始めに(特徴紹介)
米津玄師(ハチ)は、シンガーソングライターとして圧倒的な存在感を放つ一方で、ギタリストとしても独自の音作りを展開してきました。初期のボカロP「ハチ」名義の楽曲から現在に至るまで、一貫してギターが作品の基盤に存在しており、サウンドの方向性を決定づけています。
米津のプレイスタイルは、テクニカルな速弾きや派手なフレーズではなく、空間を生かしたコードワークやリフの質感を大切にするものです。代表曲「ピースサイン」や「Lemon」ではクリーン〜クランチの中間に位置する独自のトーンが活かされ、バンドサウンドとボーカルを引き立てる役割を果たしています。特にMVやライブでのギターは、ビジュアル面でも米津の音楽性を象徴するアイコンとなっています。
また、彼のサウンドが注目される理由は、ジャンルを超えた柔軟な音作りにあります。ロック的なギターサウンドを基盤にしながらも、ポップス、エレクトロ、ヒップホップ的要素を取り入れ、ギターエフェクトの選択やアンプのチューニングによって独自の世界観を形成しています。これにより「シンプルなコード進行でも圧倒的に米津らしい音」に仕上がるのです。
今後の彼の活動においても、新しい楽曲やライブの中でギターのサウンドがどのように進化するかは、多くのリスナーやギタリストにとって関心の的であり続けるでしょう。次のセクションでは、そんな米津玄師が実際に使用してきたアンプについて掘り下げていきます。
使用アンプ一覧と特徴【米津玄師・米津玄師(ハチ)】
米津玄師のライブや映像におけるギターサウンドを支える重要な要素の一つがアンプです。彼の音は「煌びやかさと温かさ」を両立させており、ギター本体やエフェクターの選択に加え、アンプのキャラクターが大きく貢献しています。
2015年のフェス『SWEET LOVE SHOWER』出演時には、Morgan Amplification AC20 Deluxe(ヘッド+1×12キャビネット)を使用している姿が確認されました。このアンプは、VOX系サウンドをベースにした設計で、クリーン〜クランチにかけての伸びやかなトーンと反応の速さが特徴です。米津の持ち味であるメロディアスなフレーズや、楽曲全体に広がりを与えるクリーン寄りのアルペジオに最適であり、ライブの音場でも埋もれることなく響く音質を実現しています。
また、リハーサル映像や一部のステージ写真ではOrangeアンプが背面に映っていることもあります。しかし、これは本人の機材ではなく、リハ用にスタジオに常設されていたもの、あるいはサポートギタリスト用のアンプとされています。実際に本人が積極的にOrangeをメインで使用している証拠はなく、確定情報ではありません。
サポートギタリストである中島宏士が使用しているRoland JC-120は、クリーントーンが有名ですが、これは米津本人の機材ではありません。ただし、米津サウンドの「空間系の厚み」や「透明感」に影響を与えている点で、バンド全体のサウンド作りには重要な存在となっています。
つまり米津玄師本人のアンプセットアップは、基本的にMorgan AC20 Deluxeを中心にした構成であり、ライブやツアーでのクリーンからクランチまでの幅広い表現を可能にしています。スタジオ録音においては詳細なアンプの指定は確認されていないものの、Morganをベースにしつつ、場面に応じてFender系アンプなども選択されている可能性があると考えられます。
総じて、米津のアンプ選びは「派手な歪み」よりも「楽曲を支える基盤となる音色」を重視しているといえるでしょう。Morgan AC20 Deluxeの存在感は、彼のギターサウンドを特徴づける重要なピースであり、透明感と温かみを両立する音作りの核になっている、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Morgan Amplification AC20 Deluxe(Head + 1×12 Cab) | Morgan | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | 2015年『SWEET LOVE SHOWER』で使用確認。VOX系サウンドのクリーン〜クランチが特徴。 |
Orange アンプ(型番未特定) | Orange | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | リハ映像で背面に確認。ただし本人の常用機材ではないとされる。 |
Roland JC-120 | Roland | Amazonで探す | 米津玄師(バンドサポート) | 中島宏士 | サポートGt用。本人機材ではないが、バンド全体のクリーントーンに寄与。 |
使用ギターの種類と特徴【米津玄師・米津玄師(ハチ)】
米津玄師の音楽表現において最も強く印象を残すのは、その独自の歌声と共に鳴り響くギターサウンドです。ギタリストとしての彼は、特定の機材にこだわるというよりも、楽曲の世界観やビジュアルに合わせてギターを使い分けています。その結果、ライブ・MV・写真資料などから、多様なギターが確認されています。
まず、彼の代表的な一本として挙げられるのがFender Custom Shop INORAN JAZZMASTER #1 LTD (Black)です。MV「ピースサイン」や2019年ツアー『脊椎がオパールになる頃』でのステージにてメインとして使用されており、歯切れの良いクランチトーンが特徴的です。ジャズマスター特有の広がりあるサウンドは、米津の楽曲のドラマチックな展開と非常に相性が良いと言えます。
