始めに(特徴紹介)
浅井健一(通称ベンジー)は、90年代オルタナティブ・シーンを牽引したバンド「Blankey Jet City」のギタリスト兼ボーカリストです。彼のギタープレイは、シンプルでありながらも圧倒的な存在感を持ち、爆音の中で生まれる独特の“ベンジーサウンド”として多くのギタリストに影響を与えてきました。
代表曲「赤いタンバリン」「D.I.Jのピストル」などでは、Gretsch TennesseanとMarshall 1959 JMPを組み合わせた爆発的なナチュラルドライブが聴けます。リバーブやディレイをシンプルに組み合わせつつ、荒々しいピッキングと独特なコードワークで、唯一無二の音像を作り上げているのが特徴です。
また、ソロやSherbets期になるとLes Paul Specialやアコースティックギターも積極的に取り入れ、ベンジーの音楽的レンジを広げていきました。エフェクターは最小限、しかし要所でPro Co RATやBOSS DM-2を効果的に使用し、ロックンロールの粗削りな雰囲気をさらに強調しています。
彼の音作りが注目される理由は、単なる機材の選択ではなく「音をどう鳴らすか」にあるといえるでしょう。弦は太め(.011-.048)を選び、爆音でアンプを鳴らし切ることで完成するベンジーサウンドは、機材だけでなくプレイヤーの姿勢そのものが反映されています。
このページでは、Blankey Jet Cityの浅井健一が実際に使用してきたアンプ、ギター、エフェクターを徹底的に解説しつつ、その音作りの核心に迫ります。
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使用アンプ一覧と特徴【Blankey Jet City・浅井健一】
浅井健一(ベンジー)のサウンドを語る上で欠かせないのが、Marshall 1959 JMP Super Lead 100です。70年代製のPlexiを改造し、プリ管のカスケード接続や背面にマスターを追加した個体を使用しており、ボリュームは常に10で鳴らすことでナチュラルなオーバードライブを得ています。これがブランキー時代の爆音サウンドの核といえるでしょう。
さらに、レコーディングや後期のライブでは、Matchless DC-30も使用されています。このアンプはVOX AC30の系統に近いクリーンからクランチを得意とし、ブランキー後期からソロ活動にかけての「ロメオの心臓」などで登場しました。Marshallの荒々しい歪みと対照的に、立体感のある音像を実現するために選ばれたと考えられます。
また、Monkey Strip期にはFender ’59 Bassmanを確認でき、よりブルースライクで分厚いトーンを得ています。さらに中期にはVOX AC30をサブ的に使用しており、ステージ環境や求める音色に合わせてMarshall以外の選択肢を柔軟に導入していたことがわかります。
スピーカーについては明確な証言は少ないものの、Celestion Greenback系を好んでいたとされ、Marshallキャビネットとの組み合わせが基本であったと想定されます。また、Bognerなどの高品質アンプを試した記録も残っており、音楽性に応じて幅広く試行していた様子がうかがえます。
まとめると、ベンジーのアンプ構成は「改造Marshallを軸にしつつ、曲や時期に応じてMatchlessやFenderを補助的に使用する」というスタイルが基本です。彼の音作りにおいては、どのアンプを使うかよりも「爆音で鳴らし切ること」に価値を置いていたといえるでしょう。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Marshall 1959 JMP Super Lead 100(1970s改造Plexi) | Marshall | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | ブランキー期のメインアンプ。ボリューム10で爆音駆動。 |
Matchless DC-30 | Matchless | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | 後期レコーディング・ライブで使用。「ロメオの心臓」期。 |
Fender ’59 Bassman | Fender | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | Monkey Strip期に使用確認。ブルースライクなトーン。 |
VOX AC30 | VOX | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | 中期ライブでMarshallのサブとして使用。 |
Bogner(詳細不明) | Bogner | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | 所有・試奏記録あり。使用頻度は限定的と推測。 |
使用ギターの種類と特徴【Blankey Jet City・浅井健一】
