始めに(特徴紹介)
U2のギタリスト「The Edge(ジ・エッジ)」は、1980年代以降のロック史において最も独創的なサウンド・アーキテクトの一人として知られています。彼のギターは単なる伴奏楽器ではなく、U2の楽曲そのものを象徴する「音の風景」を描き出す存在です。シンプルなリフにディレイを重ね、幾重にも広がる空間系サウンドを構築する手法は、後のポストロックやアンビエント系ギタリストにも大きな影響を与えました。
代表曲「Where The Streets Have No Name」「With or Without You」「Beautiful Day」などでは、ディレイの反復音がメロディとリズムを兼ねるような独特のアプローチを展開しています。The Edgeのギタープレイは、テクニカルな速弾きや複雑なコード進行ではなく、「音の質感」「空間の広がり」「一音一音の説得力」にフォーカスしているのが最大の特徴です。
彼が愛用するVox AC30やKorg SDD-3000ディレイは、その音作りの象徴とも言えます。特に「SDD-3000のプリアンプを活用したトーンメイク」は、多くのファンやギタリストがコピーを試みる重要ポイントです。また、Gibson ExplorerやFender Stratocasterなどのギターは、時期や楽曲ごとに使い分けられ、ライブのたびに進化し続けるサウンドを支えています。
こうしたサウンドメイクの哲学は「少ない音で広がりを作る」というU2のスタイルと一致し、ボノのヴォーカルとアダム&ラリーのリズムを支える核となっています。The Edgeは、単に「ギターを弾く人」ではなく、バンド全体のサウンドデザインを担うクリエイターなのです。
以下では、The Edge(U2)が使用してきたアンプ・ギター・エフェクターを整理し、どのようにしてあの象徴的な音が生まれているのかを詳しく解説していきます。特に初心者が「安価に近づける方法」も最後に紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
使用アンプ一覧と特徴【U2・The Edge】
The Edgeといえば、最も有名なのは「Vox AC30」です。特に1964年製のGrey Panel AC30TBは、U2の初期から現在まで一貫して彼の“心臓部”として使用されてきました。煌びやかでレンジが広く、クリーンからクランチまでスムーズに表現できる特性は、彼のディレイ主体のサウンドに最適です。ライブでは70年代製のAC30や、赤パネル仕様の個体もサブとして用いられており、安定したバックアップ体制を構築しています。
また、スタジオや特定の楽曲ではFender Tweed Deluxe(1957〜59年)を併用しており、こちらは中域に特徴的な太さと暖かさを持つアンプです。「I Still Haven’t Found What I’m Looking For」などでは、AC30だけでは出せないビンテージ感を補っています。さらに1956年製のFender Harvardも一部セッションで確認されており、希少性の高いアンプを積極的に取り入れる柔軟さが伺えます。
近年の特徴としては、シグネチャー・モデルである「Fender The Edge Deluxe(2017)」が追加されました。AC30の煌びやかさとFender特有のクリーントーンを融合した設計で、ライブで実際に使用されていることが確認されています。さらに2008年以降は、Marshall 1987X+Celestionキャビネットを補助的に導入する場面もあり、楽曲によってより力強いロックサウンドを求める場合に活用されています。
そして注目すべきは2023年以降のSphere公演です。従来のアンプではなく、Universal AudioのUAFXシリーズ(Ruby ’63、Dream ’65、Woodrow ’55)を実アンプ代替として導入。さらにFractal Axe-Fxと組み合わせることで、従来のアナログ機材をデジタルに置き換えながらも「エッジらしいサウンド」を再現しています。これは会場規模や最新の音響システムに対応するための進化といえます。
総じてThe Edgeのアンプ選びは「クリーンで空間処理が映えるサウンド」を軸に、楽曲や時代ごとの要求に応じて柔軟に構成されてきました。中でもAC30が核であることは変わらず、そこにFenderやMarshallを補完的に加える形が基本。さらにデジタルアンプやモデリング機材へのシフトも進んでおり、「クラシックとモダンの融合」が現在のスタイルだと想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Vox AC30TB(1964 Grey Panel) | Vox | Amazonで探す | U2 | The Edge | 代表的メイン。ディレイとの相性が抜群。 |
Vox AC30TB(1970s〜74 Red Panel) | Vox | Amazonで探す | U2 | The Edge | 予備アンプ。ライブでのサブ的役割。 |
Fender Tweed Deluxe(1957〜59) | Fender | Amazonで探す | U2 | The Edge | スタジオ使用。太く温かいトーンを補う。 |
Fender Harvard(1956) | Fender | Amazonで探す | U2 | The Edge | 希少アンプ。セッションで使用確認あり。 |
