始めに(特徴紹介)
MIYAVI(雅)は、日本の音楽シーンでも異彩を放つ唯一無二のギタリストです。彼の最大の特徴は、ピックを使わず指弾きによる“スラップ奏法”をロック・ポップ文脈で多用する点にあります。
ファンクやR&Bのベースプレイのようにギターの弦を叩き、はじき出す独特なスラップスタイルは、リズミカルかつグルーヴィーなサウンドを生み出し、国内外のステージで圧倒的な存在感を放っています。
代表曲には「WHAT’S MY NAME?」や「STRONG」、「Mission: Impossible Theme(映画版アレンジ)」などがあり、いずれも彼のスラッププレイと多彩なエフェクト処理が組み合わさった音作りが中心です。
ギターそのものにも特別な改造が施されており、センターピックアップの位置やサスティナー搭載、ブリッジの独自モディファイなど、スラップ時のサウンドとフィードバックコントロールに最適化されています。
MIYAVIはまた、ワールドツアーや映画『マレフィセント』出演などでも知られており、音楽のみならずビジュアルパフォーマンスも含めて、世界的に注目される“サムライギタリスト”としての地位を確立しています。
その唯一無二の奏法とサウンドメイキングは、多くのギタリストに影響を与えており、音作りを分析するうえでも非常に多くの学びが詰まっています。
本記事では、そんなMIYAVIの音作りの秘密に迫り、使用ギター・アンプ・エフェクター構成から、具体的なセッティングやEQの工夫、代替機材による再現方法まで詳しく解説していきます。
使用アンプ一覧と特徴【MIYAVI・MIYAVI】
MIYAVIのアンプ選びは、彼の多彩な奏法やジャンル横断的なサウンドを支える上で非常に戦略的です。スラップ奏法の高速なアタックと繊細なニュアンスを両立させるため、クリーントーンに定評のあるFender系、そしてハイゲインまで対応可能なMarshall系を中心に構成されています。
まず代表的なのが、Marshall 1959SLP。クラシックなPlexiサウンドで知られるこのモデルは、「Fire Bird」ツアー時などに使用され、MIYAVIの激しいスラップにも埋もれない、張りのある中高域を持ち味としています。
一方で、Fender Super Sonic Twinは煌びやかかつ張り出しのあるクリーントーンが特徴で、特にファズ系ペダルとの組み合わせ時に使用されることが多いです。空間系エフェクトとの相性も良く、MIYAVIの立体的な音像を作る上で欠かせない存在です。
JVM210H(Marshall)は現代的なハイゲイン対応アンプで、スラップ奏法に求められるスピード感とパンチを両立するためにチョイスされています。プリアンプ段のゲインを細かく調整することで、曲ごとにキャラクターの異なる歪みを演出できます。
また、Fender Hot Rod DeVilleはスタジオでの使用からライブまで幅広くカバーされており、特にトーンレンジの広さや音の立ち上がりの早さが評価されています。スラップ系の突発的なアタックにも追従できる反応速度は、MIYAVIのプレイにおいて重要な要素です。
これらのアンプはいずれも、彼のユニークなサウンドメイクを支える「原音忠実性」と「瞬発力」に優れたモデルであり、組み合わせや使用する曲によって柔軟に選択されています。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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1959SLP | Marshall | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | Fire Birdツアーなどで使用されたPlexi系アンプ。中高域の張りが特徴 |
JVM210H | Marshall | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | 現代的なハイゲインモデル。スラップ奏法との相性◎ |
Super Sonic Twin | Fender | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | ファズ使用時に多用されるクリーントーンの名機 |
Hot Rod DeVille | Fender | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | ライブ・スタジオ両対応。ローエンドから高域までバランス良好 |
これらのアンプの共通点は、レスポンスの速さとエフェクターとの相性の良さです。特にクリーン系アンプであっても、MIYAVIの激しいピッキングに埋もれずしっかり鳴ってくれる特性を重視して選ばれています。
使用ギターの種類と特徴【MIYAVI・MIYAVI】

MIYAVIのサウンドを語る上で、彼のギター選びは非常に重要なファクターです。唯一無二のスラップ奏法やフラメンコ調のアプローチは、通常のギターでは表現しきれないため、彼専用の改造や選定が随所に施されています。
まず代表的なのが「MIYAVI Telecaster」。Fenderと共同開発されたこのモデルは、センターピックアップとSustainer(サスティナー)を搭載し、トレモロユニットも装備。まさにMIYAVIのプレイスタイルのために作られた特注機といえるでしょう。アタックの鋭さと持続音を共存させるために必要な仕様がすべて盛り込まれています。
