始めに(特徴紹介)
アンディ・サマーズ(Andy Summers)は、The Police(ザ・ポリス)の独特なサウンドを支えたギタリストです。彼のギターは単なる伴奏を超え、スティングのボーカルとスチュワート・コープランドのリズムに対し、空間を広げるような浮遊感を与える役割を担っていました。
特に「Walking on the Moon」や「Message in a Bottle」、「Every Breath You Take」といった代表曲では、コーラスやフランジャーを駆使した煌びやかなクリーントーンが印象的で、レゲエやジャズの要素をロックに融合させた独自のプレイスタイルが光ります。カッティングのキレ、コードの分数構成音の活用、空間系エフェクトを重ねたサウンドは、80年代の音楽シーンに強烈な存在感を残しました。
また、彼のサウンドの大きな特徴は「音数を減らし、余白で語る」というアプローチにあります。過度な歪みを避け、空間を支配するようなクリーントーンを基盤とし、ギター・シンセやラック機材まで取り入れる柔軟さがThe Policeの世界観を広げていきました。まさにアンディ・サマーズの音作りは、ミニマルかつ大胆、そして時に実験的だったのです。
以下では、そんなアンディ・サマーズの音作りの秘密を「アンプ」「ギター」「エフェクター」「EQ・セッティング」など多角的に掘り下げ、読者が自身の演奏で再現できるように解説していきます。
使用アンプ一覧と特徴【The Police・Andy Summers】
アンディ・サマーズの音作りにおいて、アンプ選びは非常に重要な要素でした。彼はクリーンで立体的なサウンドを軸にしていたため、フェンダー系アンプを中心に使用しつつ、ライブではマーシャルの迫力も取り入れ、時代や楽曲によって複数のアンプを組み合わせています。
初期のThe Police期(1978〜1980年頃)には、Fender Twin Reverb(ブラックフェイス期)がメインでした。このアンプはきらびやかで抜けの良いクリーントーンが特徴で、「Roxanne」や「Message in a Bottle」などの初期曲におけるクリスピーなカッティングサウンドを支えています。ジャズやフュージョンに通じる彼のバックグラウンドとも親和性が高く、コンプレッサーやフランジャーとの相性も抜群でした。
ライブが大規模化するにつれて、Marshall 100Wヘッド+4×12キャビが導入されました。Super Lead系やSuper Bass系とされるヘッドが中心で、これによりステージ上での音圧を確保しています。コーラスやディレイを通したクリーンでも芯を残すことができ、ポリス特有の「空間を切り裂く」音像を作るのに適していました。
また、Roland JC-120も重要な役割を果たしました。トランジスタならではの透明感のあるクリーントーンと内蔵コーラスが「Walking on the Moon」などの浮遊感を演出する場面で活躍しました。さらにスタジオではMusic Man 212-HD 130やMesa/Boogie Mark IICといったアンプも記録されており、特に「Synchronicity」期にはMesa/Boogieを2台並べて使った例も確認されています。
ラックシステムとしては、Alembic F-2BプリアンプやRoland SIP-300/SPA-240などを導入し、よりモジュラー的にサウンドを組み上げる実験的な試みも行われました。2007〜08年の再結成ツアーでは、Custom Audio Electronics(CAE)アンプと複数の2×12キャビを組み合わせたシステムを導入し、現代的な安定感を追求しています。
このように、時代ごとにアンプの選択肢は変わっていきましたが、常に「クリーンを主体とした空間的で立体感のある音」を求めており、アンディ・サマーズのアンプ選びは「透明感」と「ライブでの音圧」を両立するための工夫に満ちていたといえます。以上が、彼の使用アンプの実像と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Fender Twin Reverb(’65 ブラックフェイス) | Fender | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | 初期ポリス期の代表的クリーンアンプ。煌びやかで抜けの良いトーン。 |
Marshall 100Wヘッド+4×12キャビ | Marshall | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | Super Lead/Super Bass系。ライブでの音圧確保に使用。 |
Roland JC-120 | Roland | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | 内蔵コーラスで代表曲「Walking on the Moon」に貢献。 |
Music Man 212-HD 130 | Music Man | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | スタジオ使用の記録あり。クリーンとヘッドルームに優れる。 |
Mesa/Boogie Mark IIC | Mesa/Boogie | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | 「Synchronicity」期に2台並べて使用。中域の太さを補強。 |
