始めに(特徴紹介)
羊文学のフロントマンであり、ギタリストとしてもバンドの音楽的中核を担う塩塚モエカ。彼女のサウンドは、繊細で透明感あふれるアルペジオや、深いリバーブに包まれたコードワークが特徴です。
代表曲「1999」や「光るとき」では、リバービーで立体的なギターの広がりが強調され、シューゲイザーやドリームポップ的な空気感を持ちながらも、鋭いオルタナティブの輪郭を感じさせます。ライブではJaguarを中心にした独自の音作りで、シンプルながら深みのあるギターアンサンブルを展開し、聴衆を没入させる力を持っています。
塩塚モエカの音作りが注目される理由は、単なる機材の選択だけでなく、その響きを「楽曲の物語性」と結びつけている点にあります。特にリバーブやディレイの使い方に顕著で、音の残響が曲の余韻を引き立て、歌声を包み込むように響きます。
彼女のプレイスタイルは、歪みを深くかけすぎず、OCDなどで作られるクランチを基本に、場面ごとにファズやリバースディレイを重ねて独自の空気感を演出するというもの。結果的に「羊文学といえばこの音」と直感的に感じられる統一感を持ちながら、多彩な音色で楽曲ごとの世界観を描いています。
この後のセクションでは、塩塚モエカが実際に使用しているアンプ、ギター、エフェクター、そしてセッティングやEQの工夫まで、詳細に解説していきます。
使用アンプ一覧と特徴【羊文学・塩塚モエカ】
塩塚モエカのギターサウンドを支える根幹は、クリーンに近い設定を基調とした真空管アンプにあります。代表的なのは、Fender 1978 Dual Showman Reverbのヘッドで、真空管はすべてTung-Sol製に交換され、基板のパーツもカスタマイズされているとされています。このDual ShowmanはFenderの中でも特にクリーンヘッドルームが広く、リバーブやディレイといった空間系エフェクトを載せても音が濁りにくいのが特徴です。
キャビネットはString Driver SD212を使用しており、10kgの重りを内蔵することで振動を抑制し、低域のタイトさを実現しています。Jaguar特有のジャキッとした高音域を引き締めつつ、塩塚モエカの歌声とバンド全体のミックスに自然に溶け込むセッティングです。
また、過去にはMarshallアンプ(型番不詳)を使用している様子がSNS投稿などで確認されており、より荒々しいオルタナ寄りのサウンドを求める際に使用された可能性があります。ただし、近年のライブでは一貫してFenderをベースにしたクリーン〜クランチのサウンドが主体となっています。
アンプのマイキングにはAKG C414を採用。高解像度でフラットな特性を持つコンデンサーマイクで、右側に設置しているという記録もあります。これにより、空間系エフェクトを含めた広がりあるサウンドを忠実にPAへ送ることができ、ライブハウスから大型フェスまで安定した音作りが可能になっています。
塩塚モエカがFender系アンプを好んで使用する背景には、彼女の音楽的ルーツにあるオルタナティブやシューゲイザーの影響が大きいと考えられます。特にNirvanaやYo La TengoといったアーティストがJaguar+Fenderアンプを愛用していたことが、サウンド選択に結びついていると推測されます。
まとめると、塩塚モエカのアンプサウンドは「クリーン設定のFender Dual Showman Reverbをベースに、OCDなどのオーバードライブで常時クランチを作り、楽曲に応じて歪みや空間系を加える」というシンプルながら奥深い構成です。これにより羊文学の透明感ある立体的なサウンドが実現されている、と想定されます。
使用ギターの種類と特徴【羊文学・塩塚モエカ】
塩塚モエカのサウンドを形作る上で欠かせないのが、彼女が愛用するFender Jaguarシリーズです。まず特筆すべきは、Fender Custom Shop ’66 Jaguar Deluxe Closet Classic。ライブで奥行きや深みが求められる楽曲で使用され、主にセンター+フロントピックアップのMIXポジションで演奏されることが多いとされています。Elixir Optiweb .010–.046を張っており、レギュラーチューニングで運用。セミホロウではないながらも、ジャガー特有のキレと、Custom Shop特有の上品で洗練された倍音感が魅力です。
さらに、彼女のキャリアを支えてきたのがFender American Vintage ’65 Jaguar(USA/FSR 2013)です。インディーズ時代から使用してきた一本で、ブリッジサドルをブラス製に交換するなどの調整が施されています。このギターには、影響を受けたバンドであるYo La TengoのJames McNewからサインが書かれているという逸話も残っています。弦はD’Addario XTS .010–.046を使用し、こちらもレギュラーチューニング。カラーはSonic Blue、ラッカーフィニッシュでエイジングが進んでおり、独特の味わい深いルックスと音色を放っています。