またTaylor T5-C1は、彼のスラップスタイルとの親和性が非常に高いセミアコースティックタイプ。ナイロン弦的な柔らかい響きを持ちつつも、エレクトリック的なレスポンスを兼ね備えており、国内外のライブでも長年使用されています。
Taylor 616ceはアコースティックスタイルでの演奏に用いられることが多く、煌びやかで立体感のある高域が特徴。特にアンビエント系の楽曲やミッドテンポのナンバーにおいて、繊細なニュアンスをしっかりと出力してくれます。
Fender MIYAVI×Soloistは、キャリア15周年を記念して作られたモデルで、外装の装飾にもこだわりが見られます。こちらも演奏性と個性の両立を狙った構成となっており、ビジュアルインパクトも大きい一本です。
彼のギター選びに共通するのは、「自分の指先が出した音を、そのまま立体的に表現できる」こと。つまり、指や爪で叩く・弾く・擦るといった非ピッキングアクションを、そのまま音に反映できるかどうかが、ギター選定のカギとなっているのです。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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MIYAVI Telecaster | Fender | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | エレキギター | センターPU+サスティナー搭載、スラップ向きに最適化 |
T5-C1 | Taylor | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | セミアコースティック | 薄胴ボディと多彩なピックアップ構成、スラップ対応◎ |
616ce | Taylor | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | アコースティックギター | 高域の煌びやかさと立体的な響きが特徴 |
MIYAVI×Soloist | Fender | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | エレキギター | 15周年記念モデル、外装デザインにこだわり |
このように、MIYAVIのギターはその独特なプレイスタイルに完全にフィットするよう選定・設計されています。スラップ系ギターの追求という観点では、世界でも類を見ない構成であり、多くのプレイヤーにとって新しいギター選びのヒントとなるはずです。
使用エフェクターとボード構成【MIYAVI・MIYAVI】
MIYAVIのエフェクトボードは、スラップ奏法やダンスビート的なループプレイを支えるために、極めて多機能かつ構成的に緻密です。彼のサウンドは「ギター1本でどこまで世界観を作れるか」にフォーカスしており、その実現には高性能な空間系や多彩な歪み系、ピッチ系などが不可欠です。
まず歪み系では、Ibanez TS808HW(ハンドワイヤードのチューブスクリーマー)やBOSS BD-2といった、ミッドの押し出し感が強いオーバードライブを多用しています。これにより、MIYAVI特有のパーカッシブなタッチでも音が埋もれず、立体感のあるバイトが得られます。
また、Xotic BB Preampも使用しており、これはトレブル・ベースの2バンドEQでサウンドの輪郭を緻密に整える用途に適しています。ツアーによっては、さらにZVEX Fuzz FactoryやPete Cornish NG-3といった過激なファズを加えることで、爆発的なインパクトを演出しています。
空間系ではEventide社のH9、TimeFactor、ModFactorがボードの核となっています。これらは高音質なアルゴリズムで処理されたマルチエフェクトで、ディレイやモジュレーションの自在な制御が可能。特にH9はBluetoothアプリからの操作にも対応しており、ライブ現場での迅速な調整にも活用されています。
オクターブやピッチ系では、Electro-Harmonix POG2やDigitech Whammy 5、MI AUDIO Pollyannaなどを駆使。MIYAVIの音楽性の中で「1人3役」をこなすギタープレイには、上下の音域拡張が欠かせません。OctronやOC-3といった機種でベースライン的な動きやシンセ風サウンドを構成する場面もあります。
さらにボリューム操作やルーティング系も綿密に設計されており、ステレオアウト/ループバイパス構造によって複数アンプの分離出力やレイヤー構成が可能です。まさに「ギター1本によるバンドサウンド」の具現化を支える要となっています。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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TS808HW | Ibanez | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | オーバードライブ | クラシックODのハンドワイヤード版。芯のある歪み |
BD-2 | BOSS | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | オーバードライブ | スラップ時の柔らかい歪みに最適 |
