【Steve Howe】Yes風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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始めに(特徴紹介)

イエス(Yes)のギタリスト、スティーヴ・ハウ(Steve Howe)は、プログレッシブ・ロックを象徴する音世界を築き上げた存在です。彼のサウンドは、アコースティックからエレクトリック、スティールギター、さらにはマンドリンやポルトガル製12弦まで、多彩な弦楽器を駆使する点に特徴があります。

ハウのプレイスタイルは、ジャズやクラシックの要素を大胆に取り入れ、カッティングからアルペジオ、メロディアスなリードまでを縦横無尽に行き来します。「Roundabout」ではMartin 00-18のアコースティックが象徴的なイントロを刻み、「Close to the Edge」ではGibson ES-345によるリードが荘厳な世界を描きます。「Awaken」ではFender TelecasterやSteinberger 12弦が深遠な響きを与え、Yesサウンドに唯一無二の存在感を与えています。

彼の音が注目される理由は、単なるギターリストとしての技巧に留まらず、Yesの壮大な音楽世界を支える「オーケストラ的なアプローチ」にあります。各曲での楽器の選択とサウンドメイキングは、まるで一つの交響曲を構築するように精緻であり、リスナーを異世界に誘うのです。

Yesの公式MVやライブ映像をチェックすることで、スティーヴ・ハウの多彩な音作りをより直感的に感じられるでしょう。ぜひ以下から検索してみてください。

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使用アンプ一覧と特徴【Yes・Steve Howe】

スティーヴ・ハウのサウンドを支える大きな要素の一つがアンプ選びです。彼はギター同様にアンプの選択にもこだわりを見せ、楽曲や時代に応じて柔軟に使い分けてきました。特にFender製アンプは長年の相棒であり、クリーントーンの美しさを最大限に活かすチョイスをしています。

代表的なのはFender Twin Reverb。クリーンの張りと奥行きがあり、Yes期からAsiaに至るまで安定して使用されています。スティールギター用にも利用しており、ステージ全体を包み込む空間的な響きを生み出します。70年代初期にはFender Dual ShowmanをリアPU用、Fender Super TwinをフロントPU用に組み合わせ、立体的なサウンドを構築していました。これにより、楽曲ごとに柔軟な音色コントロールが可能となったのです。

また、最初に手に入れたFender Tremololuxは、彼の音作りの出発点とも言えるアンプ。独特の温かみを持ち、後年のトーン志向にも影響を与えています。さらに現代に至っては、Line 6 DT50とPOD HD500を中心にしたモデリングアンプ・システムを導入。細かくプログラミングされたプリセットで楽曲ごとのトーンを再現し、ライブにおいても安定性と再現性を確保しています。

特筆すべきはLine 6 Vetta IIやBogner、Helixとの組み合わせです。これはVariaxと連動させ、アコースティックやシタールなど特殊なサウンドも即座に切り替え可能にするシステム。近年のアルバム『The Quest』やツアーではこの構成がメインになっており、クラシックなトーンと現代的な柔軟性を共存させています。

さらにヴィンテージ要素として、1960/61年製のGibson Explorer ampが「Heat of the Moment」で使用された記録が残っており、また近年ではVintage AC50も録音で採用。特にAC50はGibsonギターとの相性が良いと評価されています。アンプの選択肢の広さこそが、ハウの音の多層性を可能にしているのです。

こうしたアンプ構成は、時代ごとのテクノロジーやライブ環境に応じて最適化されてきたものであり、YesやAsiaでの彼の役割を支える重要な要素といえるでしょう。以上が実際に使用された、または確認できたアンプ群であると想定されます。