アコースティックギターとしては、k.yairi YF-018Bが確認されています。FUJI ROCK ’22などの大規模フェスで使用され、繊細な歌声を包み込む柔らかいトーンを生み出しています。エレキ中心のアンサンブルに対し、楽曲の抑揚を付ける重要な役割を担う一本です。
またエピソードとして、塩塚モエカが初めて手にしたギターは水色のFender Stratocasterであったことが語られています。この体験が後にJaguarをメインに選択する素地となったとも推測されます。Jaguarはショートスケールで女性にも扱いやすく、さらにオルタナティブやシューゲイザー系のサウンドを志向する彼女にとって、理想的な選択だったと考えられます。
総じて、塩塚モエカのギター選びは「Jaguarを軸に、洗練されたクランチとリバーブを活かす」方向性に一貫しています。フェスや大規模会場での立体的サウンドを支えるJaguarと、楽曲ごとに色彩を変えるアコースティックの組み合わせによって、羊文学独自のサウンドスケープが作り上げられている、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Fender Custom Shop ’66 Jaguar Deluxe Closet Classic | Fender | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | エレキギター | ライブで奥行きが必要な楽曲で使用。Elixir .010–.046。 |
Fender American Vintage ’65 Jaguar(USA/FSR 2013) | Fender | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | エレキギター | インディーズ期からの愛用。Yo La Tengoのサイン入り。 |
k.yairi YF-018B | K.Yairi | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | アコースティックギター | FUJI ROCK ’22などで使用。柔らかく包み込むトーン。 |
Fender Stratocaster(水色/初代ギター) | Fender | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | エレキギター | 初めてのギター。後のJaguar選択の原点。 |
使用エフェクターとボード構成【羊文学・塩塚モエカ】
塩塚モエカの音作りにおいて最も重要な要素がエフェクターボードです。彼女のペダル構成は、シンプルなクランチサウンドを土台に、空間系を重ねて羊文学特有の立体的な音像を作り上げています。以下は確認された使用ペダルと、その役割を解説します。
まず基盤となるのはFulltone OCDで、これは常時ONに設定されており、クリーンアンプに自然なクランチを与える役割を担っています。そのOCDのキャラクターをさらに押し上げるためにVemuram SHANKS ODS-1が配置され、ソロやフレーズに厚みを加える用途で使用されます。また、A.Y.A drivestaはブースト的に使われ、ソロ時に前に出したい場面で活躍しています。
ファズ系では、Electro-Harmonix Ram’s Head Big Muff PiやBig Muff π “3rd”が確認されています。特にRam’s Headはソロパートで轟音を生み出し、シューゲイザー的な厚みを加える際に重要な役割を担っています。さらに、Devi Ever Shoegazerの使用歴もあり、オルタナ的嗜好を象徴する機材選択といえます。
空間系に関しては、Arion SCH-Z mod(コーラス)が揺らぎを演出し、Ninevolt Pedals Bath Time Reverbが「1999」のイントロなどで幽玄的な残響を生み出しています。さらにStrymon blueSkyが加わることで、ライブ空間全体を包み込むリッチなリバーブが形成されます。
ディレイ系では、Red Panda RASTERとその後継であるRASTER V2が中心。特にリバースディレイや多モードの使用が特徴で、独特の浮遊感を生み出しています。これに加えてElectro-Harmonix Canyonもボードに組み込まれており、楽曲に合わせてディレイの質感を使い分けている様子が確認されています。
その他、bananana effects WORMHOLEなど日本製 boutique ペダルの使用歴もあり、2016年から現在まで彼女の空間表現を支える重要な要素となっています。電源はStrymon Ojai / ZumaやFree The Tone PT-5Dで安定供給され、ノイズレスかつ安定したサウンド環境を構築しています。
配線の基本は以下の流れです。
ギター → Junction Box → OCD → SHANKS ODS-1 → drivesta → Ram’s Head → SCH-Z → Bath Time Reverb → RASTER → blueSky → Canyon → アンプ
