【Zakk Wylde(ザック・ワイルド)・Black Label Society(ブラック・レーベル・ソサイアティ)】風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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① 始めに(特徴紹介)

ザック・ワイルド(Zakk Wylde)といえば、その圧倒的な存在感と「ベルセルク」のごとき荒々しいプレイスタイルで、現代のギターヒーローを象徴する存在です。オジー・オズボーンの元ギタリストとして名を馳せ、自身のバンド「Black Label Society(BLS)」では、ヘヴィなリフと超高速のペンタトニック・スケール、そして彼の代名詞とも言える強烈な「ピンチ・ハーモニクス」を武器に、唯一無二のヘヴィ・ロック・サウンドを確立しています。

彼のサウンドの特徴は、極限までタイトなローエンドと、耳を突き抜けるような鋭い高域が同居している点にあります。これほどまでに歪んでいるのに、一音一音が濁らず、ピッキングのニュアンスが鮮明に聞こえるのは、彼が愛用する大出力のチューブアンプと、アクティブ・ピックアップによる恩恵が大きいです。特にダウンチューニングを多用するBLSの楽曲(「Stillborn」や「Suicide Messiah」など)では、その重厚かつ切れ味の鋭いサウンドが、バンドの核となっています。

また、ザックの音作りには「様式美」があります。長年変わらないMarshallのセッティング、トレードマークのブルズアイ・ペイント、そしてアナログコーラスによる厚みの付け方など、彼の美学を理解することがBLSサウンドを再現する近道です。今回は、そんな「北欧の野獣」ザック・ワイルドの最新から定番までの機材を徹底解剖していきます。

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②使用アンプ一覧と特徴【Black Label Society・Zakk Wylde】

ザック・ワイルドのサウンドの背骨、それは「Marshall JCM800」という一言に尽きます。彼はデビュー当時から現在に至るまで、このアンプのポテンシャルを最大限に引き出すことで、あの攻撃的なトーンを作り続けてきました。特に100Wの「2203」モデルは、マスターボリュームを備えた回路により、パワー管をフルドライブさせつつも制御されたハイゲインを実現します。ザックの場合、アンプ側で極端に深く歪ませるのではなく、後述するオーバードライブペダルでプッシュすることを前提としたセッティングになっています。

また、近年では自身のブランド「Wylde Audio」を立ち上げ、自身の理想を具現化したアンプも使用しています。これはJCM800のキャラクターをベースにしつつ、より現代的なゲイン量と安定性を確保したモデルです。さらに、意外にも重要な役割を果たしているのがスピーカーユニット「Electro-Voice EVM-12L」です。一般的なMarshall純正スピーカーよりも圧倒的な耐入力とフラットな特性を持っており、ザックの高速ピッキングでも音が潰れず、タイトに立ち上がる秘密はこのスピーカーにあります。自宅録音や小規模ライブ用にSC20(Studio Classic)を使用することもあり、常にJCM800直系のトーンが彼の基準となっています。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
JCM800 2203 / 2203ZW Marshall 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ザックのメインアンプ。2203ZWは本人仕様のシグネチャー。
Wylde Audio Amps Wylde Audio 検索 検索 検索 検索 検索 検索 自社ブランド製品。JCM800をベースにした更なるハイゲイン仕様。
Marshall SC20 (Studio Classic) Marshall 検索 検索 検索 検索 検索 検索 JCM800の小型20W版。自宅練習や小規模なリハで使用。
Metaltronix M1000 Metaltronix 検索 検索 検索 検索 検索 検索 オジー加入初期に使用。よりモダンで攻撃的なハイゲインアンプ。
EVM-12L Electro-Voice 検索 検索 検索 検索 検索 検索 キャビネット内のスピーカー。ザックサウンドのタイトさの要。

以上が、ザック・ワイルドのサウンドを支えるアンプシステムの核心であると想定されます。

③使用ギターの種類と特徴【Black Label Society・Zakk Wylde】

ザック・ワイルドの使用ギターといえば、誰しもが思い浮かべるのがGibson Les Paul Customに施された「Bullseye(ブルズアイ)」ペイントです。1981年製の通称”The Grail”は、彼のキャリア初期からのパートナーであり、数々の名演を生み出してきました。ザックのギター選びにおける最大のポイントは「太いネック」と「アクティブ・ピックアップ」です。彼は非常に肉厚なネックを好んでおり、その質量が太いトーンと豊かなサステインに寄与しています。