Fender The Edge Deluxe(2017) | Fender | Amazonで探す | U2 | The Edge | 本人シグネチャー。実際にライブで使用。 |
Marshall 1987X 50W+1966 4×12 | Marshall | Amazonで探す | U2 | The Edge | 補助的に使用。力強いロックサウンド用。 |
Universal Audio UAFX Ruby ’63/Dream ’65/Woodrow ’55 | Universal Audio | Amazonで探す | U2 | The Edge | Sphere公演で使用。実アンプ代替として導入。 |
使用ギターの種類と特徴【U2・The Edge】
The Edgeのギターコレクションは非常に多彩であり、時代や楽曲に応じて巧みに使い分けられています。最も象徴的なのは、デビュー初期から愛用している「Gibson Explorer(1976 Natural)」です。独特なエッジ感のあるカッティングやリフは、このギターから放たれる硬質なトーンが大きな要因となっています。「I Will Follow」や「Out of Control」といった初期U2の代表曲では欠かせない存在です。
90年代以降になると、彼のギターはさらにバリエーションを増します。Fender StratocasterやTelecasterは、ディレイやモジュレーションを多用する彼のスタイルにフィットし、クリアで抜けの良い音を提供します。特に「Fender The Edge Stratocaster」は本人のシグネチャーモデルで、黒ボディにメイプルネックを備えた個体がライブでも頻繁に登場します。加えて、1971年製Telecasterなど複数のテレキャスターも併用し、楽曲ごとに質感を変えています。
セミアコやフルアコも重要な役割を果たしています。Epiphone Casino(1964/1962)やRickenbacker 330/12、325などは、特にアルペジオ主体の楽曲で広がりを強調する際に使用されました。Rickenbackerの12弦は「Pride (In the Name of Love)」などで特徴的な煌びやかさを加えています。また、GretschのChet Atkins Country GentlemanやFalconも用いられ、アコースティック的な響きをバンドサウンドに組み込んでいます。
アコースティックギターも豊富で、Takamine EF341SCやGibson J-45、SJ-200、Martin D12-28などがセットリストやMTV Unplugged形式の演奏で使われてきました。特にTakamineはライブで安定したエレアコサウンドを提供する実戦的な一本で、長年愛用されています。さらにMOOG MG-001 Sustain Guitarなど特殊なギターも導入され、実験的な音色づくりにも挑戦しています。
総じてThe Edgeのギターは「多彩なサウンドパレット」を構築するための手段であり、各ギターが持つ個性を最大限に活かすことで、U2の楽曲に独自の奥行きを与えています。Gibson Explorerが核であることは間違いないものの、時代やライブ環境に合わせて多様なギターを使い分けている点が最大の特徴だと想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Gibson Explorer(1976 Natural) | Gibson | Amazonで探す | U2 | The Edge | エレキ | 初期の代表的メイン。硬質なリフの核。 |
Fender The Edge Stratocaster | Fender | Amazonで探す | U2 | The Edge | エレキ | 本人シグネチャー。ライブでも使用頻度高。 |
Fender Telecaster(1971 Maple指板) | Fender | Amazonで探す | U2 | The Edge | エレキ | クリアで抜ける音色。楽曲ごとに使い分け。 |
Epiphone Casino(1964/1962) | Epiphone | Amazonで探す | U2 | The Edge | セミアコ | アルペジオや広がりのある曲で使用。 |
Rickenbacker 330/12(1967 12弦) | Rickenbacker | Amazonで探す | U2 | The Edge | 12弦エレキ | 煌びやかで立体的なコード感を演出。 |
Takamine EF341SC | Takamine | Amazonで探す | U2 | The Edge | エレアコ | ライブで安定。本人の定番アコースティック。 |
Gibson SJ-200(2008 Sunburstほか) | Gibson | Amazonで探す | U2 | The Edge | アコギ | 豪華で広がりのある低音域を持つ。 |
MOOG MG-001 Sustain Guitar(2009) | MOOG | Amazonで探す | U2 | The Edge | エレキ(特殊) | 持続音を作り出す実験的モデル。 |
使用エフェクターとボード構成【U2・The Edge】
