始めに(特徴紹介)
シンガーソングライターとして唯一無二の存在感を放つカネコアヤノ。彼女の楽曲は、フォークやロックを土台にしつつも、時にノイジーで荒々しく、また時に繊細で深く心に沁みる響きを持っています。
ギタリストとしてのカネコアヤノは、弾き語りスタイルを基盤にしながらも、バンドセットでは歪みやリバーブを駆使した立体的な音作りを展開。特に、代表曲「アーケード」「光の方へ」「エメラルド」などでは、エレキとアコギを自在に切り替え、楽曲の世界観を強く支えています。
また、彼女の音作りは単なる伴奏にとどまらず、自身の歌声を引き立てるための「空気感」を作ることに重きが置かれている点も特徴的です。真空管アンプの温かみやファズのざらつきを取り入れることで、独特の“生々しさ”を音楽に宿らせています。
こうした個性は、決して偶然の産物ではなく、彼女が愛用するビンテージのGibsonギターや、Orangeアンプ、そして選び抜かれたファズやオーバードライブといったエフェクターによって形作られています。
本記事では、カネコアヤノのサウンドを再現したい人のために、実際に使用している機材を丁寧に解説していきます。ライブやレコーディングで確認されたギター、アンプ、エフェクターをもとに、音作りの背景やセッティングの工夫も紹介します。
シンプルでありながら奥深い、カネコアヤノならではのサウンドの秘密をひも解いていきましょう。
使用アンプ一覧と特徴【kanekoayano・カネコアヤノ】
カネコアヤノの音作りにおいて欠かせないのが、70年代製のOrange OR80Rです。出力80Wの真空管コンボアンプで、現在はライブ・レコーディングともにメインで使用されています。温かみのある素直なトーンが特徴で、彼女の楽曲が持つ人肌の温度感を見事に再現していると言えるでしょう。さらに、このアンプにはEchoツマミが搭載されており、近年は空間的な広がりを加えるために積極的に使用しているとの情報もあります。
かつてはRoland JC-160を愛用していた時期もありました。JCシリーズ特有のクリーントーンは、初期の弾き語りやシンプルな編成でのライブにおいて、声を引き立てるために最適だったと考えられます。現在は使用頻度が減少しているものの、過去のアーカイブ映像やインタビューで確認できます。
アンプの選択は単に音量や歪み特性にとどまらず、カネコアヤノが持つ「歌を聴かせる」スタンスに直結しています。OR80Rのようなビンテージ真空管アンプは、コードストロークやアルペジオに柔らかな倍音を加えるため、楽曲に立体感を生み出します。一方で、JC-160の透明感あるサウンドは、歌声を前面に押し出す構成に適していました。
こうした背景を踏まえると、カネコアヤノのアンプ選びは、常に「声とギターの自然な共存」を意識していることが伺えます。エフェクターやギターのキャラクターを尊重しながら、最終的にはボーカルを中心に据える——そのためのキャンバスとしてアンプが機能しているのです。
また、ライブ会場やツアーによってはバックライン機材を使用している可能性もあり、OrangeやRoland以外のアンプを借用しているケースも推測されます。ただし、核となるサウンドの中心はあくまでOR80Rにあり、彼女の現在の音色の土台を支えているのは間違いないでしょう。
このように、カネコアヤノのアンプ構成はシンプルながらも音楽性を強く反映しています。Orange OR80Rの温かさと、かつてのRoland JC-160のクリーンさ。その両面が彼女の音世界を支えてきたと、想定されます。
使用ギターの種類と特徴【kanekoayano・カネコアヤノ】
カネコアヤノの音楽世界を形作る上で、最も大きな役割を果たしているのが愛用するギターたちです。彼女のギタープレイは決して派手ではありませんが、楽曲に深いニュアンスと温度感を与える重要な要素となっています。特に、ビンテージのGibsonを中心とした選択は、その音色の個性を前面に押し出す大きな理由となっています。
代表的なのが、1966年製のGibson Melody Maker Dです。2016年以降にメインのエレキとして使用され、『よすが』制作時にはレコーディングの約7割をこのギターで行ったといわれています。彼女はビブラート・ユニットを取り外し、セレクターをフロント固定にするカスタムを施しており、より太く温かい音を強調。繊細でありながらも芯のあるトーンは、彼女の歌声と絶妙に調和しています。
弾き語りでのメインは1965年製のGibson J-50。2019年頃に購入して以来、ライブでのアコースティックセットやレコーディングで使用されており、ガッツあるストロークでしっかり前に出るサウンドが特徴です。「エメラルド」などの弾き語りでの存在感は、このJ-50によるところが大きいでしょう。
さらに、『祝祭』制作中に新たに導入されたのが1963年製のGibson Country Westernです。このモデルは煌びやかなトーンを持ち、レコーディングで曲の華やかさを求める際に選ばれています。ストローク時の倍音のきらめきは、彼女の世界観に光を差し込むような役割を担っています。
また、詳細は不明ながらMartin D-28も所有していることが確認されています。伝統的なフォークサウンドの代名詞とも言えるこのモデルは、太く安定感のある低音を特徴とし、彼女のアコースティックアレンジに厚みを与えるために使用されていると推測されます。
