① 始めに(特徴紹介)
Blind Guardianのギタリスト、Marcus Siepen(マーカス・ジーペン)は、ジャーマン・パワーメタルを代表する重厚かつ叙情的なリズム/リードギターを長年支えてきた存在です。彼のサウンドは単なるハイゲイン一辺倒ではなく、クラシカルな和声感、分厚いミッドレンジ、そして合唱を支える”壁”のようなリズムトーンが特徴です。
代表曲である「Mirror Mirror」「Valhalla」「The Bard’s Song」などでは、歪みの密度が高いにもかかわらずコードの分離が良く、左右に広がるツインギターが楽曲全体を押し上げています。ここが、同時代のスラッシュ/メタル系ギタリストと一線を画すポイントと言えるでしょう。
マーカスの音作りが注目される理由は、”メタルでありながら歌を殺さない音”を一貫して作り続けている点にあります。Hansi Kürschの分厚いボーカルやコーラスと共存するため、ギターは低域を出し過ぎず、ミッドを中心に存在感を確保する設計思想が見えます。
Blind Guardianの公式MVやライブ映像を確認すると、その音像は時代によって進化しつつも一貫性があり、機材変更があっても根本の方向性は変わっていません。
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②使用アンプ一覧と特徴【Blind Guardian・Marcus Siepen】
Marcus Siepenのアンプサウンドの中核を担ってきたのは、長年にわたりMesa/BoogieのRectifierシリーズです。特にTriple Rectifierは、Blind Guardianの分厚く押し出しの強いリズムトーンを象徴する存在と言えます。
2010年モデルの3チャンネル仕様はメインアンプとして使用され、モダンなハイゲインと低域の量感を確保しつつ、EQ次第で中域をしっかり前に出せる点が評価されています。一方、1995年製の2チャンネル仕様はバックアップとして運用され、やや荒々しくオーガニックな歪みが特徴です。
キャビネットにはMesa/Boogie純正のRectifier Cabinetsを使用。V30系スピーカーによるミッドの張り出しは、Blind Guardianのコーラスを支えるギターサウンドに非常に適しています。
近年ではSynergy Ampsのプリアンプモジュラーシステムを導入し、ライブや制作環境に応じて柔軟な音作りを行っていることも確認されています。公式アーティストとしてリストされている点からも、実運用での信頼度は高いと考えられます。
過去にはENGL PowerballやSavageも使用されており、よりタイトで輪郭の強いメタルサウンドが求められた時期に採用されていたと見られます。これらを総合すると、基本はRectifier系、状況に応じてENGLやモジュラーを併用している構成と想定されます。
| 機材名 | メーカー | Amazon | メルカリ | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Triple Rectifier 3ch | Mesa/Boogie | 検索 | 検索 | メインアンプ。分厚いリズムトーンの核 |
| Triple Rectifier 2ch | Mesa/Boogie | 検索 | 検索 | バックアップ用、荒さのある歪み |
| Rectifier Cabinet | Mesa/Boogie | 検索 | 検索 | V30系、ミッド重視 |
| Synergy Preamp System | Synergy Amps | 検索 | 検索 | 近年導入、柔軟な音作り |
| Powerball / Savage | ENGL | 検索 | 検索 | 過去使用、タイトな歪み |
③使用ギターの種類と特徴【Blind Guardian・Marcus Siepen】

Marcus Siepenのギター遍歴は、Blind Guardianの音楽性の変遷と密接に結びついています。長年にわたりGibson Les Paul Customをメインに使用してきたことは広く知られており、特に黒の3ピックアップ仕様は象徴的な存在です。
Les Paul Customは、太い中低域とサスティンに優れた特性を持ち、重厚なリズムと泣きのリードを両立できます。スタンダード、トラディショナル、ゴールドトップなども併用され、楽曲やチューニングに応じて使い分けられてきました。
Explorerタイプもライブやレコーディングで確認されており、より攻撃的で直線的なサウンドが必要な場面で選択されていたと考えられます。7弦が必要な楽曲ではGibson Les Paul 7-Stringや、近年ではESP E-II Horizon FR-7が使用されています。
近年の大きな変化として、Solar GuitarsのS1.6MS Marcus Siepen Signatureの登場があります。EvertuneブリッジとFishman Fluence Modernを搭載し、安定したピッチとモダンな出力を両立。ライブでの再現性を重視した設計です。
過去にはGöldo Explorerも使用されており、時期ごとに複数ブランドを併用してきたことがわかります。現在はSolarとESP、伝統的なGibsonを併用する構成と想定されます。
| 機材名 | メーカー | Amazon | メルカリ | ギターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| S1.6MS Signature | Solar Guitars | 検索 | 検索 | ソリッド | 現行メイン、安定性重視 |
| Les Paul Custom | Gibson | 検索 | 検索 | ソリッド | 長年のメイン |
| Explorer | Gibson | 検索 | 検索 | ソリッド | 攻撃的な曲向け |
| E-II Horizon FR-7 | ESP | 検索 | 検索 | 7弦 | 近年のライブ用 |
④使用エフェクターとボード構成【Blind Guardian・Marcus Siepen】

