【真鍋吉明】THE PILLOWS風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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始めに(特徴紹介)

THE PILLOWSのギタリストである真鍋吉明は、オルタナティブ・ロックとポップの中間を漂うような独自のギターワークで知られています。力強いリフと透明感あるアルペジオ、そして空間系を効果的に絡めたサウンドは、90年代以降の日本ロックシーンにおいて唯一無二の存在感を放っています。

代表曲である「Funny Bunny」や「Little Busters」では、シンプルでありながら深みのあるトーンを聴かせ、力強いディストーションと柔らかなクリーントーンを巧みに切り替えています。また、アニメ『フリクリ』での楽曲提供を通して、世界中のリスナーに強烈なインパクトを与えたことも大きな特徴です。

彼の音作りのポイントは、BOSS BD-2 Blues Driverを中心としたオーバードライブ、ProCo RAT2などのディストーションを軸に、ORANGEアンプで鳴らす分厚い中低域にあります。ギターはESPやSagoをメインに使い分け、時代ごとにサウンドの変遷を刻んできました。

その音作りは一見シンプルですが、細部にこだわりが込められており、楽曲ごとにEQや歪みの質感を変化させることで、真鍋独自の「浮遊感と攻撃性の同居」を実現しています。この柔軟さと確固たるスタイルが、多くのギタリストから憧れを集め続けている理由です。

以下では、真鍋吉明(THE PILLOWS)の使用アンプ、ギター、エフェクターを時系列的に整理しながら、サウンドの秘密を紐解いていきます。

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使用アンプ一覧と特徴【THE PILLOWS・真鍋吉明】

真鍋吉明のサウンドの中核を担うのは、ORANGEアンプに代表されるブリティッシュ・トーンです。特に長年愛用してきたORANGE OR120は、太く芯のあるクリーンと、独特の荒々しい歪みでTHE PILLOWSの骨太なロックサウンドを支えてきました。このアンプはイギリス240V仕様で、日本国内では昇圧トランスを介して使用されていたことが知られています。ライブ映像や写真でも度々確認され、彼のキャリアの象徴ともいえるアンプです。

また、2000年代以降はMarshall JCM800やJCM2000 TSL100をサブ的に使用。Marshall特有の硬質で前に出るミドルを活かし、ORANGEとの組み合わせで音の幅を広げていたと考えられます。サブ機材ながらも、フェスや海外ツアーではレンタル代替として活躍しており、実用的な側面が強かったと推測されます。

2017年以降はORANGE Rockerverb 100 MkIIIがメインとなりました。こちらはモダンな仕様でクリーンチャンネルが充実しており、歪みはあえてペダル側で作るスタイルに移行。RATやBD-2を前段に組み合わせることで、現行のTHE PILLOWSサウンドを支える「透明感のあるクリーン+粒立ちの良い歪み」を実現しています。2019年以降のツアーでは、このセッティングが定番となっています。

キャビネットについては、長年ORANGE OR412を使い続けていると見られます。12インチスピーカー4発による強力な押し出しとレンジ感は、真鍋の分厚いバンドアンサンブルに不可欠であり、ORANGEヘッドとの相性も抜群です。

録音環境においては、Avid Eleven Rackを用いたアンプシミュレーションも活用。特に『Rutile』制作期にはSoldano系のモデリングを多用したとされ、スタジオでは実機とシミュレーターを柔軟に切り替えていたと考えられます。

このように、ライブでは「ORANGEを軸にMarshallを補完」、スタジオでは「アンプシミュレーターも併用」というスタイルでサウンドを構築してきたといえます。アンプに関しては、あくまでペダルで歪みを作り、クリーンなヘッドルームを確保する方向にシフトしている点が大きな特徴である、と想定されます。

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ORANGE OR120ORANGEAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明長期愛用。昇圧トランス使用。
Marshall JCM800MarshallAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明2000年代サブ機材。レンタル代替も多い。
Marshall JCM2000 TSL100MarshallAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明サブ的に使用。詳細は推定。
ORANGE Rockerverb 100 MkIIIORANGEAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明現行メイン。クリーン主体で運用。
ORANGE OR412 CabinetORANGEAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明長期使用。押し出し感の要。
Avid Eleven RackAvidAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明スタジオ録音で活用。Soldanoモデルを多用。