これらのギターは、すべて「歌を引き立てるための音色」を重視して選ばれているのが印象的です。Melody Maker Dの温かみ、J-50の力強さ、Country Westernのきらびやかさ、Martin D-28の深み。それぞれの個性を使い分けることで、楽曲のカラーを自在に変化させているのです。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Gibson Melody Maker D (1966年製) | Gibson | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | エレキギター | 2016年以降愛用。『よすが』で7割使用。ビブラート外し、フロント固定。 |
Gibson J-50 (1965年製) | Gibson | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | アコースティックギター | 2019年頃購入。弾き語りメイン。ガッツある音色。 |
Gibson Country Western (1963年製) | Gibson | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | アコースティックギター | 『祝祭』制作時に購入。煌びやかなサウンドを持つ。 |
Martin D-28 | Martin | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | アコースティックギター | 詳細不明。深みと低音の太さで補完的に使用と推測。 |
このように、カネコアヤノのギター選びはシンプルでありながらも非常に戦略的です。それぞれの楽器が持つ音色の特性を最大限に活かし、歌声と一体化したサウンドを生み出していると、想定されます。
使用エフェクターとボード構成【kanekoayano・カネコアヤノ】
カネコアヤノのサウンドにおいて、ギターとアンプに加えて重要なのがペダルボードの構成です。彼女は必要最小限のエフェクターを組み合わせながらも、その選択は非常に的確で、楽曲の空気感を大きく左右しています。
まず、常時オンにしていると言われるのがKlon KTRです。伝説的なオーバードライブで、ナチュラルな歪みと中域の押し出しによって、彼女の音の基盤を形作っています。シンプルなコードストロークでも埋もれることなく、歌声を邪魔しないトーンを提供しているのが特徴です。
歪み系ではさらに、Electro-Harmonix Op-Amp Big Muffを導入しており、「気分」や「月明かり」などの楽曲で使用されています。ファズ特有の荒々しい歪みを持ちながらも、エモーショナルな歌と融合させることで独自の存在感を放っています。また、借り物ながらBixonic Expandora EXP-2000も使用しており、「わたしたちへ」の2番サビでは独特のファズサウンドが印象的です。
さらに、ダイナミクスを補うためのXotic RC Boosterも導入。「エメラルド」などでの轟音時やバンドサウンドに埋もれる際に活用し、音量だけでなく倍音を引き立てる役割を果たしています。
モジュレーション系としては、MXR Phase 90が確認されており、「季節の果物」のアウトロでフェイザーらしい揺れ感を加えています。エモーショナルな楽曲にわずかなサイケデリックな彩りを与えているのが印象的です。
空間系としては主にアンプのリバーブを利用していますが、TC Electronic Hall of Fame 2も時折組み合わせています。特にファズと併用することで、音に奥行きを持たせ、浮遊感のあるサウンドを作り上げています。
そして、ボードを支える重要な基盤としてMXR Iso-Brickを導入。安定した電源供給を行い、ライブでのノイズトラブルを防いでいます。チューナーにはTC Electronic Polytune 3 Miniを使用し、迅速かつ正確なチューニングを実現しています。
このように、彼女のエフェクターボードは決して多くはありませんが、一つひとつの選択がサウンドに直結しており、「歌とギターを一体化させる」という目的のために構築されていることが分かります。ライブごとに多少の使い分けがあるものの、基本構成はこのラインナップで安定していると、想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
TC Electronic Polytune 3 Mini | TC Electronic | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | チューナー | ライブ必須のチューナー。省スペース設計。 |
Electro-Harmonix Op-Amp Big Muff | Electro-Harmonix | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | ファズ | 「気分」「月明かり」などで使用。荒々しい歪み。 |
