始めに(特徴紹介)
Judas Priest(ジューダス・プリースト)のギタリスト、Glenn Tipton(グレン・ティプトン)は、ヘヴィメタルを代表するサウンドの立役者の一人です。
彼の奏でるリードトーンは、切れ味鋭くもメロディックで、テクニカルさと叙情性を兼ね備えています。
特に「Painkiller」や「Electric Eye」「Beyond the Realms of Death」などの楽曲におけるソロやリフは、彼のサウンドの象徴と言えるでしょう。
ティプトンのサウンドの特徴は、Fender StratocasterやGibson SGといった伝統的ギターをベースに、Hamer Phantom GTやESP LTD GT-600など、メタル専用機材を導入する進化のプロセスにあります。
また、Marshall JCM800を中心にしたアンプ群、ENGLの高出力システム、さらにラックシステムやシンセギターまで取り入れる柔軟さが、彼の音の厚みを支えてきました。
この多層的な機材選択と緻密なセッティングによって、強烈なディストーションから透明感のあるクリーントーンまで幅広い音を操ることが可能となっています。
さらに彼の右手のピッキングニュアンス、ピッキングハーモニクス、スウィープ奏法や速弾きの正確さも音作りの大きな要素です。
音作りだけでなくプレイスタイルと相まって、ジューダス・プリーストのサウンドは「ブリティッシュ・ヘヴィメタルの基準」とも言える存在感を放っています。
グレン・ティプトンのサウンドを理解することは、メタルギターを志すプレイヤーにとって一つの指標となるでしょう。以下では、彼の使用アンプ、ギター、エフェクターを時期ごとに整理しつつ解説していきます。
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使用アンプ一覧と特徴【Judas Priest・Glenn Tipton】
Glenn Tipton(グレン・ティプトン)の音作りを語る上で欠かせないのが、Marshallを中心としたアンプ群です。
70年代の初期には、ヴィンテージの50W/100W Marshallアンプ(ノン・マスターボリューム仕様)を使用し、ストレートで荒々しいブリティッシュサウンドを基盤にしていました。
このサウンドは「Sad Wings of Destiny」や「Sin After Sin」の頃に確認でき、まだヘヴィメタルが確立される前夜の音像を支えました。
80年代に入ると、Marshall JCM800 1959 MkII Super Leadがメインアンプとなり、ライブでも長期間使用され続けました。
JCM800特有の硬質でタイトなゲインは、ジューダス・プリーストの攻撃的なサウンドを決定づけ、代表作『Screaming for Vengeance』『Defenders of the Faith』期のソロワークに直結しています。
ライブ写真やインタビューでも、JCM800のスタックが背後に映り込むことが多く、この時代のティプトン=Marshallサウンドと言えるでしょう。
90年代以降は音楽性の変化と共に、ENGLアンプの導入が始まりました。特に『Jugulator』や『Demolition』といったRipper期には、Crate Blue Voodooの使用記録もあり、Marshall一辺倒からの脱却を試みていたと考えられます。
2000年代にはラックシステム化が進み、ENGL E-580 MIDI PreampとE850 Power、さらにLine 6 HD100、Lexicon MX-200、Rocktron Intellifexといったデジタル機材を組み合わせることで、より多彩なサウンドバリエーションを確保していました。
最新作『Invincible Shield』に関連したインタビューでは、ENGL Invader II E642II+E412VGB 4×12キャビネットが使用されたとの記載もあり、現在のメインリグはENGL中心に移行していることが伺えます。
また、スタジオではMarshall、ENGL、Mesa、Crate、VOX AC30、Cornellなど、曲ごとに音を使い分ける柔軟性も特徴です。
このアンプ選択の多様性は、ティプトンのリードトーンが常に時代に適応しながら進化してきたことを示しています。
総じて、彼のアンプサウンドは「Marshallの伝統的ブリティッシュトーンを基盤に、ENGLなどのハイゲインアンプで現代的に補強する」という二軸構成で成り立っていると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Marshall JCM800 1959 MkII Super Lead | Marshall | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | 80年代以降のライブ基幹アンプ。攻撃的なリードトーンの中心。 |
Marshall 100W Vintage Non-Master Volume | Marshall | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | 初期作品で使用。クラシックなブリティッシュトーン。 |
