始めに(特徴紹介)
Rammstein(ラムシュタイン)のギタリスト、Richard Z. Kruspe(リヒャルト・Z・クルスペ)は、インダストリアル・メタルの象徴とも言える重厚で機械的なギターサウンドを作り上げてきました。彼の音作りは、ただ歪ませるだけではなく、冷徹でタイトなリフと独特な空間処理を駆使することで、バンド全体のサウンドを支える重要な役割を果たしています。
代表曲「Du Hast」や「Mein Teil」では、メタル特有の攻撃力に加え、電子的で無機質な雰囲気が強調されます。これを支えるのがMesa/BoogieやSoldanoといったハイゲインアンプ、そしてESP製シグネイチャーモデルを中心としたギター群です。さらに、エフェクターも多数使用し、リバーブやディレイ、ノイズリダクションを組み合わせることで、圧倒的に整理された重低音と、整然とした空間処理を実現しています。
また、彼のプレイスタイルは正確なピッキングとミュートを多用するリフワークが特徴です。Rammsteinの楽曲はシンプルなコード進行が多いものの、音作りと演奏の精度によって圧倒的な迫力を生み出しており、これはリヒャルトならではの個性といえるでしょう。
さらに、近年はFishman Fluence SignatureやSUSTAINIACなど最新のピックアップ技術を導入し、従来のメタルサウンドに持続感や現代的なモジュレーションを加える進化も見せています。これにより、従来のヘヴィな音像に加えて、より幅広い表現力を獲得している点も注目ポイントです。
彼の音作りは「メタルのラウドさ」と「インダストリアルの冷たさ」を兼ね備えた独自のサウンドであり、多くのギタリストが参考にするべき要素を持っています。リスナーが一度聴けば忘れられない、唯一無二のリフとトーンを実現しているのです。
以下では、リヒャルト・Z・クルスペが実際に使用してきたアンプ、ギター、エフェクターを詳細に解説し、どのようにしてあの特徴的なサウンドが生み出されているのかを紐解いていきます。
使用アンプ一覧と特徴【Rammstein・Richard Z. Kruspe】
Richard Z. Kruspe(リヒャルト・Z・クルスペ)のサウンドを語る上で欠かせないのが、Mesa/BoogieやSoldanoといったハイゲインアンプです。彼のギターはバンド全体の骨格を作るため、非常にタイトでパワフルなローエンドと、突き抜けるような中高域を両立させる必要があります。そのため、ステージ規模に応じて複数のアンプやパワーアンプを組み合わせ、ステレオ環境で圧倒的な音圧を生み出しています。
代表的なのはMesa/Boogie Triple Rectifier Solo Headで、モダンメタルの象徴ともいえる鋭いハイゲインサウンドを提供します。リフのアタック感や低音の厚みを前面に押し出し、Rammsteinのシンプルかつ重厚なリズムを支える核となっています。また、Mesa/Boogie Triaxis PreampやStereo Simul 295 Power Ampとの組み合わせにより、より多彩なトーンバリエーションや立体感のある音作りが可能になります。
加えて、Soldano SLO100 Super Lead Overdrive Headも使用されており、こちらはより温かみのある歪みを提供します。Triple Rectifierの硬質なトーンに対し、SLO100は丸みを帯びた中域が特徴で、楽曲によっては両者を切り替えることでダイナミクスを演出しています。さらに、Tech 21 Sansamp PSA1.1やADA MP-1などプリアンプ的な要素を加え、ライブ用のリグとして柔軟なセッティングを行っている点も見逃せません。
Rath Ampはドイツ国内のステージで目撃されることが多く、地域性や特定のセットアップで採用されていると考えられます。また、ラック式のMarshall JMP-1やEL34 100/100を組み合わせたシステムも確認されており、これらは90年代〜2000年代初期にかけて特に使用されていた可能性があります。
このように、リヒャルトのアンプ選びは「とにかく音圧を稼ぐ」「ステレオで壁のような音を作る」という意図が見えます。複数のヘッドとパワーアンプを駆使し、ライブ会場の規模に応じてセットを切り替えてきたと考えられます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Mesa/Boogie Triple Rectifier Solo Head | Mesa/Boogie | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | 代表的メインアンプ。冷たく硬質なハイゲイン。 |
Mesa/Boogie Stereo Simul 295 Power Amp | Mesa/Boogie | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ステレオ駆動でライブ用に採用。 |
Mesa/Boogie Triaxis Preamp | Mesa/Boogie | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ラックシステムに組み込み。多彩な歪みを演出。 |
Soldano SLO100 Super Lead Overdrive Head | Soldano | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | 中域が太く温かみのある歪み。 |
Tech 21 Sansamp PSA1.1 Preamp | Tech 21 | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | スタジオ・ライブ両対応。補助的に使用。 |