浅井健一(ベンジー)のギターといえば、まず真っ先に挙げられるのが Gretsch PX6119 Chet Atkins Tennessean(1964年、1965年製) です。ブランキー時代の代名詞ともいえるモデルで、シングルコイルのハイロートロンPU、木製ブリッジを接着固定するなど独特のカスタマイズが施されていました。事故でネックを折ったこともあり複数本を所有していたとされます。このTennesseanこそが、ベンジーサウンドの象徴的存在です。
近年では、Gretschから公式にリリースされた G6119T-65KA Kenichi Asai Signature(Black Cat/Tennessee Rose) を使用。本人のプレイスタイルを反映したスペックで、ファンにとっては憧れの一本となっています。
その他、Gretsch系では G6120DC Nashville(ダブルカッタウェイ) や Duo Jet を所有し、レコーディングやライブで使い分けていました。さらに、Gibson Les Paul系も数多く使用。1957年製のゴールドトップ(P-90搭載)、1972年リイシューのカスタム、1992年ブラックのカスタムなどを弾き分け、PONTIACS期には Les Paul Special TV Yellow(1960年製) をメインとして愛用していました。
また、Flying V(GibsonやGreco製)、Fender Stratocaster(1963年製、ステッカー多数)、Fender Telecaster(1978年製、MV「Sweet Days」で使用)、Fender Jazzmaster(1962年製、土屋昌巳氏所有をレコーディングで使用)など、フェンダー系も時期に応じて多彩に導入しています。
さらに、初期にイカ天で使用していた Greco SW-1200 White(1972年製、フルアコ) や、最初に購入したギターである Aria Pro II PE-600 “Great Falcon” など、歴史的な一本も存在します。アコースティックでは Gibson J-200jr、J-50、Taylor 815C、K.Yairi Custom JY-185 など、本人のソロ活動やUnpluggedでも数多くのアコギが登場しています。
全体を通じてみると、ベンジーはGretsch Tennesseanを軸としつつ、P-90搭載レスポールやストラト/テレキャスといったロックンロール定番機をシチュエーションごとに使い分けるスタイルです。特にシングルコイル系のピックアップを好み、爆音アンプとの組み合わせで荒々しいトーンを追求していたといえるでしょう。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Gretsch PX6119 Chet Atkins Tennessean(1964/65) | Gretsch | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | セミアコ | 代名詞ギター。ネック折れ事故で複数本所有。 |
Gretsch G6119T-65KA Kenichi Asai Signature | Gretsch | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | セミアコ/シグネチャー | 近年リリース。本人監修モデル。 |
Gibson Les Paul Gold Top(1957, P-90搭載) | Gibson | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | ソリッド | P-90搭載、厚みあるサウンド。 |
Gibson Les Paul Special TV Yellow(1960) | Gibson | Amazonで探す | PONTIACS | 浅井健一 | ソリッド | PONTIACS期メインギター。P-90搭載。 |
Fender Stratocaster(1963, ステッカー多数) | Fender | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | ソリッド | 活動初期〜中期で使用。 |
Fender Telecaster(1978, MV “Sweet Days”で使用) | Fender | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | ソリッド | MVでの使用が確認される。 |
Gibson J-200jr(1993, サンバースト) | Gibson | Amazonで探す | Sherbets/ソロ | 浅井健一 | アコースティック | ピックアップ増設済み。ライブでも使用。 |
K.Yairi Custom JY-185(2000) | K.Yairi | Amazonで探す | ソロ | 浅井健一 | アコースティック | ヤイリ公式でも紹介されたカスタムモデル。 |
使用エフェクターとボード構成【Blankey Jet City・浅井健一】
浅井健一(ベンジー)のエフェクトボードは、基本的にシンプルながらも必要な効果をしっかりと押さえた構成になっています。核となるのは Pro Co RAT2 で、これはブランキー時代から現在に至るまで彼の歪みサウンドの中心を担ってきました。カート・コバーンやジェフ・ベックも愛用していた名機で、Marshallアンプとの組み合わせであの独特の荒削りで凶暴なトーンを生み出しています。