Alembic F-2B(プリアンプ) | Alembic | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | ラック構成で使用。フェンダー系トーンを再現するプリアンプ。 |
CAE アンプ+2×12キャビ | Custom Audio Electronics | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | 2007–08再結成ツアーで使用。現代的で安定したシステム。 |
使用ギターの種類と特徴【The Police・Andy Summers】
アンディ・サマーズのサウンドの核心は、彼が愛用したギターにあります。中でも伝説的な存在となっているのが、1961/63 Fender Telecaster Customです。このギターはネックにGibson PAFハムバッカーを搭載し、内蔵プリアンプや位相切替スイッチ、真鍮製ブリッジなどが施された改造機で、一般的なテレキャスターとはまったく異なる個性を放っています。年式については「’61説」と「’63説」が併存しており、詳細は定かではありませんが、いずれにせよこのテレキャスターこそが「Every Breath You Take」や「Message in a Bottle」など、代表曲のクリーン・トーンを支えたメインギターです。
また、初期ツアーではFender Stratocaster ’61が使用され、フェンダーらしいきらびやかな高音域を活かしたプレイが確認されています。さらに1980年代にはRoland G-303ギター+GR-300ギターシンセを導入し、「Don’t Stand So Close to Me」などでシンセライクな響きを生み出しました。この実験的な取り組みは、彼が常にギターの可能性を拡張しようとする姿勢を示しています。
他にも、Guitarman カスタム12弦を「Synchronicity I」で使用し、アルペジオに独特の厚みを加えています。また、ジャズ的なフレーズを弾く際にはGibson ES-175やES-335を手にしており、彼の多彩な音楽性が反映されています。さらに、Gibson Les Paul(1957年製)やFender Esquire、さらには所持写真で確認されるFender Jaguarも含め、広範なギターをコレクションとして活用していました。
アンディのギター選びの特徴は「楽曲に合わせた音の色付け」を常に意識している点です。ライブではテレキャスターをメインに据えつつも、楽曲やアレンジに応じてサブギターを持ち替える柔軟性を発揮しました。結果として、The Policeの音楽におけるギターは「単なる伴奏」ではなく、「楽曲全体の色彩を変える筆」のような役割を果たしています。これらがアンディ・サマーズのギターの特徴と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1961/63 Fender Telecaster Custom(改造機) | Fender | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | エレキギター | PAF搭載、内蔵プリアンプ、真鍮ブリッジ等の改造。代表曲で使用。 |
Fender Stratocaster ’61 | Fender | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | エレキギター | 初期ツアーで使用。煌びやかなクリーン。 |
Roland G-303+GR-300 | Roland | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | ギターシンセサイザー | 1980〜84年のツアーで使用。シンセ的サウンドを実現。 |
Guitarman カスタム12弦 | Guitarman | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | 12弦ギター | 「Synchronicity I」で使用。 |
Gibson ES-335 | Gibson | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | セミアコースティックギター | ジャズ・フュージョン的アプローチで使用。 |
Gibson ES-175 | Gibson | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | フルアコースティックギター | ジャズフレーズで活用。 |
Gibson Les Paul(1957年製) | Gibson | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | エレキギター | 所持個体。ロック色の強い音作りに使用。 |
Fender Esquire | Fender | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | エレキギター | 所持・使用写真あり。 |
Fender Jaguar | Fender | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | エレキギター | 所持写真で確認。使用頻度は限定的。 |
使用エフェクターとボード構成【The Police・Andy Summers】