ENGL E-580 MIDI Preamp | ENGL | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | 2000年代以降のラックシステム中核。高出力で現代的な音色。 |
ENGL Invader II E642II | ENGL | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | 『Invincible Shield』期に使用。現行のメインアンプ。 |
Crate Blue Voodoo | Crate | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | 90年代Ripper期に使用記録あり。アメリカ製ハイゲイン。 |
VOX AC30 | VOX | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | スタジオでクリーントーン用途に使用。ブリティッシュ伝統音色。 |
使用ギターの種類と特徴【Judas Priest・Glenn Tipton】
Glenn Tipton(グレン・ティプトン)の音作りにおいて最も注目されるのは、時代ごとに大きく変化してきたギター選択です。
70年代初期はFender Stratocasterを愛用しており、1961年製クリームカラーの個体を中心に使用しました。
CBS期に入ると、DiMarzio Super Distortionを2基搭載し、Kahler Proフラットマウントとミラーピックガードに改造したStratocasterを使用。代表曲「Metal Gods」のソロでもこの改造ストラトが使用されています。
60年代の別個体のストラトも’78頃までライブや録音で確認されており、Judas Priest初期のサウンドを支えたギター群といえます。
一方、Gibson系ではSGを複数使用。PAF搭載のクラシックなサウンドの個体、さらにブリッジにEMG81を組み込んだ録音用SGなど、多彩なサウンド作りを目的に選ばれました。
また、78年〜79年頃にはGibson Les Paul Custom(ブラック)を使用し、90年代にはLes Paul 1960 Reissueを導入。重厚でサステイン豊かなリードトーンを表現しました。
80年代半ばからはHamerとの関係が深まり、Phantom GTや本人デザインのGT Custom、さらに鏡面仕様のHamer Mirrorモデルなどが使用されました。これらはKahler搭載でメタルに最適化されており、Tiptonのイメージを決定づけたギター群です。
2000年代にはESP LTD GT-600(シグネチャーモデル)をメインに採用。赤カバーのEMG “GT Vengeance”セットを搭載し、ライブでもステージ映えする存在感を放ちました。
さらに、Roland G-707やGodin LGXTなどのシンセ対応ギターを導入し、『Nostradamus』などでシンフォニックなアプローチを可能にしました。
Ibanez RGの7弦モデルも録音で試された記録があり、メタルの低音志向への適応を示しています。
アコースティック系ではOvation、Yamaha 12-string、Taylor 814CE、Epiphone Riviera 12弦などを楽曲ごとに使い分け、「The Fire Burns Below」や「Searching」といった作品で確認できます。
こうした多様なギター群により、ティプトンは「ブリティッシュ・メタルの古典的要素」と「モダンなメタルサウンド」を両立させ、バンドの長期にわたる進化を支えてきたと想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Fender Stratocaster(1961 クリーム) | Fender | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | エレキギター | 初期に多用。ブリティッシュロック色の強い音。 |
Fender Stratocaster(CBS期改造) | Fender | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | エレキギター | DiMarzio×2とKahler改造。Metal Godsソロでも使用。 |
Gibson SG(PAF/EMG搭載個体) | Gibson | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | エレキギター | クラシックPAF音色とEMG搭載モデルの両方を使用。 |
Gibson Les Paul Custom(ブラック) | Gibson | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | エレキギター | 78〜79年頃使用。重厚でサステイン豊か。 |
Hamer Phantom GT | Hamer | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | エレキギター | 80年代半ばに使用。Kahler搭載で高速リフ向き。 |
ESP LTD GT-600 | ESP | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | エレキギター | 本人シグネチャーモデル。EMG GT Vengeance搭載。 |
