① 始めに（特徴紹介）
THE ORAL CIGARETTESのフロントマンであり、ギタリストとしても活躍する山中拓也氏は、その独自のサウンドと表現力で多くのファンを魅了しています。彼のギタープレイは、エモーショナルなボーカルと融合し、バンドの楽曲に深みとダイナミズムを加えています。
山中氏のサウンドは、クリーンからディストーションまで幅広いトーンを自在に操ることが特徴です。特に、フェンダーのギターを使用した明瞭なクリーントーンや、ハイゲインアンプを駆使した力強いディストーションサウンドは、彼のプレイスタイルを象徴しています。
代表的な楽曲としては、「狂乱 Hey Kids!!」や「BLACK MEMORY」などが挙げられます。これらの楽曲では、山中氏のギタープレイが楽曲のエネルギーを高め、ライブパフォーマンスでも観客を熱狂させています。
彼の音作りには、ギター、アンプ、エフェクターの選定だけでなく、EQやミックスの工夫も重要な要素となっています。以下のセクションでは、山中拓也氏の使用機材やセッティングについて詳しく解説していきます。
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② 使用アンプ一覧と特徴【THE ORAL CIGARETTES・山中拓也】
山中拓也（やまたく）氏は、THE ORAL CIGARETTESのフロントマンとして、ボーカルに加えてギタリストとしても非常に独自のスタイルを築いてきました。彼のギターサウンドの根幹を支えているのが、使用しているアンプ群です。クリーン〜クランチの立ち上がりの良さ、空間に自然に馴染む高域の伸びやかさ、リズムギターとボーカルの同居性――それらを実現している要素がアンプ選びにしっかりと表れています。
ライブでは、山中氏はFender製の真空管アンプを好んで使用しています。具体的には「Hot Rod Deluxe」や「Blues Junior」などが挙げられ、これらのモデルはクリーン時のレンジの広さと、ペダルを噛ませた際のナチュラルな歪み方が魅力です。特にTelecasterやJazzmasterとの組み合わせで、シンプルながらも芯のある抜けたトーンを得ています。
また、レコーディングや大規模ステージでは、MarshallのJCM900やEVH 5150IIIといったハイゲイン系のヘッドアンプも使われている可能性が高く、実際にMVやメイキング映像ではEVHアンプキャビネットが確認できることがあります。これらは、歪みペダルを使わずとも十分なゲインを稼げるため、セッティングの簡素化と安定したトーン作りに貢献しています。
| 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| Hot Rod Deluxe | Fender | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | ライブ映像などでの実使用が確認されている。特にTelecasterとの組み合わせで抜けの良いトーン。 |
| Blues Junior | Fender | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | 比較的コンパクトで、クランチの質感が良く、自宅や小型会場での使用に最適。 |
| EVH 5150III | EVH | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | 〈使用確認なし〉だが、MVでのキャビネットから推定。ハイゲインかつ低音の締まりが良い特性。 |
| JCM900 | Marshall | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | 〈使用確認なし〉。90年代以降のロックサウンドに対応し、ピッキングの輪郭が出やすい。 |
いずれのアンプにおいても、山中氏の特徴である「スピード感のある刻み」と「余白を活かしたプレイ」を引き立てる中域中心の音作りが可能です。特に、アンプ単体の歪みに過度に頼らず、ペダルやピッキングのニュアンスで音を作っている点が彼のサウンドの要であり、そのためにもFender系アンプの反応性は非常に重要な役割を果たしていると言えます。
③ 使用ギターの種類と特徴【THE ORAL CIGARETTES・山中拓也】
山中拓也（やまたく）氏のギターサウンドの核となるのが、愛用するFender製ギターたちです。彼のギター選びには、音の立ち上がり・ピッキングニュアンス・コードの抜け・視覚的なキャラクター性といった点において明確な哲学があります。ライブやMVでも確認されている通り、主にTelecasterとJazzmasterを軸に、場面ごとに使い分けをしている様子が伺えます。
まず、彼のメインギターとして最もよく登場するのが「Fender American Deluxe Telecaster」です。ブラックのボディにゴールドピックガードというカスタム的な仕様が目を引きますが、それ以上に注目すべきはそのサウンドレンジです。アルダーボディとメイプルネックという構成によって、スナッピーなトーンとクリアなミッドレンジを両立しており、バンドアンサンブルの中でも前に抜けるサウンドを実現しています。
このTelecasterは、ライブ定番曲「狂乱 Hey Kids!!」などで多用されており、イントロやブレイクでの歯切れ良いカッティング、サビでのワイドなコードストロークなど、非常に幅広いプレイスタイルに対応しています。また、シングルコイル特有の高域の輝きも、山中氏の歌声と溶け合うように調和しています。