The Edgeの音作りにおいて最も重要なのは「エフェクターの組み合わせ」です。特にディレイを駆使した独自のプレイスタイルは、世界中のギタリストに強い影響を与えてきました。その中心にあるのが「Korg SDD-3000 デジタルディレイ」。彼は3台のSDD-3000を異なる入力減衰設定で運用し、プリampのブースト機能も積極的に利用することで、立体的で奥行きのある音像を作り出しています。これは「Where The Streets Have No Name」などで顕著に聴くことができます。
さらに「TC Electronic 2290」も彼のサウンドの中核を担うディレイです。複数台を使い分けることで、曲ごとに異なるテンポやフィードバックを瞬時に切り替えられるよう設計されています。また「Eventide H3000 Harmonizer」はピッチシフトやモジュレーションで空間を彩り、80年代U2サウンドの特徴である幻想的な響きを作っています。
その他にも「AMS SDMX」や「Lexicon PCM70/80」などラックエフェクターを駆使し、リバーブやモジュレーションを加えることで「空間芸術」ともいえるトーンを実現しました。90年代以降は「Korg A3」や「Line 6 POD Pro」などのマルチエフェクターも導入し、デジタルの利便性を取り入れつつも、アナログ的な厚みを失わない工夫を続けています。
足元のペダル類も非常に多彩です。BOSS CS-2/CS-3コンプレッサーやSD-1オーバードライブを複数用い、微妙なゲイン調整を行うほか、Whammy WH-1でピッチシフトを大胆に活用する場面もあります。Electro-Harmonix POGやB9によるオルガンサウンド、Death By Audio系ペダルによるノイズ〜ファズサウンドなど、実験的な導入も多く見られます。さらにSkrydstrupやCAEのスイッチングシステムによって複雑なラックとペダルをシームレスにコントロールしている点も特徴です。
総じてThe Edgeのエフェクトシステムは「ディレイを中心に構築された多層的な空間処理」と「必要に応じた歪み・モジュレーションの補完」で成り立っています。単なる機材の集合ではなく、音楽的アイデアを最大限に活かすための設計思想が込められており、これがU2サウンドの唯一無二性を支えていると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Korg SDD-3000 | Korg | Amazonで探す | U2 | The Edge | ディレイ | 3台使用。プリampブーストがトーンの核。 |
TC Electronic 2290 | TC Electronic | Amazonで探す | U2 | The Edge | ディレイ | 複数台導入。楽曲ごとにテンポ切替。 |
Eventide H3000 Harmonizer | Eventide | Amazonで探す | U2 | The Edge | モジュレーション系 | ピッチシフトと空間処理で立体感を付与。 |
BOSS CS-3 Compression Sustainer | BOSS | Amazonで探す | U2 | The Edge | コンプレッサー | クリーンの粒立ちを強調。初期から常用。 |
BOSS SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで探す | U2 | The Edge | オーバードライブ | 3台運用。軽い歪みを段階的に加える。 |
DigiTech Whammy WH-1 | DigiTech | Amazonで探す | U2 | The Edge | ピッチシフター | 大胆な音程変化で独特のフレーズを演出。 |
Electro-Harmonix POG | Electro-Harmonix | Amazonで探す | U2 | The Edge | オクターブ | オルガン的サウンドを再現。実験的に活用。 |
Skrydstrup SC1 Controller | Skrydstrup | Amazonで探す | U2 | The Edge | スイッチングシステム | 複雑なラック/ペダルを統合的に管理。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【U2・The Edge】
The Edgeの音作りは、単なる「機材の組み合わせ」ではなく、スタジオやライブの現場における緻密なセッティングの積み重ねによって成立しています。特にディレイとEQの使い方は、彼のトーンを特徴づける最大のポイントです。ギターそのものの音は極めてクリーンに保ちながら、ディレイのフィードバックとEQを組み合わせて「広がり」「奥行き」「リズム性」をコントロールしています。
代表曲「Where The Streets Have No Name」では、Korg SDD-3000のディレイタイムを曲のテンポに同期させ、8分音符の繰り返しを軸にセッティングしています。この際、アンプ(Vox AC30)はクリーン〜クランチの境目に設定され、軽いコンプレッションが効いたサウンドが空間で溶け合うようにEQ調整されています。中域は軽くカットし、高域を際立たせることで、アルペジオがバンド全体の中でも明瞭に響くようになっています。
「With or Without You」では、深いリバーブとサステインを強調し、ベースとヴォーカルの隙間を埋めるようなセッティングが特徴です。エフェクターの段階で高域をわずかに抑え、中低域を厚く残すことで、包み込むような響きを形成しています。ライブではアンプのTrebleを12時〜1時付近、Bassを10時程度に抑え、Midをやや強調する形で調整するケースが多いと伝えられています。
