始めに(特徴紹介)
GALNERYUSのギタリストとして絶大な存在感を放つSyuさんは、日本のネオクラシカル・メタルを牽引する名手として知られています。
彼のプレイは、イングヴェイ・マルムスティーン直系の速弾きとクラシカルなスケール感を軸にしつつも、泣きのメロディやペンタトニック、時にはモード的な展開も取り入れた非常に豊かな表現力が魅力です。
GALNERYUSの代表曲である「Angel Of Salvation」や「Hunting For Your Dream」、「Phoenix Rising」などでは、Syuさんの流麗なスウィープやタッピングが楽曲の核を成しており、単なる技巧ではなく”叙情”として聴かせるセンスが際立っています。
サウンド面では、ESP製のCRYING STARシリーズを中心としたオリジナルギター群と、Diezel Hagenなどの高解像度なハイゲインアンプを駆使した分離感のあるトーンが印象的です。加えて、OD808やBB Preampによる軽いブーストがリードトーンに透明感を与えており、複数のエフェクトやEQ設定を使い分けながら立体的な音像を作り出しています。
また、Syuさんは「イングヴェイ・マルムスティーン症候群」に陥らないために、機材選びやプレイスタイルにおいても意識的に差別化を図っているとの発言もあり、特にギターの選定ではストラトタイプではなくVシェイプやオリジナルモデルを好んで使用するなど、強い美学を持っています。
その一方で、セミナーや配信企画ではBOSSマルチやSANSAMP GT2、Bogner Uberschallなど幅広い機材を活用する柔軟性も兼ね備えており、プレイヤーとしてだけでなく教育者・啓蒙者としても高い評価を受けています。
そんなSyuさんの音作りは、単なるハイゲインメタルにとどまらず、楽曲を彩る色彩豊かな音色設計に支えられた”完成されたアンサンブル”であると言えるでしょう。
使用アンプ一覧と特徴【GALNERYUS・Syu】
Syuさんのギターサウンドは、その超絶技巧を支えるだけでなく、分離感・立体感・中域の美しさといった繊細な要素も求められるため、アンプ選びには強いこだわりが感じられます。
初期のGALNERYUSでは、Hughes & Kettnerの「TRIAMP」や「CORE BLADE」などの多チャンネル仕様のチューブアンプをメインに使用しており、幅広いサウンドメイクに対応していました。特にTRIAMPは、クリーンからヘヴィディストーションまで幅広く使えるため、ライブでも重宝されたようです。
その後、Syuさんのアンプの主軸はDiezel製に移行。「Angel Of Salvation」以降はDiezelの「Hagen」が主力となっており、独立3チャンネル構成に加えて、硬質かつ解像度の高いゲインサウンドが特徴です。Syuさん自身もHagenの持つ“抜けの良さ”と“まとまり感”を非常に気に入っており、ソロやリフどちらでも使える理想的なアンプとして愛用しています。
さらに近年では、MIDI制御に対応したDiezel「D-MOLL」も導入。「REFORMATION SIDE」などのレコーディングでは特に重宝され、ライブでもそのフレキシビリティと信頼性から高い使用頻度を誇ります。
サブ的な位置づけとしては、BLACKSTARの「HT-DUAL」や「HT-DISTX」なども使用されており、特にSPINALCORDプロジェクト時にその特徴的な歪みを取り入れていたようです。また、KRANKの「DISTORTUS MAXIMUS」はSPINALCORDでの核となる音作りに一役買っており、その切れ味のあるディストーションはSyuさんの攻撃的なフレーズにもマッチしていました。
多彩な機材遍歴の中でも、ライブとレコーディングの両面で実用性と音質を両立させるために、Diezel製品は今もなお中核的存在であり、まさに現代のネオクラシカルメタルに最適なアンプ群と言えるでしょう。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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TRIAMP | Hughes & Kettner | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | 初期ライブ・レコーディングで使用された多機能チューブアンプ |
CORE BLADE | Hughes & Kettner | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | TRIAMP同様に初期のサウンドを支えた多機能モデル |
Hagen | Diezel | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | 現メイン機。「Angel Of Salvation」以降の要となる3chアンプ |
D-MOLL | Diezel | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | MIDI制御可能なモデル。「REFORMATION SIDE」でも使用 |
