- 始めに(特徴紹介)
- 使用アンプ一覧と特徴【Red Hot Chili Peppers・John Frusciante】
- 使用ギターの種類と特徴【Red Hot Chili Peppers・John Frusciante】
- 使用エフェクターとボード構成【Red Hot Chili Peppers・John Frusciante】
- 音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Red Hot Chili Peppers・John Frusciante】
- 比較的安価に音を近づける機材【Red Hot Chili Peppers・John Frusciante】
- 総括まとめ【Red Hot Chili Peppers・John Frusciante】
- 下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
始めに(特徴紹介)
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(通称:レッチリ)のギタリスト、ジョン・フルシアンテは、90年代から現在にかけてロックギターの象徴的存在となっています。彼のサウンドは、ビンテージなフェンダー・ストラトキャスターを中心にした温かみのあるクリーン、ファンキーで切れ味鋭いカッティング、そして伸びやかなリードトーンが特徴です。
代表的な楽曲として「Under the Bridge」の透明感あるクリーン、「Californication」の浮遊感あるコードワーク、「Dani California」や「Can’t Stop」での爆発的なリフなどが挙げられます。これらはいずれもシンプルなエフェクトと、Marshallアンプを基盤にしたセッティングが生み出しています。
フルシアンテのプレイスタイルは、ギター1本とシンプルな機材で最大限の表現力を引き出すことに重きを置いています。音数は少なくとも、その一音一音が楽曲の核となり、アンソニー・キーディスやフリーの存在感をさらに際立たせています。彼の「間の美学」とも言える演奏アプローチが、レッチリの楽曲を世界的にユニークなものへと昇華させているのです。
本記事では、フルシアンテのアンプ・ギター・エフェクターを整理しながら、その音作りを紐解きます。ライブやスタジオでの使用機材を時期ごとに追い、さらに初心者や中級者が音を再現するための代替機材も紹介していきます。フルシアンテの音を掴むヒントを探してみてください。
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使用アンプ一覧と特徴【Red Hot Chili Peppers・John Frusciante】
ジョン・フルシアンテのサウンドを語る上で欠かせないのが、Marshallアンプを中心としたクラシックなブリティッシュトーンです。特に『By The Way』『Stadium Arcadium』期では、Marshall JMP Major 200W(Model 1967)を主力に据え、広大なステージでも抜けの良いクリーントーンと太いドライブサウンドを両立させています。このモデルは大出力ゆえにライブ専用機材とされることが多く、音量を絞っても存在感のあるクリーンを維持できるのが特徴です。
一方で、リードやクランチの表現にはMarshall Silver Jubilee 2555を組み合わせることが多く、本人もインタビューで言及しています。この組み合わせにより、クリーンはJMP Majorでレンジ広く、リードはJubileeで押し出す、といった役割分担がなされています。
『Californication』期にはMarshall JTM-45やSuper Bass 100Wを使用していたとされ、よりオーガニックで柔らかいトーンを追求していました。また、80年代後期の『Mother’s Milk』ツアーではMarshall JCM800を使用し、よりソリッドでエッジの効いたサウンドを得ていた記録があります。
クリーントーンの補完としては、Fender Showman(Blackface/Dual Showman Silverface)を組み合わせ、レンジの広いフェンダー系のきらびやかさを加えていました。これにより、「Under the Bridge」や「Scar Tissue」といった透明感あるトーンが生まれています。さらに1991年の初期には、短期間ながらMesa/Boogieヘッドを使用したことも確認されています。
こうしたアンプ選択は、単に音量や歪み量を得るためだけでなく、「楽曲ごとにクリーンとドライブを最適化する」というフルシアンテならではの意図が込められていると考えられます。時期ごとに異なるアンプを用いたことで、その時代のレッチリのアルバムカラーを支えてきたのです。現在も基本はMarshallを基盤にした構成ですが、フェンダー系クリーンの補助や現代的な補強アンプを加えつつ進化していると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Marshall JMP Major 200W(Model 1967) | Marshall | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | 『By The Way』『Stadium Arcadium』期のメインアンプ |
Marshall Silver Jubilee 2555 | Marshall | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | リードやクランチで使用、本人も言及 |
Marshall JTM-45 | Marshall | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | 『Californication』期に使用、柔らかいクリーントーン |