アンディ・サマーズの音作りを語るうえで欠かせないのが、エフェクターの使いこなしです。彼のトーンは「クリーンを基盤に空間系で彩る」という独自の哲学に基づいており、ペダルボードからラック機材まで多様なツールを導入していました。特に70年代後半から80年代前半にかけては、Pete Cornishによるカスタムボードが中核を担っており、そこにはMXRやElectro-Harmonixを中心とした名機が組み込まれていました。
代表的なのは、MXR Dyna Comp(コンプレッサー)、Phase 90(フェイザー)、Distortion+(ディストーション)、Analog Delay(ディレイ)といった定番ラインナップです。これらはクリーントーンに厚みや揺らぎを加え、特に「Message in a Bottle」のアルペジオや「Walking on the Moon」の空間的カッティングに大きく寄与しました。
さらに、Electro-Harmonix Electric Mistress(フランジャー)は、アンディ・サマーズの代名詞ともいえる揺らぎを生み出しました。このエフェクトこそが彼の音を唯一無二の存在へと押し上げ、「Every Breath You Take」における幻想的な響きや「Bring on the Night」での空間感に直結しています。また、Mu-Tron III(エンベロープフィルター)によって、ファンクやレゲエ調のニュアンスも強調されました。
ディレイ系としては、Maestro Echoplex EP-2をテープエコーとして使用し、Dyna CompやMistressとの組み合わせで「Walking on the Moon」の浮遊感を形成。また、スタジオではRoland SDD-320 Dimension Dを導入し、空間的に広がるステレオ・コーラスを実現しました。ライブではこれをマーシャルアンプと組み合わせて、立体的なサウンドを再現しています。
1980年代半ば以降はラック機材の導入が進み、Roland SRE-555 Chorus EchoやFV-2、さらにはDeArmond 610 Volume Pedalといった足回り機材も追加されました。また、ギター・シンセサイザーのRoland GR-300を導入することで、従来のギターの枠を超えた音色を取り入れ、「Don’t Stand So Close to Me」などでシンセ的サウンドを再現しました。
2007〜08年の再結成ツアーでは、Bob Bradshaw/CAEスイッチングシステムを採用し、Moogerfooger Analog Delay、Boss Loop Station、Lexicon PCM-70、さらにはEventide H3000 Ultra-HarmonizerやDyno-My-Piano Tri-Stereo Chorusを組み合わせた現代的なセットアップが確認されています。これにより往年のポリスサウンドをライブで再現することが可能となりました。
このように、アンディ・サマーズのエフェクターボードは時代ごとに進化し、ペダルからラック、そしてデジタル機材まで多岐にわたる構成となっていました。いずれも「クリーン主体のサウンドに空間的揺らぎを与える」という一貫した哲学のもとで選ばれていたと想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
MXR Dyna Comp | MXR | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | コンプレッサー | 初期Cornishボードに搭載。アルペジオを際立たせる。 |
MXR Phase 90 | MXR | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | フェイザー | カッティングに揺らぎを加える。70年代末期に使用。 |
MXR Distortion+ | MXR | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | ディストーション | 軽い歪みを補うために使用。ソロやブレイク部分で活用。 |
Electro-Harmonix Electric Mistress | Electro-Harmonix | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | フランジャー | 代表的トーンの核。幻想的な揺れを作る。 |
Mu-Tron III | Musitronics | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | オートワウ・エンベロープフィルター | ファンクやレゲエ的ニュアンスを表現。 |
Maestro Echoplex EP-2 | Maestro | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | エコー | 「Walking on the Moon」で使用。空間感を形成。 |
Roland SDD-320 Dimension D | Roland | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | コーラス | スタジオで多用。ステレオ的な広がりを演出。 |
Roland GR-300 | Roland | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | ギターシンセサイザー | シンセライクな響きを楽曲に導入。 |
