【Brian Welch】Korn風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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始めに(特徴紹介)

Korn(コーン)のギタリスト、Brian Welch(ブライアン・“Head”・ウェルチ)は、1990年代からニューメタルを象徴する重低音サウンドを築き上げた立役者の一人です。彼のプレイは、攻撃的でありながらも独特の空間的広がりを持ち、シンプルなリフに奥行きと深みを与えるのが特徴です。

Kornの代表曲「Blind」「Freak on a Leash」「Got the Life」などに見られる低音リフは、7弦ギターを駆使し、Aスタンダードチューニングによるヘヴィかつダークな質感を持っています。単に重いだけでなく、クリーントーンやエフェクトを駆使して、アンビエントで浮遊感のあるサウンドをライブやスタジオで表現しているのも彼の強みです。

また、Brian Welchは2013年にKornへ復帰して以降、機材面でも現代的な進化を遂げています。特にFishman FluenceピックアップやEverTuneブリッジを採用し、より安定したサウンドとライブパフォーマンスを可能にしています。ヘヴィなリフワークからクリーンなアルペジオまで幅広く対応できるその音作りは、メタルギタリストのみならず幅広い層に注目されています。

彼の音作りの本質は「極端なローエンドと明瞭さの両立」であり、バンド全体のサウンドを支えつつも、独特の質感を前面に出すことにあります。こうしたサウンドは、単なるアンプやエフェクターの選択だけでなく、弦のゲージやチューニングの工夫、さらにはEQ処理のバランスにまで及んでいるのです。

このあと、アンプ・ギター・エフェクターごとの具体的な使用機材を解説し、さらに再現のためのEQセッティングや安価な代替機材の提案まで行います。Kornファンやヘヴィサウンドを目指すギタリストにとって、必見の内容となるでしょう。

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使用アンプ一覧と特徴【Korn・Brian Welch】

Brian Welch(Head)のサウンドを支える大きな要素のひとつがアンプ選びです。Kornの音楽は極端にローエンドが強調されており、7弦ギターをAスタンダードにチューニングすることで独自の重低音を生み出しています。そのため、アンプには「高いゲイン」「低音の明瞭さ」「ライブでの安定性」が求められます。

まず代表的なのはMesa/Boogie Dual Rectifierです。1990年代からニューメタルの定番アンプとして知られており、Kornも初期から継続的に使用しています。特に、Fishman Fluence Modern Humbuckerとの組み合わせで、唸るようなディストーションと輪郭のある中高域を両立。スタジオ録音はもちろん、世界ツアーでもその存在感を発揮しています。

次にOrange Ampsも使用されており、特にクリーントーンに独特のキャラクターを加える用途で登場します。Dual Rectifierがメインの歪み担当であるのに対し、Orangeはクリーンの質感に丸みを与え、空間系エフェクターと組み合わせることで浮遊感のあるクリーンアルペジオを表現することが可能です。

ライブやレコーディングでは、曲ごとにアンプを切り替えるのではなく、マルチアンプシステムとして並行して運用しているケースが多いと考えられます。例えば、Mesaでメインのリフを支えつつ、クリーンパートやイントロではOrangeをミックスすることで、Korn特有の「重く暗いのに抜ける音像」を形成しています。

また、ネット上の機材検証記事やファン撮影のライブ写真では、時期によってMarshallやPeaveyなどのアンプも見られるケースがあります。ただし、公式インタビューや近年の映像証拠ではMesa/BoogieとOrangeが軸になっているため、これらが主力であると考えて差し支えありません。

総合すると、Brian Welchのアンプ構成は「Mesa/Boogie Dual Rectifierのハイゲインドライブ」と「Orangeのクリーン補強」という2本柱を基盤にしており、それに他のアンプが時期的・補助的に加わる、と想定されます。

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Mesa/Boogie Dual RectifierMesa/BoogieAmazonで探すKornBrian WelchKornのメインハイゲインアンプ。重低音と明瞭さを両立。
Orange AmpsOrangeAmazonで探すKornBrian Welchクリーントーンやアルペジオでの補助的役割。空間系と好相性。
Marshallアンプ(推定)MarshallAmazonで探すKornBrian Welch一部ライブで確認されたが、現在は補助的使用と想定される。
Peaveyアンプ(推定)PeaveyAmazonで探すKornBrian Welch過去のライブ・機材検証記事で言及あり。確定情報ではない。