さらに、Fender Custom Shop 1966 Jazzmaster Charcoal Frost Metallic(Time Machine 2021)も所有ギターとして写真で確認されています。こちらは限定的なカラーと仕上げを持つモデルで、米津がビジュアル面を含めて選択したと考えられます。
エモーショナルなバラード「フローライト」では、Gibson ES-335(Wine Red系)が登場。セミアコ特有の温かみとふくよかな中域が、楽曲の深みを一層引き立てています。また、本人のSNS写真から特定されたGretsch G6128TCG Duo Jet(Cadillac Green/Dynasonic)も重要な存在です。グレッチならではの煌びやかさと独特の立ち上がりが、米津サウンドに新たな側面を与えています。
過去には、Fender Vintera ’50s Telecaster(Fiesta Red)が「MAD HEAD LOVE」のMVで赤テレとして使用されていたほか、初期の「サンタマリア」期にはFender Telecaster(Black)を抱えていた姿も確認できます。さらに、本人のスタンド写真からはFender MIJ Hybrid ’60s Stratocaster(Black/RW)、Paul Reed Smith Custom 24といったギターも見受けられます。
このように、米津玄師はジャズマスターを中核としながらも、セミアコ、テレキャスター、ストラト、PRS、グレッチと幅広く使用しており、楽曲ごとに最適なキャラクターを選び抜いていることがわかります。彼の音作りにおいては、「同じモデルを長く使い込む」よりも「楽曲の表現に合わせて最適な一本を選ぶ」ことが重視されている、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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Fender Custom Shop INORAN JAZZMASTER #1 LTD (Black) | Fender | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | ジャズマスター | MV「ピースサイン」、2019年ツアー『脊椎がオパールになる頃』でメイン使用。 |
Fender Custom Shop 1966 Jazzmaster Charcoal Frost Metallic(Time Machine 2021) | Fender | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | ジャズマスター | 所有個体が写真で確認済み。 |
Gibson ES-335(Wine Red系) | Gibson | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | セミアコ | MV「フローライト」で使用確認。 |
Gretsch G6128TCG Duo Jet(Cadillac Green/Dynasonic) | Gretsch | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | ソリッド/セミソリッド | 本人ツイート写真より特定。Dynasonic PU搭載。 |
Fender Vintera ’50s Telecaster(Fiesta Red) | Fender | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | テレキャスター | MV「MAD HEAD LOVE」で使用。赤テレキャスター。 |
Fender MIJ Hybrid ’60s Stratocaster(Black/RW) | Fender | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | ストラトキャスター | 本人のスタンド写真にて確認。 |
Paul Reed Smith Custom 24 | PRS | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | ソリッド | 本人スタンド写真で確認。 |
Fender Telecaster(Black) | Fender | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | テレキャスター | 初期〜「サンタマリア」期に使用確認。 |
使用エフェクターとボード構成【米津玄師・米津玄師(ハチ)】
米津玄師のギターサウンドは、クリーン〜クランチを基調とした透明感に加え、エフェクターを通じて独自の広がりと奥行きを持っています。彼のボードは、2018年の武道館公演や各種ライブ写真から確認されており、比較的シンプルでありながら、必要な効果を的確に組み合わせた実践的な構成です。
まず定番として使用されているのがBOSS BD-2 Blues Driverです。初期から使用が確認されており、ナチュラルなオーバードライブでクリーンアンプに心地よい歪みを与えます。「ピースサイン」などアップテンポなロック曲では、このBD-2によるカラッとしたクランチトーンが楽曲の推進力を支えています。さらに、同じくドライブ系としてBondi Effects Del Mar Overdriveも導入され、より滑らかでコンプレッション感のあるサウンドを補強しています。
モジュレーション系では、BOSS CE-2 / CE-2W(Chorus)が使用されています。透明感のあるコーラスサウンドは、バラード曲やアルペジオを多用する場面で欠かせない存在であり、楽曲に奥行きを与えています。これに加えて、初期「ハチ」期にはElectro-Harmonix Small Cloneが確認されており、よりヴィンテージ感のあるコーラスサウンドを鳴らしていました。