近年のツアーではデジタルアンプモデリングを導入し、Universal Audio UAFXやFractal Axe-Fxを組み合わせることで、従来のアナログアンプを置き換えつつも同等以上のサウンドを再現しています。ここで重要なのは、単にプリセットを使うのではなく、SDD-3000や2290のような「実機特有の入力ゲイン特性」まで細かく再現している点です。こうしたアプローチによって、The Edgeの「粒立ちのあるクリーン」と「リズミカルなディレイ」の融合が維持されています。
EQ処理においては、エンジニア側の工夫も欠かせません。ライブではPAチームがギターの300Hz付近を軽くカットし、2〜4kHzをブーストすることで、空間に埋もれずに前に出るサウンドを作ります。スタジオ録音では、マイクをAC30のスピーカーに対してオフ軸で立てる手法が多く、これにより角の取れた自然なハイを収録しています。さらにリバーブはLexicon PCMシリーズを活用し、楽曲のスケール感に応じてHallやPlateを切り替えています。
The Edgeの音作りにおけるもう一つの特徴は「ミックスの余白」を重視していることです。例えば「Beautiful Day」では、ディレイを左右に振り分け、クリーンのドライ信号をセンターに配置。結果として「一人で弾いているのに複数人で演奏しているかのような立体感」を生み出しています。このように、単に機材の設定に留まらず、バンド全体のサウンドを見据えたミックスが常に行われているのです。
まとめると、The EdgeのセッティングとEQは「ギター=主役ではなく空間をデザインする存在」という哲学に基づいています。ギターを際立たせすぎず、ボノのヴォーカルやリズム隊と調和するよう設計されている点が最大の特徴です。彼の音作りは、アンプのゲイン設定、ディレイタイムのシンクロ、EQの微調整、ミックス段階での空間処理までを含めた総合的なデザインであり、その一つひとつの工夫がU2のサウンドを支えていると想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【U2・The Edge】
The Edgeのサウンドを完全に再現するのは、膨大なラックシステムやヴィンテージ機材の存在から非常に難しいのが現実です。しかし、現在では手に取りやすい価格帯(1万円〜5万円前後)のエフェクターやマルチエフェクターを活用することで、初心者でもかなり近い雰囲気を作り出すことが可能です。ポイントは「クリーントーンを基盤にした上で、ディレイを駆使しリズミカルな空間を構築すること」にあります。
まず外せないのがディレイです。The Edgeが愛用してきたKorg SDD-3000やTC2290は高価で入手困難ですが、BOSS「DD-8」や「DD-200」といったコンパクトディレイを使えば、テンポシンク機能を活かして彼の8分ディレイ奏法を再現できます。さらにライン6「DL4 MkII」は多彩なプリセットを保存できるため、ライブでも瞬時に切り替えが可能で、エッジ的な使い方に適しています。
ブーストや軽い歪みについては、BOSS「SD-1 Super OverDrive」や「BD-2 Blues Driver」がオススメです。The Edgeが実際にSD-1を複数台使用していたことからもわかるように、クリーン〜クランチの境界線を作る上で非常に有効です。また、クリーンブースト用途としては「Xotic EP Booster」や「TC Electronic Spark Booster」も比較的安価で導入可能です。
アンプについては、Vox AC30は本格的に導入すると高額ですが、安価に狙うなら「Vox Pathfinder 10」「Vox AC10C1」などが選択肢となります。これらはミニサイズながらもAC30的な煌びやかさを持ち、ディレイやリバーブを組み合わせることで十分エッジ的なサウンドを感じられます。自宅練習にも適したサイズ感で、コストパフォーマンスが高いです。
さらに初心者にとって強力な味方がマルチエフェクターです。Line 6「HX Stomp」やBOSS「GT-1000CORE」は、ディレイ、リバーブ、EQを細かく設定でき、U2の代表曲に合わせたプリセットを自作することが可能です。特にHX StompにはSDD-3000を再現したモデリングが搭載されており、手軽に「The Edge的」な音を得られる点は見逃せません。
総じて「クリーントーン+リズミカルなディレイ+軽いブースト」という三要素を揃えれば、The Edgeのサウンドにかなり近づけることができます。プロ仕様のラックシステムを再現するのではなく、エッセンスを安価な機材で抽出することがポイントです。以下に代表的な入門向けの代替機材を一覧にしました。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディレイ | BOSS DD-8 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | U2 | The Edge | テンポシンク可能。SDD-3000の代替的役割。 |
ディレイ | Line 6 DL4 MkII | Line 6 | Amazonで探す | U2 | The Edge | 多彩なプリセット保存。ライブで実用的。 |
