【Johnny Marr】The Smiths風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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始めに(特徴紹介)

ザ・スミス(The Smiths)のギタリスト、ジョニー・マー(Johnny Marr)は、1980年代UKインディ・ロックの象徴的存在として知られています。
その音作りは「煌びやかでクリアなクリーントーン」と「複雑なアルペジオフレーズ」が特徴で、モリッシーの歌声と並んでバンドの独自性を決定づけました。

例えば「This Charming Man」では、フェンダー・テレキャスターによるジャングリーなリフが印象的であり、「How Soon Is Now?」ではフェンダー・ツインリバーブを複数台使用し、トレモロを駆使した浮遊感のあるサウンドが展開されます。
また「There Is A Light That Never Goes Out」では、カポを使ったフェンダー・ストラトキャスターのコードワークが美しく、楽曲全体を支えています。

ジョニー・マーのサウンドは、ジングル・ジャングルと呼ばれるリッケンバッカー風の煌めきと、フェンダーアンプ特有のウォームで抜けるトーンを融合させたものです。
複雑にレイヤーされたギターアレンジによって、バンドサウンドに奥行きを与える点が大きな魅力であり、今日でも多くのギタリストに影響を与え続けています。

この解説では、彼がThe Smiths時代から使用していたアンプ・ギター・エフェクターを軸に、音作りのポイントを深掘りしつつ、実際に再現するためのセッティングの工夫まで紹介します。

まずは彼の象徴的なサウンド傾向を整理することで、これからの機材解説やセッティングの参考にしてください。

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使用アンプ一覧と特徴【The Smiths・Johnny Marr】

ジョニー・マーのサウンドを語る上で欠かせないのが、フェンダー系アンプを中心にしたクリーントーンの構築です。
特にスミス時代は、フェンダー・デラックスリバーブやツインリバーブといったブラックフェイス期のアンプを好んで使用していました。これらはきらびやかで抜けの良いトーンを持ち、彼の複雑なアルペジオやコードワークをクリアに響かせるのに最適でした。

初期のレコーディングではFender Proや’65 Deluxe Reverbが多用され、比較的ミッドレンジが前に出るサウンドで「This Charming Man」のような爽やかなリフを支えました。
一方で「How Soon Is Now?」では複数台のFender Twin Reverbを使い、深いトレモロ効果を生み出すことで、今でも名演とされる浮遊感を持ったトーンが完成しました。

また、ライブにおいてはRoland JC-120も併用し、ステレオ・コーラスを駆使して広がりのあるサウンドを構築。フェンダーのウォームなクリーンと、JCのシャープで冷たいトーンをミックスさせることで、レコードとは異なる独自の音響空間を作り出しています。

1985年のバルセロナ公演ではYamaha JX50、同年3月にはVox AC30を確認できるなど、必ずしも定番アンプに固定されていたわけではなく、時期や楽曲に応じて柔軟にセレクトされていたこともポイントです。
1986年以降のツアーではMesa Boogie Mk IIIやBandmaster、Brownface Vibroluxeなども試されており、スタジオとライブでの使い分けがあったと考えられます。

総じてジョニー・マーのアンプ選びは「クリーンを基調にしつつ、楽曲やライブの場面ごとに最適な広がりや質感を加える」という方針で統一されています。
つまり彼の音作りはフェンダー系の基盤に、ローランドやブギー系の質感をブレンドすることで完成されていた、と想定されます。