Marshall JCM800 | Marshall | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | 『Mother’s Milk』ツアー期に使用 |
Fender Showman(Blackface/Dual Showman Silverface) | Fender | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | クリーントーン補完、特に透明感あるアルペジオで活躍 |
Mesa/Boogie(ヘッド) | Mesa/Boogie | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | 1991年頃に短期間のみ使用 |
使用ギターの種類と特徴【Red Hot Chili Peppers・John Frusciante】
ジョン・フルシアンテといえば、真っ先に思い浮かぶのがFender Stratocaster 1962 Sunburst(ローズ指板)です。『By The Way』『Stadium Arcadium』期のレコーディングから、現在のツアーでもメインで使われ続ける一本で、彼の代名詞的存在と言えます。ビンテージ特有の枯れたトーンと、ローズ指板による温かみある音色が特徴で、アルペジオからカッティング、リードまで幅広く対応可能です。
また、同じくストラトキャスターの中でも白の1961〜63年製のモデルは、2006年のインタビューで言及され、後に同じくギタリストのZach Ironsへ譲渡された逸話も残っています。ビンテージ・ストラトの中でも柔らかく、ブルージーなトーンを備えていたとされます。さらに、Fender Stratocaster 1955 Sunburst(メイプル指板)も重要な一本で、「Dani California」のMV解説映像などで確認されており、メイプル指板らしいブライトで立ち上がりの早いサウンドが特徴です。
ストラト以外では、Fender Telecaster Custom 1960sが近年のライブ序盤(「Can’t Stop」「Around the World」など)で頻繁に登場しています。ストラトよりもタイトで鋭いカッティングが得られるため、ファンク色の強い楽曲で効果的に使われています。
また、MVや特定のライブで有名なのがFender Jaguar(1966年製グリーン系/1962年Fiesta Red)。「Under the Bridge」のPVや初期のパフォーマンス映像で印象的に使用されており、独特のシングルコイルサウンドが楽曲の空気感を際立たせました。
アコースティック系では、Martin 0-15(1940–50年代)が『Californication』制作期にKiedisから借りて使用され、シンプルながら温かみのあるコードワークを残しています。さらに、Gretsch White Falcon(1950年代)は「Californication」「Otherside」などでのクリーントーンに登場し、煌びやかで広がりのある音像を形成しました。
ハードロック寄りの曲では、Gibson Les Paul 1969(カスタム)をMarshall Silver Jubileeと組み合わせて使用していたことを本人が語っており、分厚くサステイン豊かなリードトーンを実現しています。
ソロ活動期には、フェンダーやギブソンから離れ、Yamaha SG2000(1980年前後)をメインに据えていました。『PBX』『Enclosure』などソロアルバムでのギターサウンドは、このSG2000の太く密度のあるサウンドが軸になっており、フルシアンテの実験的で内省的な音楽性を支えています。
このように、彼のギター選びは「その時代の音楽的方向性」を反映しており、レッチリのオープンでエネルギッシュな時期にはストラトやテレキャスター、ソロ活動や実験的な時期にはヤマハSGなどが主力となっていました。総じてビンテージ楽器を中心としつつ、必要に応じて音色を使い分ける姿勢が見られると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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Fender Stratocaster 1962 Sunburst(ローズ指板) | Fender | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | エレキギター | 代表的メインギター。『By The Way』『Stadium Arcadium』などで使用。 |
Fender Stratocaster(白・1961〜63年頃) | Fender | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | エレキギター | 2006年インタビューで言及。後にZach Ironsへ譲渡。 |
Fender Stratocaster 1955 Sunburst(メイプル) | Fender | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | エレキギター | 「Dani California」関連映像で使用確認。 |
Fender Telecaster Custom 1960s | Fender | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | エレキギター | 近年のライブ序盤で頻繁に使用。「Can’t Stop」など。 |
Fender Jaguar 1966(グリーン系)/1962(Fiesta Red) | Fender | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | エレキギター | 「Under the Bridge」PVなどで有名。 |
Gretsch White Falcon(1950年代) | Gretsch | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | エレキギター | 「Californication」「Otherside」で使用。広がりのあるクリーン。 |