オーバードライブ | BOSS SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで探す | U2 | The Edge | 本人実使用。クリーン〜クランチの境界線を作る。 |
ブースター | Xotic EP Booster | Xotic | Amazonで探す | U2 | The Edge | クリーンブーストに最適。空間系と好相性。 |
アンプ | Vox AC10C1 | Vox | Amazonで探す | U2 | The Edge | AC30の縮小版。自宅用にも最適で価格も安価。 |
マルチエフェクター | Line 6 HX Stomp | Line 6 | Amazonで探す | U2 | The Edge | SDD-3000モデリング搭載。総合的に近い音作り可能。 |
マルチエフェクター | BOSS GT-1000CORE | BOSS | Amazonで探す | U2 | The Edge | ディレイ、EQ、リバーブが高品質。持ち運び便利。 |
総括まとめ【U2・The Edge】

The Edge(ジ・エッジ)の音作りを振り返ると、その本質は「ギター単体の音を鳴らす」のではなく「バンド全体のサウンド空間をデザインする」点にあります。彼はテクニカルな速弾きや複雑なコード進行で勝負するのではなく、ディレイやEQを活用して「少ない音を無限に広げる」というアプローチを徹底してきました。その哲学がU2のサウンドアイデンティティを形作り、唯一無二の存在感を確立しています。
初期U2を支えたGibson ExplorerやVox AC30は、現在でも彼の核となる存在です。一方で、年代が進むごとにFender StratocasterやTelecaster、Rickenbackerの12弦、さらにはGretschやEpiphone Casinoといった幅広いギターを使い分け、楽曲の世界観に応じて音のパレットを増やしていきました。同時にラックエフェクター、BOSSペダル群、最新のデジタルモデリングを積極的に取り入れる柔軟さも持ち合わせています。
音作りの手法として注目すべきは「テンポシンクされたディレイ」と「空間を意識したEQ処理」です。8分ディレイを軸に、リズムとメロディを同時に成立させる奏法はThe Edgeの代名詞ともいえます。さらにライブやレコーディングでは、エンジニアが中低域を整理し、高域を適度に強調することで、ボノのヴォーカルとリズム隊の隙間を埋めながらも前に出るギターサウンドを実現しています。
また、The Edgeの進化は止まりません。2023年以降のSphere公演では従来のAC30に代わり、Universal Audio UAFXやFractal Axe-Fxを駆使して従来のサウンドをデジタルで再現する新たな挑戦を行いました。これは単なる利便性の追求ではなく「最新の技術を用いてもなお自分のサウンドを維持する」という哲学の延長にあります。
総じて、The Edgeの音作りを再現したいギタリストにとって大切なのは、機材をそっくり真似ることよりも「空間をどうデザインするか」という視点を持つことです。ディレイを活かしたリズム感、クリーンをベースにした透明感、EQによる隙間作り。この3つを意識すれば、たとえ安価な機材を用いてもU2的な響きに近づけるはずです。
The Edgeは単なるギタリストを超えた「音の建築家」であり、その発想力と機材運用の巧みさは今後も多くのプレイヤーにインスピレーションを与え続けるでしょう。U2の音楽を愛する人々にとって、その音作りの秘密を学ぶことは、自身のプレイに新しい視点をもたらす貴重な体験になるといえます。
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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸 ギター
• Gibson Explorer(1976 Natural)— 代表的メイン。
• Fender The Edge Stratocaster(シグネチャー)— 黒/メイプル。
• Fender Telecaster(1971)— メイプル指板。
• Gibson Les Paul ’57 Reissue Goldtop(1988)— リイシュー個体。
• Gibson SG(1966)— ライブ使用。
• Gibson “Music Rising” Les Paul(2005 / 2006)— チャリティ個体。
• Epiphone Casino(1964/一部個体はBigsby付き)— セミアコ。
• Epiphone Casino(1962 Sunburst)— 62年個体もツアー帯同。
• Rickenbacker 330/12(1967 12弦)— 12弦リッケン。
• Rickenbacker 330/12(1966 Fireglo/1967 Maple 複数本)— 12弦を曲ごとに使い分け。
• Rickenbacker 325(1968 Black)— 6弦ショートスケール。
• Gretsch Chet Atkins Country Gentleman(1963・1968 Walnut/2009 Fishman Piezo付)— 複数年式。
• Gretsch 6101 Country Club(1959 Sunburst)— フルアコ。
• Fender Stratocaster(1968 Tobacco/Rosewood)— 60s後期個体。
• Fender Stratocaster(1973/1974/1976 Black/Maple)— “Streets”期の黒ストラト含む。