空間系ではStrymon blueSky(Reverb)がセットされており、スタジオ録音とライブの両面で立体的な残響を演出しています。米津の楽曲は空間表現を重視しているため、リバーブの存在は非常に大きいです。また、コンプレッションを加えるためにMXR M102 Dynacompを使用。ハチ期の足元写真で確認されており、アルペジオの粒立ちやクリーンフレーズの均一化に貢献しています。
チューナーにはKORG DT-10を使用していたことがリハ映像で確認されており、安定したステージ運用を支えています。さらに、エフェクトの切替管理にはMusicom Lab EFX Lite 62Mが組み込まれ、ライブでのスムーズなプレイを可能にしています。これはスイッチングシステムとしてボード全体の要であり、複数のエフェクトを自在に組み合わせる基盤になっています。
米津玄師のボード構成は決して派手ではありませんが、彼の「歌を支える音作り」を実現するために厳選されたペダル群が配置されています。結果として、シンプルでありながらも奥行きあるサウンドを形成しており、楽曲ごとの表現力を最大限に引き出している、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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BOSS BD-2 Blues Driver | BOSS | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | オーバードライブ | 2018年武道館公演のボードで確認。初期から使用。 |
Bondi Effects Del Mar Overdrive | Bondi Effects | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | オーバードライブ | BD-2と併用。より滑らかでコンプレッション感のあるトーン。 |
BOSS CE-2 / CE-2W Chorus | BOSS | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | コーラス | ボード実機で確認。空間的広がりを演出。 |
Strymon blueSky Reverb | Strymon | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | リバーブ | ライブ/レコーディングで使用。立体的な残響を付加。 |
Musicom Lab EFX Lite 62M | Musicom Lab | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | スイッチングシステム | 複数のエフェクトを切替・管理。ボードの中枢機材。 |
KORG DT-10 | KORG | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | チューナー | 初期〜ハチ期のリハ映像で確認。 |
MXR M102 Dynacomp | MXR | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | コンプレッサー | ハチ期に使用。アルペジオの粒立ちを強調。 |
Electro-Harmonix Small Clone | Electro-Harmonix | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | コーラス | ハチ期の足元写真で確認。ビンテージ寄りの揺らぎ感。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【米津玄師・米津玄師(ハチ)】
米津玄師のギターサウンドは、使用機材の組み合わせだけでなく、EQ(イコライザー)やアンプセッティング、さらにはPAやスタジオミックスでの処理によって完成されています。そのため、単に機材を揃えるだけでは完全に再現できず、「音の置き方」や「空間の使い方」に注目する必要があります。
まずアンプの基本セッティングですが、Morgan AC20 Deluxeを中心にしたセッティングは、ゲインを抑えめにし、クリーン〜クランチを維持する傾向があります。Gainは10時前後、Trebleは12時よりやや下げ、Midは12時基準、Bassはやや控えめに調整されることが多いと考えられます。これにより、ボーカルを邪魔せずにコード感を前に出す音が作られます。
次にエフェクターの組み合わせですが、BOSS BD-2やBondi Effects Del Mar Overdriveは軽い歪みを加える程度に設定し、常時ONにするケースが多いと推測されます。その上で、楽曲ごとにリフやソロパートを際立たせたいときに、ピッキングの強弱で歪み量をコントロールするスタイルが米津流です。エフェクターで過度に歪ませるのではなく、アンプのクリーン感を生かしつつニュアンスを出しているのが特徴です。
モジュレーションに関しては、BOSS CE-2WやSmall Cloneでのコーラスを軽めにかけることが多く、Depthを浅めに設定して「うっすら揺らぐ」程度にしています。これにより、アルペジオやバラード曲で独特の立体感を演出。とくに「Fluorite(フローライト)」のようなバラードでは、ES-335のウォームなトーンにコーラスを薄く重ねることで幻想的な音像を作っています。
