【Dimebag Darrell】Pantera風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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始めに(特徴紹介)

Dimebag Darrell(ダイムバッグ・ダレル)は、Pantera(パンテラ)のギタリストとして、90年代メタルシーンにおける最も象徴的なサウンドを生み出した人物です。
彼のギタープレイは、ソリッドで圧倒的なリフ、鋭いピッキング、そしてワウやワーミーを駆使した個性的なソロで知られています。特に「Cowboys From Hell」や「Walk」、「Becoming」といった楽曲では、圧倒的なギターサウンドが聴衆を魅了しました。
ダイムバッグの音は、ソリッドステートアンプ特有の硬質で鋭い歪みに、パラメトリックEQでの精緻な音作りを重ねた独特なもので、数多のメタルギタリストに影響を与え続けています。

また、彼のスタイルは「極限までタイトなリズム」と「突き抜けるハーモニクス」によって特徴づけられ、Panteraのサウンドを唯一無二のものにしました。ソロではワーミーペダルを大胆に活用し、従来のギター表現の枠を超えた攻撃的かつ実験的なアプローチを実現しています。
そのサウンドは、現在のメタルコアやスラッシュ・リバイバルシーンでも多大な影響を残しており、まさに「メタルのギターサウンド=ダイムバッグ」と言えるほどの存在感を持っています。

本記事では、Dimebag Darrellが実際に使用したアンプ、ギター、エフェクターの解説から、音作りのEQセッティング、さらに初心者が比較的安価に音を近づける方法までを詳しく解説していきます。
彼の音作りを理解することは、Panteraのサウンドを再現するだけでなく、モダンメタルの基礎を学ぶ上でも非常に重要です。

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使用アンプ一覧と特徴【Pantera・Dimebag Darrell】

ダイムバッグ・ダレルのサウンドを語る上で最も重要なのが「アンプ選び」です。彼の音はチューブアンプではなく、ソリッドステートアンプによって生み出された点が最大の特徴です。
特にRandall RG-100ESは、Pantera初期の名盤『Cowboys From Hell』や『The Great Southern Trendkill』で使用され、硬質かつアグレッシブな歪みを提供しました。このモデルはクリーンさとタイトさを両立し、EQや外部エフェクトとの組み合わせによって、独自のメタルサウンドが確立されました。

次に注目すべきはRandall Century 200です。『Vulgar Display of Power』や『Far Beyond Driven』で使用されたこのモデルは、さらに厚みと暴力性を増した音を実現しました。Century 200のローエンドは凄まじく、Panteraのヘヴィグルーヴを支える重要な要素となっています。
90年代後半になると、彼は自身のシグネチャーモデルであるRandall Warheadを導入。このアンプは、従来のソリッドステートのサウンドに、外部EQやエフェクトを統合した彼独自のチェーンを反映させた設計で、ダイムバッグの音作りを象徴する存在になりました。

さらにPantera解散後、Damageplan期にはKrank Krankensteinというチューブアンプを使用するようになります。ソリッドステートからチューブへ転向した理由は、より太い音圧を求めた結果とされており、彼の進化したトーンを感じることができます。
ライブではRandall 4×12キャビネットを複数スタックで使用し、その爆音と存在感をさらに増幅していました。キャビネットの選択も彼のサウンドに大きな影響を与えており、重厚で鋭い音の壁を作り出しました。

ダイムバッグは徹底してソリッドステートの利点(タイトで切れ味のある歪み)を活かしつつ、EQやエフェクトで音に厚みを加えることで独自の音作りを行っていました。そのため、彼のアンプセッティングは単体で完成するのではなく、必ず外部機材との組み合わせで完成されるのが特徴です。
これらのアンプ群を駆使しながら進化していった彼のトーンは、現在でも「メタルギタリストが追い求めるサウンドの基準」となっている、と想定されます。

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Randall RG-100ESRandallAmazonで探すPanteraDimebag Darrell『Cowboys From Hell』期のメインアンプ。硬質な歪み。
Randall Century 200RandallAmazonで探すPanteraDimebag Darrell『Vulgar Display of Power』期に使用。低域の迫力が特徴。
Randall WarheadRandallAmazonで探すPanteraDimebag Darrell本人シグネチャー。ソリッドステート+EQチェーン反映。
Krank KrankensteinKrankAmazonで探すDamageplanDimebag Darrellチューブアンプ。Pantera解散後に使用開始。
Randall 4×12 CabinetRandallAmazonで探すPanteraDimebag Darrellライブでの爆音スタック。重厚な音作りに貢献。