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Fender ’65 Deluxe ReverbFenderAmazonで探すThe SmithsJohnny MarrSmiths初期の録音で使用。クリアなクリーントーン。
Roland JC-120 Jazz ChorusRolandAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrステレオ・コーラス効果をライブで活用。
Fender Twin ReverbFenderAmazonで探すThe SmithsJohnny Marr「How Soon Is Now?」で複数台使用。
Fender ProFenderAmazonで探すThe SmithsJohnny MarrSmiths初期のレコーディングで多用。
Yamaha JX50YamahaAmazonで探すThe SmithsJohnny Marr1985年バルセロナ公演で確認。
Vox AC30VoxAmazonで探すThe SmithsJohnny Marr1985年3月のライブで使用。
Fender BandmasterFenderAmazonで探すThe SmithsJohnny Marr1986年のライブで使用確認。
Mesa Boogie Mk IIIMesa BoogieAmazonで探すThe SmithsJohnny Marr1986年ライブで使用。
Fender Brownface VibroluxeFenderAmazonで探すThe SmithsJohnny Marr1987年4月に使用を確認。
Fender PrincetonFenderAmazonで探すThe SmithsJohnny Marr現在でも愛用するクリーンアンプ。
Fender Tweed BassmanFenderAmazonで探すThe SmithsJohnny MarrSmiths時代に使用していたことが確認されている。

使用ギターの種類と特徴【The Smiths・Johnny Marr】

a green electric guitar in a case on a wooden floor

ジョニー・マーの音作りを決定づけたのは、アンプ以上に「多彩なギターセレクション」にあります。彼は時期や楽曲ごとにギターを使い分け、まるでオーケストレーションのように音色を重ねていきました。
スミス時代を代表するのはフェンダー・ジャガー、リッケンバッカー330/360、フェンダー・テレキャスター、そしてギブソンES-355。これらが「煌めき」「厚み」「ジャングリーさ」を自在にコントロールするための核となっていました。

フェンダー・ジャガーは、のちにシグネチャーモデルが発売されるほどジョニーの代名詞。短いスケールと明るいトーンはアルペジオに最適で、特に後年のソロ活動でも愛用されています。
スミス期には1963年製のジャガーを使用しており、ブラックボディにべっ甲柄ピックガードという印象的なルックスで、Isaac Brock(Modest Mouse)から譲り受けたことでも知られています。

リッケンバッカー330は、ザ・スミスの「ジングル・ジャングル」サウンドの象徴。煌びやかで粒立ちの良いクリーントーンは「This Charming Man」や「What Difference Does It Make?」といった代表曲で活躍しました。
また、360 12弦モデルも使用されており、ザ・フーのピート・タウンゼントが所有していた個体を手にしていたこともファンの間で有名です。

さらにテレキャスターも重要で、1954年製のヴィンテージ・テレは「This Charming Man」の録音で登場。カッティングのキレと明瞭なリフは、このギターだからこそ生まれたものといえます。
また、ロジャー・ギフィン製のカスタム・テレキャスター(グリーン)は「Heaven Knows I’m Miserable Now」で使用され、色彩感豊かなトーンを響かせました。

ギブソンES-355はレコーディングでの中核。1959年製のチェリーレッドや、カスタムカラーの個体は『The Queen Is Dead』で多用され、セミアコ特有の奥行きあるトーンがアルバム全体の質感を支えています。
加えて、ギブソンレスポール・スタンダード/カスタムもツアーやスタジオで確認されており、ハムバッカーの太さとサスティンを必要とする場面で選択されました。

アコースティック面ではマーティンD-28やD-35などを使い分け、「Back To The Old House」や「Bigmouth Strikes Again」のように、楽曲を柔らかく支えるサウンドを提供。
ジョニーは常に「楽曲ごとに最適なギターを選ぶ」という哲学を貫いており、それがザ・スミスの多層的で独創的なサウンドの核を作ったといえるでしょう。

総合すると、マーのギター選びは単なる好みではなく、楽曲の感情や色彩に合わせた“サウンドデザイン”の一環であったと考えられます。
そのため多様なギターがセットリストごとに投入され、スタジオとライブの両面で異なる顔を見せていた、と想定されます。