Eventide H3000 Ultra-Harmonizer | Eventide | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | ピッチシフター | 再結成ツアーで導入。空間処理に使用。 |
Bob Bradshaw/CAE スイッチングシステム | Custom Audio Electronics | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | スイッチングシステム | 2007〜08ツアーで使用。複雑なラックをコントロール。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【The Police・Andy Summers】
アンディ・サマーズの音作りは、単なる機材の選択にとどまらず、EQやミックスでの緻密な調整に支えられていました。彼のギターサウンドは「透明感のあるクリーン」に「揺らぎと奥行き」を重ねることで成立しており、そのアプローチはライブとスタジオの両方で徹底されています。
アンプEQの基本
Fender Twin Reverbなどフェンダー系アンプを使う場合、トレブルは5〜6程度に設定し、ブライトスイッチをオンにすることで煌びやかな高域を確保していました。ミドルは比較的控えめ(4前後)、ベースは3程度と浅めに抑えることで、コードの分数構成音を弾いたときに音が濁らないよう配慮されています。Marshallを使う際も、ゲインは抑え、クリーン〜クランチにとどめるセッティングが多く、歪みではなくエフェクトで空間感を足すスタイルが基本でした。
コンプレッサーとダイナミクス
MXR Dyna Compは常時オンに近い運用で、音量の粒立ちを整えています。特に「Message in a Bottle」のアルペジオでは、各弦のバランスを均一化することで浮遊感のあるコードワークが際立ちます。サマーズのプレイはコードに開放弦を混ぜることが多いため、コンプで音量を整えることが重要でした。
コーラス/フランジャーの設定
Electric Mistress(フランジャー)のDepthは中程度(12時付近)、Rateは比較的遅めに設定し、空間を漂うようなトーンを獲得。Roland Dimension D(スタジオ)ではPreset 2〜3を多用し、自然なステレオ感を付与していました。これにより「Walking on the Moon」などで広大な音場が再現されています。
ディレイとエコーの工夫
Maestro Echoplex EP-2ではショートディレイ(250〜350ms程度)を設定し、リピートを1〜2回に抑えて音を濁らせない使い方をしています。特に「Walking on the Moon」では、Dyna Compと組み合わせてエコー感を強調しながらも、コードの明瞭さを維持しています。ライブ時にはラックのRoland SRE-555 Chorus Echoを併用し、テープエコーの揺らぎを再現していました。
ミックスでの定位と処理
The Policeの楽曲におけるギターは、しばしばステレオの片側に大きくパンされることが特徴です。ベース(スティング)とドラム(コープランド)のタイトなリズムを中心に据え、その周囲にサマーズのギターを「広がり」として配置するのが定石でした。また、エンジニアはリバーブを深くかけず、コーラスやフランジャーの揺れをそのまま生かすことで、80年代らしいクリアで抜けるミックスを実現しています。
曲ごとの使い分け
・「Message in a Bottle」:テレキャスター+Dyna Comp+Mistress。アルペジオに透明感をプラス。
・「Walking on the Moon」:コンプ+フランジャー+Echoplex。ディレイの残響で浮遊感を演出。
・「Every Breath You Take」:テレキャスターの改造機をクリーン直結に近い形で使用し、コーラスで空気感を補完。最小限のエフェクトで透明感を極限まで高めた例。
・「Don’t Stand So Close to Me」:Roland GR-300によるシンセ的な響き。従来のギターでは不可能な質感を導入。
PA/エンジニア視点での工夫
サマーズのサウンドは、PA現場では中高域を強調しつつも耳障りにならないようにEQカットを施し、ローエンドをタイトにする処理が多く行われました。また、ギターの定位をドライ寄りに保ち、リバーブよりもコーラス成分で空間を作る点が特徴的です。これにより、3ピース編成のThe Policeにおいて、ギターが「リズムを邪魔せず空間を満たす」役割を担うことができました。
このように、アンディ・サマーズのセッティングは機材だけでなく、EQバランスやミックス全体の設計まで含めたトータルなアプローチによって成立していたと想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【The Police・Andy Summers】
アンディ・サマーズの音作りは、ビンテージのテレキャスターやラック機材など高額かつ希少な機材が多く、すべてを再現するのは容易ではありません。しかし、現代の市販製品をうまく組み合わせれば、比較的安価に彼のサウンドへ近づけることが可能です。ここでは、1〜5万円程度で購入できる製品を中心に紹介します。
まず、クリーントーンの再現には、Roland JC-22やBOSS Katanaシリーズのような手軽なトランジスタアンプが有効です。JC-22はサマーズが使用したJC-120の小型版で、内蔵コーラスの質感が非常に近く、家庭練習から小規模ライブまで活用できます。Katanaは豊富なエフェクトを内蔵しており、ディレイやフランジャーを簡単に組み込める点で便利です。