また、BOSS DM-2 Analog Delay は本人が「家宝」と呼ぶほど大切にしているエフェクターで、ショートディレイを用いた立体的な音作りに貢献。後期には Maxon AD-900 と併用することもあり、アナログディレイ特有の温かみを重視していました。ラック型では Roland SDE-3000A を導入していた時期も確認されています。
コンプレッションには BOSS CS-3 を使用。ゲインを下げる目的でセッティングされ、音圧のコントロールやアタック感の調整に役立てられました。さらに BOSS GE-7 Equalizer はSherbets期にレベルをMAXに設定してブースター代わりに使うなど、かなり攻めた使い方をしていたことでも有名です。
その他にも BOSS CE-3 Chorus で空間感をプラスし、ライブにおけるサウンドの厚みを演出。ワウ系では VOX V847 や Electro-Harmonix Bassballs を導入し、楽曲によって個性的なフィルタリング効果を生み出しています。
後期には Human Gear VIVACE を中心としたオーバードライブやディストーションを導入。「LAST DANCE」やソロ活動では Dunes、Bows、Passione、Fine など複数のHuman Gear製ペダルを試していたことも確認されています。また、September Soundの改造 SD-1 Spangle Mod や Full Range Booster など、カスタム系エフェクターも使用していました。
全体としてベンジーのボードは「RAT+DM-2+CS-3」を軸に必要なペダルを追加していくスタイルで、音の核はあくまでアンプとギター。その上でシンプルなペダル群を駆使し、爆音の中でも際立つ唯一無二のトーンを構築していたといえるでしょう。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Pro Co RAT2 | Pro Co | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | ディストーション | メイン歪み。Marshallと組み合わせ爆音サウンドを形成。 |
BOSS DM-2 Analog Delay | BOSS | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | ディレイ | 本人が「家宝」と呼ぶほど大切にしているアナログディレイ。 |
BOSS CS-3 Compression Sustainer | BOSS | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | コンプレッサー | ゲインを下げ用途で使用。音圧コントロールに貢献。 |
BOSS GE-7 Equalizer | BOSS | Amazonで探す | Sherbets | 浅井健一 | イコライザー | Sherbets期にレベルMAXでブースター的に使用。 |
BOSS CE-3 Chorus | BOSS | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | コーラス | 空間感を演出。ライブで効果的に使用。 |
Human Gear VIVACE | Human Gear | Amazonで探す | ソロ/後期ブランキー | 浅井健一 | オーバードライブ | LAST DANCE期〜ソロで使用されたペダル。 |
VOX V847 Wah Pedal | VOX | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | ワウペダル | 定番ワウ。楽曲によってフィルター効果を活用。 |
Electro-Harmonix Bassballs | Electro-Harmonix | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | オートワウ・エンベロープフィルター | フィルタリング効果で個性的なトーンを実現。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Blankey Jet City・浅井健一】
浅井健一(ベンジー)の音作りは「機材」だけではなく、「爆音でアンプを鳴らし切る姿勢」に大きな特徴があります。Marshall 1959 JMP Super Leadをボリューム10に設定し、プリ管をカスケード接続した改造仕様を使用。ブランキー時代のライブでは、この爆音によるナチュラルドライブが彼の代名詞となっていました。
EQの基本設定としては、アンプのトレブルを6〜7、ミドルを7前後、ベースを5程度に抑えることで、爆音の中でも抜けの良いサウンドを確保していたと考えられます。ベンジーは過剰に歪ませるのではなく、ギターのピッキングとRATやBOSS CS-3による調整で音をコントロール。これにより、荒削りながらも「楽曲にちょうど良い歪み感」を維持していました。