サブギターとしては、「Fender Classic Player Jazzmaster Special」が確認されています。こちらはよりミドルが太く、コードを鳴らした時のリッチさや、ややロー寄りの落ち着いたトーンが特徴。特に空間系エフェクトをかけたアルペジオや、トレモロユニットを活用したアンビエントなパートではこのJazzmasterの表現力が光ります。楽曲「カンタンナコト」のようなシーンでの使用に最適とされます。
さらに注目すべきは、セミアコ「Gibson ES-335」の使用。使用頻度自体は低いものの、バラード系やミドルテンポの重厚な楽曲でその温かみあるトーンがフィットします。レコーディング向きの機材として導入していると考えられ、歪ませた時にも芯が残るため、単音リードプレイやコードの分離感に貢献しています。
| 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| American Deluxe Telecaster | Fender | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | エレキギター | ライブ・MVともに使用頻度が最も高い。抜けの良さとバッキング適正が魅力。 |
| Classic Player Jazzmaster Special | Fender | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | エレキギター | 中域が豊かで、アンビエント系やアルペジオに適したサブギター。 |
| ES-335 | Gibson | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | セミアコースティックギター | 〈使用確認なし〉レコーディング用と推定。バラードやソロパートに適する。 |
| G5135 Electromatic Corvette | Gretsch | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | エレキギター | 〈使用確認なし〉サウンド的に「サーチライト」のようなヘビーかつ歯切れの良い曲に推奨される。 |
これらのギター選びには、単に音色の違いを楽しむだけでなく、バンドサウンドの中での役割やアンサンブルの調和を考慮したセレクションが感じられます。ギターの特性に合わせてアンプやエフェクトの使い方も微調整されている点が、山中拓也氏のプロフェッショナルな音作りの証と言えるでしょう。
④ 使用エフェクターとボード構成【THE ORAL CIGARETTES・山中拓也】
山中拓也氏のエフェクターボードは、極力シンプルに構成されながらも、楽曲ごとのダイナミクスと表現を最大限に引き出せる構造になっていると推測されます。ライブ映像やスタジオ映像から確認できる機材は決して多くはないものの、それぞれが非常に的確に選ばれており、彼のサウンドスタイル――つまり「歪みに頼りすぎず、ギターの原音やピッキングニュアンスを活かした音作り」に直結しています。
代表的な使用ペダルとして最もよく知られているのが、BOSS BD-2 Blues Driverです。このオーバードライブは、ピッキングの強弱による表情の変化がとてもナチュラルで、クリーン〜クランチの間を自在に揺らぐようなサウンドが得意。Fender Telecasterとの相性は非常に良く、山中氏が奏でるコードカッティングや軽い歪みのアルペジオでその特性が際立ちます。
空間系では、Line6 DL4が使用されていた時期もあり、こちらはライブでのソロやバラード楽曲でのディレイ・ルーパー機能など、広がりのあるサウンド演出に重宝されていました。現在では、同系統のBOSS DDシリーズ（特にDD-7、DD-200など）を使っている可能性も高く、スナップショットの写真で確認できたエフェクターボードからもその存在が疑われています。
さらに、BOSS RV-6や、近年ではマルチエフェクター系の使用も考えられます。マルチといっても全てを一括制御するような用途ではなく、あくまで空間系（リバーブやモジュレーション）やアンプシミュレートを補助的に使用している可能性が高いです。これは、彼のサウンドが「ギターとアンプをベースにして、それを微調整する」スタイルだからこそ成り立つものです。
| 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| BD-2 Blues Driver | BOSS | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | オーバードライブ | 実使用確認あり。ライブでも使用頻度が高く、Telecasterとの相性が非常に良い。 |
| DL4 Delay Modeler | Line6 | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | ディレイ | 〈使用確認なし〉過去のライブ写真で確認。豊富なディレイモードとルーパーを搭載。 |
| RV-6 Digital Reverb | BOSS | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | リバーブ | 〈使用確認なし〉多くのロックギタリストが使用する標準的な空間系ペダル。実機可能性大。 |
| DD-7 Digital Delay | BOSS | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | ディレイ | 〈使用確認なし〉汎用性が高く、DL4の代替や補助として最適。テンポ同期も可能。 |