リバーブについては、Strymon blueSkyを使用し、PlateやRoomモードを中心に、Decayを短め〜中程度、Mixを20〜30%程度に設定していると想定されます。これは、米津の楽曲が持つ広大な空間性を補強しながらも、ボーカルが埋もれないようバランスを取るためです。スタジオミックスではさらにリバーブバスを加え、エンジニアが曲ごとに調整していると考えられます。
ミックス処理では、ギターの中域を意図的に整理し、ボーカル帯域(2kHz前後)が際立つようにEQされています。ギターはローをカットしすぎず、100Hz〜150Hzを軽く残して温かみを保ちながら、3kHz以上は控えめにして耳障りを避ける傾向です。これにより、低域のベースやバスドラムと衝突せず、ボーカルと調和する位置にギターが収まります。
またライブにおいては、サポートギタリストとの音作りの住み分けも重要です。米津本人のギターは「歌を支えるトーン」を優先し、サポート側がより鮮明なクリーンやリードを担うことで、全体のサウンドに立体感を作っています。この役割分担が、バンド編成での米津ライブならではの音像を生んでいます。
総合的に、米津玄師の音作りは「派手な音色加工」ではなく、「楽曲と歌を最優先にしたバランス重視のセッティング」に基づいています。ギターはあくまで世界観を支えるための存在であり、EQやリバーブ、コンプ処理を駆使して「余白のあるサウンド」を作ることが本質である、と想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【米津玄師・米津玄師(ハチ)】
米津玄師のギターサウンドを完全に再現するのは、カスタムショップのジャズマスターやMorgan AC20 Deluxeといったハイエンド機材を揃える必要があり、初心者や一般プレイヤーにとっては現実的ではありません。そこで、ここでは比較的安価(1万円〜10万円以内)で購入でき、米津サウンドに近づけるための代替機材を紹介します。
まずギターについては、ジャズマスター系がやはり最も雰囲気を近づけやすいです。Fender JapanやSquierシリーズのジャズマスターであれば5万円前後から手に入り、特徴的なシングルコイルサウンドと独特のコード感を再現できます。とくに「ピースサイン」などの楽曲では、廉価モデルでも十分に米津らしさを演出可能です。
アンプに関しては、Morgan AC20 Deluxeは高価なため、代わりにVOX AC15C1やFender Blues Juniorなどが適しています。これらはクリーン〜クランチの表現力に優れており、シンプルな操作で米津が得意とするナチュラルな歪みとクリーンを両立できます。特にVOXはMorganと系統が近く、より現実的な選択肢でしょう。
エフェクターでは、BOSS BD-2が最も入手しやすいペダルです。新品で1万円強、さらに中古市場では1万円以内で手に入ることもあり、米津の「軽やかなクランチサウンド」を得る上で必携の一台と言えます。Del Mar Overdriveのようなハイエンドペダルは難しくても、BD-2とアンプの組み合わせで十分に雰囲気が出せます。
コーラスに関しては、米津が使用していたBOSS CE-2Wは2万円前後と比較的手頃です。さらに安価に済ませたい場合は、BOSS CH-1や中古のCE-5なども候補になります。これらでもアルペジオに「揺らぎ感」を加えることで、米津らしい透明感を演出可能です。
リバーブは、Strymon blueSkyに近づけるならBOSS RV-6やElectro-Harmonix Holy Grail Nanoといったペダルがコストパフォーマンスに優れています。ライブや宅録環境で十分な空間感を再現でき、プレートやホール系のサウンドを選ぶだけで雰囲気が出ます。
最後にコンプレッサーについては、MXR Dynacompの廉価版や、BOSS CS-3が入門者向けにおすすめです。粒立ちを揃えるだけで、米津のアルペジオのニュアンスが出しやすくなります。
総じて、米津玄師の音作りを目指すうえで重要なのは「ナチュラルなクリーンと軽い歪み」「広がりのある空間表現」「楽曲を邪魔しないバランス感」です。これらを意識すれば、必ずしも高額機材を揃えなくても、手頃な価格帯で十分に近いサウンドを楽しむことができるでしょう。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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ギター | Squier Classic Vibe Jazzmaster | Squier | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | 5万円前後で入手可能。ピースサイン期のジャズマスターに最も近い廉価モデル。 |
アンプ | VOX AC15C1 | VOX | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | Morgan AC20 Deluxeの代替。クリーン〜クランチの表現に優れる。 |
オーバードライブ | BOSS BD-2 Blues Driver | BOSS | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | 本人実使用。軽い歪みを得られる定番。中古なら1万円以内。 |
コーラス | BOSS CE-2W | BOSS | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | 本人実使用モデルの復刻。アルペジオに揺らぎ感を付与。 |