HT-DUAL | BLACKSTAR | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | ライブ中のトラブル時に備えたサブアンプ的立ち位置 |
HT-DISTX | BLACKSTAR | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | SPINALCORDプロジェクトで使用 |
DISTORTUS MAXIMUS | KRANK | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | SPINALCORD時代のメインOD/Dist |
使用ギターの種類と特徴【GALNERYUS・Syu】

Syuさんのギターといえば、ESPによるシグネイチャーモデル「CRYING STAR」シリーズが有名です。特にネオクラシカルメタルに必要な速弾き、スウィープ、タッピングといった高難度テクニックを活かすため、どのモデルもプレイアビリティと音抜けに重点を置いた設計がされています。
最初期に使用されていたのは「CRYING STAR(初号機)」。アルダーボディにTB-4ピックアップ、ミディアムスケールの設計で、すでに高い完成度を誇っていました。そこからバリエーションとして、EMGアクティブPUを搭載した「CRYING STAR-REBEL」や、ボディ材をマホガニーにしナットをブラスへ交換した改造版も登場しています。
また、フロイドローズ搭載の「CRYING STAR-PHOENIX」は、名曲『PHOENIX RISING』で使用されており、アーミングや微細なピッチ操作を要するフレーズに適した構造となっています。
個性的なモデルとしては、31フレット仕様の「CRYING V」や、マホガニー+セットネック構造でトーンに太さを持たせた「CRYING STAR-CLASSIC」も存在し、これらは主にソロでの表現力を重視した選択と言えるでしょう。
7弦モデルの「CRYING SEVEN」シリーズは、よりモダンな楽曲やヘヴィなリフに対応するために導入され、ライブでも登場することがありました。
他にも、『VETELGYUS』時代には「CRYING STAR-CLASSIC VETLGYUS」というミラーピックガード仕様のブラックボディモデルを使用。加えて、ESPによるMVカスタムモデル群(SYU CUSTOMシリーズ)も多数存在し、その中にはSNAPPERやEXタイプの変形ギターも含まれています。
ESP製品の廉価版であるEDWARDSからも多くのシグネイチャーが展開されており、「E-CS」「E-EX」「E-FV」シリーズなど、初期GALNERYUS期やライブでの使用が確認されています。見た目も性能も本家に近く、コストパフォーマンスが非常に高いモデルです。
全体として、Syuさんのギター選びは“個性”と“演奏性”を両立させることが主軸になっており、ストラトに憧れつつも、敢えてVや変形ギターを選ぶ姿勢はその象徴的スタイルとも言えます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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CRYING STAR(初号機) | ESP | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | シグネイチャー | 最初期モデル。アルダー+TB-4+ミディアムスケール |
CRYING STAR-REBEL | ESP | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | シグネイチャー | ホワイトボディ、EMG 89/SAV、SPC Volume搭載 |
CRYING STAR-REBEL 改 | ESP | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | シグネイチャー | ブラスナット、PUはSH-4+YJM Furyに換装 |
CRYING STAR-PHOENIX | ESP | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | シグネイチャー | フロイドローズ搭載。『PHOENIX RISING』使用 |
CRYING V | ESP | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | シグネイチャー | Vシェイプ、31フレット仕様 |
CRYING STAR-CLASSIC | ESP | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | シグネイチャー | マホガニー、セットネック、24f、SH-2/SH-4搭載 |