使用ギターの種類と特徴【Korn・Brian Welch】

a green electric guitar in a case on a table

Brian Welch(Head)の音作りにおいて、最も重要な要素は7弦ギターの存在です。Kornはデビュー当初から7弦をメインに採用し、Aスタンダード(A-D-G-C-F-A-D)という極端に低いチューニングを軸に、ニューメタル独特のダークでヘヴィなサウンドを築き上げました。HeadもMunkyと同様に、7弦ギターを駆使してリフとクリーンパートを弾き分けることで、Kornの音の厚みを生み出しています。

まず代表的なモデルがLTD SH-7 EverTuneです。これは2017年に発表されたBrian Welchシグネチャーモデルで、パープルのカラーリングとスルーネック構造が特徴。さらに、Fishman Fluence Modern Humbucker(Alnico/ Ceramic)を搭載し、ノイズレスで現代的な明瞭さを持つサウンドを獲得しています。最大のポイントはEverTuneブリッジの採用で、極端に低いチューニングでもイントネーションとピッチが安定。ライブやレコーディングにおいて、安定感のある演奏を実現しています。

続いて、Kornの初期から象徴的な存在であるのがIbanez K7です。これはHeadとMunkyのために開発されたシグネチャーモデルで、DiMarzio PAF-7を搭載。低音域の重厚さと高音域の明瞭さを両立した設計になっています。特に2020年代以降のライブでは、白と金のプロトタイプモデルを使用している姿が確認されており、こちらにはEverTuneが組み込まれている可能性もあると言われています。

彼のギターヒストリーを語る上で外せないのがCharvel(カスタムペイント)です。ティーン時代に所有していたもので、ジョージ・リンチ風のタイガーストライプ塗装を施していたことが知られています。これは現在の活動では登場していませんが、Headのルーツを象徴する一本と言えるでしょう。

また、Brian WelchはKornの音作りにおいて「7弦ギターそのもの」をサウンドの中心に据えています。そのため、具体的なモデルに限らず、7弦ギターであれば基本的にKornらしい低音リフを構築できるのも特徴です。実際、インタビューでも「7弦が俺たちのアイデンティティ」と語っており、どのギターを選んでも7弦であることが前提になっています。

総合すると、Headのギター選びは「安定性」「低音チューニングへの対応力」「独自の見た目」という要素が重視されており、LTD SH-7とIbanez K7が近年の主力となりつつ、7弦ギター全般がKornサウンドの核になっている、と想定されます。

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LTD SH-7 EverTuneESP / LTDAmazonで探すKornBrian Welch7弦エレキギター2017年発表のシグネチャーモデル。Fishman Fluence搭載、EverTuneブリッジで安定性抜群。
Ibanez K7(白/金プロトタイプ)IbanezAmazonで探すKornBrian Welch7弦エレキギターKorn初期からのシグネチャー。DiMarzio PAF-7搭載。近年はプロトタイプ版をライブで使用。
Charvel(カスタムペイント)CharvelAmazonで探すKornBrian Welchエレキギターティーン時代に所有。ジョージ・リンチ風タイガーストライプ塗装。現在は使用されていない。
7弦ギター(全般)各社Amazonで探すKornBrian Welch7弦エレキギターKornサウンドの中核。Aスタンダードチューニングで運用。モデル問わず基本思想に直結。

使用エフェクターとボード構成【Korn・Brian Welch】

Brian Welch(Head)の音作りを支えるもうひとつの大きな要素がエフェクターボードです。Kornのサウンドは単純に重いだけではなく、クリーントーンの広がりや空間的な奥行きが重要であり、ライブでもスタジオでも多彩なエフェクトが駆使されています。特にモジュレーション系やリバーブを多用することで、ニューメタル特有の「ダークで不気味だが浮遊感のある」質感を表現しているのが特徴です。

まず目立つのがEverTuneブリッジを活かしたチューニング安定性です。これはエフェクターではありませんが、エフェクトチェーン全体の安定性を支える役割として重要です。そこにFishman Fluence Modern Humbuckerの高解像度な出力が加わり、歪み系や空間系のエフェクトを明瞭に響かせます。

具体的なエフェクターとしては、Boss Chorus Ensembleが挙げられます。これはKorn特有の「うねるクリーン」に欠かせない存在で、アルペジオやイントロのフレーズに深みを与えます。また、TC Electronic Hall of Fame Reverbも頻繁に使用され、Head自身がTonePrint「Head Clean Reverb」を開発するほどのこだわりを見せています。この設定は、幽玄で伸びやかな残響を持ち、フランジャーと組み合わせて幻想的な質感を生み出すこともあります。

加えて、歪みを引き締めるためにIbanez Tube Screamerを使用。Mesa/Boogie Dual Rectifierの強烈な歪みをタイトに整え、Kornの特徴的なミュートリフに必要なアタック感を実現します。ソロやリードパートでは、Dunlop Cry Baby Wah Pedalで表現力を強化し、ライブパフォーマンスに緩急を与えています。