ADA MP-1 Preamp | ADA | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ラックシステムに組み込み。80〜90年代に愛用。 |
Rath Amp | Rath | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ドイツ国内での使用例あり。 |
Marshall JMP-1 Preamp | Marshall | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ラック式プリアンプ。90年代中心に使用。 |
Marshall EL34 100/100 Power Amp | Marshall | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ステレオ駆動の大型パワーアンプ。 |
使用ギターの種類と特徴【Rammstein・Richard Z. Kruspe】
リヒャルト・Z・クルスペ(Richard Z. Kruspe)のサウンドの核を担うのは、ESPが製作するシグネイチャーモデル群です。特に「ESP RZK-I」「ESP RZK-II Burnt」「ESP RZK-III」は、彼のステージやPVで頻繁に確認でき、Rammstein特有の重厚かつ機械的なギターリフを表現するために設計されています。
ESP RZK-Iは彼の初期シグネイチャーモデルで、メタリックな質感とタイトな鳴りが特徴です。続くRZK-II Burntは焼け焦げたデザインが印象的で、視覚的なインパクトも強く、ライブ演出との親和性が高いモデルです。さらに最新のRZK-IIIではFishman Fluence Richard Z Kruspe SignatureピックアップとSUSTAINIACが搭載され、従来のメタルサウンドに持続感とモダンな表現力を加えています。
また、ESP LTD RZK600はコストパフォーマンスに優れた廉価版として登場し、ファンや一般ユーザーが彼のサウンドに近づきやすいモデルとなっています。これらESP製モデルは全てダウンチューニングを前提に設計されており、ローエンドが明確で音の分離感も抜群です。
ESP Eclipse-I CTMやEclipse IIといったレスポール系シェイプも愛用しており、より厚みのあるトーンを出す際に用いられています。これらはサステインとローエンドの豊かさに優れており、Rammsteinのシンプルなリフをより重く響かせます。
一方で、Gretsch White FalconやFender Jaguarといった個性的なギターもステージやPVで使用されています。特にWhite Falconはビジュアル面での存在感が圧倒的で、Rammsteinの演出美学に合致する一本といえます。Fender Jaguarはオルタナティブな質感を加える目的で使用され、より多彩な表現を可能にしています。
アコースティックではTakamine EF341SC Acoustic-Electricを使用。バラードや静かなパートで、エレクトリックギターの冷徹なサウンドとは対照的な温かみを演出しています。
このように、リヒャルトのギターはESP製のシグネイチャーモデルを軸としながらも、楽曲や演出によって個性的なモデルを使い分けています。結果として「壁のように迫るメタルリフ」と「ステージ演出に映えるビジュアル性」を両立している点が特徴的だといえるでしょう。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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ESP RZK-I | ESP | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | シグネイチャーモデル | 初期モデル。タイトなサウンド。 |
ESP RZK-I Burnt | ESP | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | シグネイチャーモデル | 焼け焦げデザインが特徴。 |
ESP RZK-II Burnt | ESP | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | シグネイチャーモデル | ライブで使用頻度高い。 |
ESP RZK-III | ESP | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | シグネイチャーモデル | Fishman Fluence、SUSTAINIAC搭載。 |
ESP LTD RZK600 | ESP | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | LTDシグネイチャー | 廉価版モデルでファンに人気。 |
ESP Eclipse-I CTM | ESP | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | レスポール系 | 分厚いサウンドで使用。 |
ESP Eclipse II | ESP | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | レスポール系 | メインセットで確認例あり。 |
ESP LTD Deluxe EC-1000 | ESP | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | LTDモデル | コストパフォーマンスに優れる。 |