この構成により、OCDを基盤としたナチュラルなクランチと、7〜11番目の空間系エフェクトで構築される「羊文学らしいリバービーな立体音像」が完成します。特に2020年以降のボード構成では大きな変化はなく、2024年にRASTERがV2へ更新され、チューナーにPitchblack Xが加わった程度。これは彼女のサウンド哲学が一貫していることを示しています。総じて、「最小限の歪み+豊かな空間系」が塩塚モエカの音作りの核である、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Fulltone OCD | Fulltone | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | オーバードライブ | 常時ONで基礎クランチを形成。 |
Vemuram SHANKS ODS-1 | Vemuram | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | ブースター | OCDをプッシュする用途。 |
A.Y.A drivesta | A.Y.A TOKYO JAPAN | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | ブースター | ソロで音量と存在感を追加。 |
Electro-Harmonix Ram’s Head Big Muff Pi | Electro-Harmonix | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | ファズ | ソロで轟音を生み出す。 |
Electro-Harmonix Big Muff π “3rd” | Electro-Harmonix | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | ファズ | 別バージョン。曲により使用。 |
Devi Ever Shoegazer | Devi Ever | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | ディストーション | 使用歴あり。オルタナ志向を反映。 |
Arion SCH-Z mod | Arion | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | コーラス | 独特な揺らぎを演出。 |
Ninevolt Pedals Bath Time Reverb | Ninevolt Pedals | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | リバーブ | 「1999」イントロで確認。 |
Strymon blueSky | Strymon | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | リバーブ | ライブ全体を包むリッチな残響。 |
Red Panda RASTER | Red Panda | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | ディレイ | リバースディレイなど多彩なモード。 |
Red Panda RASTER V2 | Red Panda | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | ディレイ | 2024ボードで採用。 |
Electro-Harmonix Canyon | Electro-Harmonix | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | ディレイ | 一部でジャンクションBox後に接続。 |
bananana effects WORMHOLE | bananana effects | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | 空間系マルチエフェクター | 2016年購入。空間表現の基盤。 |
Strymon Ojai / Zuma | Strymon | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | パワーサプライ | 安定供給を支える。 |
Free The Tone PT-5D | Free The Tone | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | パワーサプライ | 一部ボードで使用。 |
YOUSAYSOUNDS Custom Junction Box | YOUSAYSOUNDS | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | ジャンクションボックス | パッチケーブルも同工房特注。 |
KORG Pitchblack X | KORG | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | チューナー | 2024年以降採用。 |