さらに、控えめながらも空間的広がりを演出するデジタルディレイが使用されるケースもあり、厚みのあるクリーントーンやアンビエントセクションに効果的です。これらの空間系エフェクトは、シンプルなリフを繰り返すKornの曲において、単調にならず立体感を維持するために欠かせない存在です。

最後に、低音チューニングを成立させるためにヘヴィゲージ弦(.010–.068程度)を採用しており、エフェクトやアンプの特性を引き出す土台として機能しています。総合すると、Headのボード構成は「歪みをタイトに保ちつつ、クリーンと空間系で世界観を構築する」設計になっている、と想定されます。

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EverTuneブリッジ(LTD SH-7搭載)EverTuneAmazonで探すKornBrian Welchブリッジ/安定化エフェクトチェーン全体の安定性を確保。低音チューニングでもピッチが狂わない。
Fishman Fluence Modern HumbuckerFishmanAmazonで探すKornBrian WelchピックアップLTD SH-7に搭載。Alnico/ Ceramic仕様で明瞭な出力を確保。
Boss Chorus EnsembleBOSSAmazonで探すKornBrian Welchコーラスクリーンパートに深みを与える必須エフェクト。
TC Electronic Hall of Fame ReverbTC ElectronicAmazonで探すKornBrian WelchリバーブHead自身のTonePrintを開発。幽玄な残響と空間演出に活躍。
Ibanez Tube ScreamerIbanezAmazonで探すKornBrian Welchオーバードライブアンプの歪みを引き締め、タイトなリフを実現。
Dunlop Cry Baby Wah PedalDunlopAmazonで探すKornBrian Welchワウペダルソロや表現力強化に使用。ライブでの存在感を増幅。
デジタルディレイ各社Amazonで探すKornBrian Welchディレイ控えめに使用し、広がりと立体感を演出。
ヘヴィゲージ弦(.010–.068)各社Amazonで探すKornBrian WelchAスタンダードなどの低音チューニングでテンションを維持。

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Korn・Brian Welch】

a close up of a guitar neck and strings

Kornのサウンドは、単純にアンプやエフェクターの選択だけではなく、細かいEQ設定やミックス処理に強く依存しています。特にBrian Welch(Head)のパートは、Munkyとのツインギターを前提としたアンサンブル構築が鍵であり、左右の定位、周波数の住み分け、ローエンドの整理といった工夫が徹底されています。

まずアンプのEQについて。Mesa/Boogie Dual Rectifierを使用する場合、低音域(Bass)は4〜5程度に抑え、ミドル(Mid)は意図的にやや削る(2〜3程度)ことが多いとされています。これは、ベースギターとバスドラムの低域を潰さないための処理です。高音域(Treble)は5〜6程度に設定し、プレゼンスを強めに(6〜7程度)することで、7弦の重低音リフが埋もれず、バンド全体の中で輪郭を維持できます。

Tube Screamerを併用する場合、ゲインは最小に近い値、トーンを5〜6に設定することが推奨されます。これはRectifierの歪みを引き締め、アタックを明確にするためで、Korn特有の「ズンズンと切れ込むリフ」を支える要素となっています。実際のライブ音源を聴いても、低音がブーミーにならず、ミュートのキレが非常に際立っていることが分かります。

クリーントーンでは、Orangeアンプとコーラス/リバーブを組み合わせるのが定番です。Boss Chorus EnsembleはDepthを深めに、Rateを遅めに設定することで、うねるような立体感を生み出します。さらにHall of Fame Reverbの「Head Clean Reverb」はDecayを長めに設定し、ミックスでやや深め(30〜40%程度)に加えることで、幽玄な広がりを獲得。これにより、アルペジオやイントロ部分で浮遊感が強調され、曲の緩急を演出します。

ディレイについては、非常に控えめに使用される傾向があります。ディレイタイムは300〜400ms程度、フィードバックは2〜3回程度で、リードプレイやアルペジオを自然に広げる用途に留めています。これにより、過度にエフェクト感を強調せず、リズムのタイトさを損なわない工夫がなされています。

ミックス段階では、7弦ギターの低域を支配させすぎないために、100Hz以下をカットし、120〜200Hzあたりを軽く整える処理がよく行われます。さらに、2〜4kHzを持ち上げることでアタックを強調し、ライブでも埋もれないリフを確立します。Kornの楽曲はリズム隊との一体感が非常に強いため、ギターがベースやドラムと混ざりすぎないよう、EQでの住み分けが徹底されているのです。