リバーブ | BOSS RV-6 | BOSS | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | Strymon blueSkyの代替候補。多彩なリバーブタイプを収録。 |
コンプレッサー | BOSS CS-3 Compression Sustainer | BOSS | Amazonで探す | 米津玄師 | 米津玄師(ハチ) | MXR Dynacompの代替。粒立ちを揃えることでクリーンを再現。 |
総括まとめ【米津玄師・米津玄師(ハチ)】

米津玄師(ハチ)のギターサウンドを解き明かしてきましたが、その本質は「派手さよりも楽曲全体を支える透明感と立体感」にあります。彼の音作りは、単に機材を並べるだけではなく、曲の世界観を第一に考え、その中でギターがどう鳴るべきかを突き詰めたものです。結果として、歌を邪魔せず、むしろボーカルの存在感を高めるような音像を作り出しています。
機材面では、Fenderジャズマスター系を軸に、Morgan AC20 Deluxeのナチュラルで伸びやかなトーンを基盤とし、BOSS BD-2やBondi Del Mar Overdriveで軽い歪みを加えています。さらに、BOSS CE-2WやStrymon blueSkyで奥行きを表現し、楽曲ごとに最適化されたセッティングを施していることが確認できました。初期の「ハチ」時代から現在まで一貫しているのは、シンプルながらも「空間を操る」という美学です。
特徴的なのは、ギターが「主役」になる瞬間をあえて減らし、歌と全体の世界観を支える役割に徹している点です。たとえば「ピースサイン」では軽快なクランチで疾走感を演出し、「フローライト」ではセミアコの深みとリバーブで幻想的な響きを出す。このように楽曲の表現に合わせた柔軟なアプローチこそ、米津の音作りの核となっています。
また、ミックスの工夫も重要です。中域を整理してボーカルを際立たせ、ギターは「余白」を生かすセッティングを選ぶ傾向にあります。これにより、聴き手は音数が少なくても「広がりのあるサウンド」に包まれる感覚を得るのです。このアプローチは宅録ギタリストや初心者にとっても大いに参考になる考え方でしょう。
もし読者が米津玄師の音に近づきたいと考えるなら、高価な機材をそのまま揃える必要はありません。重要なのは、ナチュラルなクリーン+軽い歪み+適度な空間系という3本柱を意識し、曲ごとに「ギターがどう鳴るべきか」を見極めることです。その視点さえ持てば、廉価版ジャズマスターやVOX AC15、BOSSの定番ペダルでも十分に米津らしいサウンドを再現できます。
総じて、米津玄師の音作りは「引き算の美学」とも言えるでしょう。音を足すのではなく、余白を残すことで楽曲に奥行きを与え、歌を最大限に引き立てる。そのバランス感覚こそが彼の唯一無二のサウンドを形成しており、ギタリストとして学ぶべき最大のポイントなのです。
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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
ギター
Fender Custom Shop INORAN JAZZMASTER #1 LTD (Black) — MV「ピースサイン」や2019年ツアー『脊椎がオパールになる頃』で使用のメイン。本人SNS/ライブ映像で確認。
Fender Custom Shop 1966 Jazzmaster Charcoal Frost Metallic(Time Machine 2021)— 本人の所有個体として写真付きで掲載。
Gibson ES-335(Wine Red系)— MV「フローライト」で演奏。スチール/記事ともに確認。
Gretsch G6128TCG Duo Jet(Cadillac Green/Dynasonic)— 本人ツイート写真から特定(ハンプブロック & ダイナソニックPU)。
Fender Vintera ’50s Telecaster(Fiesta Red)— 「MAD HEAD LOVE」MVで赤テレ使用の記載。
Fender MIJ Hybrid ’60s Stratocaster(Black/RW)— 本人のスタンド写真・言及あり。
Paul Reed Smith Custom 24 — スタンド写真に掲載。
Fender Telecaster(Black) — 初期〜「サンタマリア」期に使用。
アンプ
Morgan Amplification AC20 Deluxe(Head)+ 1×12 Cab — 2015年『SWEET LOVE SHOWER』出演時に使用(ステージ写真から筐体を同定)。
※参考情報:リハ映像ではOrangeアンプが背面に映るが「本人機材ではない」との注記あり。サポートGt.中島宏士はRoland JC-120を使用(米津本人の機材ではありません)。
エフェクター
BOSS BD-2 Blues Driver — 2018年武道館公演のボードで確認。初期から使用。
Bondi Effects Del Mar Overdrive — 同上ボードで確認。
BOSS CE-2 / CE-2W(Chorus)— ボード実機確認。
Strymon blueSky(Reverb)— ボード実機確認。
Musicom Lab EFX Lite 62M(スイッチャー)— ボード実機確認。
KORG DT-10(Tuner)— 初期〜ハチ期のリハ公開映像で確認。
MXR M102 Dynacomp(Comp)— ハチ期の足元写真で確認。
Electro-Harmonix Small Clone(Chorus)— 同上リハ写真で確認。
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