始めに(特徴紹介)
SEKAI NO OWARIのギタリストNakajin(中島真一)は、バンドの楽曲に欠かせない多彩なギターサウンドを生み出すマルチプレイヤーとして知られています。
彼のプレイスタイルは非常に幅広く、アルペジオを基調とした繊細なクリーンサウンドから、力強いディストーションサウンドまで、楽曲の世界観に合わせて使い分けています。代表曲「Dragon Night」では印象的なリフワーク、「RPG」では美しいアルペジオ、「SOS」では重厚なロックサウンドを披露しており、その多様性がセカオワサウンドの重要な要素となっています。
Nakajinの音作りで特に注目すべきは、クリーンサウンドの美しさとエフェクトの効果的な使用です。リバーブやディレイを巧みに使い分けることで、楽曲に奥行きと空間性を与えています。また、バンドの楽曲が持つポップさとロック性を両立させるため、音圧と透明感のバランスを重視したセッティングが特徴的です。
ライブでは安定したパフォーマンスを維持するため、信頼性の高い機材選びにこだわっており、特にFenderギターとMarshallアンプの組み合わせを基本としながら、楽曲ごとに最適なエフェクトを追加する手法を取っています。この柔軟性こそが、セカオワの多彩な楽曲群に対応できる秘訣と言えるでしょう。
▶ SEKAI NO OWARI の公式YouTube動画を検索
使用アンプ一覧と特徴【SEKAI NO OWARI・Nakajin】
Nakajinのアンプ選びは、ライブでの安定性とスタジオでの音質の両立を重視したセレクションとなっています。メインアンプとして使用されているのは、Marshall JCM800シリーズとFender Twin Reverbで、これらが彼のサウンドの基盤を支えています。
Marshall JCM800は、1980年代から続くロックアンプの定番モデルで、Nakajinが求める適度な歪みと抜けの良いミドルレンジを実現しています。特にライブでの使用頻度が高く、「Dragon Night」や「SOS」といったロック色の強い楽曲で威力を発揮します。このアンプの特徴は、ゲインを上げすぎずとも音楽的な歪みが得られる点で、セカオワの楽曲に必要な「歌との調和」を実現できています。
一方、Fender Twin Reverbは主にクリーンサウンドで使用され、「RPG」や「虹色の戦争」などのバラード系楽曲で重宝されています。このアンプの持つ透明感のあるクリーンサウンドと、内蔵リバーブの美しい響きが、Nakajinのアルペジオプレイを際立たせています。特に、スタジオレコーディングではこのアンプのクリーンチャンネルが多用されており、エフェクトの乗りの良さも評価されています。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
JCM800 2203 | Marshall | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | メインアンプ。ライブでの使用頻度が高く、ロック系楽曲で多用 |
Twin Reverb | Fender | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | クリーンサウンド専用。レコーディングとライブのバラード系で使用 |
JVM410H | Marshall | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | サブアンプとして使用。4チャンネル仕様で楽曲に応じた使い分けが可能 |
Herbert | Diezel | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | 多機能3チャンネル仕様のドイツ製ハイゲインアンプ。ライブで使用 |
Triple Rectifier | Mesa Boogie | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | ハイゲイン3ch仕様。パワフルで厚みのあるサウンドが特徴 |
使用ギターの種類と特徴【SEKAI NO OWARI・Nakajin】

Nakajinのギター選択は、SEKAI NO OWARIの多彩な楽曲に対応するため、複数のタイプを使い分けています。メインギターとして愛用されているのがFender Stratocasterで、特にアメリカンスタンダードシリーズを長年にわたって使用しています。
Fender Stratocasterの選択理由は、その汎用性の高さにあります。シングルコイルピックアップによる繊細なクリーンサウンドは、「RPG」や「Hey Ho」などのポップス系楽曲で美しいアルペジオを奏でる際に威力を発揮します。また、ピックアップセレクターによる音色変化を活用し、楽曲の展開に応じてニュアンスを変えています。5ポジションの使い分けにより、フロント単体の温かいサウンドから、リア単体の鋭いサウンドまで、一本で幅広い表現が可能です。
サブギターとしては、Gibson Les Paul Standardも使用されており、こちらは主にロック系楽曲で活躍しています。「Dragon Night」や「SOS」といった力強いロックサウンドが求められる楽曲では、ハムバッカーピックアップの太い音色が重宝されています。レスポールの持つサスティンの長さと音の厚みが、バンドサウンドの中でギターの存在感を際立たせています。