| MS-3 | BOSS | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | マルチエフェクター | 〈使用確認なし〉近年のボード構成に小型マルチを加える例が多く、予想される。 |
山中氏のように「必要最小限のエフェクトで、ギター本体とアンプのポテンシャルを引き出す」スタイルは、現代のバンドサウンドにおいて極めて合理的です。また、それが彼のシグネチャーサウンド――言い換えれば、音数を増やさずとも説得力のあるギタートーン――を確立させている最大の理由といえるでしょう。
今後のステージやMVなどでの最新のボード写真や本人インタビューから、より詳細な構成が明らかになれば、さらに深い分析が可能になると考えられます。
⑤ 音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【THE ORAL CIGARETTES・山中拓也】
山中拓也氏のギターサウンドの最大の特徴は、「情報量が多いのにうるさくない」点にあります。ロックバンドとしての骨太なエネルギーを出しつつも、ボーカルとギターを両立させるための絶妙な音作りがなされており、その工夫はエフェクターやアンプだけでなく、EQ設定やPAのミックスにも及びます。
まず、アンプのトーン設定について。Fender Hot Rod DeluxeやBlues Juniorのようなアンプを使用する際は、Treble（高域）を少し抑えめ（4〜5程度）、Mid（中域）を5〜6、Bass（低域）を4程度に設定していると推測されます。これは、歯切れの良いカッティングと和音の分離感を重視したバランスで、バンド全体での音の抜け感を高める意図が伺えます。
特に中域に関しては、「ボーカルとギターが喧嘩しない」よう調整されています。山中氏は自らがボーカリストでもあるため、ギターの帯域が歌声と重ならないように意識していると考えられます。ミドルが凹んでしまうとロックらしい骨格が失われますし、上がりすぎると歌とぶつかって耳障りになる――この微妙なバランス感覚が、やまたくサウンドの要です。
また、ディレイやリバーブといった空間系エフェクトの扱い方にも注目すべき点があります。彼のギターには常時空間系がかかっていることが多く、それによって「隙間を埋める」というより、「余韻を活かして広がりを持たせる」アプローチが取られています。ライブでは特に、BOSS DDシリーズやRV-6などを用い、ディレイのタイムを楽曲のBPMに同期させることで、演奏のテンポ感を損なわずに音像を厚くする工夫が見られます。
サウンドの立ち上がりも重要なポイントです。山中氏のプレイでは、アタックの鋭さが印象的なフレーズが多く、オーバードライブは中程度のゲインに抑えたセッティングが主流です。これは、ピッキングのニュアンスやリズム感をしっかりと表現するため。ゲインを上げすぎないことで、和音の中の個々の音が埋もれずに聞こえ、リズム隊とのグルーヴも自然に絡みます。
また、アンプのCH切り替えは頻繁には行わず、基本的にはクリーンチャンネルをベースにオーバードライブペダルで調整している可能性が高いです。ライブでの安定性と再現性を考慮した実用的な構成であり、ギターのボリュームノブ操作によって、歪みのニュアンスをリアルタイムでコントロールしている場面も多く見られます。
ミックスにおいては、PAやレコーディングエンジニアとの連携も極めて重要です。山中氏のギターは「音が細く聞こえる瞬間がない」のが特徴で、これは演奏だけでなく、ミックスでの定位処理・帯域の整え方・コンプレッションのバランスなどによって成立しています。ボーカルとギターの両立という非常に難しいミッションを成立させている背景には、周到なミックス処理があることを忘れてはなりません。
例えば「BLACK MEMORY」や「ENEMY」のような疾走感ある曲では、左右に振られたギターがパーカッシブに聴こえるようパンニングされており、EQはミッドブースト気味でトーンの芯を通しつつ、4kHz以上はややスムージングされている印象があります。これは歪み系の音で起こりがちな耳障りな帯域を抑えるための処置です。
まとめると、山中拓也氏の音作りは「弾く人の技量と感性を最大限に活かす」セッティング思想に基づいています。複雑なセッティングに頼ることなく、ピックアップ選択や手元のボリューム、ピッキングの強弱でトーンを構成することで、唯一無二のやまたくサウンドを生み出しているのです。
⑥ 比較的安価に音を近づける機材【THE ORAL CIGARETTES・山中拓也】
山中拓也氏の音作りは、Fender系のギターを軸とし、アンプやペダルも比較的トラディショナルな選択をベースにしています。このことは、「再現性の高さ」という意味で非常に大きなメリットがあります。つまり、プロ仕様の機材でなくても、入門～中級機材でもしっかりと「やまたくらしさ」を再現できる可能性が高いということです。
ここでは、1万円～5万円台で手に入りやすく、かつ山中氏のサウンドを比較的忠実に模倣できる機材をカテゴリ別に紹介します。どれもAmazonなどで入手可能な市販品で、初心者～中級者にも扱いやすく、ライブ・録音・スタジオ練習のどれにも応用可能です。
| 種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| エレキギター | Player Telecaster | Squier by Fender | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | Fenderの廉価ブランドだが、サウンドキャラクターは本家Telecasterに近く、カッティングやバッキングに最適。 |