Gibson Les Paul 1969(カスタム) | Gibson | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | エレキギター | Marshall Silver Jubileeと組み合わせて使用。 |
Martin 0-15(1940–50年代) | Martin | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | アコースティックギター | 『Californication』制作時にKiedisから借用。 |
Yamaha SG2000(1980年前後) | Yamaha | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers(ソロ活動含む) | John Frusciante | エレキギター | ソロ作品『PBX』『Enclosure』で使用。 |
使用エフェクターとボード構成【Red Hot Chili Peppers・John Frusciante】
ジョン・フルシアンテの音作りにおいて最も有名なのが、BOSS CE-1 Chorus Ensembleです。コーラス/ビブラート機能に加えて、ステレオ出力を利用したアンプ分岐にも活用されており、彼の広がりのあるクリーントーンの基盤を担っています。特に「Under the Bridge」や「Scar Tissue」といった楽曲の空気感はCE-1の存在なしには語れません。
歪み系では、BOSS DS-2 Turbo Distortionが象徴的で、90年代後半から2000年代ツアー期にかけて2台同時運用していたことも知られています。リードトーンに強烈なエッジを加え、ソロ時の迫力を倍増させていました。加えて、BOSS SD-1 Super OverDriveも補助的に使われ、ナチュラルなクランチを得ています。
クリーンの強化にはMXR Dyna CompとMXR Micro Ampを常用。コンプレッサーで音を均し、クリーンブーストでレンジを広げることで、ファンク的なカッティングにも耐える力強さを実現しています。モジュレーション系ではMXR Phase 90やMXR Flangerが登場し、特にソロ時に空間的な動きを加える役割を果たしています。
近年では、MXR Super Badass Variac Fuzzや’78 Distortion、さらにはMXR Reverbなども追加されており、従来のシンプルな構成から少しモダンな音作りへ進化していることがうかがえます。
ワウペダルとして有名なのがIbanez WH-10。オリジナルモデルは現在希少で、本人は改造個体やV3も含めて使っています。「Dani California」のソロや「Can’t Stop」で聴けるダイナミックなワウサウンドはこのペダルによるものです。その他、Electro-Harmonix Big Muff Pi(NYC/Russian)やElectro-Harmonix Holy Grail Reverbも重要で、リバーブは『By The Way』期からほぼ常時セットされています。
空間系は多彩で、DigiTech PDS-1002 Digital Delay、BOSS DD-500、Dunlop Echoplex EP103、MXR Carbon Copy、そして象徴的なLine 6 DL4 Delay Modelerを使用。「By The Way」期以降はDL4がセットの中心にあり、ライブでのループや特殊ディレイ効果も担っていました。さらに、Line 6 FM4 Filter Modelerで「Throw Away Your Television」のようなフィルターステップ系サウンドを実現しています。
よりシンセ的なアプローチでは、Mu-Tron Micro-Tron IV、Moogerfooger MF-101 Low-Pass Filter、Moog CP-251といったフィルター系を導入。これにより、アナログシンセのような揺らぎや包み込むような低域変化をギターで再現しています。短期間ではありますが、DigiTech Whammy IVを使用した時期もありました。
基本のチューニングにはBOSS TU-3を使用し、信号の安定性を確保。さらに、特殊な歪みキャラクターを狙ってWilson Effects NotRite(Fuzzrite系クローン)もボードに組み込まれています。
全体的にフルシアンテのボードは「基本はシンプル、必要な効果を限定的に足す」という方針が貫かれており、時代ごとに少しずつ拡張されてきました。クラシックなCE-1+DS-2中心のセットから、近年の多彩なフィルターやリバーブを含むモダンな構成へと移り変わっていると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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BOSS CE-1 Chorus Ensemble | BOSS | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | コーラス | ステレオ分岐にも利用。代表的クリーンの源。 |
BOSS DS-2 Turbo Distortion | BOSS | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | ディストーション | 2台運用時期あり。リード用に多用。 |
BOSS SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | オーバードライブ | 補助的なクランチ用。 |
MXR Dyna Comp | MXR | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | コンプレッサー | カッティング強化。クリーンを整える。 |