tc electronic Polytune 2 mini | tc electronic | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | チューナー | 2022年ボードで確認。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【羊文学・塩塚モエカ】
塩塚モエカの音作りは、機材選びのセンスだけでなく、その活かし方に強い特徴があります。基本的なセッティングは「クリーンアンプ+OCD常時ON」のクランチを土台に、楽曲ごとにリバーブやディレイを重ねるというものです。このアプローチによって、常に統一感を保ちながらも、楽曲の雰囲気に合わせた音色の変化が可能となっています。
EQの設定においては、Jaguarのジャキッとした高域が強調されすぎないよう、アンプのTrebleを控えめ(3〜4程度)にし、Midをやや持ち上げ(5〜6程度)、Bassを4前後に設定することが多いと推測されます。これにより、塩塚の声が浮き立つ空間を確保しつつ、ギター自体はバンドサウンドに溶け込むように整えられます。
歪み系エフェクターに関しては、OCDを基本クランチとし、ブースター系(SHANKS ODS-1、drivesta)で音量を持ち上げる形をとります。ソロやバース部分ではファズ(Ram’s Head Big Muffなど)を追加し、厚みを加えることで曲全体にメリハリを生み出しています。特に「Girls」や「夜を越えて」などでは、ファズを使った轟音が楽曲のクライマックスを引き立てています。
リバーブの使い分けも重要です。Ninevolt Bath Time Reverbは軽いスプリング風のリバーブとしてイントロやブリッジに使用され、Strymon blueSkyではホールリバーブ系の深い残響を与え、サウンド全体を包み込む効果を狙っています。これにより「1999」のような広がりのある世界観が実現されています。
ディレイでは、Red Panda RASTERやRASTER V2のリバースディレイを活用し、浮遊感を演出しています。通常の8分ディレイに加えて、リバースを部分的に混ぜることで、「あたかも時間が巻き戻るような」感覚をリスナーに与える効果があります。加えて、Electro-Harmonix Canyonは比較的シンプルなディレイとして、フレーズの余韻を整える役割を担います。
ミックス面においては、PAエンジニアが塩塚のギターを「空間を埋める要素」として扱うケースが多いと考えられます。ボーカルを中心に据えるため、ギターの音量はやや抑えめに設定しつつ、リバーブやディレイの残響がステレオフィールドを広げる役割を担います。実際のライブではアンプをクリーン寄りにセットし、PA側で残響を強調する処理を加えているとも推測されます。
また、Jaguar特有のショートスケールによるアタック感とミッドの強調が、塩塚の声との相性を高めています。EQ的には、声の倍音とぶつからない2〜3kHz付近をやや削り、リバーブとディレイで5kHz以上を持ち上げることで「透明感」が増すよう工夫されている可能性があります。
総じて、塩塚モエカの音作りは「シンプルな歪み+多彩な空間処理」という一貫したコンセプトのもと、EQやPAの工夫で透明感と奥行きを演出しています。これは羊文学の音楽を「立体的なサウンドスケープ」としてリスナーに届けるための重要な要素であり、彼女独自のスタイルを支える鍵となっている、と想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【羊文学・塩塚モエカ】
塩塚モエカのサウンドを完全に再現するには、FenderのJaguarや高級エフェクター群が必要ですが、初心者やこれからコピーを始めたい人にとっては高額でハードルが高いのも事実です。そこで、比較的安価かつ入手しやすい機材で彼女の音に近づける方法を紹介します。価格帯は1〜5万円程度を目安に選んでいます。
まず、ギターに関しては本家のFender Jaguarが理想ですが、予算を抑えるならSquier Classic Vibe ’70s Jaguarがおすすめです。Jaguar特有のショートスケールと独特のピックアップ配置を備えており、音のキャラクターは十分に近いといえます。クリーン時の「ジャキッ」とした質感は塩塚のサウンドに通じます。
オーバードライブとしてのFulltone OCDは定番ですが、価格がやや高め。代替としてBOSS SD-1 Super OverDriveやJHS 3 Series Overdriveが有力です。どちらも素直な歪みを持ち、アンプクリーンとの組み合わせでOCD的なナチュラルクランチを作りやすいモデルです。
リバーブについては、Strymon blueSkyは高価ですが、代替品としてBOSS RV-6やElectro-Harmonix Holy Grail Nanoが優秀です。特にRV-6はモード切替が豊富で、塩塚が多用するホール系やシマー系の響きも表現可能です。空間系を重視する羊文学サウンドの再現には必須といえるでしょう。