アコースティックギターについては、Martin D-28を愛用しており、「虹色の戦争」などのアコースティック系楽曲やライブでの弾き語りセクションで使用されています。マーチンの持つ豊かな響きと音量バランスが、バンドアンサンブルの中でも埋もれることなく、美しいハーモニーを生み出しています。
使用エフェクターとボード構成【SEKAI NO OWARI・Nakajin】
Nakajinのエフェクターボード構成は、SEKAI NO OWARIの楽曲の多様性に対応するため、空間系エフェクトを中心とした実用的なセットアップとなっています。彼のサウンドメイキングにおいて最も重要な役割を果たしているのが、BOSS DD-7 Digital Delayです。
DD-7は「RPG」のイントロで聞こえる印象的なディレイサウンドや、「Hey Ho」でのアルペジオに奥行きを与える際に使用されています。設定は比較的短めのディレイタイム(200-400ms程度)を基本とし、フィードバック量を楽曲に応じて調整しています。このエフェクターの魅力は、デジタルながらも音楽的で自然なディレイサウンドを生み出せる点で、Nakajinのプレイスタイルとの相性が抜群です。
リバーブについては、BOSS RV-6 Reverbが主力となっており、特にHALLモードとROOMモードを使い分けています。バラード系楽曲では深めのHALLリバーブで空間の広がりを演出し、ロック系楽曲では控えめなROOMリバーブでアンビエンスを付加しています。内蔵されているSHIMNERモードは、「虹色の戦争」などの幻想的な楽曲で効果的に使用されており、オクターブ上の音を混ぜることで独特の浮遊感を生み出しています。
歪み系としては、Ibanez Tube Screamer TS9を使用しており、これは主にソロセクションでのブーストとして活用されています。ゲインは控えめに設定し、アンプの歪みをプッシュする用途で使用することが多く、「Dragon Night」のギターソロなどで印象的なサウンドを作り出しています。TONEは12時方向、GAINは9時方向という比較的クリーンな設定で、アンプの持つ自然な歪みを活かしています。
モジュレーション系では、BOSS CE-5 Chorus Ensembleが重要な役割を果たしています。これは「SOS」のクリーンパートや「スターライトパレード」でのアルペジオ部分で使用されており、サウンドに広がりと煌めきを与えています。設定はRATEを遅め、DEPTHを中程度にすることで、派手すぎない上品なコーラス効果を実現しています。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
DD-7 Digital Delay | BOSS | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | ディレイ | メインディレイ。RPGのイントロなど印象的なディレイサウンドで使用 |
RV-6 Reverb | BOSS | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | リバーブ | HALLとROOMモードを楽曲に応じて使い分け。SHIMNERも活用 |
Tube Screamer TS9 | Ibanez | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | オーバードライブ | ソロセクションでのブースト用。控えめなゲイン設定でアンプをプッシュ |
CE-5 Chorus Ensemble | BOSS | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | コーラス | クリーンパートで使用。控えめな設定で上品なコーラス効果を実現 |
TU-3 Chromatic Tuner | BOSS | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | エクスプレッションペダル | チューナー。ライブでの安定性を重視して選択 |
PLASMA Pedal | Gamechanger Audio | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | ディストーション | 高電圧放電による独特な歪み。視覚効果もありライブ映えする |
OVERHIVE | BEETRONICS | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | オーバードライブ | ミッドゲインで柔軟なドライブサウンド。トーン幅も広い |
Fuzz Factory | Z.VEX | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | ファズ | 発振系含む多彩なサウンド。個性的なファズとして愛用 |
FULL-DRIVE2 | Fulltone | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | オーバードライブ | TS系の進化版。クリアさと粘りのバランスに優れる |
ISO Boost | Suhr | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | ブースター | ノイズレスで透明感のあるクリーンブースト。バッファー内蔵 |
Small Clone | electro-harmonix | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | コーラス | 暖かくリッチなアナログコーラス。90年代サウンドにも最適 |