BB Preamp | Xotic | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | ブースター | EQ搭載で多彩な音作りが可能 |
Fuzz Factory | ZVEX | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | ファズ | ノイズや破壊的音色も演出可能な多機能ファズ |
NG-3 | Pete Cornish | —(公式のみ) | MIYAVI | MIYAVI | ファズ | Imminent Amp Death系、激烈な音圧でレア機 |
H9 | Eventide | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | 空間系マルチエフェクター | ディレイ、リバーブ、ピッチ等を統合 |
TimeFactor | Eventide | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | ディレイ | デュアルディレイによる厚みあるサウンド |
ModFactor | Eventide | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | モジュレーション系 | 多彩なコーラス・フランジャーなど収録 |
POG2 | Electro-Harmonix | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | オクターブ | 上下オクターブ生成で分厚い音作り |
Whammy 5 | Digitech | Amazonで検索 | MIYAVI | MIYAVI | ピッチシフター | 和音対応のリアルタイムピッチ変化 |
これらのエフェクターは単体でも強力ですが、MIYAVIはそれらを組み合わせて一つの“楽器”として使いこなしています。まさに「ペダルボードで奏でるオーケストラ」と言えるレベルです。
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【MIYAVI・MIYAVI】

MIYAVIの音作りは、まさに「構造美」と呼ぶべき完成度の高さを誇ります。ギター1本でリズム、ベース、メロディを同時に奏でるスタイルのため、セッティングにも相応の戦略性が求められます。
まず、彼の代名詞とも言えるスラップギターに対応するために、EQセッティングはかなり突き詰められています。ピッキングアタックが明瞭に出るよう、500Hz前後のローミッドはややカットされ、2kHz〜4kHzのプレゼンス帯が強調されていることが多いです。これは、スナップ音や指弾きのタップ音が埋もれないようにするためのチューニングです。
一方で、ベースライン的役割を果たす部分のために、80〜150Hzの低域はあえて削らず、ほどよくキープされているのがMIYAVIサウンドの奥深さ。オクターバー(POG2やOC-3)を使う場合も、ローカットは最小限に留め、ステージではサブウーファー出力まで活用して観客の体感を刺激しています。
アンプセッティング面では、Fender系のSuper Sonic Twinなどでクリーンの輪郭を確保しつつ、スラップのアタックを失わないようにクリーンゲインをやや高めに設定。反対にMarshall JVM210Hなどのハイゲイン系では、ミッドが持ち上がりすぎないように中域を12時より下に設定し、ミックス内での埋もれを避ける工夫がされています。
MIYAVIのライブ現場では、ループ構築のリアルタイム性も重要な要素。Eventide H9やTimeFactorではタップテンポやMIDIコントロールが活用され、ディレイの残響が次のフレーズとぶつからないようきめ細かく管理されています。たとえば「WHAT’S MY NAME?」では、テンポ同期されたディレイによる“空白の演出”が効いており、これも綿密なセッティングの賜物です。
ミックスにおいても、MIYAVIのギターは独自の処理が施されていることが多いです。ステレオイメージは広げすぎず、ミドル帯をセントラルに据えて、左右はディレイとリバーブで補完。ライブ音源ではボーカル帯域と重ならないよう、3.5kHz以上の高域はボーカル処理と交わらないようイコライジングされます。
また、MIYAVIはピッキングニュアンスの再現性が命となるため、コンプレッサーは原則として使用せず、右手のタッチとアンプレスポンスでコントロールするという美学を貫いています。あくまで人間らしさが音に宿ることを重視しているのです。
スタジオ録音では、アンプ直録りとライン録りをミックスする「ブレンド構成」も多く、例えばハムバッカーPUのローを活かしつつ、ラインのアタックで前に出すようなセッティングで収録されています。これはギターをベース兼用としても機能させる彼のスタイルにフィットした、非常に合理的な手法です。
このように、MIYAVIのサウンドは表面上の派手さだけでなく、緻密なイコライジングと多段的なミックス設計に支えられた、技術と美学の融合体です。
比較的安価に音を近づける機材【MIYAVI・MIYAVI】