代表曲「赤いタンバリン」ではRATの歪みを強めにかけ、バッキングに厚みを出しています。一方「D.I.Jのピストル」ではMarshallのナチュラルドライブを活かしつつ、DM-2のショートディレイを薄くかけることで立体感を演出。さらに「小さな恋のメロディ」ではクリーン寄りのセッティングを選び、ギターのコード感を際立たせています。
ディレイの使い方においては、アナログディレイ特有の音の減衰を利用して「空間感は出すが邪魔しない」セッティングが基本でした。DM-2のリピートを少なめ、ディレイタイムは200ms前後と推測され、ほんのり広がりを足す程度に使用。後期ではMaxon AD-900を組み合わせ、さらに自然な広がりを追求していました。
エフェクターの組み合わせとしては、CS-3をかけっぱなしにしてダイナミクスを抑え、必要に応じてRATで歪みを足すというシンプルな構成。GE-7はEQ用途というより、ブースター的にレベルを上げるために使用され、ソロや激しいフレーズで音を前に出す役割を担っていました。
レコーディング時の工夫としては、マイキングにSHURE SM58やBETA58Aを使うことが多く、爆音の中でもアタック感と存在感を収録することを重視していました。場合によってはコンデンサーマイク(SM86など)を組み合わせ、空気感を加える処理も行われていたと想定されます。エンジニアによるEQ補正は最小限で、Marshall+Gretschの爆音そのままを収める方針だったといえるでしょう。
ミックス面では、ギターの定位はセンター寄りに配置されることが多く、ベースとドラムの厚みを支えながらも、常に耳に飛び込んでくるラウドな質感が特徴です。PA現場でも「音量を下げないでほしい」と要求した逸話があり、ステージ全体を揺るがすほどの爆音でこそ成立するサウンドでした。
総じてベンジーの音作りは「爆音アンプ+シンプルなペダル+太い弦+荒々しいピッキング」に集約されます。EQやミックスで作り込むのではなく、ステージ上での生の鳴りをそのまま届けることにこだわっていたと想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【Blankey Jet City・浅井健一】
浅井健一(ベンジー)のサウンドを完全に再現するのは、ヴィンテージのGretsch Tennesseanや改造Marshallが必要になるため、現実的には非常に高価です。しかし、初心者〜中級者でも手が届く市販の機材を組み合わせれば、ベンジーサウンドにかなり近づけることができます。
まず歪みの核となる Pro Co RAT2 は現行品が手に入りやすく、定価でも1万円台で購入可能です。Marshall系アンプやシミュレーターと合わせれば、荒々しくも存在感のあるディストーションが得られ、ベンジーの爆音に近い雰囲気を再現できます。
アンプについては、現行の Marshall DSL20CR や Marshall Origin 20C がオススメです。価格は10万円以下ですが、クラシックMarshallのクリーン〜クランチを再現できるため、RATやCS-3との相性も良好。自宅練習であれば BOSS Katana-50 MkII のようなモデリングアンプでも十分雰囲気を楽しめます。
ディレイは BOSS DM-2W Waza Craft が最適。オリジナルDM-2はプレミアがついていますが、この復刻版なら新品で2万円台。アナログ特有の温かみあるリピートで、ブランキーの立体感ある音作りを再現できます。
コンプレッション用途には BOSS CS-3 が定番。安価で入手しやすく、アタック感をコントロールすることで、爆音の中でもまとまりのあるサウンドを得られます。さらに音量を稼ぎたい場合は BOSS GE-7 をブースター的に使用するとベンジーのセッティングに近づきます。
ギターについてはGretsch Tennesseanは高額なので、代替として Gretsch Electromatic G5420T や G2622 Streamliner など、5〜8万円前後のモデルがオススメ。見た目も音のキャラクターもGretschらしさがあり、MarshallやRATとの組み合わせで雰囲気をつかめます。
アクセサリー面では Ernie Ball Power Slinky 011-048 の太めゲージ弦を選び、ピックは Jim Dunlop Nylon 0.88 を使用することで、強いピッキングと爆音アンプに耐えるセッティングを実現。これだけでもかなりベンジーらしいニュアンスを感じられるでしょう。
総合的にまとめると、「Gretsch系セミアコ+RAT2+Marshall風アンプ+DM-2W」で十分にベンジーのサウンドに近づけます。爆音環境が難しい場合でも、モデリングアンプやマルチエフェクターを駆使すれば、自宅でもあの独特な空気感を楽しめるはずです。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディストーション | Pro Co RAT2 | Pro Co | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | ベンジーサウンドの核。安価で入手可能。 |