ピックアップについては、ほぼ全てのギターにEMG 81とEMG 85のコンビネーションが搭載されています。フロントのEMG 85は艶やかなソロ、リアのEMG 81はザクザクとしたリフに最適化されており、ノイズの少なさと出力の安定感はザックの過激なステージングには不可欠です。また、弦のゲージも異次元で、11-70や10-60といった極太セットを使用。これにより、ドロップC以下のチューニングでも弦のテンションを保ち、強烈なピッキングでもピッチが安定するように設計されています。

現在は自身のブランド「Wylde Audio」のギターがメインです。レスポール・シェイプを進化させた「Odin」、フライングVを発展させた「Warhammer」、SGをより攻撃的にした「Barbarian」など、いずれも伝統的なGibsonのデザインをザック流に再構築したモデルです。これらはすべて、彼の好む極太ネックとEMGピックアップが標準装備されており、まさにBLSサウンドを出すために生まれた楽器と言えるでしょう。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス ギターの種類 備考
Les Paul Custom “The Grail” Gibson 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター トレードマーク。1981年製の最重要機。
Wylde Audio Odin Wylde Audio 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレキギター 現在のメインモデル。LPをベースにした独自形状。
EMG 81 / 85 EMG 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ピックアップ ザックサウンドに欠かせないアクティブPUの定番。
Boomers (11-70 etc) GHS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ギター弦 ザック仕様の極太ゲージ。ダウンチューニングに対応。

これらのギター群が、BLSの重戦車のようなサウンドを支える第一線級の武器であると想定されます。

④使用エフェクターとボード構成【Black Label Society・Zakk Wylde】

ザック・ワイルドのエフェクターボードは、シンプルかつ非常に効果的な「仕事道具」が並んでいます。彼のサウンドの基本は「アンプで作った歪みをオーバードライブでさらに押し出す」というスタイル。ここで長年活躍しているのが、BOSSのSD-1 Super Overdriveや、自身のシグネチャーであるMXRのZW44です。これらのペダルは、ゲインを上げるというよりは、中音域を持ち上げてピッキングの輪郭を際立たせ、ソロ時のサステインを稼ぐために使われます。

また、彼のソロに欠かせないのが「揺らし系」のエフェクトです。ザックは、クリーンだけでなく歪んだリードサウンドにも常時アナログコーラスを薄くかけることで、壁のような分厚い音像を作ります。MXR ZW38やBOSS CH-1がその役目を担っています。さらに、中音域に「ウニョウニョ」としたうねりを加えるPhase 90や、レスリースピーカーのような効果を得るRotovibeは、カントリー的なニュアンスやサイケデリックな表情をソロに加えるために多用されます。ワウペダルも非常に重要なポジションを占めており、自身のシグネチャーであるZW45は、高域が非常に鋭く、フルピッキングのリードでも音が埋もれない設定になっています。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス エフェクターの種類 備考
SD-1 (Super Overdrive) BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 オーバードライブ JCM800をブーストするための最重要ペダル。
ZW44 Berzerker Overdrive MXR 検索 検索 検索 検索 検索 検索 オーバードライブ SD-1をベースにした自身のシグネチャーモデル。
ZW38 Black Label Chorus MXR 検索 検索 検索 検索 検索 検索 コーラス 壁のような厚いサウンドを作るためのアナログコーラス。
ZW45 Zakk Wylde Wah Dunlop 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ワウペダル ハイが強調された鋭い鳴りのシグネチャーワウ。
JD-4S Rotovibe Dunlop 検索 検索 検索 検索 検索 検索 モジュレーション系 揺らぎを加えるための定番エフェクト。ソロで多用。

これらのエフェクターが、ザックの無骨なサウンドに多彩な表現力を与えていると想定されます。

⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Black Label Society・Zakk Wylde】

ザック・ワイルドの音作りを再現するための最大のポイントは「アンプを限界まで追い込む」ことと「中音域のコントロール」にあります。彼のアンプ・セッティング(JCM800)は、多くのメタル・ギタリストがドンシャリ(低域と高域を強調)にするのとは対照的に、ミッドレンジ(Middle)をかなり高く設定するのが特徴です。具体的なEQ設定の目安としては、Presence: 8, Treble: 7, Middle: 9, Bass: 4-6, Gain: 6-7 程度。この「ベースを欲張らない」セッティングにより、多弦ギターやダウンチューニング時でも音が飽和せず、バンドミックスの中でドラムやベースを邪魔せずに抜けてくる音が完成します。

次に不可欠なのが「オーバードライブによるブースト」です。ペダル側のGainは低め(9時前後)、VolumeをMAX付近に設定することで、アンプのプリアンプを強力にプッシュします。これにより、ピンチ・ハーモニクスが簡単に出るほどのコンプレッション感と、ザック特有の「バキッ」としたアタックが生まれます。また、BLSのライブ録音やミックスにおいては、ギターのトラックは左右に100%振り切り、非常にタイトなダブル・レコーディングが行われていることが多いです。しかし、驚くべきことにザックはライブ中、空間系(ディレイ)をほとんど使いません。唯一、MXR Carbon Copyをソロの際に薄くかける程度で、基本は「ドライで強固な音」を貫いています。