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Fender Twin ReverbFenderリンクYesSteve Howe定番クリーンアンプ、Asiaやスチールギター用にも使用
Fender Dual ShowmanFenderリンクYesSteve Howe70年代初期、リアPU用に使用
Fender Super TwinFenderリンクYesSteve Howe初期レコーディングでフロントPU用に使用
Fender TremololuxFenderリンクYesSteve Howe最初に手に入れたFenderアンプ
Line 6 DT50 + POD HD500Line 6リンクYesSteve Howe現行ライブメイン、細かくプログラム可能
Line 6 Vetta II / Bogner / Helix / Power CabsLine 6 / BognerリンクYesSteve HoweVariaxとの連動システム、『The Quest』期で使用
Gibson Explorer amp(1960/61年製)GibsonリンクAsiaSteve Howe「Heat of the Moment」で使用記録
Vintage AC50VoxリンクYesSteve Howe近年の録音で使用、Gibsonとの相性良好
Antoria ampAntoriaリンクYesSteve Howe最初に使用したアンプ

使用ギターの種類と特徴【Yes・Steve Howe】

an electric guitar in a case with a note

スティーヴ・ハウの音作りを語る上で、最も象徴的なのがその膨大かつ多彩なギターコレクションです。彼はジャズギターからエレクトリック、アコースティック、スティールギターに至るまで幅広く使用し、曲ごとに最適なサウンドを選択することでYesの壮大な音像を支えてきました。

まず彼の代名詞とも言えるのがGibson ES-175。1964年製を含め複数所有し、Yesツアーでのメインとして活躍しました。ステレオ仕様やダブルPUによる立体的な響きは、ハウが「夢のギター」と語るほどです。その後Gibsonから贈られたSteve HoweシグネチャーES-175も登場し、『Fragile』などで活用されています。

『Close to the Edge』ではGibson ES-345(1970年製)が用いられ、Byrdlandテイルピースとステレオ配線による伸びやかなリードが印象的です。また、クラシック期のレパートリーではES-335やES-5 Switchmasterも頻繁に使用。特に『Fragile』アルバムではES-5 Switchmasterが大半の楽曲に登場しています。さらに、ジャズ的アプローチを求める場面ではGibson Super 400やアクティブPUを搭載したES-Artistを導入し、楽曲に応じた多彩な響きを実現しました。

「Turn of the Century」で使用された1956年製のGibson Les Paul Custom“Black Beauty”や、Fender系では『Parallels』で改造Stratocaster、1955年製Telecasterを「Awaken」で使用した記録が残っています。さらにSteinberger 12弦EMG搭載機やFender Double-neck steel guitarなど、プログレらしい特殊楽器も取り入れてきました。

アコースティック面では、Martin 00-18(1953年製)で「Roundabout」をホール録音したのは有名な逸話。さらに「Clap」では自身のシグネチャーモデルMC-38を駆使し、Guild 12弦やPortuguese 12弦、さらにはクラシックギターやマンドリンまで自在に操っています。Yesサウンドの繊細な部分は、こうしたアコースティック群に強く支えられています。

Line 6 Variax 600を導入してからは、シタールや12弦などをモデリングで再現するなど、現代的なアプローチも積極的に取り入れています。これによりライブでの再現性が飛躍的に高まりました。

このように、スティーヴ・ハウのギターコレクションは単なる所有ではなく、曲の表現力を拡張するための必然的な選択でした。Yesの楽曲を再現するには、単一のギターではなく複数のキャラクターを持つギターを組み合わせることが鍵となる、と想定されます。