BigSky | strymon | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | リバーブ | スタジオ品質の高品位リバーブ。深い空間系に最適 |
TimeFactor | Eventide | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | ディレイ | 高機能なデュアルディレイ。MIDI制御可能なプロ向け |
MOOD | Chase Bliss Audio | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | ディレイ | グラニュラー/マイクロループ系。アンビエント演出に最適 |
CP-101 | Maxon | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | コンプレッサー | 自然で素直なかかり方。音の粒を揃えつつ原音を保つ |
POG2 | electro-harmonix | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | オクターバー | 和音対応の高精度ピッチシフター。重厚なオルガン系音作りに |
AW-3 Dynamic Wah | BOSS | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | ワウ | ピッキングワウからオートワウまで対応する多機能モデル |
VP-10 | KORG | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | ボリュームペダル | 独立入出力で2系統制御。繊細な音量コントロールが可能 |
XW-1 | Xotic | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | ワウ | EQやQ幅も調整可能。高機能モダンワウとして人気 |
M9 | LINE6 | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | マルチエフェクター | 100以上のエフェクト搭載。ライブでも即戦力 |
Pitchblack | KORG | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | チューナー | 視認性・耐久性に優れる定番チューナー |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【SEKAI NO OWARI・Nakajin】

Nakajinの音作りにおける最大の特徴は、楽曲の世界観を重視したセッティング手法にあります。彼のアプローチは単純にギターサウンドを際立たせるのではなく、バンド全体のアンサンブルの中でギターがどのような役割を果たすべきかを常に考慮しています。
アンプのEQセッティングについては、Marshall JCM800使用時は「BASS: 6、MIDDLE: 7、TREBLE: 6、PRESENCE: 5」を基本設定としています。この設定により、低域の膨らみを抑えつつ、中域の抜けを確保し、高域の刺激的な成分をコントロールしています。特にMIDDLEを少し上げることで、バンドアンサンブルの中でギターの存在感を保ちながら、ボーカルとの干渉を避けています。
Fender Twin Reverb使用時は「BASS: 4、MIDDLE: 5、TREBLE: 7、REVERB: 3」の設定で、より透明感のあるクリーンサウンドを追求しています。TREBLEを高めに設定することで、アルペジオプレイ時の各音の分離感を向上させ、REVERBは控えめにして後段のエフェクターでの空間処理を優先しています。
楽曲ごとの使い分けも徹底しており、「RPG」では非常にクリーンなセッティングでディレイを深めにかけ、幻想的な世界観を演出しています。一方「Dragon Night」では、アンプのゲインを5程度まで上げ、Tube Screamerでさらにプッシュすることで、エネルギッシュなロックサウンドを実現しています。
レコーディングにおけるミックス処理では、ギタートラックのEQで2-3kHz周辺を軽くカットし、ボーカルとの分離を図っています。また、ディレイやリバーブなどの空間系エフェクトは、レコーディング時に録音するのではなく、ミックス段階で追加することが多く、これにより楽曲全体のバランスを見ながら最適な空間処理を施しています。コンプレッサーは軽めにかけ、アタック感を残しながらサスティンを確保する設定が基本となっています。
比較的安価に音を近づける機材【SEKAI NO OWARI・Nakajin】
Nakajinのサウンドを手頃な価格で再現したい方のために、コストパフォーマンスに優れた機材をご紹介します。高価な機材の代替として、音の特性を理解した上で選択することで、十分に近いサウンドを得ることが可能です。
ギターについては、Fender Player Stratocasterが最適な選択肢となります。メキシコ製のこのモデルは、アメリカンスタンダードと同じアルダーボディとメイプルネックを採用しており、基本的な音響特性は非常に似ています。ピックアップもAlnico 5を使用したシングルコイルで、Nakajinが多用するクリーンサウンドやクランチサウンドを十分に再現できます。価格は約10万円前後と、本家の半額程度で入手可能です。