アンプ | Marshall DSL20CR | Marshall | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | 10万円以下でクラシックMarshallを再現可能。 |
アンプ | BOSS Katana-50 MkII | BOSS | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | 自宅練習に最適なモデリングアンプ。 |
ディレイ | BOSS DM-2W Waza Craft | BOSS | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | オリジナルDM-2の復刻版。温かみあるアナログディレイ。 |
コンプレッサー | BOSS CS-3 | BOSS | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | 音圧を整え、爆音でもまとまりのあるサウンドを実現。 |
セミアコギター | Gretsch Electromatic G5420T | Gretsch | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | 実用価格でGretschらしいトーンを再現可能。 |
弦 | Ernie Ball Power Slinky 011-048 | Ernie Ball | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | ベンジー愛用弦。強いピッキングに対応。 |
ピック | Jim Dunlop Nylon 0.88 | Jim Dunlop | Amazonで探す | Blankey Jet City | 浅井健一 | プラ製より折れにくく、荒々しいストロークに最適。 |
総括まとめ【Blankey Jet City・浅井健一】

浅井健一(ベンジー)の音作りを総合すると、その本質は「機材」よりも「鳴らし方」にあるといえます。確かに、Gretsch Tennesseanや改造Marshall JMP、RAT2やDM-2といった名機が揃っていましたが、それらを単に並べただけでは彼の音にはなりません。太めの弦(.011-048)を張り、荒々しくも繊細なピッキングを爆音で鳴らし切る姿勢こそが「ベンジーサウンド」を決定づけていました。
ベンジーのプレイはシンプルです。派手なテクニックや複雑なエフェクトチェインに頼ることは少なく、ギター・アンプ・プレイヤーの三位一体で勝負するロックンロールの王道スタイル。そのため、ライブではMarshallのボリュームを10に固定し、音量も歪みも「アンプ任せ」にする潔さがありました。この大胆さこそが、彼の音が他のギタリストと決定的に異なる理由のひとつです。
また、RATやCS-3といったエフェクターも「音を作り込むための道具」ではなく、「ギターとアンプをどう活かすか」の補助的役割にとどまります。ディレイやコーラスも空間感を足す程度で、曲の雰囲気を壊さないよう最小限に使用されていました。つまり、彼のボードはシンプルでありながら必要十分で、その姿勢が多くのロックギタリストに支持される理由となっています。
再現を試みる読者にとって大切なのは、高額なヴィンテージ機材を揃えることではなく「音を爆音で鳴らす勇気」と「シンプルな構成を信じること」です。RAT2やDM-2Wなど現行品でも十分にベンジーのニュアンスは感じられますし、アンプシミュレーターやモデリングアンプを使えば自宅でも近い音作りを楽しむことができます。
最後に強調すべきは、ベンジーサウンドの最大の魅力は「不完全さの美学」にあります。完璧に整えられた音ではなく、爆音の中で生まれる揺らぎや荒さが、彼の歌と一体となってリスナーの心を揺さぶります。その意味で、彼の音作りは単なる機材解説を超え、「ロックの哲学」そのものを体現しているといえるでしょう。
あなたがもしベンジーに憧れて音を近づけたいなら、まずはシンプルなギターとアンプを手に入れ、思い切り爆音で鳴らしてみてください。その瞬間、きっと「これがベンジーの魂だ」と感じられるはずです。
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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
メイン/象徴的モデル
Gretsch PX6119 Chet Atkins Tennessean(1964, 1965)
ベンジーの代名詞。椎名林檎「丸ノ内サディスティック」の歌詞にも登場。ネック折れ事故で複数本使用。ピックアップはシングルのハイロートロン。ブリッジは木製を接着固定して使用。
Gretsch G6119T-65KA Kenichi Asai Signature(Black Cat/Tennessee Rose)
近年リリースされたシグネチャーモデル。
その他所有ギター
Gretsch G6120DC Nashville(ダブルカッタウェイ)
Gretsch Duo Jet
Gibson Les Paul Gold Top(1957, P-90搭載)
Gibson Les Paul Custom Reissue(1972)