MXR Micro Amp | MXR | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | ブースター | クリーンブーストでレンジを拡張。 |
MXR Phase 90 | MXR | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | フェイザー | ソロ時の空間演出に使用。 |
Ibanez WH-10 | Ibanez | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | ワウペダル | 改造個体含め使用。代表的ワウサウンド。 |
Electro-Harmonix Holy Grail Reverb | Electro-Harmonix | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | リバーブ | 『By The Way』期から常用。 |
Line 6 DL4 Delay Modeler | Line 6 | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | ディレイ | 『By The Way』期以降の中心ディレイ。 |
Mu-Tron Micro-Tron IV | Mu-Tron | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | オートワウ・エンベロープフィルター | シンセ的なフィルターサウンド。 |
BOSS TU-3 | BOSS | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | チューナー | ボード常備の基本ペダル。 |
Wilson Effects NotRite | Wilson Effects | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | ファズ | Fuzzriteクローン。特殊な歪みを補強。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Red Hot Chili Peppers・John Frusciante】
ジョン・フルシアンテの音作りは、一見するとシンプルな機材構成ながら、実際にはEQの微調整やアンプの組み合わせによる繊細なコントロールが核となっています。Marshall JMP MajorやSilver Jubileeのようなビンテージアンプをメインに据えつつ、Fender Showmanなどをクリーン補助として組み合わせ、楽曲ごとに最適な音域バランスを作り上げてきました。
EQ面では、クリーンにおいてTreble(高域)を7〜8、Middle(中域)を5〜6、Bass(低域)を3〜4程度に設定することが多いとされます。特に低域を絞ることで、フリーのベースラインと棲み分けを行い、バンド全体の音像をクリアに保っています。逆にリード時にはMiddleをやや上げ、抜けの良さを重視。これは「Californication」や「Scar Tissue」に代表される透明感あるアルペジオと、「Dani California」や「Can’t Stop」の鋭いリードトーンの両立を可能にしています。
また、アンプのチャンネル切り替えも重要です。Marshall Silver Jubileeをリード専用に使い、歪みが欲しいときだけ踏み込む構成にすることで、アンプそのものがダイナミックレンジを演出しています。歪みペダル(BOSS DS-2やSD-1)はあくまで補助であり、基本的にはアンプの自然なクランチを活かしている点がフルシアンテらしい部分です。
スタジオ録音では、エンジニアがマイクの立て方やEQ処理でさらに音を整えています。Shure SM57をキャビ前に、Neumann U87などコンデンサーマイクを離して設置し、アンプの生々しさと空気感をブレンドすることで、あの「ライブ感のあるレコードトーン」が生まれています。特に『Stadium Arcadium』期はレイヤー録音が多く、同じフレーズを複数トラック重ねることで、厚みと立体感を強調しています。
リバーブの使い方も工夫されており、Electro-Harmonix Holy GrailやFender ’63 Reverb Tankを使用し、アルペジオやクリーンカッティングに深みを加えています。ただし、リバーブは深くかけすぎず、残響がバンド全体のリズムを濁さないように調整。空間系の効果は「響かせる」より「空気感を添える」目的で運用されています。
さらに特徴的なのは、ミックス段階での処理です。フルシアンテのギターは、左右にパンを広く振らず、ほぼセンター寄りに定位させることが多いです。これにより、アンソニーのボーカルと一体化しつつも、フリーのベースに対してギターの中域が前に出すぎないようにバランスを保っています。また、「Scar Tissue」や「Otherside」では、あえてトーンを少し絞り、柔らかいミドル帯を強調することで、メロウでエモーショナルな雰囲気を演出しています。
ライブPAでは、ディレイ(Line 6 DL4やEchoplexなど)を曲中の特定のフレーズにのみ使用するケースが多く、全体を覆うような空間処理はあまり行いません。これは「音を飾る」よりも「一音一音の輪郭を生かす」ためであり、彼の音作りの哲学が現れています。特に「Throw Away Your Television」でのFM4やフィルターペダル使用時には、PA側もEQで中域を調整し、シンセ的なエフェクトが埋もれないよう工夫がされています。
総合すると、ジョン・フルシアンテの音作りは「アンプを主体に据え、EQとミックスで空間を整える」という極めてクラシックかつ実践的なアプローチです。シンプルな機材でも、細やかなセッティングとバンド全体の音像を考慮した調整があるからこそ、あの唯一無二の「レッチリサウンド」が成立していると想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【Red Hot Chili Peppers・John Frusciante】