アンプに関しては、BOSS Katana-50が非常に優秀な代替品となります。このデジタルアンプは、Marshallライクなクランチサウンドからクリーンサウンドまで幅広くカバーしており、特にクリーンチャンネルの透明感はFender Twin Reverbに近い質感を持っています。内蔵エフェクトも充実しており、リバーブやディレイも自然な音質で、Nakajinの楽曲の多くを一台でカバーできます。
エフェクターについては、BOSS GT-1というマルチエフェクターが優れた選択肢です。Nakajinが使用している個別エフェクターの音を高いレベルで再現しており、特にDD-7のディレイアルゴリズムやRV-6のリバーブアルゴリズムが内蔵されているため、かなり近いサウンドが得られます。また、Tube Screamerタイプの歪みやコーラスも内蔵されており、一台で彼のエフェクターボードをほぼ再現できます。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
エレキギター | Player Stratocaster | Fender | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | メキシコ製でコスパ良好。アメスタと同様の基本構造でサウンド特性が近い |
ギターアンプ | Katana-50 | BOSS | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | デジタルアンプながらアナログライクなサウンド。内蔵効果も高品質 |
マルチエフェクター | GT-1 | BOSS | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | Nakajin使用エフェクターのアルゴリズムを多数内蔵。一台で完結可能 |
ディレイ | DD-3T Digital Delay | BOSS | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | DD-7の下位モデル。基本的なディレイ音は非常に近い特性を持つ |
リバーブ | RV-3 Digital Reverb/Delay | BOSS | Amazon検索 | SEKAI NO OWARI | Nakajin | ヴィンテージモデルだが中古で安価。RV-6に近いリバーブ特性 |
総括まとめ【SEKAI NO OWARI・Nakajin】

Nakajinの音作りの本質を理解するためには、まず彼が「ギタリスト」である前に「音楽家」であるという点を認識することが重要です。彼のサウンドメイキングは、単純にギターの音を良くするのではなく、SEKAI NO OWARIというバンドの楽曲全体の世界観を表現するための手段として機材選択とセッティングが行われています。
彼のサウンドの最大の特徴は「楽曲への奉仕」という姿勢にあります。派手なギターソロで自己主張するのではなく、楽曲の持つメッセージや感情を効果的に伝えるためのサウンドデザインを心がけています。これは「RPG」での美しいアルペジオや「Dragon Night」での力強いリフワークなど、楽曲ごとに全く異なるアプローチを取ることからも明らかです。
技術的な観点から見ると、Nakajinの音作りは「シンプルでありながら効果的」という哲学に貫かれています。使用する機材は決して多くありませんが、それぞれが明確な役割を持っており、無駄がありません。Marshall JCM800とFender Twin Reverbという対照的な2台のアンプを軸に、必要最小限のエフェクターで最大限の表現力を引き出しています。
特に注目すべきは、空間系エフェクトの使い方です。ディレイとリバーブを効果的に組み合わせることで、楽曲に奥行きと広がりを与えており、これがセカオワサウンドの重要な要素となっています。単純に音を飾るのではなく、楽曲の持つ世界観を音響的に表現するためのツールとして活用している点が秀逸です。
Nakajinのサウンドを再現する際に最も重要なのは、機材のスペックではなく「音楽的な意図」を理解することです。なぜその音を選んだのか、なぜそのセッティングにしたのかという背景を理解することで、同じ機材を使わなくても彼の音の本質に近づくことができます。例えば、クリーンサウンドでの透明感や、歪みサウンドでの音楽的な歪み方など、音の質感に対する彼のこだわりを理解することが重要です。
また、ライブとレコーディングでの使い分けも彼の音作りの特徴の一つです。スタジオではより繊細な音作りを追求し、ライブでは安定性と再現性を重視したセッティングを行っています。この柔軟性こそが、プロフェッショナルとしての彼の音楽家としての成熟度を表しています。
最後に、Nakajinのサウンドを学ぶ上で忘れてはならないのは、彼の音楽に対する真摯な姿勢です。技術的な巧さよりも音楽的な表現力を重視し、常にリスナーの心に響く音を追求している姿勢は、すべてのギタリストが学ぶべき重要な要素です。機材や技術は手段であり、最終的には音楽的なメッセージを伝えることが目的であるという彼の哲学は、現代のギタリストにとって非常に示唆に富んでいます。
Nakajinのサウンドを再現することは、単なる模倣ではなく、音楽的な表現力を高めるための学習プロセスとして捉えることができます。彼の音作りから学べることは、機材の使い方だけでなく、音楽に対する向き合い方そのものなのです。
コメント