使用ギターの種類と特徴【THE PILLOWS・真鍋吉明】

an electric guitar in a case with a note

真鍋吉明は、時期ごとに特徴的なギターを使い分けることでサウンドの進化を遂げてきました。90年代後半はESP製のストラトタイプを中心に使用し、バンドの初期サウンドを彩っています。1996〜1998年頃は、ESPストラトタイプや「ONE LIFE」のPVで確認できるESPストラトを使用。シングルコイル特有の明瞭さと抜けの良さを活かし、荒削りながらも輪郭のあるサウンドを展開していました。

1998〜1999年頃にはESP XJ-6が導入され、よりモダンなサウンドへ移行。サブカラーも存在し、ライブによって使い分けられていました。さらに1999〜2000年にはSeymour Duncan DS-100R系のストラトタイプ、通称“てるひこ”を使用。このギターは独自の改造が施されており、真鍋らしい中域のエッジ感を強調したサウンドが特徴です。

2000年代に入ると、Fender Japan Mustang MG69(1999〜2006)が長期にわたってサブを含めて活躍。サブ機にはJB Jr.が搭載されており、よりハイゲインに対応できる仕様へ改造されています。2004〜2006年にはEpiphone Explorer “Pewter ’58”を採用。存在感のあるシルエットと力強い中低域を持つエクスプローラーで、ライブ映像にも確認可能です。

2006〜2007年にはSquier Jagmasterを導入し、パワフルかつ扱いやすいトーンでツアーを支えました。その後、2007〜2008年にはGibson Les Paul Jr. Special DC Fadedを使用し、荒々しいP-90系サウンドをバンドに取り入れました。

2008年以降はSago製のオリジナルモデルがメインとなります。Sago CAOSやCAOS Special(2008〜2012)は、Bare Knuckle “The Mule”への換装も行われ、よりクラシカルかつレスポンシブなトーンを獲得。続くSago Rutile(2012〜2017、2024〜再登場)は、Burgundy Mistや独自カラーで登場し、THE PILLOWS後期の象徴的な一本に。さらに2017年からはSago Tronを導入し、Filter’Tron系PUを活用して煌びやかで立体的なサウンドを展開しています。

そのほか、Sago Classic style T(2012録音のみ)、Sago Telecasterタイプ(2014〜)、Sago Charm(2014)、Greco製と思われるLED内蔵Flying V(2014〜2015)、Line 6 James Tyler Variax JTV-59(2012録音)、さらには“謎の赤いギター”や“謎の黒いギター”などもライブで確認されています。これらは詳細が不明ながら、特定用途や一時的なパフォーマンス用として使用されたと考えられます。

また、アコースティックではEKO Ranger(本人イラスト入り改造機)を『BLUE SONG WITH BLUE POPIES』で確認。ピックアップを増設しており、エレアコ的にライブでも活用可能な仕様になっています。

このように、真鍋吉明は「楽曲の世界観に応じてギターを切り替え、改造によって実用性を高める」スタイルで、バンドサウンドを常に新鮮に保ってきました。特にSago期以降は、本人専用に設計されたモデルを中心に据え、バンドの後期サウンドを象徴する存在となっています。彼の音色の多彩さは、このギター選びと改造へのこだわりによって支えられていると、想定されます。

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ESP ストラトタイプESPAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明エレキギター1996〜1998使用。「ONE LIFE」PVでも確認。
ESP XJ-6ESPAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明エレキギター1998〜1999使用。サブカラー個体あり。
Seymour Duncan DS-100R系 Strat “てるひこ”Seymour DuncanAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明エレキギター1999〜2000使用。独自改造モデル。
Fender Japan Mustang MG69Fender JapanAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明エレキギター1999〜2006使用。サブ機はJB Jr.搭載。
Epiphone Explorer “Pewter ’58”EpiphoneAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明エレキギター2004〜2006使用。ライブで確認可能。
Sago RutileSagoAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明エレキギター2012〜2017、2024〜再登場。バンド後期象徴モデル。
Sago TronSagoAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明エレキギター2017〜現在メイン。Filter’Tron搭載。
EKO Ranger(改造)EKOAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明アコースティックギター本人イラスト入り。ピックアップ増設仕様。