Marcus Siepenは「シンプルなセットアップ」を好むギタリストですが、近年はFractal Audio SystemsのAxe-Fxを中心としたデジタル管理へと移行しています。Axe-Fx IIおよびIIIは、アンプシミュレーター兼マルチエフェクターとして、ライブとバックアップ双方を担っています。
エフェクトは基本的に最小限で、ディレイやリバーブなど空間系を軽く加える程度。歪みはアンプ側、もしくはAxe-Fx内のアンプモデルで完結させる思想です。
MFC-101 MIDIフットコントローラーとMission Engineeringのエクスプレッションペダルを組み合わせ、ワウやボリュームを直感的に操作。ツアー状況によってはBoss GT-100も使用されており、柔軟性を重視した構成です。
| 機材名 | メーカー | Amazon | メルカリ | エフェクターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| Axe-Fx III | Fractal Audio | 検索 | 検索 | ギター用マルチエフェクター | 現行メイン/バックアップ |
| MFC-101 | Fractal Audio | 検索 | 検索 | スイッチングシステム | MIDI制御 |
| Expression Pedal | Mission Engineering | 検索 | 検索 | エクスプレッションペダル | ワウ/ボリューム |
⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Blind Guardian・Marcus Siepen】
Marcus Siepenの音作りで最重要なのは、バンド全体の中での”役割設計”です。ギター単体で聴くと意外なほどローが控えめで、ミッドが太く設定されています。これは、ベースとバスドラム、そして大量のコーラスとぶつからないための必然的な選択です。
アンプEQの基本は、Bassを控えめ、Midを高め、TrebleとPresenceは曲に応じて調整。Rectifier特有の低域の量感は、キャビネットとマイキングで補完し、アンプ側では締まりを優先します。
曲ごとの使い分けとしては、速いリフ主体の曲ではゲインをやや下げ、コード主体の曲では密度を上げる傾向があります。チャンネル切り替えは最小限で、右手のピッキングとボリューム操作で表情を付けるスタイルです。
ミックスでは、左右に強くパンニングしたツインギターを基本とし、センターはボーカルとキックに譲る設計。ハイは削り過ぎず、存在感を保つ程度に残すのがBlind Guardian流と言えます。
これらを総合すると、重さよりも”支える力”を重視した音作りであると想定されます。
⑥比較的安価に音を近づける機材【Blind Guardian・Marcus Siepen】
初心者がMarcus Siepenの音に近づくには、ミッド重視のハイゲインを安定して出せる機材が鍵となります。BossやLine 6のマルチエフェクターは、再現性と入手性のバランスが優れています。
| 種類 | 機材名 | メーカー | Amazon | メルカリ | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| マルチ | GT-1000 Core | BOSS | 検索 | 検索 | ミッド重視のRectifier系再現が容易 |
| マルチ | POD Go | Line 6 | 検索 | 検索 | 初心者向け、操作が簡単 |
⑦総括まとめ【Blind Guardian・Marcus Siepen】

Marcus Siepenの音作りの本質は、「重さ」ではなく「支える力」にあります。ギターは常に楽曲全体を包み込み、ボーカルとコーラスを押し上げる存在として設計されています。
機材は時代とともに変化しても、ミッド重視、安定性、再現性という軸は一貫しています。これを意識することで、Blind Guardianらしいサウンドへの最短距離が見えてくるでしょう。