Gibson Les Paul Custom(1992/ブラック)
Gibson Les Paul Special TV Yellow(1960) → PONTIACS期メイン
Gibson Flying V(Greco製も含む)
Fender Stratocaster(1963/ステッカー多数)
Fender Telecaster(1978/MV “Sweet Days” で使用)
Fender Japan Jazzmaster Custom(1970s, 改造あり)
Fender Jazzmaster(1962/土屋昌巳氏所有をレコーディングで使用)
Greco SW-1200 White(1972, フルアコ/イカ天で使用)
Aria Pro II PE-600 “Great Falcon”(1970, 改造・再塗装) → 初めて買ったギター
アコースティックギター
Gibson J-200jr(1993, サンバースト, ピックアップ増設)
Gibson J-50
Taylor 815C(1980)
K.Yairi Custom JY-185(2000, ヤイリ公式投稿あり)
K.Yairi Custom Jumbo(2006)
Ovation Collector’s(1988, ライブ“ディズニーランドへ”で使用)
Epiphone Texan(初期アコギ, Unplugged収録で使用)
🎚️ エフェクター
基本ペダル群(長年使用)
BOSS CS-3 Compression Sustainer → ゲイン下げ用途
BOSS GE-7 Equalizer → Sherbets期、レベルMAXで使用
BOSS CE-3 Chorus
BOSS DM-2 Analog Delay(初期型, “家宝”と呼ぶ)
Maxon AD-900 Analog Delay(DM-2と併用)
Roland SDE-3000A(デジタルディレイ, ラック)
BOSS SD-1 Super Overdrive
Pro Co RAT2 → サウンドの核。カート・コバーンやジェフ・ベックも使用
Human Gear VIVACE → 後期ブランキー〜LAST DANCEで使用
Human Gear Dunes, Bows, Passione, Fine(各種OD/Dist, 所有確認あり)
September Sound SD-1 Spangle Mod, Full Range Booster
ボリューム/ワウ/補助
BOSS FV-50H/FV-300L(ボリュームペダル)
BOSS PV-1 Rocker Volume(電子ボリューム, 廃番)
KORG XVP-10 Volume Pedal
Ernie Ball Volume Pedal
VOX V847 Wah Pedal
Electro-Harmonix Bassballs(オートワウ)
Whirlwind Selector A/B BOX(Marshall/Matchless切替)
Guyatone AC-102N Power Supply
空間・その他
Electro-Harmonix Big Muff(ファズ)
TC Electronic Flashback 2 X4(ディレイ)
Line6 M5 Stompbox Modeler(マルチ)
Orange Bax Bangeetar Pre-EQ Pedal
🔊 アンプ
Marshall 1959 JMP Super Lead 100(改造Plexi, 1970s)
→ vol10でナチュラルOD。背面マスター追加。プリ管カスケード改造済み。ベンジーサウンドの核。
Matchless DC-30 → 「ロメオの心臓」期にレコーディング、後期ライブで併用。
Fender ’59 Bassman → Monkey Strip期に確認。
VOX AC30 → 中期にマーシャルのサブ。
BognerやCelestion Greenback系スピーカー推定
🎤 マイク
SHURE SM58(初期〜多くのライブ)
SHURE BETA58A(「Are You Happy?」等)
SHURE SM86(Rising Sun Rock Festival ’99〜Last Dance期)
🎵 アクセサリー
Jim Dunlop Nylon 44R 0.88(ナイロンピック) → プラ製は折れるためナイロンを愛用
弦:Ernie Ball Power Slinky 011-048(ブランキー〜ソロ期の定番)
D’Addario 11-49(時期により使用)
✅ まとめ
浅井健一(ベンジー)のサウンドの核は Gretsch Tennessean(1964/65製)+改造Marshall 1959 JMP の爆音ナチュラルドライブにあり、エフェクターはシンプルに RAT2・BOSS DM-2・CS-3 を軸に追加する形。アコギやレスポール、ストラト、テレキャスも状況に応じて使い分けており、特に P-90系シングルコイル を好んで使用。弦は太め(.011-.048)で強いピッキング、爆音で鳴らすことが唯一無二の「ベンジーサウンド」を生み出しています。
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