使用エフェクターとボード構成【THE PILLOWS・真鍋吉明】

真鍋吉明の音作りにおいて最も特徴的なのは、オーバードライブを中心とした歪みペダルの選択と、その時代ごとに変化するエフェクトボード構成です。長年にわたり「BOSS BD-2 Blues Driver」を愛用しており、これは彼の音の基盤と言える存在です。1997年頃から現在に至るまでメインで使用され、2007年頃には設定の異なる2台を同時にボードに組み込んでいた時期もありました。BD-2の柔らかく、しかし芯のあるドライブ感は、THE PILLOWSの浮遊感のあるギターサウンドを支える要素です。

ディストーションでは「ProCo RAT2」を長期的に採用。2000年代前半に一度姿を消しますが、2023年以降に再導入されています。RAT特有のザラつきと中域の強調が、真鍋のリフや荒々しいパートにマッチしています。加えて、2000年代半ばにはBOSS MD-2 Mega Distortion、VOX Bulldog Distortionなども使用。BJFE Dyna Red DistortionやSuhr Riotといった海外製ハイエンドモデルを導入した時期もあり、楽曲ごとに「よりエッジの効いた歪み」や「プレキシ系の粘り」を求めて機材を切り替えていたことが伺えます。

ファズ/ハイゲイン系では、Electro-Harmonix Big Muff π(Black Russian)を2007年頃まで使用。その後はMetal Muff(2008〜2013)、MI Audio Megalith Delta(2013〜2017)といった強力なハイゲイン機を導入。近年では「One Control Baltic Blue Fuzz」が定番化しており、誌面で「3台ボードなら必ず選ぶ」と語るほど信頼を置いています。

モジュレーション系は2001年頃からBOSS CE-5やPH-3、RV-3を組み合わせ、シンプルながら空間を彩る使い方をしていました。2004年頃からはLINE 6 DL-4やMM-4などマルチ系を導入。2009〜2016年はLINE 6 M13がボードの中核を担い、コンパクトペダルを統合。2017年以降は再びDL-4やM9などを組み合わせて実験的に使用しています。2018〜2019年にはBOSS MS-3を使用し、コンパクト連結とのハイブリッドな運用を展開。その後、現在はBOSS GT-1000をメインマルチとして採用し、ライブ現場での安定性と多彩な音作りを両立させています。

補助的な役割として、BOSS GE-7 EQを長期使用し、歪み直後で中域カットを主体に調整。MXR Micro AmpやXotic EP Boosterもバッファ/ブースト用途で登場。さらにラインセレクターとしてSobbat SW-1やFree The Tone JB-21などを駆使し、オーバードライブとファズの切り替えをシームレスに実現しています。

ワウはMorley Bad Horsieを2007年まで、2019年にはMorley Maverickを短期採用。コンプレッサーはEmpress Compressor(2012〜2016)やBOSS CP-1X(2019)などを時期ごとに導入し、クリーンの艶出しや粒立ちの整えに使われています。電源面ではNoah’sark AC/DC-1やFree The Tone PT-1Dが採用され、安定供給を実現。

全体として、真鍋吉明のエフェクトボードは「BD-2を中心に据え、RATやファズで質感を調整」「モジュレーションは時代ごとにマルチで統合」「現行はGT-1000を軸に必要なコンパクトを追加」という進化を遂げており、シンプルながらも奥深いシステムを構築していると、想定されます。

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BOSS BD-2 Blues DriverBOSSAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明オーバードライブ最重要ペダル。1997〜現在使用。
ProCo RAT2ProCoAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明ディストーション初期〜2002頃使用。2023以降再導入。
Electro-Harmonix Big Muff π Black RussianElectro-HarmonixAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明ファズ2007頃まで使用。後にMetal Muffへ移行。
One Control Baltic Blue FuzzOne ControlAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明ファズ2018〜現在。誌面で推しペダルに選出。
LINE 6 M13LINE 6Amazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明マルチエフェクター2009〜2016メイン。水濡れ事故で引退。
BOSS GT-1000BOSSAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明ギター用マルチエフェクター2023〜現在。現行ボードの中核。
BOSS GE-7 EqualizerBOSSAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明イコライザー長期採用。歪み後段で中域調整。
Xotic EP BoosterXoticAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明ブースター2014〜2017使用。艶やかなクリーン追加。