ESP KH-2 Kirk Hammett Signature | ESP | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | シグネイチャーモデル | Metallicaシグネチャーを使用。 |
Fender Jaguar | Fender | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | オルタナ系 | 独特な中域キャラクターを追加。 |
Gretsch White Falcon | Gretsch | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | フルアコ | ビジュアル映え重視の採用。 |
Takamine EF341SC Acoustic-Electric | Takamine | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | アコースティック | バラード用に使用。 |
使用エフェクターとボード構成【Rammstein・Richard Z. Kruspe】
リヒャルト・Z・クルスペの音作りにおいて、エフェクターは単なる装飾ではなく、楽曲の世界観を構築する重要な要素となっています。Rammsteinのサウンドは一見シンプルなリフが多いですが、実際には細かいエフェクト処理によって独特の冷たさや重厚感が生み出されています。
代表的なのはTC Electronic ND-1 Nova DelayやNova Dynamics、G-Forceなどのラック系マルチエフェクターです。これらはディレイやコンプレッサー、空間系処理を自在に操り、ライブ時のギターサウンドを広がりのあるものにしています。特にNova Delayは楽曲中の残響感を統一するために欠かせない存在といえます。
モジュレーション系ではCarl Martin Chorus XIIやTrem’O Vibeが使用され、リフの隙間に浮遊感を与える役割を担っています。さらに、Carl Martin The Fuzzは楽曲によって激しい歪みを補強し、インダストリアル特有の荒々しさを演出します。
ノイズリダクションや信号管理も徹底しており、MXR M-135 Smart GateやDrawmer DS201 Dual Noise Gateを組み合わせることで、超ハイゲイン環境でもタイトで無駄のないサウンドを実現しています。また、Korg DTRチューナーやFurman PL-Plusパワーコンディショナーなども導入され、安定したライブパフォーマンスを支えています。
さらに、Dunlop Crybaby DCR-ISR Rack Wahをはじめとしたワウ系、CAE 2×4 Audio ControllerやRS-10、Skrydstrup SC-1 MIDIフットコントローラーといったスイッチングシステムも活用。これにより複雑なセットリストでも瞬時に音色を切り替えられる仕組みを構築しています。これらの工夫が、シンプルに聞こえるリフの裏側で、圧倒的に整理されたプロフェッショナルな音響を生み出しています。
このようにリヒャルトのエフェクトボードは、ライブの安定性と音作りの多彩さを両立させるためのシステムとして構築されているといえます。シンプルに聞こえるRammsteinの音が、実は高度なエフェクトワークによって支えられているのは非常に興味深い点です。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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TC Electronic ND-1 Nova Delay | TC Electronic | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ディレイ | ライブで空間処理に多用。 |
TC Electronic NDY-1 Nova Dynamics | TC Electronic | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | コンプレッサー | 音量バランスを整えるために使用。 |
TC Electronic G-Force | TC Electronic | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | 空間系マルチエフェクター | ラック式。ライブ用メインエフェクト。 |
Carl Martin Chorus XII | Carl Martin | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | コーラス | 浮遊感を加える。 |
Carl Martin Trem’O Vibe | Carl Martin | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | トレモロ | 揺れ感のあるモジュレーション。 |
Carl Martin The Fuzz | Carl Martin | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ファズ | 荒々しい歪みを補強。 |
MXR M-135 Smart Gate | MXR | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ノイズリダクション | ハイゲイン環境でノイズを除去。 |