使用ギターの種類と特徴【Pantera・Dimebag Darrell】

black and gold guitar pick

ダイムバッグ・ダレルのサウンドの根幹を支えたのは、彼が愛用した独特なルックスと仕様を持つギターたちです。もっとも有名なのは、青い稲妻グラフィックのDean ML “Dean From Hell”です。
このモデルは、もともと父親から譲り受けた個体を改造し、ブリッジにはBill Lawrence L-500XLピックアップを搭載。アグレッシブでありながらもクリアなトーンを実現し、Panteraを象徴するリフとソロを支えました。
その強烈なルックスとサウンドは、彼の代名詞となり、世界中のファンやギタリストから憧れの存在となっています。

サブギターとしては、Dean ML(タバコバースト系)が使用され、主にダウンチューニングされた楽曲で活躍しました。低域の厚みを増しつつもML特有のロングスケール感を保つことで、Panteraの重量級リフをより引き立てました。
また、晩年にはDean Razorbackという本人デザインの派生モデルも誕生。ダイムバッグの死後に市販化されましたが、生前のステージでも試作品が使用されていた記録があります。

90年代のPantera黄金期には、Washburn Dime 3シリーズがメインの座を占めます。特に有名なのは、緑黄サンバーストの“Dime Slime”、星条旗モチーフの“Southern Cross”、迷彩柄の“Trendkill”などです。これらはそれぞれ時期ごとの代表的な個体として知られ、アルバムのサウンドイメージを象徴しました。
さらに、Washburnからは試作的な初期プロトタイプや、個性派のCulprit(CP2003)といったモデルも存在し、いずれもダイム独自のデザイン哲学を反映しています。

また、Washburn Stealth / ST Pro / Diamond Plateなども使用されており、これらはより近代的なデザインと操作性を持ち、ステージでの派手なパフォーマンスを支えました。
総じて、彼のギターは単なる楽器以上に「視覚的インパクト」「個性」「独自改造による音質追求」が融合しており、ギター選びそのものが音作りに直結していたといえます。これらの多彩なモデルを駆使することで、彼は作品ごとに異なる世界観を表現していた、と想定されます。

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Dean ML “Dean From Hell”Dean GuitarsAmazonで探すPanteraDimebag Darrellエレキギター青ライトニング。Bill Lawrence L-500搭載の代表機。
Dean ML(タバコバースト)Dean GuitarsAmazonで探すPanteraDimebag Darrellエレキギターダウンチューニング用に使用された個体。
Dean RazorbackDean GuitarsAmazonで探すPanteraDimebag Darrellエレキギター本人と共同デザイン。死後に市販化。
Washburn Dime 3 “Dime Slime”WashburnAmazonで探すPanteraDimebag Darrellエレキギター緑黄サンバースト。90年代代表個体。
Washburn Dime 3 “Southern Cross”WashburnAmazonで探すPanteraDimebag Darrellエレキギター星条旗モチーフ。象徴的なステージ用。
Washburn Dime 3 “Trendkill”WashburnAmazonで探すPanteraDimebag Darrellエレキギター迷彩グラフィック。『Trendkill』期使用。
Washburn Culprit CP2003WashburnAmazonで探すPanteraDimebag Darrellエレキギター希少な設計モデル。実験的デザイン。

使用エフェクターとボード構成【Pantera・Dimebag Darrell】

ダイムバッグ・ダレルのサウンドを特徴づけるもう一つの要素が、独自のエフェクターボード構成です。彼の音はアンプ単体では完成せず、必ず外部EQや空間系、ワウ、ワーミーなどのエフェクトを組み合わせることで唯一無二のサウンドを作り上げていました。
その中でも最も重要なのが、ラックに常設されていたFurman PQ-3/PQ-4パラメトリックEQです。これは単なるEQ以上に、プリアンプ的役割も果たしており、ミッドレンジを強調しながらも帯域を精密にコントロールすることで、Pantera特有の切れ味鋭い歪みを実現しました。

さらに、ブースト用途でMXR 6-Band Graphic EQを多用し、アンプ手前で音の輪郭を整えていました。これによりリズム時はタイトに、ソロ時は抜ける音に変化させられる柔軟性を確保しています。
また、彼のサウンドの奥行きを演出していたのが、ラックマウントのMXR 126 Flanger/Doublerです。この「ダブラー」は常時ONにされることも多く、ギターに厚みと広がりを加えていました。