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【THE PILLOWS・真鍋吉明】

man playing brown guitar

真鍋吉明の音作りにおいて最も重要なのは、「シンプルな機材構成の中に細やかなEQ調整と選び抜いた歪みを組み合わせる」点です。彼は長年にわたり、BOSS BD-2 Blues Driverを中心に据えつつ、アンプはクリーンに設定してペダル側で音色を作るスタイルを確立しています。基本的な流れは「クリーンヘッドルームを広く確保 → ペダルで歪みを形成 → EQやブースターで輪郭を調整」というシンプルなものですが、このセッティングによって多彩なニュアンスを生み出しています。

アンプに関しては、ORANGE Rockerverb 100 MkIIIを使用する現在でも、クリーンチャンネルのボリュームを上げすぎず、歪みはあくまでペダル側に任せています。これはライブ環境での安定性と再現性を重視した選択で、真鍋サウンドの透明感あるアルペジオやコード感を損なわないための工夫だと考えられます。

EQについては、BOSS GE-7を歪みの後段に配置し、主に不要な中域をカットする使い方をしています。特に3.2kHz帯を意識的に調整し、アンサンブルの中で他のギターやボーカルとぶつからない領域を作り出しているのが特徴です。また、低域を過剰に残さずタイトに整えることで、リズム隊と混ざり合った時にバンド全体がクリアに聴こえる工夫もされています。

曲ごとの使い分けとしては、代表曲「Funny Bunny」や「Ride on Shooting Star」などでは、BD-2単体のクランチセッティングで透明感とドライブ感を共存させています。一方、力強いリフが特徴の「ストレンジカメレオン」や「Little Busters」では、ProCo RAT2やファズ系を加え、より攻撃的で荒々しいトーンを作り出しています。これらの曲では、バンド全体のダイナミクスを支えるため、低域を残しつつもアタックを強調するセッティングが選ばれていると考えられます。

また、アルペジオやバラード調の楽曲ではコンプレッサーを組み込み、粒立ちを整えて艶のあるクリーンを実現。特にEmpress Compressorを使用していた時期は、繊細なタッチを拾いつつ音の輪郭を保つバランスが絶妙でした。コンプレッサーのセッティングはスレッショルドを浅めに、サスティンを自然に伸ばす方向で使われていたと推測されます。

リバーブやディレイに関しては、基本的に深くかけすぎず、楽曲に応じて薄めに加える程度です。LINE 6 DL-4やM13のディレイを使い、アルペジオには軽いディレイを足して奥行きを演出。空間系を前面に押し出すよりも「後ろに広がりを作る」方向で使われているのが特徴です。リバーブはFlux Effects Liquid Ambienceを例外的に使用した時期もありますが、基本的にはシンプルに空間を広げるための補助的役割でした。

ミックス段階においても、真鍋のギターは「左右に大きく広げて定位を確保」しつつ、「中域を整理してボーカルを活かす」方向で処理されることが多いです。アルバム制作時には、アンプ実機とAvid Eleven Rackのモデリングを併用し、レイヤーを重ねることで厚みを加えつつも過剰に埋もれないようバランスを調整していると考えられます。

まとめると、真鍋吉明の音作りは「アンプはクリーン」「ペダルで歪みと質感を作る」「EQで中域を整理」「空間系は薄く奥行きを演出」「ミックスでは定位と帯域整理で存在感を出す」という5つの柱によって成り立っています。これらの工夫が、THE PILLOWS独特の“浮遊感と疾走感が共存する”サウンドを形作っていると、想定されます。

比較的安価に音を近づける機材【THE PILLOWS・真鍋吉明】

真鍋吉明の音作りは、プロ仕様のSago製カスタムギターやORANGEアンプを中心に組み立てられていますが、初心者や中級者でも比較的安価にそのサウンドへ近づける方法があります。ここでは「1万円〜5万円程度」を目安に、入手しやすく再現性の高い機材を紹介します。

まず、最も重要なのはオーバードライブです。真鍋サウンドの要である「BOSS BD-2 Blues Driver」は、手に入りやすい定番ペダルであり、1万円台で購入可能です。ゲインを上げすぎず、ボリュームとトーンを調整するだけで、真鍋特有のクランチ感を再現できます。また、廉価アンプで物足りない場合でも、BD-2を噛ませることで一気に奥行きのあるトーンを作り出せます。