また、HeadとMunkyは左右にパンニングされることが多く、片方が低音を支えるときはもう片方が中高域を補う形でバランスが取られています。これはツインギター編成の典型ですが、Kornの場合は特に「重いがモコらない」「暗いが明瞭」という特徴を生む要因となっています。

総じて言えるのは、Brian Welchの音作りは「EQの引き算」「空間系の足し算」の両立です。不要なローエンドを整理しつつ、コーラスやリバーブで奥行きを加えることで、シンプルなリフを繰り返しても飽きさせないサウンドを実現しています。これらの設定は曲ごとやツアーごとに微調整されていますが、全体としては「極端に重いリフを、明瞭さと空間感で聴かせる」方向性で統一されている、と想定されます。

比較的安価に音を近づける機材【Korn・Brian Welch】

Brian Welch(Head)のサウンドを完全に再現するには、7弦ギターやMesa/Boogie Dual Rectifierなど高価な機材が必須ですが、初心者や中級者が「Kornっぽい音」を目指す場合、比較的安価な機材で十分に近づけることが可能です。ここでは、1万円〜10万円以内で入手できる製品を中心に紹介し、なぜ再現性が高いのかを解説します。

まず最重要なのは7弦ギターです。Headと同じIbanez K7やLTD SH-7は中古市場でも高額ですが、現在市販されているIbanezのエントリーモデル(RG7421など)やESP LTDの中堅クラスなら5〜8万円程度で入手可能です。7弦ギターを選ぶことで、Kornのヘヴィなリフを物理的に再現できるため、最初の投資としては最も再現度が高い選択肢です。

次にアンプですが、Mesa/Boogieは高価かつ扱いが難しいため、代替としてBOSS KatanaシリーズLine 6 POD Goなどのマルチエフェクター兼アンプシミュレーターが有効です。これらは「Rectifier系」のモデリングを搭載しており、プリセットを調整することで低音の効いたヘヴィリフを近い形で再現できます。特にKatanaは3〜5万円程度で入手可能で、初心者から上級者まで幅広く対応できる万能機材です。

歪みを補正する役割としては、やはりIbanez Tube Screamer Miniが有効です。オリジナルよりも安価(1万円台)で、小型ながらRectifier系アンプやシミュレーターの歪みをタイトにまとめ、Kornらしいアタック感を出すことが可能です。

空間系では、Headが愛用するHall of Fame Reverbの代わりにTC Electronic Skysurfer Reverbが安価でおすすめです。1万円以下で入手でき、深めの残響を作り出せるため、アンビエントなクリーントーンを再現できます。コーラスについては、BOSS CH-1 Super Chorusが2万円前後で定番かつ再現性の高い選択肢となります。

さらに、ライブでの実用性を考えると、マルチエフェクター1台にまとめるのも賢い方法です。Zoom G5nLine 6 HX Stompは、アンプモデリング・コーラス・リバーブ・ディレイを一通りカバーしており、音作りを一気に完結できます。特にHX Stompは10万円弱とやや高めですが、Mesa系のモデリングと空間系を高品質に再現できるため、中級者以上に人気です。

最後に、弦選びも重要です。低音チューニングを安定させるために、.010–.068程度のヘヴィゲージ弦を使うだけでもサウンドが劇的に変わります。安価で導入できるので、まずはここから始めるのもおすすめです。

総合すると、7弦ギター+Katanaやマルチエフェクター+Tube Screamer系ペダル+安価なリバーブ/コーラスを揃えることで、5〜10万円以内で「Korn風サウンド」にかなり接近可能です。初心者はマルチで一通り試し、中級者は個別ペダルに移行するのが現実的なステップアップと言えるでしょう。

種類機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
ギターIbanez RG7421IbanezAmazonで探すKornBrian Welch低価格帯の7弦。Kornのリフ再現に最も直結。
アンプ/モデラーBOSS Katana 100 MkIIBOSSAmazonで探すKornBrian WelchRectifier系サウンドを再現可能。価格帯も手頃。
オーバードライブIbanez Tube Screamer MiniIbanezAmazonで探すKornBrian Welch安価かつタイトな歪み補強が可能。
リバーブTC Electronic Skysurfer ReverbTC ElectronicAmazonで探すKornBrian Welch安価で深い残響を再現可能。Hall of Fameの代替。
コーラスBOSS CH-1 Super ChorusBOSSAmazonで探すKornBrian Welch定番コーラス。クリーントーンの広がりを再現。
マルチエフェクターLine 6 HX StompLine 6Amazonで探すKornBrian WelchMesa系モデリング搭載。空間系も高品質で再現。
Ernie Ball 7弦 (.010–.068)Ernie BallAmazonで探すKornBrian Welch低音チューニングに最適なゲージ。音の安定性を確保。