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Fender Jaguar Johnny Marr SignatureFenderAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrエレキギターシグネチャーモデル。カラー展開多数、現行も使用。
1963 Fender JaguarFenderAmazonで探すThe SmithsJohnny MarrエレキギターIsaac Brockから譲受。ブラック+べっ甲PG仕様。
Rickenbacker 330RickenbackerAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrエレキギター代表的なジングル・ジャングルサウンドを担った。
Rickenbacker 360 12 StringRickenbackerAmazonで探すThe SmithsJohnny Marr12弦エレキギターピート・タウンゼント所有歴あり。
1954 Fender TelecasterFenderAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrエレキギター「This Charming Man」で使用。
Roger Giffin Custom TelecasterRoger GiffinAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrエレキギターグリーンカラー。「Heaven Knows…」で使用。
Gibson ES-355 (1959 Cherry Red)GibsonAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrセミアコギター『The Queen Is Dead』期で使用。Bigsby搭載。
Gibson Les Paul Standard (1959 Sunburst)GibsonAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrエレキギター『Strangeways, Here We Come』で使用。
Martin D-28MartinAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrアコースティックギター主要アコギ。「Bigmouth Strikes Again」で使用。
Martin D-35MartinAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrアコースティックギター長期愛用。「Well I Wonder」で使用。
Gibson J160EGibsonAmazonで探すThe SmithsJohnny MarrアコースティックギターLennon影響下で購入。「Please Please Please」で使用。

使用エフェクターとボード構成【The Smiths・Johnny Marr】

ジョニー・マーのエフェクターワークは、派手さよりも「繊細さ」と「楽曲に寄り添う響き」に重きを置いたものです。
The Smiths時代はアンプのクリーンを基本にしつつ、コーラス、コンプレッサー、軽いオーバードライブを組み合わせることで独特の煌びやかなサウンドを作り出しました。

代表的なのはBoss CE-2 ChorusやRoland JC-120内蔵コーラス。特にCE-2は「This Charming Man」などで聴ける深みのある揺れを生み、リッケンバッカーやジャガーと組み合わせることで唯一無二のジャングリーな質感が完成しました。
さらにElectro-Harmonix Electric Mistress(フランジャー)やBoss BF-2なども併用し、リフやアルペジオに軽い揺らぎを加えることで、単なるクリーントーンに奥行きを与えています。

オーバードライブではBoss OD-1やOD-2を中心に使用。マーのサウンドは歪みすぎないことが特徴で、ギター本来の音を活かしながらも、ほんのりとしたコンプレッション感を得るための補助的な役割でした。
特にライブでは、フレーズのダイナミクスを損なわずに音を前に出すためにオーバードライブを薄くブレンドしていたと考えられます。

ディレイはKorg SDDシリーズやYamaha SPX90が中心で、ショートディレイを用いて広がりや厚みを補強。特に「How Soon Is Now?」のようなトレモロ主体の曲では、空間的な奥行きをプラスする重要な役割を果たしました。
また、ライブ時代にはLine 6 DL4なども導入され、後年のソロ活動でも継続的に使われています。

コンプレッサーはMXR Dyna Compが象徴的。シングルコイルのギターと組み合わせることで、煌びやかなアルペジオに均一感を与え、マーの「粒立ちの良さ」を支えました。
近年ではDiamond CompressorやFender The Bendsなども使用されており、アタック感を調整しつつ、ギターの立ち上がりを保っています。

リバーブに関しては当時のSmithsでは主にアンプ内蔵やルームリバーブが主体で、Boss RV-2は所有していたものの未使用とされています。
しかし後年はStrymon FlintやSource Audio Ventrisなど最新のリバーブを積極的に導入し、ソロ活動においてさらに立体的な音像を展開しています。

ジョニー・マーのペダルボードは時期によって変動しますが、本質は「必要最小限のエフェクトでギターとアンプの自然な響きを引き出す」こと。
そのため大規模なエフェクトボードよりも、小規模でシンプルな構成を基本としつつ、楽曲に応じてラックやマルチを柔軟に取り入れていた、と想定されます。