Roland G-707 | Roland | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | ギターシンセサイザー | シンセ音色導入に使用。『Nostradamus』で活躍。 |
Taylor 814CE | Taylor | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | アコースティックギター | 「Searching」で使用。透明感あるアコースティックトーン。 |
使用エフェクターとボード構成【Judas Priest・Glenn Tipton】
Glenn Tipton(グレン・ティプトン)はアンプ直結のように聴こえるシンプルなサウンドを基本としながらも、実際には多彩なラックエフェクトやスイッチングシステムを駆使していました。
特に80年代以降はラックシステム中心に移行し、ワウやノイズゲートからマルチエフェクター、空間系までを組み合わせ、ライブでも安定したトーンを実現していました。
初期はCry Baby系ワウや基本的なブースター程度のシンプルな構成だったものの、ハイゲイン化と共にシステムが複雑化していったのです。
代表的なエフェクターは、Dunlop Cry Baby DCR-2SR(ラックワウ)。このモデルは従来のワウペダルをラック化したもので、遠隔コントロールによりステージでの自由度が大幅に増しました。
ノイズ対策ではMXR Smart GateやRocktron Hush Super Cを導入し、MarshallやENGLの強力なゲインを扱う際に不要なノイズを排除していました。
また、Digitech GSP-1101やENGL E-580などのプリアンプ/マルチエフェクターを組み込み、MIDIで制御することで曲ごとに異なるプリセットを瞬時に切り替えるスタイルを確立しました。
空間系ではRocktron Intellifex、Yamaha SPX90II、Lexicon MX-200といったラックマルチを愛用。これらはディレイやリバーブ、ピッチシフトを多彩に操ることができ、「Beyond the Realms of Death」や「A Touch of Evil」のような広がりのあるサウンドに直結しています。
また、Behringer DEQ2496(EQ)やDBX166A(コンプレッサー/リミッター)を加えることで、PAやレコーディング環境に合わせた音作りを細かくコントロールしていました。
さらに、ステージでの安定性を確保するためにKorg DTR-1ラックチューナーやFurman PL-8電源、Dunlop DC Brickなども導入。
スイッチングにはVoodoo Lab GCXやMike Hill製ループスイッチャーを使用し、複雑なラック構成をシンプルに操作できるようにしていました。
これらの機材群は一見派手ではないものの、Tiptonのサウンドを支える「縁の下の力持ち」と言える存在です。
総じてティプトンのエフェクト構成は、「ハイゲインアンプ+ラックマルチ+厳密なノイズ管理」というシステムを軸に、ライブでもスタジオでも安定したサウンドを提供することを目的としていたと想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Dunlop Cry Baby DCR-2SR | Dunlop | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | ワウペダル | ラック型ワウ。ライブで遠隔操作可能。 |
MXR Smart Gate | MXR | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | ノイズリダクション | ハイゲイン環境でのノイズ抑制に使用。 |
Rocktron Hush Super C | Rocktron | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | ノイズリダクション | ラックシステムでの定番ノイズゲート。 |
ENGL E-580 MIDI Preamp | ENGL | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | プリアンプ/アンプシミュレーター | ラックの中核。MIDIで切替制御。 |
Digitech GSP-1101 | Digitech | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | ギター用マルチエフェクター | 幅広いエフェクトとアンプモデリングを提供。 |
Rocktron Intellifex | Rocktron | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | 空間系マルチエフェクター | ディレイやコーラス用途。広がりを演出。 |
Yamaha SPX90II | Yamaha | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | 空間系マルチエフェクター | 定番ラック。リバーブ/ディレイ処理。 |