• Fender Telecaster(1974 Black/Maple、1975 Blonde/Rosewood、1975 Brown Custom、1966 & 1969 Cream/Maple)— 年式違い多数。
• Gibson Les Paul Custom(1973 Cream)/Replica(2008 Cream)— ツアー用。
• Gibson SG Les Paul Standard(1965 Pelham Blue/1966 Cherry)— SG期の主力。
• Fernandes Native Sustain(2003)/Retro Rocket Sustain(2009)— サスティナー系。
• Line 6 Variax(2005 Red/Black)— モデリングギター。
• Gretsch G6136 Falcon(2009 Black/Fishman Piezo)— エレアコ化仕様。
• Fender AV ’52 Telecaster(2009 Sunburst/Piezo付)— ピエゾ搭載個体。
• Taylor プロトタイプ(Sunrise S-1×2搭載)— アコースティック用プロト。
• Takamine EF341SC — エレアコ。
• Gibson SJ-200(2008 Sunburst/2008 Blonde/2006 “Pete Townshend” Blonde)— アコギ各種。
• Gibson J-45(2005 Sunburst)— アコギ。
• Martin D12-28(1972/2009 Natural)— 12弦アコ。
• Epiphone Texan(1966 Sunburst/A/E)— アコ/エレアコ仕様。
• Fender Telecaster(1994 Arctic White/Japan)— 日本製個体。
• MOOG MG-001 Sustain Guitar(2009 Tobacco Sunburst)— サステイン機構。
🔊 アンプ
• Vox AC30TB(1964 Grey Panel)— 「心臓部」。
• Vox AC30TB(1970s Grey/1972 Grey/1974 Red Panel[オフステージ])— 予備含む。
• Vox AC30TB(2015 Handwired ×2/2016 Clarke Mod ×2)— Dave Clarke製作・改造個体。
• Fender Tweed Deluxe(1957/1958/1959)— 複数年式。
• Fender Harvard(1956)— レアなミッド50s。
• Fender The Edge Deluxe(2017 シグネチャー・コンボ)— ステージ使用。
• Marshall 1987X 50W(2008 ヘッド)+1966 4×12(Celestion)— オフステージ補助。
• (2023 Sphere公演)Universal Audio UAFX Ruby ’63/Dream ’65/Woodrow ’55 を“実アンプの代替”として使用+Fractal Axe-Fxで追加モデリング&FX。
🎛️ エフェクター/ラック
• Korg SDD-3000 デジタルディレイ(ラック)— 3台を入力減衰設定違いで運用(プリampのブーストを活用)。
• TC Electronic 2290 ディレイ(複数台 A–D)— 主力デジタル遅延。
• Eventide H3000 Harmonizer — ピッチ/モジュレーション。
• AMS SDMX(DMX)デジタルディレイ(A/B)— 80s系ラック。
• Lexicon PCM70/PCM80 — ホール/モジュレーション系。
• Korg A3 マルチFX(複数)— 90s名機。
• Line 6 DM4(カスタムラック×2)/Line 6 POD Pro(A/B)— 歪み&モデリング。
• DigiTech Whammy WH-1 — ピッチシフター。
• BOSS FA-1 FETアンプ、CS-2/CS-3 コンプレッサー、OC-3 オクターブ、SD-1 ×3、NS-2、GE-7、FV-500(エクスプレッション)— 定番ボス群。
• Durham Electronics Sex Drive — クリーンブースト。
• sobbat Drive Breaker DB-2、JHS Crayon — オーバードライブ。
• Electro-Harmonix POG/B9 — オルガン系。
• Death By Audio(Harmonic Transformer/Fuzz Gun/Soundwave Breakdown)— ノイズ〜ファズ。
• Diamond Vibrato VIB1 — ビブラート。
• Electrix Filter Factory — フィルター。
• Skrydstrup(SC1コントローラ/MR9ループ、Bufferooster)/Rocktron Bradshaw DVC、CAE Remote Wah/Dual Stereo Mixer/AMS Interface/Amp Selector/Patch Point — 大規模スイッチング&ルーティング。
• Peterson V-SAM/Korg Pitchblack Rack(チューナー)— 管理用。
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