機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリストギターの種類備考
Gibson ES-175GibsonリンクYesSteve Howeフルアコースティックメインギター、夢のギターと称賛
Gibson Steve Howe signature ES-175GibsonリンクYesSteve Howeシグネチャー『Fragile』楽曲用
Gibson ES-345(1970年製)GibsonリンクYesSteve Howeセミアコースティック『Close to the Edge』で使用
Gibson ES-335GibsonリンクYesSteve Howeセミアコースティッククラシック期に使用
Gibson ES-5 SwitchmasterGibsonリンクYesSteve Howeフルアコースティック『Fragile』の大半で使用
Gibson ES-ArtistGibsonリンクAsiaSteve HoweセミアコースティックアクティブPU内蔵、初期Asia期
Gibson Super 400GibsonリンクYesSteve Howeフルアコースティックアーチトップ最高峰
Gibson Les Paul Custom“Black Beauty”(1956年製)GibsonリンクYesSteve Howeソリッド「Turn of the Century」で使用
Fender Stratocaster(mid-’80s改造機)FenderリンクYesSteve Howeソリッド『Parallels』で使用、ノブ改造
Fender Telecaster(1955年製)FenderリンクYesSteve Howeソリッド「Awaken」で使用、ネックハム搭載
Fender Double-neck steel guitarFenderリンクYesSteve Howeスティールギター『Going for the One』期
Steinberger 12弦 EMG搭載SteinbergerリンクYesSteve Howeソリッド12弦「Awaken」で使用
Rickenbacker 330RickenbackerリンクYesSteve Howeセミアコースティック独特なコード響き
Guild 12弦GuildリンクYesSteve Howeアコースティック「And You and I」で使用
Martin 00-18(1953年製)MartinリンクYesSteve Howeアコースティック「Roundabout」で使用
Martin MC-38 Steve Howe signatureMartinリンクYesSteve Howeアコースティック「Clap」で使用
Portuguese 12弦不明リンクYesSteve Howeアコースティック初期Yes楽曲で使用
Line 6 Variax 600Line 6リンクYesSteve Howeモデリングギターシタールや12弦を再現
Antoria guitarAntoriaリンクYesSteve Howeソリッド最初に所有したギター
Gibson BR9GibsonリンクYesSteve Howeラップスティール「And You and I」で使用
クラシックギター/マンドリンVariousリンクYesSteve Howeアコースティック楽曲に応じて使用

使用エフェクターとボード構成【Yes・Steve Howe】

スティーヴ・ハウの音作りにおけるもう一つの重要な要素が、エフェクター群とボード構成です。彼はアンプやギターと同様、時代に応じて機材を刷新しながらも、独自の音色美学を追求してきました。Yes時代からAsia、そして近年のソロ活動に至るまで、その変遷は非常に興味深いものがあります。

クラシック期には、Electro-Harmonix Big MuffやMarshall Fuzz、Maestro FZ-1S、MXR Distortion+といったファズ/ディストーションを駆使し、独特な倍音とサスティーンを生み出しました。特に「Siberian Khatru」や「Close to the Edge」のリードトーンは、これらのファズやトレブルブースターの組み合わせによるものとされています。さらに、Asia期にはオーバードライブ(Tube Screamer系と推定)をTwin Reverbと併用することで、よりモダンでスムーズな歪みを獲得しました。

空間系ではEchoplexの使用が有名です。「And You and I」「Siberian Khatru」では幻想的な残響を付与し、Yes特有の壮大なサウンドスケープを形成しました。その後、DelayやChorus、Phaserも導入し、特にAsia時代やソロ活動ではモジュレーション効果を活かして立体感を演出しています。

近年ではLine 6 HelixやPOD HD500、Vetta IIといったマルチエフェクターを中心としたシステムを採用。ライブではプログラムされたパッチを用いて瞬時に音色を切り替え、アコースティックやシタールなども含めた多彩な再現性を実現しています。このモダンなボード構成は、VariaxやDT50アンプと連動し、往年の名曲から最新アルバムまで幅広く対応可能です。

補助的には、DeArmondやMorleyのボリュームペダルを複数台配置し、スウェルやアコギ切替を自在に操作。ワウに関してはKorg製マルチペダルや伝統的なWah Pedalを使用しており、即興的な表現を強調しています。さらにコンプレッサー(UREIや内蔵モデル)も使用し、12弦ギターやES-Artistにおけるサスティーン補強を行っています。