CRYING SEVEN(2タイプ) | ESP | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | シグネイチャー | 7弦仕様。リアPUのみモデルあり |
CRYING STAR-CLASSIC VETLGYUS | ESP | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | シグネイチャー | 『VETELGYUS』で使用。ミラーピックガード |
MV | ESP | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | シグネイチャー | MVやEX、SNAPPERなど変形ギター多数存在 |
E-CS-160/130/140 他 | EDWARDS | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | 廉価モデル | ESPモデルのコスパ版。ファン向けに展開 |
E-EX-138E SYU CUSTOM | EDWARDS | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | 廉価モデル | 初期GALNERYUSでのメイン機 |
E-FV-85D SYU CUSTOM | EDWARDS | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | 廉価モデル | 初期ライブにて使用が確認されている |
E-SYUNAPPER-I / E-CS-VETELGYUS | EDWARDS | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | 廉価モデル | SYU CUSTOMの派生モデル多数 |
使用エフェクターとボード構成【GALNERYUS・Syu】
Syuさんのエフェクターボードは、楽曲やツアーに合わせて柔軟に構成が変更されますが、基本となる“透明感のあるブースト”“明瞭な空間系”“操作性の高いMIDI制御”という3つの軸を中心に構築されています。
まず注目すべきは、リードトーンの要ともいえるブースター類です。代表的な使用例としては、MAXON OD808やXotic BB Preamp、BOSS SD-1などが挙げられ、どれも「音の輪郭を保ちつつ中域を持ち上げる」チューブアンプとの相性抜群のモデルです。
また、スイッチャーとしてはCAJ(Custom Audio Japan)のLoop and Link IIやProvidenceのPEC-2を使用しており、ライブでの確実なパッチ切り替えに貢献しています。これらはMIDI対応のアンプ(Diezelなど)とも連携され、複数のエフェクト操作を一括で制御可能にしています。
空間系については、TC ElectronicのG-Major 2が長年愛用されており、コーラス・ディレイ・リバーブといった基本的な空間処理がこの1台でまかなわれています。後期ではBOSS DDシリーズやstrymonの機材も確認されており、エフェクトの質感を細かく調整している様子が伺えます。
また、SPINALCORDやセミナーでの演奏時には、よりコンパクトなボードにSANSAMP GT2やBogner Uberschall Pedal、Tech 21などを組み合わせることもあり、状況に応じたエフェクト構成の最適化を図っている点もSyuさんらしいこだわりです。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 種類 | 備考 |
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OD808 | MAXON | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | ブースター | リードトーンに必須。中域ブースト+滑らかさを演出 |
BB Preamp | Xotic | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | ブースター | OD808とは異なるトランスペアレント系の歪み |
SD-1 | BOSS | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | ブースター | 廉価ながら完成されたブーストサウンド |
Loop and Link II | CAJ | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | スイッチャー | CAJ製MIDI対応スイッチャー。Diezelと連携可能 |
PEC-2 | Providence | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | スイッチャー | 使用頻度高い定番スイッチャー。拡張性に優れる |