総括まとめ【Korn・Brian Welch】

まとめイメージ

Brian Welch(Head)の音作りの本質は、「極端に低いチューニングを扱いながらも、音の輪郭を損なわない」ことにあります。彼のサウンドは、7弦ギターという土台とMesa/Boogie Dual Rectifierを中心とするアンプの組み合わせによって構築され、その上でコーラスやリバーブといった空間系エフェクトで独特の浮遊感を加えることで完成します。

特に注目すべきは、単なるヘヴィネスの追求に留まらず「重いのにクリア」「暗いのに空間的に広がる」という二面性を備えている点です。これはEverTuneブリッジやFishman Fluenceピックアップの導入による安定感と明瞭さ、そしてEQやミックス処理における徹底したバランス調整の結果です。つまり、Headの音作りは機材に頼るだけでなく、緻密な調整によって支えられているのです。

また、Kornというバンド全体で見たときには、HeadとMunkyのツインギターによる補完関係も大きな意味を持ちます。片方がローエンドを支え、もう片方が空間や中域を補強することで、シンプルなリフでも分厚く立体的に聴かせることが可能になります。Headの音は単独ではなく、Munkyの音と合わさることで真価を発揮するとも言えるでしょう。

初心者や中級者がこの音を目指す場合、必ずしも同じ機材を揃える必要はありません。重要なのは「7弦ギターで低音を支えること」「EQで不要な低域を整理すること」「空間系を活用してシンプルなフレーズを彩ること」という3点です。たとえ安価な機材でも、この本質を理解して設定を追い込めば、Kornらしいヘヴィかつ浮遊感のある音を作り出すことができます。

最後に、Brian Welchの音作りを真似るということは、単に機材をコピーすることではなく「シンプルなリフにどれだけ深みを与えられるか」という発想を学ぶことでもあります。ローエンドの迫力、リフの切れ味、そしてアンビエントな広がり——そのすべてをバランス良く組み合わせることこそが、Headのサウンドの核心なのです。

読者の皆さんも、ぜひ7弦ギターと適切なアンプ/エフェクトの組み合わせを試し、EQとミックス処理にこだわりながら、自分なりの「Korn風サウンド」を追求してみてください。それこそが、Brian Welchが長年実践してきた音作りの精神を体感する最良の方法だと言えるでしょう。

下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!

ギター

LTD SH-7 EverTune
Brian Welchシグネチャーモデル(2017年発表・生産完了品)。パープルカラー、スルーネック構造、Fishman Fluence Modern Humbucker(Alnico/ Ceramic)搭載。EverTuneブリッジにより低音チューニングでも安定したイントネーションを実現。

Ibanez K7(白と金のプロトタイプ)
Kornのために開発された7弦シグネチャー。現在のツアーで使用中。DiMarzio PAF-7搭載。プロトタイプにはEverTuneが組み込まれている可能性あり。

Charvel(カスタムペイント)
ティーン時代に所有。ジョージ・リンチ風にタイガーストライプ柄へ塗装。

7弦ギター(全般)
Kornサウンドの中核。通常はAスタンダード(A-D-G-C-F-A-D)チューニングで運用。

アンプ

Mesa/Boogie Dual Rectifier
メインのハイゲインアンプ。Fishman Fluenceとの組み合わせで唸るような歪みと明瞭さを両立。

Orange Amps
クリーントーンに独特のキャラクターを加えるために使用。

エフェクター/その他機材

EverTuneブリッジ(LTD SH-7搭載)
チューニング安定性を確保。ライブ・スタジオともに必須。

Fishman Fluence Modern Humbucker
LTD SH-7に搭載。Alnico(ネック)、Ceramic(ブリッジ)。明瞭かつ重厚なサウンドを提供。

Boss Chorus Ensemble
Korn独自の空間的なクリーントーンを作るために使用。

TC Electronic Hall of Fame Reverb
自身のTonePrint「Head Clean Reverb」を作成。幽玄な伸びやかなリバーブ。フランジャーと組み合わせることもあり。

Ibanez Tube Screamer
アンプの歪みを引き締めるオーバードライブ。

Dunlop Cry Baby Wah Pedal
ソロでの表現力強化に使用。

デジタルディレイ
空間的広がりを加えるため控えめに使用。

ヘヴィゲージ弦(.010–.068程度)
Aスタンダードなどの低音チューニングでテンション維持・イントネーション安定のために使用。

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