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Boss CE-2 ChorusBOSSAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrコーラス代表的な揺れ感を生むコーラス。Smiths期で多用。
Roland JC-120内蔵 ChorusRolandAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrコーラスライブで定番のステレオ・コーラス。
Electro-Harmonix Electric MistressElectro-HarmonixAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrフランジャー薄くかけて独特の揺れを追加。
Boss BF-2 FlangerBOSSAmazonで探すThe SmithsJohnny MarrフランジャーSmiths期に確認。繊細な揺らぎを付与。
Boss OD-1 OverDriveBOSSAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrオーバードライブ初期オーバードライブ。クリーンに近い歪み感。
Boss OD-2 OverDriveBOSSAmazonで探すThe SmithsJohnny MarrオーバードライブSmiths後期で使用。より柔軟な歪みコントロール。
Korg SDD-3000 DelayKorgAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrディレイラック式ディレイ。厚みを出すために使用。
Yamaha SPX90YamahaAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrディレイラック型マルチエフェクト。ショートディレイで音場を補強。
MXR Dyna CompMXRAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrコンプレッサーアルペジオに均一感を与える定番ペダル。
Boss TR-2 TremoloBOSSAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrトレモロ「How Soon Is Now?」などトレモロ効果を意識した楽曲に最適。

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【The Smiths・Johnny Marr】

pink and white stratocaster electric guitar

ジョニー・マーの音作りは、単なる機材選びにとどまらず「EQとミックス全体を含めたデザイン」として構築されていました。特にザ・スミス時代は、スタジオレコーディングで幾層にもギタートラックを重ね、その一つ一つに微妙なEQ処理を施すことで、煌めきと奥行きを共存させています。

基本的なアンプ設定としては、フェンダー系アンプのクリーンチャンネルをベースに、Trebleをやや強調(5〜7程度)、Bassを控えめ(3〜4程度)、Middleはフラットから少し下げる方向で調整するのが定番とされています。これによりアルペジオの粒立ちが明瞭になり、ボーカルやリズム隊と干渉しないレンジ感を確保できます。

例えば「This Charming Man」では、フェンダー・テレキャスター+Twin Reverbの組み合わせで、ミッドを少しカットし高域を強調することであの爽やかでクリスピーなリフが成立しています。さらにCE-2 Chorusを薄くかけることで立体感を補強。リバーブはアンプ内蔵スプリングを控えめに設定し、過度に滲まないクリーンを保っています。

一方「How Soon Is Now?」では、Twin Reverbを複数台使用し、トレモロを同期させる工夫がされています。PAやレコーディングエンジニアは各アンプのトレモロ速度を微妙にずらすことで、あの独特なモジュレーション感を生み出しました。この場合、EQはミドルを少し持ち上げて厚みを加え、ディレイで奥行きを補完。特にショートディレイを片側に振り分けることで、ステレオ感の広がりを演出しています。

「There Is A Light That Never Goes Out」などバラード系では、ストラトキャスター+カポ+コンプレッサーを組み合わせ、EQは中域を残して高域を抑え気味にすることで柔らかい響きを獲得。リバーブはルーム感を強調し、空間の深みを増す方向でミックスされました。これによりシンプルなコードワークでも楽曲全体が豊かに響き渡ります。

ライブにおいても、彼はEQのバランスを非常に重視していました。特にRoland JC-120とフェンダーアンプをステレオで併用する場合、JC側はやや高域寄り、フェンダー側は中低域寄りに調整することで、左右の広がりと音域の補完を両立させています。これによりスタジアム規模でもギターサウンドが埋もれず、バンド全体の厚みを支えることが可能となりました。

ミックス面では、ダブリング(同じフレーズを別のギターで重ねる)を多用しており、その際には片方のEQをハイ寄り、もう片方をロー寄りに調整することで、ギター同士の位相干渉を避けつつ分離感を持たせています。また、エンジニアはマイク位置を工夫し、オンマイクとオフマイクを組み合わせて自然な空気感を収録することが多かったとされています。

ジョニー・マーの音作りは「単体の音色よりも全体の響きを設計する」という発想に基づいており、プレイヤー自身のタッチとミックスエンジニアの手腕が一体となって初めて成立していました。
つまり、単純に機材を揃えるだけではなく、EQやリバーブの微調整、ミックスでの定位を意識することが、彼のサウンドを再現する上で不可欠である、と想定されます。