G-Major 2 | TC Electronic | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | 空間系 | ライブのコーラス/ディレイ/リバーブを一括処理 |
SANSAMP GT2 | Tech 21 | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | プリアンプ | セミナー/配信などでも使用される定番ペダル |
Bogner Uberschall Pedal | Bogner | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | プリアンプ | SPINALCORDや配信で使用された攻撃的ディストーション |
DD-500 | BOSS | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | ディレイ | 後期ライブボードで確認される高性能ディレイ |
blueSky | strymon | Amazonで探す | GALNERYUS | Syu | リバーブ | 録音/配信などでの上質なリバーブ演出に使用 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【GALNERYUS・Syu】

GALNERYUSのSyuさんのギターサウンドは、壮大なスケール感と正確なピッキングニュアンス、そして圧倒的な抜けの良さを兼ね備えています。こうしたサウンドは、アンプやエフェクターだけでなく、綿密に計算されたEQセッティングとミックス処理によって支えられています。
まず、アンプ側のセッティングでは、ミッドレンジをしっかりと持ち上げるのが基本です。Diezel VH4Sのような4チャンネル構成のアンプでは、CH3をメインに使用することが多く、ゲインは10〜11時方向、ミドルは2時、プレゼンスは控えめに10時程度に設定される傾向があります。これはメタルのスピード感を保ちつつ、バンドアンサンブルの中で抜ける音作りを狙ったものです。
クリーントーンについては、意外にもフェンダーライクな味付けを意識しており、CH1や別のアンプ(Matchless HC-30やRoland JC-120)を併用することもあります。ここでは逆にミッドをカットし、トレブルとベースのバランスを整えてピッキングニュアンスがそのまま出るような繊細なセッティングが採用されています。
ペダル類では、OD808などのブースターを常時オンにして、ピッキングアタックを強調。これにより、タッピングやスウィープなどの速いパッセージでも音が潰れずに前に出る感触が得られます。また、EQペダル(BOSS GE-7やMXR 10-band EQなど)での微調整も行われており、リハーサルスタジオやホールの響きに応じて中低域やハイミッドを適宜補正しているようです。
ミックス処理の段階では、空間系の処理も非常に重要です。特にリードトーンに対しては、ディレイを3〜4重に重ねることで、幻想的な浮遊感を出すのがSyuサウンドの核となります。これにはG-Major 2やstrymonの高品位なディレイユニットが使用されるほか、レコーディングではDAW側でTC ElectronicやWavesなどのプラグインを併用するケースも多いとされています。
また、左右のパンニング処理も巧みで、ギター1(Syuパート)がセンターやや左寄り、ギター2(サポートギターやオーバーダブ)が右寄りに配置されることで、全体に立体感が生まれています。リードではセンターに集め、残響成分だけを左右に振ることでソロパートが際立ち、バンド全体のサウンドに奥行きを持たせています。
これらの音作りは単に機材に頼るだけでなく、「どの帯域を出して、どの帯域を引くか」という精密な音像設計に基づいて構築されています。結果として、速弾きやラウドなバッキングでも1音1音が明確に聴き取れるサウンドが完成されているのです。
比較的安価に音を近づける機材【GALNERYUS・Syu】
Syuさんのギターサウンドは高級機材と緻密なセッティングに支えられていますが、初心者や中級者でも比較的安価に近づける方法はあります。ここでは、実際の使用機材の代替として使える、コストパフォーマンスに優れた製品を厳選して紹介します。
まず、ブースターや歪み系では「MAXON OD808」の代替として、BOSSの「SD-1 Super Overdrive」が挙げられます。SD-1は中域にピークがあり、滑らかで歌うようなオーバードライブを得られ、Syuさんのようなソロプレイや速弾きにも対応できます。価格も1万円台と非常に手頃です。
また、空間系の厚みを演出するためには「NUX Atlantic」などのディレイ+リバーブのマルチエフェクトも効果的です。特に「Atlantic」は、アナログ/デジタル切替え式ディレイとプレート系リバーブを搭載しており、Syuさんの幻想的なリードトーンに近づける優秀な選択肢です。
アンプでは、「BOSS Katana-50 MkII」が非常におすすめです。このアンプは内蔵エフェクトが豊富な上に、ブラウンサウンド系のハイゲインモードが搭載されており、Diezel系の深く重厚なドライブサウンドの再現が可能。USB接続でパソコンとつないで細かなパラメータ設定もできるため、EQやディレイの調整も柔軟です。