| オーバードライブ | SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | ミッドに寄ったチューニングで、TelecasterやJazzmasterの歯切れを殺さずに太さを加えられる。 |
| マルチエフェクター | G1X FOUR | Zoom | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | アンプモデリング、空間系、歪み系をこの1台で再現可能。初めての音作り練習に最適。 |
| ディレイ | DD-3T Digital Delay | BOSS | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | タイム調整しやすく、バンドアンサンブルの中でもリズムを壊さずに広がりを出せる。 |
| リバーブ | RV-6 Reverb | BOSS | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | 複数のリバーブモードを搭載。PlateやHall設定が山中氏の空間処理スタイルに近い。 |
| アンプ | Champion 40 | Fender | Amazonで検索 | THE ORAL CIGARETTES | 山中拓也 | 自宅〜スタジオ練習に最適。クリーンはHot Rod Deluxeの音色を想起させる。 |
また、BOSSのGT-1000COREなど、上級モデルを小型化したマルチも候補になりますが、価格が10万円を超えるため今回は除外としています。
安価な構成において重要なのは、「1つひとつのパーツが何を再現しているのか」を理解することです。たとえば、TelecasterタイプのギターにSD-1を組み合わせてFenderクリーンアンプに通すだけでも、かなり山中氏らしいアタック感や中域の厚みを出すことができます。そこにDD-3TとRV-6を追加することで、広がりと余韻を加え、より「THE ORAL CIGARETTESらしさ」を再現できます。
これらの構成は、初心者でも比較的簡単に導入・運用が可能で、音作りの基礎力も鍛えられます。何より、山中氏のように「シンプルな構成で音を作る」ことを学ぶには、最適な構成と言えるでしょう。
⑦ 総括まとめ【THE ORAL CIGARETTES・山中拓也】
THE ORAL CIGARETTESのフロントマン・山中拓也（やまたく）氏のギターサウンドは、シンプルかつ実践的な音作りをベースにしながら、楽曲の世界観とライブパフォーマンスを最大限に引き立てる精緻な構成で成り立っています。決して「飛び道具」的なエフェクトに頼るのではなく、ギター本体・アンプ・エフェクターという王道の三位一体のバランスを見事に調整する姿勢は、まさに現代のギターボーカルとしての理想的なアプローチです。
その核心にあるのは、「音の立ち上がりと引きの美学」です。速いパッセージでも音が潰れず、コードストロークでも一音一音が聴き取れる。その理由は、ピッキングのニュアンスやギターの持つ自然な特性を活かすセッティング、そして過度な加工を避ける潔い機材選びにあります。これにより、観客やリスナーは「山中拓也という存在の輪郭」を明確に感じ取ることができます。
また、ギターボーカルという特殊な立場にある彼は、音作りにおいて常に「自分の声」とのバランスを考えています。ギターが歌声を邪魔せず、かつ存在感を消さない——この絶妙なラインを成立させるためには、帯域の設計や空間系エフェクトの量、アンプのトーン設定、さらにはミックス段階でのEQ処理など、繊細な判断が求められます。彼のプレイスタイルは、まさにその積み重ねの賜物なのです。
特に注目すべきは、使用する機材の“厳選ぶり”です。彼のペダルボードやアンプは、決してハイエンドばかりではなく、「自分に合う音」「必要な音」だけを明確に選び取っている姿勢が随所に見られます。BOSS BD-2のような定番エフェクターをあえて選んで使い込むことで得られる“熟成されたサウンド”は、汎用機材だからこそ真価を発揮することを教えてくれます。
また、観察しておくべきは「プレイヤーとしてのシンプルさと徹底」です。たとえば複数のギターを持ち替えることはあっても、楽曲ごとに機材を過剰に切り替えることはなく、「どんな曲でも自分の音がする」ように一貫したトーンを守っています。これは、音楽のジャンルやテンポ、空間がどう変わろうとも、“やまたくらしさ”が常に中核にあるという証です。
さらに、近年ではボーカルエフェクトや同期演出との連携も進化しており、ギターは「音そのもの」だけでなく、「空間をデザインするための一要素」としても扱われています。この視点を持ってギターを弾くことは、楽曲の全体像を見据える能力を鍛える上でも極めて重要です。
初心者にとっては、「山中拓也の音は難しそうだ」と感じるかもしれません。しかしその実、多くの構成はロジカルかつ再現性が高く、真似しやすいパートも多いのが現実です。ギターはTelecaster系、アンプはFender系、歪みは中域寄りのOD、空間系は抑えめ——この組み合わせだけでも、相当「それっぽい」音が出せます。だからこそ、プレイのニュアンスや手元の表現力を磨くことが、最終的に彼の音へと近づく最短ルートなのです。
THE ORAL CIGARETTESというバンドは、非常にタイトで洗練されたアンサンブルを持つロックバンドであり、その屋台骨を支えているのが山中拓也氏のギターです。楽曲のエネルギーとエモーションを支えるギターサウンド。その背景にある音作りのロジックと美学を、ぜひ自身のプレイに取り入れてみてください。
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