ディストーション系では「ProCo RAT2」がベストチョイスです。真鍋はRATを幾度も導入しており、再登場させたことからもその信頼性が伺えます。RAT特有のザラっとした粒立ちは「Little Busters」のような攻撃的なリフ再現に適しており、こちらも1.5〜2万円台で入手可能です。

ファズ寄りの質感を求めるなら「One Control Baltic Blue Fuzz」がおすすめです。近年の真鍋ボードに常駐しているモデルで、やや価格は高めですが(約2万円台)、小型で扱いやすく、歪みの厚みを簡単に再現できます。

アンプについては、ORANGE RockerverbやMarshall JCM800の実機は高額ですが、BOSSやPositive Gridのモデリングアンプを使えばコストを抑えて近い質感を得られます。特に「BOSS Katanaシリーズ」は、クリーンチャンネルにBD-2やRATを組み合わせるだけで十分真鍋的な音色を再現可能です。4万円前後で入手でき、練習からライブまで対応できる万能アンプです。

空間系に関しては、真鍋が長年使用してきた「LINE 6 DL-4」や「M13」を再現するのはコストがかかりますが、初心者なら「BOSS DD-8(ディレイ)」や「NUX Atlantic(ディレイ&リバーブ)」を選ぶのが現実的です。真鍋は空間系を深くかけずに奥行きを演出するスタイルのため、シンプルなディレイで十分に雰囲気を再現できます。

EQに関しては、プロ仕様のGE-7をそのまま選んでも良いですが、初心者ならアンプ側のトーン調整で代用可能です。中域を少し削り、低域を整理するだけでも、真鍋らしいクリアで浮遊感のあるサウンドが作れます。

つまり、「ギターは手持ちのモデルでOK」「アンプはモデリング系やKatanaを活用」「歪みはBD-2+RAT」「空間系はシンプルなディレイ」という組み合わせで、5万円前後でも真鍋吉明のサウンドに近づけることができます。ポイントは「アンプはクリーン」「ペダルで質感を作る」「EQで帯域整理」という本質を押さえることです。

種類機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
オーバードライブBD-2 Blues DriverBOSSAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明最重要OD。1万円台で購入可能。
ディストーションRAT2ProCoAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明ザラつきある中域。リフに最適。
ファズBaltic Blue FuzzOne ControlAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明近年のボード常設。厚みを再現。
アンプKatana-50 MkIIBOSSAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明低価格帯で再現性高いモデリングアンプ。
ディレイDD-8BOSSAmazonで探すTHE PILLOWS真鍋吉明シンプルで扱いやすく、奥行き演出に最適。

総括まとめ【THE PILLOWS・真鍋吉明】

まとめイメージ

真鍋吉明の音作りを振り返ると、その本質は「シンプルな構成でありながら徹底した質感コントロール」にあります。ORANGEやMarshallといった王道アンプをクリーン気味に使い、歪みの大半をBOSS BD-2 Blues DriverやRAT2といった定番ペダルに委ねる。そこにEQやブースターで細かく帯域を整えることで、バンド全体に溶け込みつつも存在感を失わない音を作り上げています。

また、時代ごとに選んできたギターの変遷からも「楽曲の世界観に合わせたサウンドデザイン」が明確に見て取れます。90年代はESPやストラトタイプで鋭いトーンを追求し、2000年代にはMustangやExplorerで個性的なサウンドを試し、2010年代以降はSago製カスタムモデルで自らのトーンを確立しました。常に「楽曲に最適な音」を選び取る柔軟さが、THE PILLOWSの長いキャリアを支えています。

エフェクターについても同様で、必要に応じて新しい機材を導入しつつ、最終的には「自分に合うもの」を残していくスタイル。特にBD-2やRATのような長年使い続けている機材は、彼の音のアイデンティティそのものであり、ファンにとっても“真鍋サウンド”の象徴となっています。空間系を薄めに抑え、楽曲に寄り添う形で配置する点も、バンド全体を見据えた彼のギタリストとしての視点を感じさせます。

さらに、ライブとレコーディングでアプローチを分けている点も見逃せません。ライブではORANGE RockerverbやGT-1000を軸に安定性を重視し、スタジオではAvid Eleven Rackなどのシミュレーターを活用して音の幅を広げる。このハイブリッドな使い分けは、実用性とクリエイティビティの両立を実現しています。