ギターについては、ESP系のCRYING STARを模したデザインのものは少ないですが、Ibanezの「RGシリーズ」はネオクラシカルな速弾きに適しており、YJM(イングヴェイ)風のプレイにも強い相性を持っています。特に「RG550」や「RG421」などはフロイドローズタイプのブリッジや24フレットを装備しており、Syuさんのフレーズにも対応可能です。
加えて、マルチエフェクターでは「Zoom G3Xn」や「LINE 6 POD Go」が非常に高コスパ。特にPOD Goはアンプモデリングが優秀で、DiezelやBogner系の音色もプリセットで近いトーンが得られます。ワウ、コーラス、EQ、ノイズゲートなども一台に集約できるため、ライブにも最適です。
最後に、初心者が音作りを学ぶ上で重宝するのが「MOOER GE200」などの小型モデリングマルチ。こちらもリーズナブルな価格帯で、IR読み込みにも対応しているため、プロのIRを使ってSyuサウンドに近づけることも可能です。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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オーバードライブ | SD-1 Super Overdrive | BOSS | Amazon | GALNERYUS | Syu | OD808の代替。中域に特性があり、速弾きやソロに対応。 |
空間系マルチエフェクター | Atlantic Delay & Reverb | NUX | Amazon | GALNERYUS | Syu | リードトーンに必要な空間感を再現可能。 |
ギター用マルチエフェクター | POD Go | LINE6 | Amazon | GALNERYUS | Syu | Diezel・Bogner系アンプモデルを内蔵。 |
ギター | RG421 | Ibanez | Amazon | GALNERYUS | Syu | ネオクラ系ソロ向き。フロイド&24f仕様。 |
ギター用マルチエフェクター | GE200 | MOOER | Amazon | GALNERYUS | Syu | IR対応でプロの音色再現にも強い。 |
ギターアンプ | Katana-50 MkII | BOSS | Amazon | GALNERYUS | Syu | ブラウンサウンド系搭載、練習〜ライブまで対応。 |
総括まとめ【GALNERYUS・Syu】

Syuさんのサウンドを一言で表すならば「ネオクラシカル・メタルの叙情と技巧の融合」です。イングヴェイ・マルムスティーンに影響を受けながらも、そこに甘んじることなく独自の道を切り開いたSyuさんは、その音色・プレイスタイル・機材選びのすべてに明確な「意図」があります。
まず、ギターサウンドに関しては、ハイゲインでありながらも決して潰れず、1音1音が明瞭に響く構成が特徴です。これは、DiezelやHughes & Kettnerなどのハイエンドアンプと、適切なブースター、ノイズ処理、EQのセッティングが綿密に施されているからこそ実現できるものです。
彼が愛用するESP製の「CRYING STAR」シリーズも、ただのシグネチャーギターではなく、アルダー/マホガニーといった木材や、フロイドローズ、ハムバッカーPU、ナット材、スケール長に至るまで、自分の理想を落とし込んだ「機能美」の塊です。まさに速弾きと泣きのメロディ、両方を高次元で実現するためのツールと言えます。
また、Syuさんの音作りでは、単なる「機材の良さ」だけでなく、ギター本体・アンプ・エフェクトすべてのバランスが取れたセッティングが求められます。特にソロ用には中域が粘るように持ち上げられ、コード弾きではローの輪郭が崩れないようチャンネルやピッキングニュアンスまで計算されています。
さらに注目すべきは「差別化への意識」です。本人は「イングヴェイ・マルムスティーン症候群」に陥らないように、わざとストラトではなくVタイプなどの変形ギターを選び、スケールもナチュラルマイナーやペンタトニックで独自性を追求。サウンドの作り方にも「誰かの真似ではない音」という軸が通っています。
もしこれからSyuさんの音に近づきたいと考えるなら、単に同じ機材を揃えるだけでなく、「なぜこの音が必要だったのか」「このEQは何を狙っているのか」といった視点を持つことが重要です。そして何より、表面的なテクニックではなく、“自分だけの泣き”を探すことが、彼の音作りを再現するうえで最も大切なポイントでしょう。
最後に、Syuさんのような高精度な音作りは、練習・研究・センスの積み重ねによる成果でもあります。その意味でも、この記事が読者の皆さんにとって“音作り”への理解とモチベーション向上に繋がれば幸いです。
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