80年代の大規模ツアーでは「Quark Pedal Board」と呼ばれる特注巨大ラックを導入。ファズやディレイ、モジュレーションを一括管理し、複雑なセットリストに対応していました。現代的なHelix中心の構成に至るまで、彼のボードは常に「多彩さと再現性の両立」をテーマに進化してきたと言えるでしょう。

これらのエフェクター群は、時代ごとのテクノロジー進化とともに刷新されながらも、ハウの音楽観を一貫して反映するものだったと想定されます。

機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリストエフェクターの種類備考
Line 6 POD HD500 / Helix FloorLine 6リンクYesSteve Howeギター用マルチエフェクター現行システムの核、DT50やPower Cabsと連携
Line 6 Pod XT LiveLine 6リンクYesSteve Howeマルチエフェクターライブ用の選択肢
Boss GS-10 / GS-100BOSSリンクYesSteve Howeプリアンプ/アンプシミュレータースタジオワークや選択肢として
Electro-Harmonix Big MuffElectro-HarmonixリンクYesSteve Howeファズ倍音豊かなサチュレーション
Marshall FuzzMarshallリンクYesSteve Howeファズクラシック期に使用
Maestro FZ-1SMaestroリンクYesSteve Howeファズクラシック期使用
MXR Distortion+MXRリンクYesSteve HoweディストーションAsia期まで使用
Overdrive(推定Tube Screamer系)IbanezリンクAsiaSteve HoweオーバードライブTwin Reverbと併用、推定
EchoplexMaestroリンクYesSteve Howeエコー「And You and I」などで使用
Delay / Chorus / PhaserVariousリンクYesSteve Howeモジュレーション系Asia期やHelix内蔵エフェクト
DeArmond 602 Volume Pedal / Morley A/BDeArmond / MorleyリンクYesSteve Howeボリュームペダルスウェルやアコギ切替
Korg Multi-pedal(ワウ用) / Wah PedalKorg / VariousリンクYesSteve Howeワウペダル即興表現やワウ効果
Compressor(UREI含む)UREI / VariousリンクYesSteve Howeコンプレッサー12弦やES-Artistで使用
Treble BoosterVariousリンクYesSteve Howeブースターリードトーン強調
Quark Pedal Board(特注)CustomリンクYesSteve Howeスイッチングシステム80年代巨大ラック

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Yes・Steve Howe】

a close up of a guitar neck and strings

スティーヴ・ハウの音作りの核心は、ギターとアンプ、そしてエフェクターの組み合わせに留まらず、「EQの細やかな調整」と「楽曲に応じた音色の配置」にあります。Yesの音楽はクラシック音楽やジャズの要素を取り込んだプログレッシブ・ロックであり、ギターは単にリードを弾くのではなく、オーケストレーションの一部としてミックスの中に配置されます。そのため、彼のセッティングは一貫して「埋もれないが突出しない」絶妙なバランスを追求してきました。

EQ設定の傾向としては、クリーントーンでは中高域をやや強調し、ギターの持つアコースティック的なニュアンスを前に出しています。Fender Twin ReverbやDual Showmanを用いる際には、トレブルを5〜6程度、ミドルを4〜5程度、ベースを控えめに3程度に設定することが多いと考えられます。これにより、Yesの分厚いアンサンブルの中でもギターが埋もれず、アルペジオやコードワークがクリアに響くよう工夫されています。

歪みを伴うリードトーンの場合、ファズやディストーションのキャラクターを生かすため、アンプ側ではトレブルとミドルをやや下げ、ファズペダル自体で倍音を強調するセッティングが多いと推測されます。「Siberian Khatru」や「Close to the Edge」で聴ける独特な伸びやかさは、アンプのEQを控えめにしつつ、Echoplexなどのエコーを組み合わせた結果生まれたものといえるでしょう。

楽曲ごとの使い分けも特徴的です。「Roundabout」ではMartin 00-18を用い、録音時には自然残響を活かすためにホール録音を採用。EQ処理は最小限に留め、マイク位置と部屋鳴りで音作りをしています。「Awaken」ではTelecasterやSteinberger 12弦を用い、低域を抑えつつ煌びやかな高域を前に出し、荘厳なオルガンやシンセサイザーと重ならないように配置されています。