Lexicon MX-200 | Lexicon | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | 空間系マルチエフェクター | スタジオ/ライブで使用。高品位なリバーブ。 |
Korg DTR-1 | Korg | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | チューナー | ラックチューナー。安定したステージ運用。 |
Voodoo Lab GCX | Voodoo Lab | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | スイッチングシステム | 複雑なラックを整理して操作可能にする。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Judas Priest・Glenn Tipton】
Glenn Tipton(グレン・ティプトン)の音作りは、単に機材選びに留まらず、アンプのEQ設定やミックスでの工夫に大きく支えられています。
MarshallやENGLといったハイゲインアンプを中心に使用する彼は、リードとリズムで異なるアプローチを採用し、バンドサウンドの中でしっかりと存在感を確保してきました。
ここではEQやチャンネル切替、ミックス処理に関する特徴的なポイントをまとめます。
まず、Marshall JCM800を基盤とした時代の設定は、トレブルとプレゼンスを高め、ミドルをやや抑え、ベースは中域寄りにバランスさせる形が多く見られます。
これはリードプレイの抜けを重視した設定で、同じくギタリストのK.K. Downingとのツインリードの中でも明確にキャラクターを分ける役割を果たしました。
一方でENGL Invader IIやラックシステム期では、よりモダンで厚みのあるゲインを得るために、ミドルを積極的に活かしつつローエンドを引き締め、音圧感とクリアさを両立させています。
具体的なEQ例を挙げると、
・Bass:4〜5(ローが膨らみ過ぎないよう抑制)
・Middle:6〜7(リードの存在感を確保)
・Treble:6〜7(カッティングの切れ味を強調)
・Presence:6(ソロでの抜けをサポート)
といったセッティングが基本ラインとされています。
ただし、ライブ環境や使用アンプによって常に微調整が行われており、スタジオレコーディングではさらに細やかに音作りが行われました。
ディストーションの質感に関しては、アンプ直の歪みを主体にしながら、プリアンプやマルチエフェクトのブースト機能を用いることで、粒立ちの揃ったサウンドを実現。
ノイズゲート(MXR Smart Gate、Rocktron Hush)の導入により、タイトなリフや高速ソロでも余計なノイズを最小限に抑えています。
この「ハイゲイン+ノイズ管理」の徹底が、クリアで聴きやすいメタルサウンドの核心と言えるでしょう。
ミックス面では、Tiptonのギターはややハイ寄りに定位されることが多く、K.K. Downingのギターとステレオで左右に分けられる形が基本です。
これにより、ツインリードが重なった際の音の被りを防ぎ、それぞれのギターパートが鮮明に聴こえるようになっています。
さらにリードソロではディレイを強調し、空間的な広がりを持たせて観客に強烈な印象を与える手法が多用されました。
代表的な「Painkiller」のギターソロでは、中高域が鋭くブーストされ、EQでローを引き締めたセッティングが確認されます。
また「A Touch of Evil」ではリバーブとディレイを深めに掛け、ドラマチックな広がりを演出。
こうした曲ごとのサウンドアプローチの違いも、Tiptonの音作りを理解する重要な要素です。
最終的にTiptonのサウンドの本質は、「高出力アンプを基盤に、EQとノイズ管理を徹底し、曲に応じて空間系エフェクトで彩る」というバランスにあると考えられます。
この手法により、彼のギターはバンド全体の中で常に際立ち、数十年にわたりメタルの象徴的サウンドを作り続けたと想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【Judas Priest・Glenn Tipton】
Glenn Tipton(グレン・ティプトン)のサウンドを完全に再現するには、Marshall JCM800やENGL Invader IIといったプロユースの高額アンプ、さらにラックシステムを揃える必要があります。
しかし初心者や中級者がいきなりそこまで投資するのは現実的ではありません。
ここでは「比較的安価に」「市販されているモデル」で、ティプトン風サウンドに近づける方法を紹介します。
まずアンプに関しては、BOSSの「Katana」シリーズやMarshallの「Code」シリーズが手頃です。
これらはモデリング技術によってJCM800やモダンハイゲインの音を再現でき、ヘッドフォン練習からライブまで幅広く対応できます。
特にKatanaは歪みの質感が粒立ち良く、ノイズゲートやEQも内蔵されているため、Tipton的なハイゲイントーンを作りやすいのが特徴です。
エフェクターでは、BOSSの「MT-2 Metal Zone」や「DS-1X」など、安価ながらメタル向けに調整可能なディストーションが有効です。
MT-2は「ドンシャリ」傾向が強いため、ミドルをやや上げることでTipton的な存在感のあるトーンに寄せられます。