次に、エフェクターでは、BOSS CE-2W(Waza Craftシリーズ)がElectro-Harmonix Electric Mistressの代替としておすすめです。自然で奥行きのあるコーラス効果は「Every Breath You Take」のような浮遊感を再現可能です。さらに、BOSS PH-1rやMXR Phase 90(現行モデル)を組み合わせると、「Message in a Bottle」期のフェイズ感を手軽に再現できます。
コンプレッサーは、MXR Dyna Compの現行品や、BOSS CS-3が有力候補です。どちらも粒立ちを整えてアルペジオを前に出す効果があり、オリジナル機材に近いニュアンスを得られます。サマーズのクリーンアルペジオの再現には必須アイテムと言えるでしょう。
ディレイ/エコーでは、BOSS DD-8やTC Electronic Flashback 2などがコストパフォーマンスに優れています。ショートディレイを設定すれば「Walking on the Moon」の浮遊感を忠実に再現できますし、テープエコー風モードを使えばEchoplex EP-2的なサウンドに近づけます。
さらに、マルチエフェクターを使う方法も現実的です。Line 6 HX StompやBOSS GT-1000 Coreといった小型マルチなら、コーラス、コンプ、ディレイを一括で管理でき、ライブや宅録での再現性も高まります。特に初心者やコストを抑えたい人には最適な選択肢といえるでしょう。
ギターに関しては、もちろん本物のTelecaster Customを用意するのは困難ですが、Fender VinteraシリーズやSquier Classic Vibe Telecasterでも十分に雰囲気を再現できます。ハムバッカー搭載モデルを選ぶと、アンディの改造テレキャスターの質感に一歩近づけます。
総じて、アンディ・サマーズの音の本質は「煌びやかで奥行きのあるクリーン+モジュレーション」にあり、現代の手頃な機材でも十分に再現可能です。以下の表に、代表的な代替機材をまとめます。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
アンプ | JC-22 Jazz Chorus | Roland | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | JC-120の小型版。内蔵コーラスで浮遊感を再現可能。 |
アンプ | Katana-50 MkII | BOSS | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | 内蔵エフェクトでコーラスやディレイをカバー可能。 |
コンプレッサー | MXR Dyna Comp(現行) | MXR | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | 粒立ちを整える定番。アルペジオ再現に必須。 |
コンプレッサー | BOSS CS-3 | BOSS | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | 安価で入手しやすい。Dyna Comp代替として有効。 |
コーラス | BOSS CE-2W Waza Craft | BOSS | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | Electric Mistressの代替に最適。自然な揺らぎ。 |
フェイザー | MXR Phase 90(現行) | MXR | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | 70年代のサウンドを再現可能。 |
ディレイ | BOSS DD-8 | BOSS | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | ショートディレイで「Walking on the Moon」的質感を再現。 |
ディレイ | TC Electronic Flashback 2 | TC Electronic | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | テープエコーモード搭載でEchoplexに近づける。 |
マルチエフェクター | Line 6 HX Stomp | Line 6 | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | コンパクトながら幅広い音作りが可能。初心者にも最適。 |
ギター | Squier Classic Vibe Telecaster | Squier/Fender | Amazonで探す | The Police | Andy Summers | 手頃な価格でテレキャスターの質感を再現可能。 |
総括まとめ【The Police・Andy Summers】

アンディ・サマーズ(Andy Summers)の音作りを振り返ると、その本質は「シンプルなクリーントーンをベースに、空間系エフェクトで独自の世界観を構築する」ことにあります。The Policeが3ピースという最小限の編成でありながら圧倒的な存在感を放てたのは、サマーズのギターが“空間を埋める”役割を果たしていたからです。彼のサウンドは、スティングのメロディとコープランドのリズムの隙間を埋め、同時に音楽に立体感と奥行きを与えていました。