比較的安価に音を近づける機材【The Smiths・Johnny Marr】

ジョニー・マーの使用機材はヴィンテージギターやプロ仕様のアンプが中心で、初心者や中級者がそのまま揃えるのは現実的ではありません。
しかし「煌びやかなクリーントーン」「立体感のあるコーラス」「薄くかけるコンプレッション」を意識すれば、市販の入手しやすい機材でかなり近いサウンドを再現できます。

アンプの代替としては、Roland JC-22やBoss Katanaシリーズがおすすめです。JC-22はJC-120の小型版で、あの特徴的なステレオ・コーラスを再現可能。Katanaシリーズはフェンダー的なクリーンを持ちつつ、コーラスやリバーブを内蔵しているため、自宅練習から小規模ライブまで対応できます。

ギターに関しては、SquierのJaguarやClassic Vibe Telecasterが手頃です。シングルコイル搭載モデルを選べば、マーのアルペジオ特有の煌めきを再現可能。さらに12弦ギター的な広がりを狙う場合は、Danelectro 12-StringやElectro-HarmonixのPOG2(オクターバー)を併用すると「There Is A Light…」のようなサウンドにも近づけます。

エフェクターでは、BOSS CE-2W(Waza Craft)が定番の代替品です。オリジナルCE-2のモデリングに加え、CE-1モードも搭載しているため、ジョニー・マーのコーラスサウンドを忠実に再現可能。コンプレッサーはMXR Dyna Compが依然として定番ですが、価格を抑えたいならBOSS CS-3も選択肢となります。

オーバードライブはBOSS OD-3が万能で、クリーンを壊さずにマー的な「少し押し出す歪み感」を得られます。ディレイはBOSS DD-8が現行品で扱いやすく、ショートディレイ設定にすることで厚みを補えます。リバーブはStrymonは高価なので、より手頃なTC Electronic Hall of Fame 2を選ぶとよいでしょう。

総じて、5万円前後のギターと3〜4個のBOSSコンパクトを組み合わせるだけでも「This Charming Man」や「Heaven Knows I’m Miserable Now」に近い響きを作ることは十分可能です。
大切なのは、過度に歪ませず「クリーン+コーラス+軽いコンプレッション」を基盤にすること。そうすることで、初心者でもThe Smithsの世界観を再現できると想定されます。

種類機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
アンプRoland JC-22RolandAmazonで探すThe SmithsJohnny MarrJC-120の小型版。自宅や小規模ライブで使用可能。
アンプBOSS Katana-50 MkIIBOSSAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrクリーン性能が高く、多機能エフェクト内蔵。
ギターSquier Classic Vibe ’60s JaguarSquierAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrジャガーのエントリーモデル。煌びやかなアルペジオ向き。
ギターSquier Classic Vibe TelecasterSquierAmazonで探すThe SmithsJohnny Marr「This Charming Man」風のリフ再現に最適。
コーラスBOSS CE-2W Waza CraftBOSSAmazonで探すThe SmithsJohnny MarrCE-2の後継。オリジナルに忠実なコーラスサウンド。
コンプレッサーBOSS CS-3 Compression SustainerBOSSAmazonで探すThe SmithsJohnny MarrMXRより安価に入手できるコンプ。粒立ちを整える。
オーバードライブBOSS OD-3 OverDriveBOSSAmazonで探すThe SmithsJohnny Marr薄くかけるだけでマー的な押し出し感を再現可能。
ディレイBOSS DD-8 Digital DelayBOSSAmazonで探すThe SmithsJohnny Marrショートディレイで厚みを追加可能。
リバーブTC Electronic Hall of Fame 2TC ElectronicAmazonで探すThe SmithsJohnny Marr豊かな残響を持つ汎用リバーブ。価格も比較的安価。