また、PAエンジニアの視点から見ると、ザックの音は既にキャビネットから出ている段階で完成されており、マイク(SM57など)を通してコンソールに送られた後も、過度なEQは必要ないとされます。これは、前述のEVM-12Lスピーカーが不要な低域のダブつきをカットし、必要な中高域だけを出力しているためです。この「引き算の美学」こそが、彼の極太サウンドの真髄です。最後に、忘れがちなのが「アナログコーラスの常時ON」です。歪んだ音にコーラスをかけることで、位相が微妙にずれ、あたかも複数のギターが同時に鳴っているかのような壁のようなサウンドが得られます。

これらの要素が組み合わさることで、あの唯一無二の「ワイルド・サウンド」が構築されていると想定されます。

⑥比較的安価に音を近づける機材【Black Label Society・Zakk Wylde】

ザック・ワイルドの本物の機材(JCM800やLes Paul Custom)を揃えるには多額の費用がかかりますが、現在は手頃な価格でその本質を味わえる機材が充実しています。まずアンプですが、MarshallのMGシリーズ(MG30/MG50など)のドライブチャンネルは、JCM800をシミュレートした「FDDスイッチ」を搭載しているモデルもあり、非常に近いニュアンスを出せます。より本格的に狙うなら、小型の真空管ヘッド「Marshall SC20H」ですが、さらに安価に抑えるなら、Blackstarの「HTシリーズ」なども、ブリティッシュな歪みが得られるためお勧めです。

エフェクターで再現する場合、最も重要なのは「SD-1系のブースター」と「アナログコーラス」です。BOSSのSD-1は数千円で手に入りますが、これ1つでザック的なピッキングレスポンスを再現できます。また、最近のマルチエフェクター(GT-1やZOOM G1 FOURなど)には、必ずJCM800のモデリングと、SD-1、EMGピックアップのシミュレーター、さらにはザック風のピッチシフト(ワーミー)やワウが入っています。これらを適切に組み合わせるだけで、自宅練習レベルでは十分すぎるほどのBLSサウンドが作れます。特に、パッチの中に「ピッチシフターをわずかに(数セント)ずらして混ぜる」設定にすると、コーラスを使わなくてもザック風のデチューン・サウンドが得られ、リフがより肉厚になります。

種類 機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
アンプ MG30FX / MG50FX Marshall 検索 検索 検索 検索 検索 検索 家庭用Marshallの定番。手軽にザック風の歪みが手に入ります。
ブースター SD-1 Super Overdrive BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 一万円以下で買える魔法。これを噛ませるだけで音が「ザック」化。
マルチ GT-1 BOSS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 JCM800モデリングを搭載。パッチ次第でBLSサウンドを完コピ可能。

これらの機材を駆使すれば、限られた予算でもザック・ワイルドの魂を感じるサウンドが構築可能であると想定されます。

⑦総括まとめ【Black Label Society・Zakk Wylde】

ザック・ワイルドの音作りの本質、それは「フィジカルな強さと揺るぎない信念」の結晶です。彼の機材構成をなぞるだけでは、あの音の半分も再現できないかもしれません。なぜなら、彼のサウンドは「強靭なピッキング」と「太い指によるビブラート」、そして「絶対に音を引かない」という攻めの姿勢から生まれているからです。しかし、今回紹介したJCM800を核としたシステム、EMGピックアップによるタイトな出力、そしてアナログコーラスによる重層的な響きは、その魂を具現化するための不可欠な「型」となります。

BLSのサウンドを再現するために最も大切な視点は、個々のエフェクターに頼るのではなく、全体を「一つの巨大なアンプ」として捉えることです。ギターからアンプのスピーカーに至るまでのすべてのプロセスを、ザックは「音を太く、速く、鋭く」するために最適化しています。初心者の方は、まずはBOSS SD-1を一つ手に入れ、アンプの歪みをブーストするところから始めてみてください。それだけで、ピンチ・ハーモニクスが叫び出す快感に気づくはずです。

ザック・ワイルドの音作りは、一見すると派手で複雑に見えますが、その実体は驚くほどオーソドックスで一本気なものです。自分だけのブルズアイ(的)を見定め、ひたすらその音を磨き上げる。そんな彼のギタリストとしての生き様こそが、Black Label Societyのサウンドそのものなのです。この記事が、あなたのギターライフに熱い火を灯すきっかけになれば幸いです。

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