MXR M-169 Carbon Copy Analog Delay | MXR | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ディレイ | アナログ特有の温かみある残響。 |
EBS MultiDrive | EBS | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | オーバードライブ | 補助的に歪みを追加。 |
Korg DTR Rack Tuner | Korg | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | チューナー | ラックマウント型。ライブ用必需品。 |
Drawmer DS201 Dual Noise Gate | Drawmer | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ノイズリダクション | 精密なノイズ制御。 |
Dunlop Crybaby DCR-ISR Rack Wah | Dunlop | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ワウペダル | ラック式ワウで演出効果。 |
CAE 2×4 Audio Controller | CAE | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | スイッチングシステム | 音色切り替え用。 |
CAE RS-10 | CAE | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | スイッチングシステム | MIDIコントロール対応。 |
Whirlwind Multi-Selector | Whirlwind | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ジャンクションボックス | 複数システムを管理。 |
Skrydstrup SC-1 MIDI Foot Controller | Skrydstrup | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | スイッチングシステム | ライブ用フットコントローラー。 |
Furman PL-Plus Power Conditioner | Furman | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | パワーサプライ | 電源環境を安定化。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Rammstein・Richard Z. Kruspe】
Rammstein(ラムシュタイン)の楽曲は、一見するとシンプルで単調なギターリフが中心ですが、その背後には極めて緻密な音作りとミックスの工夫があります。Richard Z. Kruspe(リヒャルト・Z・クルスペ)の音作りは「圧倒的に整理されたローエンド」「冷徹なミッドレンジ」「鋭いアタック感」の3つに集約されます。
まずアンプ設定ですが、Mesa/Boogie Triple Rectifierをメインに用いる場合、ゲインは高めに設定しつつも、ただ飽和させるのではなくミュート時のタイトさを優先しています。Bassは4〜5程度、Middleはやや低めの3〜4、Trebleは5〜6程度で硬質感を強調します。Presenceを上げすぎず、代わりにPower Amp側で調整することで、全体の音圧を稼ぎながら耳に痛くない音質を保つのがポイントです。
Soldano SLO100やMesa/Boogie Triaxisを使う場合は、中域をやや持ち上げて温かみを加えます。これにより、冷たいトーンばかりにならず、楽曲ごとに表情を変えることが可能になります。Marshall JMP-1やSansamp PSA1.1を補助的に使い、特定の曲でミッドレンジを強調したり、スタジオ録音では厚みを追加するケースも確認されています。
EQの工夫としては、バンド全体のミックスに合わせたセッティングが重要です。Rammsteinは2人のギタリスト(リヒャルトとポール・ランデル)が左右で壁のような音を作るため、片方がロー寄り、もう片方がミッド〜ハイ寄りに調整されるケースが多いと考えられます。リヒャルトの役割は「硬質で冷たい壁」を作ることにあり、ミッドローを抑え気味にして低音と高音を両極端に伸ばすことで、シンセやベースと干渉しない独特の帯域バランスを実現しています。
曲ごとの使い分けも巧みで、例えば「Du Hast」ではリフの鋭さを優先し、トレブルを上げて存在感を前に出しています。一方「Sonne」や「Mein Herz brennt」ではローエンドを厚くして荘厳な雰囲気を演出。近年の「Deutschland」ではFishman Fluence SignatureやSUSTAINIACを活用し、持続感とモダンな倍音感を加えています。
エフェクトの設定面では、ディレイはあくまで短め(300〜400ms程度)で残響を抑え、演奏のリフ感を損なわない範囲に留めています。コーラスやトレモロはイントロやブレイクで控えめにかけ、インダストリアル特有の冷たさや無機質さを演出。リバーブはほとんど使用せず、代わりに会場PAやミックス時の残響処理に任せるケースが多いのも特徴です。
ミックスにおいてはギターをセンターではなく左右に振り分けるダブルトラッキングを基本とし、その際に片方の音作りを微妙に変えることで立体感を演出しています。これは「壁のような音圧」を実現するための基本手法であり、リヒャルトのトーンは片方のチャンネルでより硬質に、もう片方ではやや厚みを持たせるようなセッティングが行われていると推測されます。