ソロワークで有名なのが、赤い初代DigiTech Whammy(WH-1)です。代表曲「Becoming」では2オクターブ上げを大胆に使い、メタルギターの表現を新たな次元に押し上げました。また、ワウペダルも重要で、長年使用したDunlop Cry Baby 535Qから、自身のシグネチャーモデルDB-01 “Cry Baby From Hell”へと進化。可変幅の広いワウを駆使し、独特なソロの抑揚を生み出しました。

ラックシステムにはRocktron Hush IIC/IICX(ノイズリダクション)やKorg DT-7(チューナー)、Shure UHFワイヤレスなどが組み込まれており、プロフェッショナルなステージ構成を支えました。さらに、生前最後のプロジェクトではMXR DD-11 Dime Distortionを共同開発中であり、彼の理想とする歪みをペダルで再現する試みが進められていました。

こうしたエフェクト群の選択には一貫した哲学があり、「ギター本体とソリッドステートアンプで生まれる硬質な音を、外部機材で補強・装飾する」スタイルを徹底していました。これにより、リフは極限までタイトに、ソロは突き抜けるほど派手に仕上がったのです。
ダイムバッグのボードは常に進化し続けており、その変化を追うこと自体が彼の音作りの研究となる、と想定されます。

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Furman PQ-3 / PQ-4FurmanAmazonで探すPanteraDimebag Darrellプリアンプ/アンプシミュレーター音の輪郭を決定づける最重要EQ。90年代も継続使用。
MXR 6-Band Graphic EQMXRAmazonで探すPanteraDimebag Darrellイコライザーアンプ前段で使用。リフとソロの切替に必須。
MXR 126 Flanger/DoublerMXRAmazonで探すPanteraDimebag Darrellフランジャーダブラー機能を常時ONで使用。厚みと奥行きを演出。
DigiTech Whammy WH-1DigiTechAmazonで探すPanteraDimebag Darrellピッチシフター「Becoming」の2オクターブ上げで有名。
Dunlop Cry Baby 535QDunlopAmazonで探すPanteraDimebag Darrellワウペダル長年愛用したワウ。後にシグネチャーへ移行。
Dunlop DB-01 “Cry Baby From Hell”DunlopAmazonで探すPanteraDimebag Darrellワウペダル本人シグネチャー。可変幅広く多機能。
Rocktron Hush IIC/IICXRocktronAmazonで探すPanteraDimebag Darrellノイズリダクションステージノイズを軽減。ラック常設。
MXR DD-11 Dime DistortionMXRAmazonで探すPanteraDimebag Darrellディストーション生前に共同開発したシグネチャー歪みペダル。

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Pantera・Dimebag Darrell】

Marshall logo

ダイムバッグ・ダレルの音作りの核心は「徹底した帯域コントロール」と「アンプ・EQ・エフェクトの三位一体構成」にあります。特に彼のEQ設定は非常に特徴的で、一般的なメタルギタリストの「ロー強調・ハイ強調・ミドルカット」とは異なり、ミドル帯をあえて積極的にコントロールしていました。
Furman PQ-3/PQ-4やMXR EQを使い、2kHz〜3kHz付近を強調しながら、低域(100Hz以下)を削ることで音の輪郭を極端にシャープに整形しています。これにより、バスドラムやベースとの帯域かぶりを回避しつつ、ギターだけが突き抜けるような存在感を獲得しました。

アンプ側の設定では、ソリッドステート特有の硬質な歪みをベースに、ゲインは過剰に上げすぎず「歪みの量よりも帯域で音を作る」というアプローチを徹底しています。たとえばRandall RG-100ESでは、Bassを4〜5程度、Midを1〜2程度までカットし、Trebleを7〜8に設定することが多かったといわれています。さらに外部EQでミドル帯をブーストすることで、通常のアンプEQでは実現できない独自の鋭い音像を作り出しました。

ソロパートにおいては、ワウペダルやワーミーを併用し、EQ帯域を動的に変化させることでより攻撃的で立体的なサウンドを表現しました。「Cemetery Gates」のハーモニクスや「Becoming」のピッチシフトはまさにその代表例です。単にエフェクトを“足す”のではなく、音作りの基盤であるEQ処理と連動させてダイナミックに表現していたことが特徴です。

ミックス面では、Panteraの作品におけるギターはセンターに強烈に定位し、ダブルトラッキングではなくシングルトラックを極限まで前に出すスタイルが採用されました。これはTerry Date(プロデューサー/エンジニア)との連携によるもので、余分なリバーブや空間処理をほぼ排除し、ドライかつ直線的な音像を作り上げることに成功しています。
そのため、ライブやCDで聴いても一貫して「剃刀のように切り込むギター」が特徴的に響いており、まさにPanteraの代名詞ともいえる迫力を持っていました。