ライブにおける工夫としては、モデリングアンプとHelixシステムを駆使し、各曲にプリセットを用意することで迅速な切り替えを実現。例えば、クリーントーン主体の楽曲ではコンプレッサーを組み合わせて音の粒立ちを揃え、ソロではリバーブやディレイを深めに設定して広がりを演出。シタールや12弦モデリングを使う際には、PAエンジニアと連携してアコースティック用のEQを別に調整している可能性が高いです。

スタジオミックスにおいては、Yes特有の「全パートが明瞭に聞こえる」バランスを実現するため、ギターにはステレオパンニングが多用されています。ES-175などステレオ出力可能なギターは左右に分け、異なるアンプチャンネルに振り分けることで、立体感を強調。これにより「クリーンながら広がりがある」サウンドが成立しています。ミックスエンジニアはギターの中域をシンセやベースとぶつからないように調整し、リード時にはEQでプレゼンスを少し持ち上げることで抜けを確保していると考えられます。

総合すると、ハウの音作りは「ギターそのものの持つ特性を尊重し、EQで無理に加工しない」という哲学に貫かれています。アンプとエフェクターでキャラクターを作り込み、ミックスでは空間的に配置することで、Yesの音楽に欠かせない透明感と荘厳さを生み出してきたと想定されます。

比較的安価に音を近づける機材【Yes・Steve Howe】

スティーヴ・ハウの使用機材はヴィンテージギターや高級アンプ、特注ボードなど非常に高額なものが多いですが、初心者や中級者でも比較的安価にそのサウンドへ近づける方法があります。ここでは1〜10万円程度で入手可能な市販製品を紹介しながら、なぜ彼の音に近づけるのかを解説します。

まずギターですが、ハウのメインであるGibson ES-175やES-345は価格が非常に高額です。そこで代替としておすすめなのがEpiphoneのESシリーズ。Epiphone ES-335やES-175は、手頃な価格ながらセミアコ特有の温かみとジャズ寄りのトーンを持ち、ハウのクリーントーンやアルペジオを再現するには十分なポテンシャルがあります。さらにアコースティックサウンドを取り入れる場合、YAMAHAのFGシリーズやSeagullなども選択肢になります。

アンプに関しては、Fender Twin Reverbは本物だと高価ですが、Fender Tone Masterシリーズ(デジタルリイシュー)は比較的安価かつ軽量で、Twinのクリーントーンを忠実に再現します。自宅練習用や小規模ライブなら、Boss Katanaシリーズも優秀。多彩なアンプモデリングが搭載されており、クリーンからクランチまでハウ的サウンドを作りやすい点が魅力です。

エフェクターに関しては、彼の使用したファズやディレイを安価に再現するなら、Electro-Harmonix Big Muffの現行品や、MXR Distortion+のリイシューが最適です。これらは1万円台で入手可能で、70年代Yes期のサステイン感や倍音の豊かさに迫ることができます。ディレイはBOSS DDシリーズ(DD-8やDD-200)がおすすめで、Echoplex的な温かい残響をシンプルに再現可能です。

さらに、BOSS GT-1やLine 6 POD Goといったマルチエフェクターも、ハウの現行システムを模倣する手段として非常に有効です。これらはHelixやPOD HD500の簡易版ともいえる製品で、アコースティックシミュレーションやシタール風エフェクトを含めた多彩なモデリングが可能。ライブでのプリセット切替もスムーズで、Yesの複雑な楽曲にも対応できます。

最後に、ボリュームペダルを導入するとハウ的なスウェル奏法が容易になります。Boss FV-30やMorleyの小型モデルは手頃な価格で入手でき、ダイナミクス表現に大きな幅を持たせます。これにコンプレッサー(BOSS CS-3など)を組み合わせれば、12弦風のサスティーンを演出することも可能です。