ジョン・フルシアンテの機材は、ビンテージのフェンダーやマーシャルなど希少かつ高額なモデルが多いため、初心者や中級者にとっては再現が難しい部分があります。しかし近年は、エントリーモデルやマルチエフェクターの進化によって、比較的安価にその音へ近づけることが可能です。ここでは「1万円〜10万円程度」で導入できる現行製品を紹介し、なぜフルシアンテ風サウンドに近づけるのかを具体的に解説します。
まずギターですが、フルシアンテの代名詞であるストラトキャスターは、Fenderのビンテージモデルでは数百万円することもあります。そこでおすすめなのがSquier Classic Vibe ’60s Stratocasterです。ローズ指板仕様もあり、ビンテージ感のあるシングルコイルサウンドを手に入れられます。音抜けや立ち上がりも優れており、EQ調整次第で「Under the Bridge」風のアルペジオも再現可能です。
アンプについては、マーシャルのビンテージヘッドは大音量かつ高額で家庭用には不向きです。その代替としてMarshall DSL20CRやMarshall Origin 20Cを推奨します。これらは小音量でも真空管特有の温かみあるクランチを出せるため、DS-2などの歪みペダルとの相性も良好です。特にOriginシリーズは、クリーンとクランチの両立がしやすく、フルシアンテが好んだブリティッシュトーンを得やすいと評価されています。
エフェクターに関しては、まず必須なのがBOSS DS-2 Turbo Distortion。中古なら1万円前後から手に入り、まさにフルシアンテのリードトーンを再現できる最重要ペダルです。また、BOSS CE-5 Chorus EnsembleはCE-1の現行代替として有力で、ステレオ出力も可能なため「Scar Tissue」や「Otherside」風のコーラス感を簡単に得られます。
リバーブについては、フルシアンテが使用したHoly Grailは現行でも購入可能ですが、より安価に近づけたい場合はTC Electronic Hall of Fame Miniが候補です。シンプルながら深みのあるリバーブを実現でき、クリーンアルペジオの透明感を手軽に再現できます。
さらに、初心者や宅録中心のギタリストにはLine 6 HX StompやBOSS GT-1000COREといったマルチエフェクターも強く推奨されます。これ一台でディレイ、リバーブ、ワウ、ファズまで幅広くカバーでき、フルシアンテの複雑なエフェクトチェーンを1/10以下のコストで再現可能です。特にHX StompにはLine 6 DL4のモデリングも収録されており、「By The Way」期のディレイサウンドをそのまま呼び出すことができます。
要するに、「ビンテージに固執しないこと」「代替の現行モデルを賢く選ぶこと」がフルシアンテ風サウンドへの近道です。ストラト+マーシャル系アンプ+DS-2+コーラス/リバーブ、この4点を揃えるだけで、ライブでも宅録でも十分に「ジョンらしさ」を感じさせるサウンドを得られるでしょう。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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エレキギター | Squier Classic Vibe ’60s Stratocaster | Squier (Fender) | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | ビンテージ風ストラト。価格とサウンドのバランスが良く初心者に最適。 |
アンプ | Marshall Origin 20C | Marshall | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | 自宅でも扱いやすい小型真空管アンプ。クリーン〜クランチが得やすい。 |
ディストーション | BOSS DS-2 Turbo Distortion | BOSS | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | フルシアンテサウンドの核となる歪みペダル。中古市場でも手に入りやすい。 |
コーラス | BOSS CE-5 Chorus Ensemble | BOSS | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | CE-1の現行代替として人気。透明感のあるコーラス。 |
リバーブ | TC Electronic Hall of Fame Mini | TC Electronic | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | コンパクトで扱いやすいリバーブ。アルペジオに深みを追加。 |
マルチエフェクター | Line 6 HX Stomp | Line 6 | Amazonで探す | Red Hot Chili Peppers | John Frusciante | DL4モデリング搭載。幅広いエフェクトでフルシアンテの音作りを再現可能。 |
総括まとめ【Red Hot Chili Peppers・John Frusciante】

ジョン・フルシアンテの音作りの本質は、豪華な機材や複雑なエフェクトチェーンではなく、「シンプルさの中に宿る表現力」にあります。彼が使用してきたのは確かにビンテージのストラトやマーシャルなど名機ばかりですが、実際にはアンプ直のサウンドを基盤にし、必要最低限のエフェクトを加えるという姿勢が一貫しています。
例えば「Under the Bridge」の透明感あるクリーンは、Fender Showman+CE-1のステレオコーラスで広がりを持たせたもの。「Dani California」の爆発的なリードトーンは、DS-2とMarshall Silver Jubileeの組み合わせ。「Scar Tissue」や「Otherside」では、Holy GrailリバーブやDL4によってさりげなく空気感を加えています。すべてが「曲に必要な最小限の音作り」で構成されており、余計な音を足さないことでバンド全体のアンサンブルが引き立つのです。