最大の特徴は、1961/63 Fender Telecaster Custom改造機を中心とした煌びやかなクリーントーンです。内蔵プリアンプやPAFによって生み出されたサウンドは、従来のテレキャスターにはない独特のレンジ感を持ち、Dyna CompやElectric Mistressと組み合わせることで「Every Breath You Take」や「Message in a Bottle」に象徴される幻想的なトーンを実現しました。この組み合わせこそが、アンディ・サマーズの代名詞といえます。
また、彼の音作りは実験的でもありました。Roland GR-300ギターシンセやMesa/Boogie Mark IIC、ラック型コーラスやハーモナイザーを積極的に取り入れ、従来のギター表現を拡張していきました。それでいて常に「過度に歪ませない」「クリアさを失わない」という一貫した美学を守り抜いており、彼の音作りが時代を超えて評価される所以です。
現代のギタリストが彼のサウンドに近づくために最も意識すべきは、機材の高価さや希少性よりも、音の余白を活かす発想です。過剰に弾かず、1つのコードやフレーズに空間系エフェクトを乗せ、楽曲全体のバランスを意識することが重要です。実際、BOSSやRolandの市販品でも十分に「アンディらしい浮遊感」を得ることは可能であり、重要なのはプレイスタイルとエフェクトの組み合わせ方にあります。
アンディ・サマーズの音作りの本質とは、「少ない音数で広大な音空間を生み出すこと」です。彼のサウンドを真似ることは、単に機材をコピーするだけでなく、音楽に余白を与え、バンド全体を引き立てる“引き算の美学”を学ぶことにつながります。The Policeの音を追体験したいギタリストにとって、これは最大のヒントになるでしょう。
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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸ギター
• 1961/63 Fender Telecaster Custom(サンバースト)— ネックにGibson PAF、内蔵プリアンプ/位相切替、真鍮ブリッジ等。年式は“’61説/’63説”が併存。ブリッジPUはボディ直付けの個体報告あり。
• Fender Stratocaster ’61(初期ツアーで使用)。
• Roland G-303(ギター)+ GR-300(ギター・シンセ)— 1980〜84年のツアーで使用。
• Guitarman カスタム12弦(“Synchronicity I”用)。
• Gibson ES-335(コレクション/使用)。
• Gibson ES-175(ジャズ系で使用)。
• Gibson Les Paul(’57個体の記載)。
• Fender Esquire(所持・使用カット掲載)。
• Fender Jaguar(所持写真の言及)。
🔊アンプ
• Fender Twin Reverb(’65ブラックフェイス)— 初期ポリス期。
• Ampeg。
• Marshall 100Wヘッド+4×12(JMP系/Super Lead/Super Bass言及あり、ライブ主力)。
• Roland JC-120
• Music Man 212-HD 130(スタジオで使用の記載)。
• Mesa/Boogie Mark IIC(Synchronicity期に2台)。
• Alembic F-2B(プリアンプ、ラック)。
• Roland SIP-300(Guitar Preamp)、SPA-240(Power Amp)等の“Roland Rack”。
• Custom Audio Electronics(CAE)アンプ+2×12キャビ×4(2007–08再結成ツアー)。
🎛️エフェクター
• MXR Dyna Comp/Phase 90/Distortion+/Analog Delay(’79頃のPete Cornishボード中核)。
• Electro-Harmonix Electric Mistress(コーラス的揺れの要/代表トーン)。
• Mu-Tron III(エンベロープ・フィルター)。
• Maestro Echoplex EP-2(テープエコー。“Walking on the Moon”制作時にDyna Comp+Mistressと併用)。
• Roland SDD-320 Dimension D(スタジオ・コーラス。ライブではMarshallに+してこれでコーラス成分を再現)。
• Roland SRE-555 Chorus Echo/FV-2、DeArmond 610(Synchronicity期ラック/足回り)。
• Roland GR-300(ギター・シンセ本体。曲例:“Don’t Stand So Close to Me”ほか)。
• Bob Bradshaw/CAE スイッチング・システム(2007–08再結成ツアー)、Moogerfooger Analog Delay、Boss Loop Station/Chromatic Tuner、Lexicon PCM-70、(一部)Eventide系。
• Eventide H3000 Ultra-Harmonizer/Dyno-My-Piano Tri-Stereo Chorus。
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