以上を踏まえると、必ずしもヴィンテージやシグネチャーモデルを用意しなくても、Epiphone、Fender Tone Master、BossやLine 6のマルチで十分にハウのサウンドへ近づくことができます。重要なのは「多彩なギターのキャラクターを再現し、曲に応じて切り替える」という発想です。

種類機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
ギターEpiphone ES-335EpiphoneリンクYesSteve HoweGibson ESシリーズの代替、価格が手頃
アンプFender Tone Master Twin ReverbFenderリンクYesSteve HoweオリジナルTwinのデジタル再現モデル
アンプBoss Katana 100 MkIIBOSSリンクYesSteve Howe多彩なモデリングでYes的クリーンを再現
ファズElectro-Harmonix Big Muff PiElectro-HarmonixリンクYesSteve Howeクラシック期のサウンドを再現可能
ディストーションMXR Distortion+ ReissueMXRリンクYesSteve HoweAsia期までのリードサウンドに近い
ディレイBOSS DD-8 Digital DelayBOSSリンクYesSteve HoweEchoplex風の残響を再現
マルチエフェクターBOSS GT-1BOSSリンクYesSteve HoweHelixの代替として使える安価なマルチ
マルチエフェクターLine 6 POD GoLine 6リンクYesSteve Howeシタールや12弦のモデリングも可能
ボリュームペダルBOSS FV-30HBOSSリンクYesSteve Howeスウェル奏法を再現可能
コンプレッサーBOSS CS-3 Compression SustainerBOSSリンクYesSteve Howe12弦風サウンドのサスティーン補強に有効

総括まとめ【Yes・Steve Howe】

まとめイメージ

スティーヴ・ハウ(Steve Howe)の音作りの本質は、単なる機材の選択以上に「曲ごとに異なる音のキャラクターを使い分け、Yesの壮大な音楽世界に溶け込ませる」点にあります。彼のサウンドを聴くと、ギターが主張しすぎるのではなく、オーケストラの一部のように全体を支えつつ、必要な場面では唯一無二の存在感を放っています。

具体的には、ジャズ志向のフルアコ(Gibson ES-175やES-345)で繊細なアルペジオを奏で、アコースティック(Martin 00-18やMC-38)で叙情的なパートを表現。さらにファズやディレイを用いたリードで壮大な広がりを持たせています。Yes特有の「音の厚み」を作るために、ステレオ出力や複数アンプを使った立体的な配置も大きな特徴です。

現代ではLine 6 HelixやVariaxを導入し、複数の音色を瞬時に切り替え可能にしていますが、その根底にある哲学は昔から変わっていません。それは「楽曲の物語性をギターでどう語るか」という視点です。シンプルなコードでも、音色やEQ、演奏法を変えることでまったく異なる表情を見せ、聴き手に深い印象を残します。

Yesの楽曲を自宅で再現したい人にとって大切なのは、同じ機材を揃えることではなく、「曲ごとに音色を切り替える発想」と「クリーントーンの美しさを重視する姿勢」です。エフェクターやアンプの設定をシンプルに保ち、必要に応じてファズやディレイを加えることで、驚くほど彼に近い響きが得られるはずです。

総括すると、スティーヴ・ハウのサウンドを再現するために必要なのは高額なヴィンテージ機材ではなく、音楽に合わせてギターやアンプを「役割ごとに切り替える」という柔軟な発想です。その上で、丁寧なEQ調整と空間処理を施すことができれば、あなたの演奏にもYesのスピリットを宿すことができるでしょう。

「音作りの本質は、機材の値段やブランドではなく、音楽に対する姿勢にある」──それを体現するのがスティーヴ・ハウというギタリストです。

下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!