MIYAVIの独創的なスラップ奏法と多彩なサウンドを完全に再現するには高度な機材と演奏力が必要ですが、初心者や中級者でも手が届く価格帯で「雰囲気を再現できる機材」はいくつも存在します。ここでは、1万円〜5万円(上限10万円)程度でMIYAVI風サウンドを再現しやすい構成例を紹介します。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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ギター | YAMAHA Revstar Element RSE20 | YAMAHA | Amazonで探す | MIYAVI | MIYAVI | 軽量かつ太い音でスラップ奏法にも対応可能。トーンのバリエーションも多彩。 |
アンプ | Fender Mustang LT25 | Fender | Amazonで探す | MIYAVI | MIYAVI | 小型ながら空間系やファズシミュ搭載。Marshall/Fenderのモデリングで幅広く再現。 |
ディレイ | NUX Duotime | NUX | Amazonで探す | MIYAVI | MIYAVI | デュアルディレイに対応。H9やTimeFactorに近い機能を安価で提供。 |
オクターブ | Electro-Harmonix Nano POG | Electro-Harmonix | Amazonで探す | MIYAVI | MIYAVI | 原音に+1/-1オクターブを付加し厚みを増す。MIYAVIのロー補強の再現に有効。 |
オーバードライブ | Joyo Sweet Baby Overdrive | Joyo | Amazonで探す | MIYAVI | MIYAVI | 軽めのクランチに適し、ピッキングの表現力が活かせる。TS系に近い質感。 |
トレモロ | Moore Trelicopter | Mooer | Amazonで探す | MIYAVI | MIYAVI | ヴィンテージトレモロ風。Tremsterの代替に近く、空間演出に有効。 |
ピッチシフター | Donner Harmonic Square | Donner | Amazonで探す | MIYAVI | MIYAVI | Whammyの代替。±2オクターブの和音対応で、MIYAVIのピッチシフト奏法にも対応。 |
マルチエフェクター | Zoom G3n | Zoom | Amazonで探す | MIYAVI | MIYAVI | 空間系、ディレイ、歪みを一通り内蔵。プリセットの工夫でライブ再現にも対応可能。 |
MIYAVIの音を再現する上で最も重要なのは、「音のアタックと空間感の共存」です。上記のように、トーンコントロールや多段エフェクトを組み合わせていけば、初心者でも彼のサウンドのエッセンスに近づくことができます。
特にZoom G3nやNUX Duotimeなどの高コスパ製品をうまく活用することで、ライブでも十分通用するサウンド構築が可能です。
次のステップとしては、ギター側のPUセレクトやトーン設定、ピッキングニュアンスの研究も欠かせません。MIYAVIのような“右手中心の音楽”を作りたいなら、演奏そのものと機材の役割を明確に分けて考えるのが近道です。
総括まとめ【MIYAVI・MIYAVI】

唯一無二のプレイスタイルを武器に、世界中のステージで活躍するMIYAVI。その音作りの本質は、「演奏テクニックを最大限に引き出すシステム構築」にあります。
MIYAVIの特徴である“スラップギター”は、ベースライクな低音とギター本来のメロディーが同居する特殊な奏法であり、その響きを支えるギター・アンプ・エフェクターの選定には徹底したこだわりが見られます。
彼の音作りにおいて重要なのは、音の「レスポンス」=立ち上がりの速さと「空間処理の巧みさ」です。クリーントーンであっても埋もれず、逆にファズのような破壊的な音色でも一音一音が明瞭に抜ける。その裏には、ファズやブースターでの歪みの粒立ちを支えるハイファイなアンプ設定、オクターブやディレイによる空間処理、そして何よりも「弾き方に応答する機材」が求められます。
またMIYAVIは、ギターそのものにも工夫を凝らしています。センターピックアップ+サスティナー+アクティブ回路という構成は、彼の変則奏法を補完するための設計であり、「機材がプレイヤーに合わせる」ことを体現しています。通常のストラトやテレキャスでは得られないプレイフィールを、専用設計のギターで表現しているわけです。
その一方で、近年はデジタル機材やEventide H9のようなマルチ空間系ペダルを駆使して、ライブ・スタジオ問わず安定したトーンを提供しています。ツアー時の可搬性や再現性を考慮して、「デジタルとアナログのハイブリッド」がMIYAVIの音作りのキーワードになっているとも言えるでしょう。
読者がMIYAVIの音に近づくためには、まずはスラップ的な右手ニュアンスを意識したピッキング練習、次にギターとアンプのレスポンスを整えること、最後に空間系のディレイやオクターブで音を補強していくステップが有効です。
大切なのは、彼のように「機材を楽器の一部として鳴らす」という意識を持つこと。単なるコピーを超えた、自分の音を作る手段としてMIYAVIの機材と思想に触れることで、きっとあなたのギタープレイも新たな境地へと進化していくはずです。
最後に、MIYAVI公式YouTubeやSNSでも多くの機材・演奏解説が公開されているので、ぜひ以下のリンクからチェックしてみてください。
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