総じて、真鍋吉明の音作りの特徴は「無駄を削ぎ落としたシンプルさの中に込められた緻密さ」です。初心者が真鍋の音を再現するなら、「アンプはクリーン」「BD-2とRATを基本に据える」「EQで中域整理」「空間系は控えめ」というポイントを押さえるだけで、十分に近いサウンドに迫ることができます。

THE PILLOWSの楽曲が世代を超えて支持され続ける理由の一つは、この“シンプルだけど奥深い”サウンドにあります。真鍋吉明の音作りを研究することは、ギター初心者から上級者まで、幅広いプレイヤーにとって大きな学びとなるはずです。そして、その本質は機材以上に「楽曲に寄り添う音を選ぶ姿勢」にこそあるのだと言えるでしょう。

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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!

ギター(エレキ)
ESP ストラトタイプ(1996〜1998)/ESP ストラト(ONE LIFE PV機含む)

ESP XJ-6(1998〜1999/色違いサブあり)

Seymour Duncan DS-100R系ストラトタイプ(1999〜2000/“てるひこ”)

Fender Japan Mustang MG69(1999〜2006※サブは〜2006)…サブはJB Jr.載替。

Epiphone Explorer “Pewter ’58”(2004〜2006)

Squier Jagmaster(2006〜2007)

Gibson Les Paul Jr. Special DC Faded(2007〜2008)

Sago CAOS/CAOS Special(2008〜2012)…後期はBare Knuckle “The Mule”へ換装。Seed版あり。

Sago Rutile(2012〜2017/再登場2024〜2025)…Burgundy Mist/Rutile色。Seed版2期あり。

Sago Tron(2017〜現在)…Filter’Tron系PU、材違い2本→後に仕様変更。

Sago Classic style T(2012録音のみ?/BKP Brown Sugar)

Sago Telecasterタイプ(2014〜現在/ツインブレードHB×2)

Sago Charm(2014のみ?)…第2期再現ライブ用途。

Greco? Flying V改(2014〜2015)…LED電飾仕様。

Line 6 James Tyler Variax JTV-59(2012録音)

“謎の赤いギター”(第1期再現ライブ)/“謎の黒いギター”(JTV似・別個体)…詳細未確定。

(出典サイト記載・詳細不明の汎用名)Fender Cyclone/Fender Stratocaster/Gibson Les Paul…本文根拠弱めの列挙だったため“記載あり”として注記のみ。

アコースティック
EKO Ranger(改・ミニハム増設/本人イラスト)…『BLUE SONG WITH BLUE POPIES』で確認。

オーバードライブ
BOSS BD-2 Blues Driver(1997頃〜現在)…最重要OD。2007頃は設定違いで2台併用歴あり。

MXR M115 Distortion Ⅲ(2008〜2012頃)…実用上はOD用途。中域寄り。

Barbarossa Wivern(2012前後のみ)…ソロ期短期使用/録音は『トライアル』でも。

Bogner Ecstasy Blue(2013前後のみ)…活動再開直後はボード入り→2014には外れる。

Electro-Harmonix EHX-Tortion(2014〜2017)…OD/Dist両対応の高ゲイン域まで可。

funk ojisan GOLDEN VALVE(2019〜?)…チューブ風OD。2023ボードでは未搭載。

ディストーション
ProCo RAT2(〜2002/03頃、再導入2023〜現在)…初期型→現行個体に変更。

BOSS MD-2 Mega Distortion(2004頃〜2005)

VOX Bulldog Distortion(2005頃〜2006)…COOLTRON管内蔵。

BJFE Dyna Red Distortion(2007〜2008)…いわゆる“プレキシ”系。

Barbarossa GARGOYLE(2009〜2013)…長期採用。

Suhr Riot(2013〜2014頃/再び2018〜2020頃)

Sonomatic Doctor Drive 2(2016頃〜2017)…希少、詳細不明。

ファズ(+マフ系ハイゲイン)
Electro-Harmonix Big Muff π “Black Russian”(〜2007)…時期により2台併用期あり。

シルバーフォックス(2007のみ)…Theピーズ安孫子氏自作。クランチ寄り。

Electro-Harmonix Metal Muff(2008〜2013)…マフ的役割で運用。

MI Audio Megalith Delta(2013〜2017)…メタル系高ゲイン枠。

One Control Baltic Blue Fuzz(2018〜現在)…愛用品。誌面で“3台ボードなら”の一角に選出。

モジュレーション/空間系(コンパクト)
BOSS CE-5(2001頃)

BOSS PH-3(2001頃)

BOSS RV-3(2001頃)…当時はディレイ的に使用。

LINE 6 DL-4(2004頃〜2009前半、再び2017)

LINE 6 MM-4(2008末〜2009前半のみ?)