また、フルシアンテは機材選びと同じくらい演奏タッチを重視しています。ストラトキャスターのシングルコイルを最大限に活かすため、ピックの当て方や指弾きによるニュアンスを巧みに使い分けています。結果として、同じ機材を使っても、彼ならではの「人間味ある音」が前面に出るのです。
再現を目指すギタリストにとって大切なのは、必ずしも同じビンテージ機材を揃えることではなく、音数を絞り、一音の質感を大切にすることです。シングルコイルのストラト、ブリティッシュ系アンプ(あるいはモデリング)、DS-2、コーラスとリバーブ。この基本セットがあれば、十分にフルシアンテ風のトーンは作れます。そして、演奏時には「余白」「間」を意識し、強弱を丁寧につけることで、彼のサウンドに近づくことができるでしょう。
総じて言えば、フルシアンテの音作りの真髄は「シンプル+ニュアンス+空間処理」に集約されます。ギター1本と数台のエフェクターで、これだけ多彩で感動的なサウンドを生み出せるという事実は、多くのギタリストにとって学ぶべき大きなヒントとなるはずです。あなたがストラトを手にしたとき、その一音に心を込めることが、最も彼のサウンドに近づく近道なのです。
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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸ギター
• Fender Stratocaster 1962 Sunburst(ローズ指板)―“定番の一本”。『By The Way』『Stadium Arcadium』の大半や現在のツアーでも主力。
• Fender Stratocaster(白・1961〜63年頃 ※資料表記に差)―2006年のGWインタビューで言及、後年Zach Ironsへ譲渡の逸話も。
• Fender Stratocaster 1955 Sunburst(メイプル)―『Dani California』解説映像ほかで確認。
• Fender Telecaster Custom 1960s ― 近年のライブ序盤(“Can’t Stop”“Around the World”など)で多用。
• Fender Jaguar 1966(グリーン系)/1962(Fiesta Red)―“Under the Bridge”期・PV関連での使用が有名。
• Gretsch White Falcon(1950年代)―“Californication”“Otherside”などでクリーン~オープンなコードワーク。
• Gibson Les Paul 1969(カスタム)―Marshall Silver Jubileeと組み合わせた使用を本人が言及。
• Martin 0-15(1940–50年代)―『Californication』制作期にKiedisから借用して使用。
• Yamaha SG2000(1980年前後)―ソロ期(『PBX』『Enclosure』など)で主力。
🔊アンプ
• Marshall JMP Major 200W(Model 1967)―『By The Way』『Stadium Arcadium』期のメイン。
• Marshall Silver Jubilee 2555 100W ― クランチ/リード用。
• Marshall JTM-45(+Super Bass 100Wの組み合わせ言及あり)―『Californication』期に使用。
• Marshall JCM800(Mother’s Milkツアー期)―4×10キャビと併用。
• Fender Showman(Blackface/Dual Showman Silverface)―クリーン主体の併用アンプ。
• Mesa/Boogie(ヘッド/1991年初期に短期使用)
🎛️エフェクター
• Boss CE-1 Chorus Ensemble(ステレオ分岐にも)
• Boss DS-2 Turbo Distortion(×2運用期あり)
• Boss SD-1 Super OverDrive
• MXR Dyna Comp/MXR Micro Amp(基礎圧縮&クリーンブースト)
• MXR Phase 90/MXR Flanger(モジュレーション)
• MXR Super Badass Variac Fuzz/’78 Distortion/MXR Reverb(近年追加)
• Ibanez WH-10(V3・改造個体含む/代表的ワウ)
• Electro-Harmonix Big Muff Pi(NYC/Russian系)
• Electro-Harmonix Holy Grail Reverb(By The Way期から常用)
• Fender ’63 Reverb Tank(By The Wayツアー前段に設置)
• DigiTech PDS-1002 Digital Delay/Boss DD-500/Dunlop Echoplex(EP103)/MXR Carbon Copy(ディレイ群)
• Line 6 DL4 Delay Modeler(By The Way期~)
• Line 6 FM4 Filter Modeler(“Throw Away Your Television”のステップ系/Obi-Wah用途)
• Mu-Tron Micro-Tron IV/Moogerfooger MF-101 Low-Pass Filter/Moog CP-251(シンセ的フィルター/制御)
• DigiTech Whammy IV(2007年前後の短期使用)
• Boss TU-3(チューナー/ペダルボード常備)
• Wilson Effects NotRite(Fuzzrite系クローン)
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