🎸 ギター

Gibson ES-175(複数:1964年製含む)
 Yesツアーでのメイン。夢のギターと語る。ダブルPU+ステレオ仕様。

Gibson Steve Howe signature ES-175
 ミドルハムバッカー+ES-5 Switchmaster風スイッチング。ES-175の予備兼『Fragile』楽曲用。

Gibson ES-345(1970年)
 『Close to the Edge』で使用。ステレオ配線+Byrdlandテイルピース。ギブソンから贈呈。

Gibson ES-335
 クラシック期に使用。Variaxでもモデリング。

Gibson ES-5 Switchmaster
 『Fragile』の大半で使用。

Gibson ES-Artist
 初期Asia期で使用。アクティブPU内蔵。

Gibson Super 400
 アーチトップ最高峰。広がりのあるサウンド。

Gibson Les Paul Custom “Black Beauty”(1956年製)
 「Turn of the Century」で使用。

Fender Stratocaster(mid-’80s改造機)
 『Parallels』で使用。ノブ1基に改造。

Fender Telecaster(1955年製)
 ネックハム、アッパーバウト3wayスイッチ。Awakenなどで使用。

Fender Double-neck steel guitar
 Eメジャー+E9チューニング。『Going for the One』期に使用。

Steinberger 12弦(24フレット、EMG SA搭載)
 「Awaken」で使用。

Rickenbacker 330
 コードの響きに特徴。

Guild 12弦
 「And You and I」録音で使用。クリス・スクワイア所有品。

Martin 00-18(1953年製)
 「Roundabout」で使用。スタジオ外のホールで録音。

Martin MC-38 Steve Howe signature
 「Clap」などで使用。

Portuguese 12弦アコースティック
 特殊チューニング。Yes初期の代表曲で使用。

Line 6 Variax 600
 シタールや12弦含む多彩なモデリング。

Antoria guitar
 最初に所有したギター。

Gibson BR9
 「And You and I」などで使用。

その他
 クラシックギター、マンドリンなども曲に応じ使用。

🔊 アンプ

Fender Twin Reverb
 長年の定番。Asia期やスチールギター用にも使用。

Fender Dual Showman
 70年代初期録音でリアPU用に使用。

Fender Super Twin
 初期レコーディングでフロントPU用に使用。

Fender Tremololux
 最初に手に入れたFenderアンプ。

Line 6 DT50 + POD HD500
 現行ライブのメイン。細かくプログラム。

Line 6 Vetta II / Bogner amps / Power Cabs / Helix / Spider
 Variax導入以降の中核システム。最新アルバム『The Quest』やツアーで使用。

Gibson Explorer amp(1960/61年製)
 「Heat of the Moment」で使用との記録。

Vintage AC50
 近年の録音で使用、Gibsonとの相性を評価。

Antoria amp
 最初のアンプ。

🎛️ エフェクター

Line 6 POD HD500 / Helix Floor
 現在のシステムの核。DT50やPower Cabsと連携。

Line 6 Pod XT Live / Boss GS-10 / GS-100
 選択肢として使用。

Electro-Harmonix Big Muff
 定番ファズ。倍音豊かなサチュレーション。

Marshall Fuzz / Maestro FZ-1S / MXR Distortion+
 クラシック期〜Asia期に使用。

Overdrive(推定Tube Screamer系)
 Asia期でTwinと併用。

Echoplex
 「And You and I」「Siberian Khatru」で使用。

Delay / Chorus / Phaser
 Asia期やYesライブで使用。Helix内にも搭載。

DeArmond 602 Volume Pedal / Morley A/B / その他Volume Pedal
 スウェルやアコギ切替に使用。2台同時配置例もあり。

Korg multi-pedal(ワウ用) / Wah Pedal
 ワウ効果に使用。

Compressor(内蔵含む、UREIコンプなど)
 Guild 12弦やES-Artistでサスティーンや深みを追加。

Treble Booster
 「Close to the Edge」等リードトーン用とされる。

Quark Pedal Board(特注)
 80年代ツアー用巨大ラックシステム。

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