Bixonic Expandora EXP-2000 | Bixonic | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | ファズ | 借り物。「わたしたちへ」の2番サビで使用。 |
Klon KTR | Klon | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | オーバードライブ | 常時オン。サウンドの基盤を作る。 |
Xotic RC Booster | Xotic | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | ブースター | 「エメラルド」などで轟音時に使用。 |
MXR Phase 90 | MXR | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | フェイザー | 「季節の果物」アウトロで使用。 |
TC Electronic Hall of Fame 2 | TC Electronic | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | リバーブ | アンプのリバーブ補完用。気分で使用。 |
MXR Iso-Brick | MXR | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | パワーサプライ | 安定した電源供給でノイズ対策。 |
このペダルボードは、多彩な歪み系と空間系をバランス良く組み合わせており、シンプルながらも豊かな表現力を支える核となっています。まさに「歌を生かすための音作り」を象徴する構成だと、想定されます。
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【kanekoayano・カネコアヤノ】
カネコアヤノの音作りは、ギターやエフェクターといった機材選びだけではなく、アンプのセッティングやPAでの処理、さらにミックス段階での工夫が合わさって完成しています。その方向性は一貫しており、「歌を主役にしつつも、ギターが空気感を纏って支える」という点に集約されます。
例えばメインアンプであるOrange OR80Rでは、クリーンからクランチ程度のセッティングが基本です。ゲインは控えめにしつつも、Klon KTRを常時オンにすることで自然な歪みを付与。これにより、音が前に出すぎず、声を邪魔しない中域のふくらみを確保しています。EQに関しては低域を少し抑え、中高域をほんのわずかに持ち上げることで、ストロークのアタックが際立ち、アルペジオでもきらめきが残るバランスをとっていると考えられます。
ファズを使う楽曲では、Op-Amp Big MuffやExpandoraのざらついた歪みを採用するものの、ミックス段階でローカットを行い、ボーカル帯域を侵食しないよう調整されていると推測されます。特に「気分」や「月明かり」では、ファズ特有の荒れた質感が音楽に緊張感を与えつつ、エンジニアが空間を整理することで歌のエモーションが際立ちます。
RC Boosterはバンド全体の音圧が増す場面で効果を発揮します。EQを大きく変えずに音量と倍音を補うため、音の輪郭を際立たせつつ全体の塊感を強める役割を果たします。これにより、ギターが轟音の中でもしっかりとした存在感を維持できます。
モジュレーション系では、MXR Phase 90による緩やかな揺れ感が、シンプルなコード進行に独特の奥行きを加えています。「季節の果物」のアウトロなど、特定のフレーズに限定して使うことで、聴き手の記憶に残るアクセントを生み出しています。空間系のHall of Fame 2は、アンプリバーブと組み合わせることで残響の深さをコントロールし、ライブハウスの広さや曲の雰囲気に合わせた響きを作り出しています。
ミックス面では、ボーカルを中心に据えるためにギターの定位を工夫していると考えられます。弾き語りでは中央に配置されることが多い一方、バンド編成では左右に振り分けることでボーカルのクリアさを保っています。さらに、コンプレッサーによる軽いダイナミクス調整で音のばらつきを抑えつつ、生演奏のニュアンスを損なわないように仕上げられています。
また、レコーディングでは楽曲ごとにマイキングも変えている可能性が高いです。J-50やCountry Westernなどアコースティックギターの録音では、コンデンサーマイクをブリッジ寄りとネック寄りの2本立てで立体感を演出し、後のミックスで空間的な広がりを持たせていると推測されます。エレキではアンプ正面とルームマイクをブレンドすることで、スタジオ特有の空気感を残しながら、歌との距離感を整えていると考えられます。
このように、カネコアヤノの音作りは単なる機材セッティングにとどまらず、EQ・エフェクトの使い分けやPA・ミックスでの細やかな調整を通じて完成しています。結果として、彼女の歌声が常に中心にありつつも、ギターが楽曲全体の「空気」を形作る役割を果たしていると、想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【kanekoayano・カネコアヤノ】