また、ノイズゲートを巧みに利用し、ハイゲイン環境でも無駄な余韻やハウリングを徹底的に排除しています。リフの切れ目でピタリと止まる音像は、Smart GateやDS201のようなノイズリダクションを使い込んだ結果であり、リヒャルトのサウンドの「冷たさ」をさらに強調しています。
総じて、彼の音作りは「楽曲全体でのバランス」を重視しており、単体で聴くとやや硬質で冷たく感じられるかもしれません。しかしバンド全体のサウンドに組み込まれることで、その冷たさが逆に迫力と迫真性を増幅させるのです。こうしたアプローチは、Rammsteinが世界的な人気を誇る大きな要因のひとつといえるでしょう。
比較的安価に音を近づける機材【Rammstein・Richard Z. Kruspe】
Richard Z. Kruspe(リヒャルト・Z・クルスペ)のサウンドを完全に再現するのは、ESPシグネイチャーモデルやMesa/Boogieの高額アンプを揃えなければ難しい部分があります。しかし、初心者や中級者が比較的安価に、かつ現実的に近づける方法も数多く存在します。
まずギターについてですが、ESP LTDシリーズは本家ESPの仕様を継承しつつ、価格を抑えたラインナップです。特に「ESP LTD EC-1000」や「LTD RZK600」は、リヒャルト本人も使用するモデルの下位互換として人気があり、数万円台で入手可能です。これらはハムバッカー搭載でダウンチューニングにも強く、メタルサウンドに直結する仕様を持っています。
アンプに関しては、Mesa/BoogieやSoldanoを手に入れるのは容易ではありません。そのため「BOSS Katana シリーズ」や「Marshall Code シリーズ」といったモデリングアンプを活用するのが有効です。これらはハイゲインサウンドを再現でき、さらに内蔵エフェクトでディレイやコーラスを組み合わせることで、リヒャルト風の壁のようなサウンドに近づけます。
エフェクターに関しては、MXR M-135 Smart Gateのようなノイズリダクションを導入することが重要です。ハイゲインで演奏すると必ずノイズが生じますが、これを抑えることで「ピタリと止まる」Rammstein特有のリフ感を再現できます。さらに、BOSS DD-8やTC Electronic Flashbackなどのディレイを組み合わせれば、Nova Delayに近い質感を手軽に体験できます。
また、Fishman Fluence Richard Z Kruspe Signatureの代替として、より安価なアクティブPUである「EMG 81」も有効です。これはメタルの定番ピックアップで、タイトで冷たいトーンを実現できるため、リヒャルトのサウンドキャラクターを十分に再現できます。
マルチエフェクターを導入するのもおすすめです。LINE6 HX StompやBOSS GT-1000 Coreなどは高額ですが、Zoom G5nやNUX MG-300といった比較的安価なマルチでも、十分にインダストリアルメタル風のセッティングを構築できます。特にEQを細かく調整できる機種を選ぶと、低音をタイトに、高音を鋭く、ミッドを抑え気味にするリヒャルト流のバランスが取りやすいでしょう。
最後に、電源環境の安定も重要です。Furmanのパワーコンディショナーは高価ですが、代替として安価なパワーサプライを導入することで、ノイズの少ない安定した環境を得ることができます。これはライブやスタジオでの安定性を大きく左右します。
総じて、リヒャルトの音に近づけるためには「ハムバッカー搭載のギター」「ハイゲイン対応のアンプ」「ノイズリダクション」「ディレイやモジュレーション」の4つを押さえることがポイントです。全てを本物で揃えなくても、適切な代替機材を組み合わせることで、十分にRammsteinの世界観を再現可能です。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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ギター | ESP LTD EC-1000 | ESP | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | シグネイチャー系統の廉価版。ダウンチューニングに強い。 |
ギター | ESP LTD RZK600 | ESP | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | 本人シグネイチャーのLTD版。ファンに人気。 |
アンプ | BOSS Katana-100 MkII | BOSS | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ハイゲインモデリングでRectifier風サウンドを再現。 |
アンプ | Marshall Code 50 | Marshall | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | 安価なモデリング。スタジオ練習にも最適。 |
ピックアップ | EMG 81 | EMG | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | 冷たくタイトなメタルサウンドの定番PU。 |
エフェクター | MXR M-135 Smart Gate | MXR | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | ノイズを完全にカットし、リフをタイトに。 |
エフェクター | BOSS DD-8 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | Nova Delayの代替に最適な多機能ディレイ。 |