総括まとめ【The Smiths・Johnny Marr】

まとめイメージ

ジョニー・マー(Johnny Marr)の音作りを振り返ると、その本質は「楽曲に合わせた最適解を選び抜く姿勢」にあります。
単に高価な機材やヴィンテージモデルを使うのではなく、それぞれのギターやアンプが持つ特性を理解し、曲の持つ情緒や雰囲気に応じて組み合わせることで、ザ・スミスの唯一無二のサウンドを築き上げました。

例えば、煌びやかなアルペジオが求められる場面ではリッケンバッカーやフェンダー・ジャガーを、厚みや奥行きが必要なときにはギブソンES-355やレスポールを選びました。
アンプもフェンダー系を基盤にしつつ、Roland JC-120のコーラスやMesa Boogieの力強さを取り入れるなど、単一の機材に依存しない柔軟さが特徴です。

エフェクターにおいても同様で、CE-2 ChorusやMXR Dyna Compといったシンプルなペダルを軸にしながら、ディレイやトレモロを効果的に加えることで、空間的な広がりを演出しました。
重要なのは「多用しない」こと。必要以上に重ねるのではなく、ギターの自然な響きを損なわない範囲でエフェクトを取り入れる姿勢が、ジョニー・マーらしさにつながっています。

また、彼のサウンドはプレイスタイルとも密接に結びついています。複雑なコードワークや独特のフィンガリング、そしてリズミカルな右手のカッティング。これらがエフェクトやアンプと相互作用し、シンプルながらも深みのあるトーンを実現しています。
つまり、マーの音は「機材そのもの」だけでなく「弾き方とアレンジ力」によって完成するのです。

今日、彼の音を再現したいギタリストにとって大切なのは、すべての機材を揃えることではなく、「クリーンを基盤に、煌めきと奥行きをどう加えるか」を意識することです。
安価な機材でも十分に近いトーンは再現可能であり、あとはプレイスタイルを研究し、自分のタッチを磨くことが最も大きなポイントになるでしょう。

総じてジョニー・マーの音作りは「シンプルさと繊細さのバランス」「多層的なアレンジ」「楽曲に寄り添うEQの工夫」によって成り立っていました。
そのアプローチを理解することこそ、The Smithsサウンドを追体験し、自分の音楽表現に生かすための第一歩になると考えられます。

下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!

🎸 ギター

Fender Jaguar
・Johnny Marr Signature(Comet Sparkle, Lake Placid Blue, Metallic KO, Black, Sherwood Green, Olympic White, Candy Apple Red, Purple Sparkle, Pink, Natural)
・1963 Jaguar(Black, べっ甲柄PG, Isaac Brockから譲受)

Rickenbacker
・330(Jetglo/Black, 2PU/3PU仕様, 1983年製など)
・360 12 String(Rose Morris 1993, Pete Townshend所有歴あり)

Fender Telecaster
・1954 Tele(「This Charming Man」など)
・Roger Giffin Custom Tele(Green, Heaven Knows…等で使用)

Gibson ES-355
・1959 Cherry Red(Bigsby, Varitone付)
・1959 Custom Color(『The Queen Is Dead』)
・Walnut finish(late 60s–70s, ハムバッカー, Stop tail)

Gretsch
・6120(Orange Nashville, Blue Nashville, Pete Townshend所有歴あり)
・6196 Country Club(Cadillac Green, 1950s, 撮影用)
・6192 Country Club(Sunburst, 1960s, Bigsby搭載)
・7680 Super Axe(内蔵コンプ/フェイズユニット)

Gibson Les Paul Standard
・Late 1970s Black/Creme(初めての本格ギター)
・1985 Wine Red(Meat Is Murderツアー, Bigsby+Seymour Duncan)
・1960 Sunburst(リフィニッシュ, Townshend→Marr→Noel Gallagherへ)
・1959 Sunburst(『Strangeways, Here We Come』主要ギター)

Gibson Les Paul Custom
・1972 Black(『The Queen Is Dead』, コイルタップ付, 後にNoel Gallagherへ)