カネコアヤノの音を完全に再現するにはビンテージのGibsonギターやOrange OR80Rのような希少なアンプが必要ですが、初心者や中級者にとっては入手や価格のハードルが高いのが現実です。そこで、比較的安価かつ入手しやすい市販機材を用いて、彼女のサウンドに近づける方法を紹介します。
まずギターに関しては、Epiphone Les Paul Special VEが候補として挙げられます。Gibson Melody Makerのようなシンプルな構造と軽快なサウンドを持ち、クリーンからクランチまで対応可能。さらに、ピックアップをフロントに固定して使用することで、カネコアヤノが追求している温かみのあるトーンに近づけます。
アコースティックギターでは、YAMAHA FGシリーズやEpiphone J-45 Studioがおすすめです。いずれも5万円前後で購入でき、ストローク時にしっかりと前に出るサウンドを持っています。特にJ-45 StudioはGibson J-50の系譜にあたり、弾き語りに最適なバランスを持っている点が魅力です。
アンプでは、Orange Crush 35RTが手頃な選択肢です。OR80Rの真空管アンプほどの奥行きはないものの、Orange特有のミッドが豊かなサウンドを備えており、カネコアヤノの温かいギタートーンを再現するのに十分です。自宅練習や小規模ライブにも適しており、コストパフォーマンスに優れています。
歪み系ペダルは、BOSS DS-1 DistortionやBOSS BD-2 Blues Driverが有力です。特にBD-2はナチュラルな歪みを生み、Klon KTRのように常時オンで使うことでサウンドの基盤を形成できます。Big Muffの代替としては、Electro-Harmonix Little Big MuffやNano Big Muffが適しています。荒々しいファズトーンを低価格で得られ、代表曲「気分」の雰囲気を掴むことが可能です。
ブースターとしては、TC Electronic Spark Boosterが使いやすいでしょう。音量だけでなく倍音を持ち上げることができ、バンドサウンドの中で埋もれない存在感を得られます。RC Boosterに比べ安価で、操作もシンプルです。
モジュレーション系では、BOSS PH-3 Phase ShifterがMXR Phase 90の代替におすすめです。細かく設定できるため、「季節の果物」のアウトロのような揺れ感を再現可能です。リバーブはBOSS RV-6がHall of Fame 2の代替となり、シンプルな残響から深い空間系まで幅広く対応できます。
これらを組み合わせることで、10万円以下の予算でもカネコアヤノに近い音作りが可能になります。特に、声を中心に据えるための「自然な歪み」と「歌を支える空間感」を意識することが重要です。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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エレキギター | Epiphone Les Paul Special VE | Epiphone | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | Melody Makerの代替として有効。シンプル構造で温かいトーン。 |
アコースティックギター | Epiphone J-45 Studio | Epiphone | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | J-50の代替。ストロークに強い、弾き語り向き。 |
アンプ | Orange Crush 35RT | Orange | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | OR80Rの代替。ミッド豊かで自宅・小規模ライブ向き。 |
オーバードライブ | BOSS BD-2 Blues Driver | BOSS | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | Klon KTR代替。ナチュラルな歪みを基盤にできる。 |
ファズ | Electro-Harmonix Nano Big Muff | Electro-Harmonix | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | Op-Amp Big Muffの代替。荒々しい歪みを再現可能。 |
ブースター | TC Electronic Spark Booster | TC Electronic | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | RC Booster代替。音量・倍音補強が可能。 |
フェイザー | BOSS PH-3 Phase Shifter | BOSS | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | Phase 90代替。細かい揺れ調整が可能。 |