マルチエフェクター | Zoom G5n | Zoom | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | 低価格ながらハイゲイン再現性が高い。 |
マルチエフェクター | NUX MG-300 | NUX | Amazonで探す | Rammstein | Richard Z. Kruspe | 初心者向けでも十分にインダストリアル風サウンドが可能。 |
総括まとめ【Rammstein・Richard Z. Kruspe】

Rammstein(ラムシュタイン)のギタリスト、Richard Z. Kruspe(リヒャルト・Z・クルスペ)の音作りは、一言で表すなら「冷たく、硬質で、整理された音圧」です。彼のサウンドは、ヘヴィメタル特有のラウドさとインダストリアルの無機質さを融合させ、唯一無二の存在感を放っています。
使用する機材を振り返ると、ESPのシグネイチャーモデルを中心に、Mesa/BoogieやSoldanoといったハイゲインアンプ、さらにFishman FluenceやSUSTAINIACといった最新技術を積極的に取り入れていることがわかります。これらは単なる機材の選択ではなく、「壁のようなサウンドを作るための必然的な選択」であり、リヒャルトの音作り哲学そのものといえます。
また、エフェクターも豊富に導入されており、ディレイやコーラス、ノイズリダクションを駆使することで、シンプルなリフであっても巨大な音像を生み出しています。特にノイズゲートを用いた「ピタリと止まるリフ感」は、Rammsteinのライブにおける迫力を支える重要な要素です。
音作りの本質は「バンド全体のサウンドを前提とした調整」にあります。単体で聴くと冷たく硬質に感じる音であっても、シンセやドラム、もう一人のギターと混ざることで圧倒的な迫力と存在感を放ちます。これはリヒャルトの音が「孤立したギターサウンド」ではなく、「バンド全体を支える巨大なピース」であることを示しています。
読者が彼の音を再現しようとする際に大切なのは、機材そのものを揃えること以上に「EQやゲートを徹底的に活用して整理する姿勢」です。リヒャルトのサウンドは歪みの多さではなく、不要な帯域を削り、必要な部分を徹底的に強調することで成り立っています。ギターを左右に振り分けるダブルトラッキングや、バンド全体を意識したミックス処理も欠かせません。
総じて、Richard Z. Kruspeの音作りは「過剰なものを削ぎ落とし、必要な要素だけを徹底的に磨き上げる」という美学に基づいています。このアプローチこそが、Rammsteinを唯一無二の存在へと押し上げ、彼のギターを世界中のファンにとって忘れられないサウンドにしています。彼の音を追求することは、単にメタルの音を再現するのではなく、「整理された重厚感」という新たな音作りの指針を学ぶことにつながるでしょう。
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
ギター
ESP RZK-I
ESP RZK-I Burnt
ESP RZK-II Burnt
ESP RZK-III(Fishman Fluence RZKシグネイチャーPU、SUSTAINIAC搭載モデル)
ESP LTD RZK600
ESP Eclipse-I CTM
ESP Eclipse II
ESP LTD Deluxe EC-1000
ESP KH-2 Kirk Hammett Signature
Fender Jaguar
Gretsch White Falcon
Takamine EF341SC Acoustic-Electric
ピックアップ
DiMarzio DP219 D Activator
EMG 81
Fishman Fluence Richard Z Kruspe Signature(Alnico / Ceramic)
SUSTAINIAC Driver(RZK-III搭載)
アンプ
Mesa/Boogie Triple Rectifier Solo Head
Mesa/Boogie Stereo Simul 295 Power Amp
Mesa/Boogie 4×12 Rectifier Cabinet
Mesa/Boogie Triaxis Preamp
Soldano SLO100 Super Lead Overdrive Head
Rath Amp
Tech 21 Sansamp PSA1.1 Preamp
ADA MP-1 Preamp
エフェクター
TC Electronic ND-1 Nova Delay
TC Electronic NDY-1 Nova Dynamics
TC Electronic G-Force
Carl Martin Chorus XII
Carl Martin Trem’O Vibe
Carl Martin The Fuzz
MXR M-135 Smart Gate
MXR M-169 Carbon Copy Analog Delay
EBS MultiDrive
Korg DTR Rack Tuner
Drawmer DS201 Dual Noise Gate
Dunlop Crybaby DCR-ISR Rack Wah
CAE 2×4 Audio Controller
CAE RS-10
Whirlwind Multi-Selector
Skrydstrup SC-1 MIDI Foot Controller
Furman PL-Plus Power Conditioner
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