また、リズムギターとソロギターでセッティングを変えることもありました。リズムではローをタイトに削り、ソロでは中高域をさらにブーストし、ハーモニクスやピッキングのニュアンスが抜けやすくなるよう調整していました。特にワーミー使用時は、音程感が崩れやすいためEQで2kHz〜5kHz帯を持ち上げて明瞭感を確保する工夫がなされていました。

総じてダイムバッグのセッティングは「アンプ単体では再現できない、外部EQとラックシステムありき」の音作りであり、彼の独自性を支える最大の秘密でもありました。この哲学を理解することが、彼の音を再現する第一歩である、と想定されます。

比較的安価に音を近づける機材【Pantera・Dimebag Darrell】

ダイムバッグ・ダレルのサウンドは、専用のソリッドステートアンプや特注EQを中心としたシステムで構築されていましたが、近年では初心者や中級者でも比較的安価にその音に近づけることが可能になっています。ここでは市販されている1万〜5万円程度の機材を中心に、Pantera風のサウンド再現に有効な製品を紹介します。
大切なのは「帯域をコントロールしてタイトにすること」と「歪みを厚くしすぎず、抜けを意識すること」です。これを踏まえて選べば、原音に迫る音を作ることができます。

まず歪み系としては、ダイムバッグ本人が生前にMXRと共同開発したMXR DD-11 Dime Distortionの系譜を継ぐペダルや、同社のMXR Fullbore Metalが候補に挙げられます。Fullbore Metalは強烈なゲインとタイトなローエンド、ノイズゲート機能を備えており、Pantera風の硬質サウンドを手軽に再現できます。価格も2万円前後と入手しやすい点が魅力です。

次に重要なのがイコライザーです。本人が多用していたFurmanやMXR EQの代替として、BOSS GE-7 Graphic Equalizerは非常に有効です。7バンドのEQで中域を自在にコントロールできるため、ダイムバッグのトーンに欠かせない「突き抜けるミッド」をシミュレートできます。これを歪みペダルの前段や後段に置いて調整すると効果的です。

ワーミー効果を再現するなら、現行品のDigiTech Whammy 5が最適です。Becomingで聴けるような2オクターブ上げの飛び道具的サウンドも、現代のモデルなら安定して再現可能です。また、ワウペダルとしてはBOSSのPW-3 WahやDunlop Cry Babyシリーズのスタンダードモデルで十分対応可能です。特に535Qは中古市場でも手に入りやすく、ダイムバッグのワウサウンドに迫ることができます。

アンプに関しては、現行でRandallやKrankを揃えるのは難しいですが、モデリングアンプやマルチエフェクターで近づけることが可能です。たとえばBOSS KatanaシリーズLine 6 POD Goは、Pantera的なハイゲインサウンドをシミュレートできるプリセットを持っており、追加のEQペダルと組み合わせれば雰囲気をかなり再現できます。価格帯も3万円〜5万円程度と比較的手頃です。

このように、必ずしも高価なシグネチャーモデルを揃えなくても、EQ・ディストーション・ピッチシフターを中心とした基本構成でPantera風の音を体感することは可能です。重要なのは「リフではタイトに、ソロでは抜けを意識する」調整です。こうした工夫で、誰でも手軽にDimebag Darrellの迫力あるサウンドへ近づけるでしょう。

種類機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
ディストーションMXR Fullbore MetalMXRAmazonで探すPanteraDimebag Darrell高ゲイン+ノイズゲート内蔵でPantera風リフ再現に最適。
イコライザーBOSS GE-7BOSSAmazonで探すPanteraDimebag Darrell中域を強調し、抜けるリードサウンドを再現可能。
ピッチシフターDigiTech Whammy 5DigiTechAmazonで探すPanteraDimebag Darrell「Becoming」のような2オクターブ上げを再現。
ワウペダルDunlop Cry Baby 535QDunlopAmazonで探すPanteraDimebag Darrell本人が愛用。中古市場で安価に入手可能。
マルチエフェクター/アンプBOSS Katana-50 MkIIBOSSAmazonで探すPanteraDimebag Darrellモデリングアンプでハイゲイン再現可能。初心者にもおすすめ。