リバーブ | BOSS RV-6 Reverb | BOSS | Amazonで探す | kanekoayano | カネコアヤノ | Hall of Fame 2代替。幅広いリバーブをカバー。 |
これらの代替機材を使うことで、初心者でも「温かみのあるクランチ」「轟音ファズ」「歌を支えるリバーブ」というカネコアヤノの音作りの核を体感できます。大切なのは高額な機材そのものではなく、「声を邪魔せずに寄り添う音作り」を意識することです。
総括まとめ【kanekoayano・カネコアヤノ】

カネコアヤノの音作りを振り返ると、その核にあるのは「歌を生かすためのギターサウンド」という一点に尽きます。ギターやアンプ、エフェクターはいずれもシンプルながらも強い個性を持ち、それらを選び抜いて組み合わせることで彼女独自のサウンドが構築されています。
ビンテージのGibson Melody Maker DやJ-50など、温かく芯のあるトーンを持つギターを中心に据えることで、声と自然に溶け合うサウンドを実現しています。そこにOrange OR80Rの素直で倍音豊かなアンプを通し、さらにKlon KTRやBig Muffといったペダルで彩りを加える。その結果、ストローク一つでも表情豊かに響く「歌とギターの共存」が生まれています。
彼女のサウンドの本質は、派手なテクニックや複雑な機材構成に頼るのではなく、シンプルな音作りの中に「人間味」や「生々しさ」を宿すことです。ファズを使うときは荒々しく、アコースティックを奏でるときは繊細に。状況や楽曲に応じた選択を柔軟に行いながらも、常に「歌を中心に据える」という軸がぶれることはありません。
また、ライブやレコーディングにおけるEQやミックスの工夫も含め、最終的には彼女自身の歌声を引き立てるための設計がなされています。ギターは伴奏に徹するのではなく、「声を包み込む空気」としての役割を果たしているのです。このアプローチこそ、カネコアヤノの音作りが多くのリスナーを惹きつける理由だといえるでしょう。
もし彼女の音を再現したい場合、必ずしも同じビンテージ機材を揃える必要はありません。大切なのは、「声を活かすために、ギターがどう寄り添うか」という視点を持つことです。安価な代替機材でも、セッティングや演奏の仕方次第で近い雰囲気を作り出すことは十分に可能です。
つまり、カネコアヤノの音作りを学ぶことは、単なる機材コピーにとどまらず、音楽の本質である「表現の在り方」を学ぶことにつながります。楽器を通して歌を支える姿勢、音と声の距離感を大切にする意識。これらを理解し実践することで、あなた自身の音作りにも大きなヒントとなるでしょう。
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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸 ギター
Gibson Melody Maker D (1966年製)
2016年以降愛用。『よすが』制作時にはレコーディングの7割で使用。ビブラート・ユニットは取り外し、セレクターはフロントに固定。
Gibson J-50 (1965年製)
2019年頃購入。弾き語り時のメイン。レコーディングではガッツある音用に使用。
Gibson Country Western (1963年製)
『祝祭』制作中に購入。レコーディングで“きらびやかな音”を求める際に使用。
Martin D-28
使用詳細は不明。
🔊 アンプ
Orange OR80R (1970年代製)
メインアンプ。2年前に入手以来、ライブ・レコーディングで使用。80W出力の真空管コンボアンプ。素直で温かい音が特徴。最近はアンプのEchoツマミも使用している。
Roland JC-160(旧使用アンプ)
🎛 ペダルボード
TC Electronic / Polytune 3 Mini(チューナー)
Electro-Harmonix / Op-Amp Big Muff(ファズ)
「気分」「月明かり」などで使用。
Bixonic / EXP-2000 Expandora(ファズ)
1994年発売モデル。借り物。「わたしたちへ」の2番サビで使用。
Klon / KTR(オーバードライブ)
基本常時オン。サウンドの基盤。
Xotic / RC Booster(ブースター)
「エメラルド」など轟音時や音が埋もれる時に使用。
MXR / Phase 90(フェイザー)
「季節の果物」のアウトロで使用。
TC Electronic / Hall of Fame 2(リバーブ)
主にアンプでリバーブをかけるが、気分次第でファズと合わせて使用。
MXR / Iso-Brick(パワーサプライ)
✅ まとめポイント
ギターは Gibson 系が中心(エレキ:Melody Maker D、アコギ:J-50・Country Western)+Martin。
アンプは70’s Orange OR80R がメイン、旧機材として Roland JC-160。
ペダルは歪み系を複数併用(Op-Amp Big Muff・Expandora・KTR)、ライブごとに使い分け。
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