Fender Stratocaster
・1963 L-Series White
・1962 Maple Neck(カポ専用, 「There Is A Light…」等)
・1963 White(ツアー使用, 改造3wayスイッチ付)

Gibson 335 12 String(Sunburst/Red/Black, 「Sheila Take A Bow」等)

Gibson 295 (1954, “Scotty Moore”)(「The Boy With The Thorn…」MVなど)

Gibson 330(「Heaven Knows…」のTop Of The Popsで確認)

Epiphone
・1963 Casino(P90, Bigsby付, 「How Soon Is Now?」録音)
・1962 Coronet(Nashvilleチューニング, 「Half A Person」等)

Martin
・D-28(Smiths主要アコギ, 「Bigmouth Strikes Again」等)
・D-28 12弦(「Unhappy Birthday」等)
・Early 70s D-45(「Back To The Old House」)
・D-35(長期愛用, 「Well I Wonder」等)
・Early 70s D-20-12(『Strangeways』セッション)

Gibson J160E(1984年購入, Lennon影響, 「Please Please Please…」等)

Ferrington “Elvis Costello” Acoustic (1981)(借用, 「William, It Was Really Nothing」演奏時)

Ernie Ball .010–.046(標準)

Ernie Ball 2220 (11–48) Power Slinky(Jaguar等ショートスケール用)

🔊 アンプ

クリーン主体で、Fender系とRoland JCを軸に使用。

Fender ’65 Deluxe Reverb (Blackface) – Smiths初期録音

Roland JC-120 Jazz Chorus – ステレオ・コーラス、Fenderと併用

Fender Twin Reverb(Silverface/Blackface, 「How Soon Is Now?」で複数台使用)

Fender Pro – Smiths初期録音で多用

Yamaha JX50 – 1985年バルセロナで確認

Vox AC30 – 1985年3月ライブで使用

Fender Bandmaster – 1986年ライブで確認

Mesa Boogie Mk III / Mk I – 1986年ライブで使用

Fender Brownface Concert – Craig Gannon用バックライン

Fender Brownface Vibroluxe – 1987年4月に確認

Fender Princeton – 現在も使用

Fender Tweed Bassman – Smiths時代に使用

🎛 エフェクター

基本はクリーン+軽いOD、コンプ、コーラス、リバーブ。ラックやペダルを柔軟に使用。

コーラス / フランジャー

Boss CE-2 Chorus

Roland JC-120内蔵 Chorus

Electro-Harmonix Electric Mistress

Ibanez CS-505 Chorus

Boss BF-2 Flanger

Carl Martin Chorus xII

イコライザー

Boss GE-6 Graphic Equalizer

オーバードライブ/ディストーション

Boss OD-2 OverDrive

Boss OD-1 OverDrive

Boss OS-2 OverDrive/Distortion(Smiths期以降)

Fender Santa Ana Overdrive

Fender Pugilist Distortion

Carl Martin Hot Driven ’n’ Boost mk3 / Plexi Tone / AC Tone

ディレイ

Korg SDD-1000 / 2000 / 3000(2台)

Bel BD40 Delay

Yamaha SPX90(ラック)

Line 6 DL4 Delay Modeler / Looper

Fender Mirror Image Delay

Carl Martin Delayla XL

コンプレッサー

MXR Dyna Comp

Diamond Compressor

Fender The Bends Compressor

Carl Martin Compressor / Limitter

リバーブ

Boss RV-2 Reverb(所有のみ, Smiths期は未使用)

Strymon Flint

Source Audio Ventris

Fender Marine Layer Reverb

Carl Martin Headroom

トレモロ

Boss TR-2 Tremolo

マルチエフェクター

Boss GT-100

Line 6 M13 Stompbox Modeler

チューナー/バッファ

TC Electronic Polytune Noir Mini 2

Fender Level Set Buffer

その他

Wah Wah(「Shoplifters」で使用, トーンポット的に操作)

▼ プロ音作りの参考資料はこちら

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