また、リード用には「DD-8 Digital Delay」などを組み合わせることで、ソロの広がりを演出できます。
さらに「NUX MG-400」や「Zoom G1 Four」といったエントリークラスのマルチエフェクターもおすすめです。
これらはアンプモデリングやエフェクトが豊富に収録されており、Marshall+ENGL的な音作りをプリセット保存できるため、初心者が効率よくTipton風サウンドを試すのに適しています。
ギター選びとしては、ESPやLTDの中級モデル、あるいはEpiphoneのLes Paul CustomやSGモデルがコストパフォーマンスに優れています。
特にハムバッカーPU搭載モデルにディストーションペダルを組み合わせるだけで、ティプトン特有のメタルサウンドにグッと近づくことが可能です。
総じて、「Marshall系モデリングアンプ+BOSSのディストーション+ディレイ」の組み合わせで、予算5万円前後でもTiptonらしいリードトーンを体験できるでしょう。
あくまで本物の機材に比べると奥行きや迫力は抑えめですが、基礎的なニュアンスを掴むには十分といえます。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
アンプ | Katana-50 MkII | BOSS | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | Marshall系トーンを安価で再現可能。練習から小規模ライブ対応。 |
アンプ | Code 50 | Marshall | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | モデリングアンプ。JCM800系プリセット収録。 |
ディストーション | MT-2 Metal Zone | BOSS | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | 強烈な歪み。ミドルを上げればTipton風の抜けを再現可能。 |
ディストーション | DS-1X | BOSS | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | 現代的に改良されたDS-1。ハイゲイン寄りで安定感あり。 |
ディレイ | DD-8 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | リードソロ用に必須。空間的な広がりを付与。 |
マルチエフェクター | MG-400 | NUX | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | 低価格帯でアンプモデリングとエフェクトが充実。 |
ギター | Epiphone Les Paul Custom | Epiphone | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | 本家Gibsonの廉価版。TiptonのLes Paul期を再現しやすい。 |
ギター | LTD EC-401 | ESP | Amazonで探す | Judas Priest | Glenn Tipton | EMG搭載モデル。GT-600を意識した廉価版として適合。 |
総括まとめ【Judas Priest・Glenn Tipton】

Glenn Tipton(グレン・ティプトン)のサウンドを振り返ると、その本質は「クラシックとモダンの融合」にあると言えるでしょう。
Marshall JCM800に代表される伝統的なブリティッシュ・トーンを基盤に、ENGLやラックシステムといった現代的機材を積極的に取り入れ、時代ごとに最適な音を構築してきました。
彼のサウンドは単なるハイゲインではなく、常に「抜けの良さ」「粒立ち」「メロディックなリード」を兼ね備えており、メタルギターの理想形を示しています。
また、ギター選びも極めて多様で、Fender StratocasterやGibson SG/Les Paulといった伝統モデルから、Hamer Phantom GTやESP LTD GT-600といったメタル専用設計モデルまで幅広く使用してきました。
さらにシンセギターやアコースティックまで導入する柔軟さは、単なる「ヘヴィメタルのギタリスト」に留まらない音楽的な探究心を表しています。
それが「Beyond the Realms of Death」の抒情的なソロや「Painkiller」の高速リードといった、聴く者の心を揺さぶる名演に繋がっています。
エフェクト面では、シンプルに見えて実は非常に緻密な構成を持っていました。
ノイズリダクションやEQを駆使し、ディレイやリバーブを絶妙に配置することで、ライブでもスタジオでも一貫してクオリティの高いトーンを維持。
「音作りはプレイの一部である」という考え方を体現したギタリストと言えるでしょう。
初心者がTiptonの音を再現しようとする場合、全ての機材を揃える必要はありません。
むしろ重要なのは、彼のサウンドの核となる「ハイゲインだがクリア」「リードが埋もれないようEQ調整」「空間系でドラマ性を付与」という3点を意識することです。
このアプローチさえ押さえれば、手持ちの機材でも十分に「Judas Priest風の迫力」を体験できるはずです。
