近づける機材【DEAD END・足立“YOU”祐二】
足立“YOU”祐二の機材はカスタムギターやMesa/Boogieのハイエンドアンプなど、プロ仕様のものが多く揃っていました。しかし、初心者や趣味でDEAD END風サウンドを楽しみたいギタリストにとっては、コスト的にハードルが高いのも事実です。そこで、ここでは「比較的安価(1〜5万円台、最大10万円程度)」で購入でき、かつYOUサウンドに近づけることができる機材を紹介します。
YOUの音作りの特徴を再現するポイントは以下の3点です。
- 中域の伸びを重視したハイゲインサウンド
- クリーン〜クランチの透明感と揺れのある空間系
- ブースターによるリードの押し出し感
これを念頭に置きながら、コストパフォーマンスに優れた市販機材をピックアップしました。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
オーバードライブ | BOSS SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | Xotic BB Preampの代用に最適。安価ながら中域の押し出しに優れ、リードの粒立ちを補強。 |
ブースター | tc electronic Spark Booster | tc electronic | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | EP Boosterの廉価代替。クリーンブーストから軽いドライブまで幅広く対応。 |
ディレイ | BOSS DD-7 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | FLASHBACK x4やReplicaの代替に最適。多彩なモードで空間感を簡単に再現可能。 |
コーラス | BOSS CE-5 Chorus Ensemble | BOSS | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | T-Rex Twisterの代替。煌びやかで深い揺れを安価に得られる。 |
アンプシミュレーター | Hotone Ampero Mini | Hotone | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | Mesa/BoogieやMarshall系アンプモデリングを収録。低価格で多機能。 |
マルチエフェクター | ZOOM G3Xn | ZOOM | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | 初心者向け。ディレイ、コーラス、ブーストなど必要な効果を一通り搭載。 |
ギター(入門機) | Squier Classic Vibe Stratocaster | Squier | Amazonで探す | DEAD END | 足立“YOU”祐二 | Fender Stratの廉価版。シングルコイル特有の煌びやかさを再現可能。 |
これらを組み合わせることで、YOUサウンドにかなり近づくことが可能です。例えば、Squier Strat+BOSS SD-1+DD-7+CE-5の組み合わせだけでも、「Blue Vices」や「Serafine」で聴ける浮遊感あるリードトーンを手軽に再現できます。さらにマルチエフェクターを導入すれば、ライブや宅録での実用性も高まります。初心者にとっても扱いやすく、低コストで憧れのサウンドに近づける現実的な方法です。
⑦ 総括まとめ【DEAD END・足立“YOU”祐二】
足立“YOU”祐二のサウンドは、単なる機材コレクションではなく「音楽世界をどう表現するか」という思想に貫かれています。数多くのストラトタイプやカスタムギター、Mesa/Boogieを中心としたアンプ群、そして多彩なコンパクトエフェクター。そのどれもが、DEAD ENDの楽曲が持つ幻想性や攻撃性を再現するための手段であり、音そのものが作品の一部になっていました。
特筆すべきは、YOUが徹底して「中域の歌うような倍音」にこだわった点です。単にハイゲインで派手な音を鳴らすのではなく、バンド全体の中でギターが埋もれず、しかし突出もしない絶妙なレンジを探り続けました。その結果、彼の音は“混ざりながらも耳に残る”という矛盾した魅力を放ち続けています。
また、ギター選びにおいても「どんなギターでも弾き心地を統一する」という考えを徹底していました。フレットやネックの仕様を統一し、異なる機種でも同じフィーリングで弾ける環境を整えることで、プレイに集中できるよう配慮していたのです。これは、表現力を最優先にしたYOUならではの哲学といえるでしょう。
エフェクターに関しても、ディレイやモジュレーションを「常に曲の空気を作るための道具」として扱い、飛び道具的に使う場面と、繊細に彩る場面を巧みに使い分けていました。録音とライブでの使い方も異なり、ライブではその場で空間を作り、レコーディングでは後処理で完成度を高める柔軟さを持っていました。
初心者にとってYOUサウンドを完全に再現するのは難しいかもしれませんが、要点を押さえれば十分近づけます。「中域重視のEQ」「シングルコイル系のストラトタイプ」「ブースター+ディレイの活用」。これらを意識するだけで、DEAD ENDの音像に寄り添ったプレイが可能になります。
YOUの音作りの本質とは、単なる「機材の組み合わせ」ではなく、「楽曲の中でどう響かせるか」を常に意識する姿勢です。彼の残したサウンドは、テクニカルでありながらも決して自己主張だけにとどまらず、バンド全体を美しく支える役割を果たしていました。DEAD ENDを聴きながら、自身の機材や演奏に取り入れてみると、その哲学が自然と理解できるはずです。
結果としてYOUのサウンドは「幻想的で攻撃的、しかし歌心を持つギター」として唯一無二の存在感を放ち、今なお多くのギタリストの憧れであり続けています。
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
ギター
カスタム/メイン系
Fernandes カスタム(ストラトタイプ/Vタイプ)
※本数多数・基本同スペック。追記情報:ボディ=アッシュ、PU=Fernandes製(いずれも個体差あり)。ネック形状は全ギターで同一、フレットは全てFreedom製に交換との本人談。
Freedom カスタム(蛇柄ストラト)