総括まとめ【Pantera・Dimebag Darrell】

まとめイメージ

Dimebag Darrell(ダイムバッグ・ダレル)の音作りを総括すると、「ソリッドステートアンプの硬質な歪みをベースに、EQとエフェクトで突き抜ける個性を構築する」ことに尽きます。彼のサウンドは、チューブアンプ主流だったメタル界において異質でありながら、Panteraを唯一無二の存在へ押し上げました。
その音はリフでは極端にタイトで切り裂くように響き、ソロではワーミーやワウによってアグレッシブかつ劇的なインパクトを与えるものでした。特に、EQで徹底的に中域をコントロールし、バンド全体のミックスにおいてもギターがセンターを独占するような音像を作り出した点は、エンジニアリング的にも革新的だったといえます。

また、彼の機材選びには「見た目のインパクト」と「個性的な音質」が常に重視されていました。DeanやWashburnのMLシェイプ、稲妻や迷彩、星条旗といった派手なグラフィックは、単なる装飾ではなく、ステージ上での存在感そのものを音と一体化させる重要な要素でした。視覚と聴覚を同時に刺激することで、観客に強烈な印象を与え続けたのです。

さらに、音作りの思想として「システム全体でサウンドを完成させる」という発想が徹底していました。アンプだけで完結するのではなく、外部EQ・フランジャー・ワーミー・ノイズリダクションを組み合わせ、全体のバランスを自らコントロールするスタイルは、現在のモダンメタルギタリストにも受け継がれています。
多くのギタリストが「ダイムバッグ・トーン」を追い求める理由は、その独自性と汎用性にあります。彼の音は単なるハイゲインサウンドではなく、プレイスタイルや表現力までも含めた総合芸術だったといえるでしょう。

初心者が彼の音に迫るためには、必ずしも高価な機材を揃える必要はありません。ディストーション+EQ+ピッチシフターの3要素を中心に組み立て、リフではタイトさを重視し、ソロでは大胆な表現を加えることで、十分に「Panteraらしさ」を体感することができます。
重要なのは「帯域をどう扱うか」を常に意識すること。これはDimebag Darrellの音作りの本質であり、時代を超えて通用するギタートーン哲学です。

最後に、彼のサウンドを再現する上で大切なのは、機材よりも「攻めの姿勢」と「実験精神」です。既存の枠を破り、自分自身の音を作るという姿勢こそが、ダイムバッグの最大の遺産であり、今日も多くのギタリストに勇気とインスピレーションを与え続けています。

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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!

🎸ギター
• Dean ML “Dean From Hell”(青ライトニング):メイン。Bill Lawrence L-500系PUを搭載。
• Dean ML(タバコバースト系):ダウン・チューニング用に使用。
• Dean Razorback:生前に共同デザインした派生ML。シリーズは死後に発売。
• Washburn Dime 3 “Dime Slime”(緑黄サンバースト):Pantera期に実使用。
• Washburn Dime 3 “Southern Cross”(星条旗モチーフ):90年代後半の代表的個体。
• Washburn Dime 3 “Trendkill”(迷彩):『T.G.S. Trendkill』期の象徴的グラフィック。
• Washburn Dime 3(初期プロトタイプ):Dean不在期にWashburnが送付した試作機。
• Washburn Stealth / ST Pro / Diamond Plate
• Washburn Culprit(CP2003 など):希少なダイム設計モデル。

🔊アンプ
• Randall RG-100ES:『Cowboys From Hell』『The Great Southern Trendkill』で使用。
• Randall Century 200:『Vulgar Display of Power』『Far Beyond Driven』期に使用。
• Randall Warhead(シグネチャー):1999年前後の自分仕様ソリッドステート。“RG-100+外部EQ/FXの自分流チェーン”を反映したモデルとして位置づけられる。
• Krank Krankenstein(シグネチャー):Pantera解散後のDamageplan期にチューブへ転向して契約。
• Randall 4×12キャビネット:併用キャビの使用記録(モデル名記載あり)。;

🎛️エフェクター/ラック
• Furman PQ-3 / PQ-4(パラメトリックEQ/プリアンプ):ゲインと輪郭を作る“肝”。90年代後半も継続使用記録。
• MXR 6-Band Graphic EQ:アンプ手前での整形とブーストに常用。
• MXR 126 Flanger/Doubler(ラック):ダブラーを“常時ON”で層厚を付加。
• DigiTech Whammy(赤いWH-1):〈Becoming〉の“2オクターブ上げ”で有名。
• Dunlop Cry Baby 535Q/DB-01 “Cry Baby From Hell”:前者を長年使用→後者は本人シグネチャー。
• Rocktron Hush IIC/IICX(ノイズリダクション)、Korg DT-7(チューナー)、Shure UHF(ワイヤレス):ラック/システム周辺機材。
• MXR DD-11 Dime Distortion:生前にMXRと開発を進めていた歪みペダル。

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