Flux Effects Liquid Ambience(2017〜2018)…マルチと併用した例外的リバーブ。

マルチ/フットコントローラ
LINE 6 M13(2009〜2016)…水濡れトラブルで引退。

LINE 6 M9(2011/2017)…2011米ツアーはM9単騎説、2017はDL-4と併用。

LINE 6 EX-1(2012〜2017)…M13/M9用EXP。ワウ的運用の時期あり。

BOSS MS-3(2018〜2019頃)…MS-3単体ツアー期→後にコンパクト連結。

BOSS EV-30(2018〜2019頃)…MS-3のパラメータ/Vol制御。

BOSS FS-7(2018〜2019頃)…主にパッチ/バンク制御。

BOSS GT-1000(2023頃〜現在)…現行メインマルチ。

ラインセレクター/ジャンクション
Sobbat SW-1 A/B Breaker(〜2017)…OD/Dist⇄Fuzz 切替。

Custom Audio Japan IN and OUT(2017〜2019頃)

Free The Tone JB-21?(2023頃〜現在)…外観近似のJB-42S/JB-82Sの可能性あり。

EQ/ブースター/バッファ
BOSS GE-7(2001頃/2013〜現在)…歪み直後でカット主体。3.2k帯重視。

MXR KFK-1 Ten Band EQ(2004頃〜2007/2012〜2013ソロ)

MXR M133 Micro Amp(2008〜2011頃)…ボード先頭でバッファ的。

Xotic EP Booster(2014〜2017)

MXR MC406 CAE Buffer(2014〜2016)

Eleven guitars Mid Modulate(2016のみ?)…“踏むと艶のあるクリーン”用途。

MXR M294 Sugar Drive(2018〜現在)…Klon系/バッファ切替可。

コンプレッサー
MXR CSP202 Custom Comp(2010〜2011頃/録音は2012も)

Empress Compressor(2012〜2016)

CARL MARTIN Andy Timmons Comp(2017のみ)

BOSS CP-1X(2019のみ?)

ワウ
Morley Bad Horsie 1 VAI-1(〜2007)

Morley Maverick(2019のみ?)…MS-3期に一時採用→GT-1000移行で外れた模様。

その他エフェクター
TECH21 Tri-O.D.(2002〜2004頃)…アンシミュ3ch。

BOSS PS-5 Super Shifter(〜2004)

DigiTech JamMan Stereo(2017のみ/主に録音)

パワーサプライ
Guyatone AC-102N?(2001頃)…型番は映像画質により推定。

Voodoo Lab Pedal Power 2(〜2007)

Noah’sark AC/DC-1(2008〜2013)

Free The Tone PT-1D(2014〜現在)

アンプ(ヘッド/キャビ)
ORANGE OR120(1997〜2016)…英240V仕様をトランスで昇圧。

Marshall JCM800(2002頃〜2016頃)…サブ/レンタル代替。

ORANGE Rockerverb 100 MkIII(2017〜現在)…現行メイン。クリーン設定。

Marshall JCM2000 TSL100?(?〜現在サブ)…ツマミ配置から推定。

キャビ:ORANGE OR412(OR120期から継続使用と推定)。

チューナー/ワイヤレスほか
BOSS TU-2、KORG pitchblack(出典末尾サイトの“使用機材”欄記載)

Ex-pro Pro-10x+Tr-10x(W/L)…ステージ常用歴あり。

Oyaide WL-606II-LT(Ex-pro用W/Lケーブル)…2017〜の使用記述あり。

ピック:Sago製 Teardrop Ultem 0.8mm(先端丸め/サンドグリップ)/同 Polyacetal 1.0mm

Avid Eleven Rack(録音)…『Rutile』制作で主力、Soldanoモデリング愛用。

▼ プロ音作りの参考資料はこちら

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