総括すると、Glenn Tiptonの音作りは「伝統的なMarshallサウンドの骨格」「ENGLやラックを駆使した現代的アレンジ」「緻密なEQと空間処理」「多彩なギターの使い分け」という4つの要素で成り立っています。
これらを理解し応用することで、単に音をコピーするだけでなく、自分自身のプレイスタイルにも活かせるヒントとなるでしょう。
まさに「ブリティッシュ・メタルの魂を体現したギタリスト」として、Tiptonの音作りは今後も多くのギタリストに影響を与え続けると考えられます。
“`
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸ギター
• Fender Stratocaster(1961 クリーム/初期~楽曲制作・一部録音で多用)
• Fender Stratocaster(CBS期改造/DiMarzio Super Distortion×2、Kahler Proフラットマウント、ミラーピックガード/“Metal Gods”ソロでも使用)
• Fender Stratocaster(60年代個体/~’78頃まで使用)
• Gibson SG(複数個体。PAF搭載の個体/ミラーピックガード仕様、別個体でブリッジにEMG81を搭載して録音使用)
• Gibson Les Paul Custom(ブラック/’78–’79に使用)/Les Paul 1960 Reissue(1995)
• Hamer Phantom GT(ブリッジ1H・Kahler・限定生産’84–’86。本人機はEMGまたはDuncan載せ替え)
• Hamer GT Custom(本人デザインの非市販モデル/Explorer系外形、2H+Kahler、白縁取り)
• Hamer(Phantom/GT の“鏡面”仕様=Mirror plated)— ライブ・録音で愛用
• ESP LTD GT-600(シグネチャー/EMG “GT Vengeance”セット[赤カバー]、Kahler Hybrid、ロッキングナット)
• Roland G-707(ギターシンセ、Kahler追加改造)/Godin LGXT(『Nostradamus』でのシンセ用途)
• Ibanez RG(7弦。主には録音で試用)
• Fender Telecaster(’69/’70想定。スタジオでコードワーク用)
• Fernandes Sustainer(24F/グラファイトボディ)
• Gibson Explorer(近年一部ステージで使用)/Gibson ES-335(ソロ“Enter the Storm”で使用)
• ESP Eclipse(セミアコ)/Ovation、Yamaha 12-string、Alvarez(“The Fire Burns Below”ソロ)/Taylor 814CE(“Searching”で使用)/Epiphone Riviera 12-string ほかアコ/セミアコ類
🔊アンプ/キャビ
• Marshall(50W/100Wヴィンテージ・ノンMV→JCM800期)。JCM800は長期のライブ基幹。ラックではMarshall 9100パワーも使用
• Marshall JCM800 1959 MkII Super Lead
• ENGL(ステージ用:ENGLのプリアンプ/パワー&バックレス・キャビを併用。Invader 642 等)
• 2008–2009ラック例:ENGL E-580 MIDI Pre、E850 Power、Line 6 HD100(2008)、Lexicon MX-200、Rocktron Intellifex、Yamaha SPX90II、DBX166A ほか
• スタジオでの多用アンプ:Marshall/ENGL/Line 6(ヘッド&コンボ)/Mesa/Crate/VOX AC30/Cornell等(曲ごとに使い分け)
• Crate Blue Voodoo(Ripper期“Jugulator/Demolition”時代に使用の記録)
• 近年制作時(『Invincible Shield』関連記事):ENGL Invader II E642II+E412VGB 4×12 の記載あり
🎛️エフェクター/ラック/周辺(重複統合)
• Wah/ノイズ/ゲート等
• Dunlop Cry Baby DCR-2SR(ラック・ワウ)/MXR Smart Gate/Rocktron Hush Super C
• マルチ/プリアンプ/スイッチャー
• ENGL E-580(MIDI Pre)/Digitech GSP-1101/Voodoo Lab GCX/Mike Hill Loop Switcher
• (スタジオ)Rocktron Piranha、Pro GAP、(Digitech)Chameleon、Boss/Digitech各種ワークステーション等
• マルチFX/ディレイ等
• Rocktron Intellifex/Yamaha SPX90II/Lexicon MX-200/Behringer DEQ2496(EQ)/DBX166A(Comp/Limiter)
• チューナー/電源
• Korg DTR-1(ラックチューナー)/Furman PL-8(パワー)/Dunlop DC Brick(電源)
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