仕様:ボディメイプルトップ/アルダー、ネックメイプル(61-U)、指板インディアンローズ 280R、22F FCGRステンレス(SP-SF-06)、PU=フロント:Fernandes サスティナーCD-110F/センター:FCGR Vintage SC/リア:DiMarzio DP188(Pro Track)、ブリッジWilkinson VG-300。
※Fernandes製とほぼ同仕様とされるが、上記のとおり材・PUに差異の記載あり。
Sago カスタムメイド(詳細不明)
Sago Concept Model Sonia Custom
Fender系
Fender Japan Strat 改(#1/#24と同一個体の時期違い):ボディアルダー、ネックメイプル(一時50年代Teleネック装着/ローズ指板)、PUは時期で変更(Fenderヴィンテージ→Duncan Quarter Pound(F/R)+Fender ’75(C)等)、ナット間スキャロップ、色ホワイト。
Fender USA “Tele/Strat” カスタムショップ(J.W.Black製):ボディライトアッシュ、ネックメイプル、ハカランダ指板、豪華インレイ、オーシャンターコイズメタリック、後にPU交換。
Fender USA Strat(以下は個体別・年式/仕様):
’61改:Fオリジナル/C’72/R Dan Armstrong、Schallerゴールドペグ、PG’59、ダフネブルー。
’63 オリジナル×2:サンバースト/キャンディアップルレッド。
’66×2:オーシャンターコイズブルー(配線手直しで「極上」)/キャンディアップルレッド(ラージヘッドだがガイド1つ)。
’64改→(のち)別個体 ’64BOD+’56NECK:センター’61→のちキャンディアップルレッド(#18)。
’62:レイクプラシッドブルー。
’72×2:ホワイト(ブロンド系)/R Dan Armstrong(ローズ指板)。
’74(アッシュ):ホワイト。
’79(アッシュ):Jazz Bassロゴの珍品、ブラック。
Vintage Series(近年)改:ブロンド。詳細不明。
C/S Master Grade:アズテックゴールド+ゴールドパーツ+アノダイズドPG。
C/S Relic オーダー:バーガンディ・ミスト・ピンク(マッチングヘッド)。
Fender Japan(Ikebe Neo-Vintage):オーシャンターコイズメタリック、Texas Special(F/C)+Rは交換、軽量個体。
Fender USA(ホワイト、Bartolini LC40 F/R+Fender ’75 C):インディーズ期から使用と記載(“FendeUSA”の表記は誤記とみなして統合)。
Greco系/シグネチャーほか
Greco Y-60(YOUモデル):ボディアルダー、ネックメイプル、DRYハム(F/R)+Tradition(C)、ノントレモロ裏通し、トーンはダミー。
Greco Y-60?(シングルPU版):裏通し、PUはDRY-S推定、ブラック。
Greco Spitfire 改(複数):
アルダー/バーズアイメイプル、USA Fender Vintage PU、サーフグリーン、パールPG。
アルダー?/メイプル?、DRY-S、クリーム(“Ghost of Romance”期)。
マホガニー/マホガニー、DRY-S?、ナット間スキャロップ、メタリックブルー系。
アルダー?/メイプル?、DRY-S、キャンディアップルレッド。
Greco Strat 左利きタイプ(サンバースト):“BLUE VICES”のバッキングで多用。
Greco ファイヤーバード(ブラック、リアHBのみ):“NIGHT SONG”で使用。
その他のエレキ/アコ/特殊
Fernandes RST-54 改:当初FGI PU→後にSchecter(F/R)+Fender USA(C)。
Sonic Strat Type:USAアッシュ、Bartolini LC40(F/R)+Duncan Vintage(C)、エボニー指板/象牙ナット。
ERANAN Strat(リバース・コンコルドヘッド、水色):当時Grecoロゴ貼付の時期あり。ピックガード形状変更・リアがHB/SCで変遷。
Tornado TSZZ:エレアコとして“Ghost of romance”録音に使用。
Ovation Adamas:ナチュラル。
YAMAHA Pacifica:カタログ掲載記載あり。
B.C. Rich Eagle:初購入ギター。
Gibson Flying V(複数):茶(“Force It”裏ジャケ影響)、’74ホワイト(TERRA ROSA期/ローディ譲渡)、ナチュラル。
Squier Strat(1988年モデル):近年(当時)ライブ仕様とする記載。
オリジナル「般若」ギター:ボディは父上制作、Y-60ネック装着。
不明個体:Stratタイプ(フレットレス/リバースラージヘッド)、Teleタイプ(サンバースト)、SGダブルネック(12/6弦) 等。
アンプ
MESA/Boogie Mark VI:現在のメイン。「METAMORPHOSIS」「DREAM DEMON ANALYZER」のレコーディングにも使用。
Egnater:過去に使用、現在はMesaへ回帰。
エフェクター/周辺機器
Xotic:BB Preamp(録音/ライヴ)、EP Booster(最新作録音でも使用)、AC Comp。
T-Rex:Viper(Vibe)、Twister(Chorus/Flanger)=ラック常設/Octavius(Octaver)(セッション用ボードにも搭載)/Replica(Delay)。
tc electronic:FLASHBACK x4(以前はコンパクトFLASHBACK)、G-System(“DEAD END”時は足元に常置)、Shaker mini Vibrato。
Keeley:TS-9 30th MOD。
Barbarossa:Gargoyle(Hi-Gain Dist.)。
G2D:Cream Tone(近年の使用率が高い)。
VOCU:Dual Gain Distortion、パワーサプライ。
Maxon:AD999(Analog Delay)。
Digitech:Whammy。
Ovaltone:FOUNTAIN(トランスペアレントOD/3モード×3キャラ)、ULTRA BOOST TYPE-C “Clean”。
チューナー:tc electronic Polytune。
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