ディレイ系では、Red Panda RASTERは高額なため、代替としてBOSS DD-8 Digital Delayが挙げられます。シンプルなディレイからリバースディレイまで搭載されており、RASTER的な浮遊感を比較的安価に実現できます。さらにエレハモのCanyonも実売2万円台で手に入るため、導入しやすいモデルです。
最後にパワーサプライですが、Strymon Zuma/Ojaiは高額です。代替としてCAJ Power SupplyやOne Control Iguana Tailなどが安定した電源供給を行え、ノイズを減らす意味で有効です。特に空間系を多用する羊文学の音作りでは、電源の安定が再現度を高める鍵になります。
これらの機材を組み合わせることで、「クリーンアンプ+常時ONのオーバードライブ+深いリバーブ+リバースディレイ」という塩塚モエカの基本構造を、比較的低予算で再現することができます。高額機材に手を出す前に、まずはこれらの代替品で彼女のサウンドに近づく体験をするのがおすすめです。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ギター | Squier Classic Vibe ’70s Jaguar | Squier | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | Jaguarの廉価版。ショートスケールで操作感も近い。 |
オーバードライブ | BOSS SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | OCD的なナチュラルクランチを再現可能。 |
オーバードライブ | JHS 3 Series Overdrive | JHS Pedals | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | 癖が少なく幅広いジャンルに対応。OCDの代替に最適。 |
リバーブ | BOSS RV-6 | BOSS | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | シマーやホールリバーブでblueSkyの代替に。 |
リバーブ | Electro-Harmonix Holy Grail Nano | Electro-Harmonix | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | シンプルで安価ながら高品質リバーブ。 |
ディレイ | BOSS DD-8 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | リバースディレイ搭載。RASTER代替候補。 |
ディレイ | Electro-Harmonix Canyon | Electro-Harmonix | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | 実際の使用も確認済み。低価格で高機能。 |
パワーサプライ | One Control Iguana Tail | One Control | Amazonで探す | 羊文学 | 塩塚モエカ | 安価で安定した電源供給。ノイズ低減に効果。 |
総括まとめ【羊文学・塩塚モエカ】

塩塚モエカのギターサウンドは、一言でいえば「クリーンを基盤にした立体的でリバービーな音像」です。Fender Jaguarによるジャキッとしたトーンを、Fulltone OCDで常時クランチに整え、さらにリバーブやディレイで空間を広げることで、羊文学独自の世界観が成立しています。このアプローチは、轟音シューゲイザーとも透明感あるポップとも違う「中間の心地よい音場」を作り出す点で非常にユニークです。
彼女の音作りの本質は、「必要最小限の歪み」と「最大限の残響・奥行き」のバランスにあります。ギター自体の存在感を強調しすぎず、ボーカルやバンド全体を包み込む「場」を演出することに重きが置かれているのです。これはPAやエンジニアとの協力も大きく、アンプはクリーン設定、歪みはOCDやBig Muffなどで場面ごとに追加し、残響系エフェクトで立体感を補うという明快な構造を持っています。
また、Jaguarの選択は偶然ではなく、NirvanaやYo La Tengoといったオルタナティブの系譜に直結しています。ショートスケールならではの扱いやすさ、ピックアップの独特なレンジ感、そして見た目の存在感も含め、塩塚の音楽的嗜好とパフォーマンスに深く結びついています。さらにアコースティックギターの導入で表現の幅を広げ、羊文学の楽曲に温度差と奥行きを与えている点も注目すべきです。
エフェクトボードに関しては、一貫性と堅実さが際立ちます。2019年から2024年にかけて大きな変更はなく、RASTERがV2にアップデートされるなど細やかな刷新があった程度。これは「自分のサウンドを確立している証拠」といえます。ブティックペダルやハンドメイド品を取り入れつつも、システム自体はシンプルで、常にライブやレコーディングで安定して再現できる構成になっています。
塩塚モエカのサウンドを再現するために最も重要なのは、単なる機材コピーではなく「音の居場所」を意識することです。バンド全体の中でどう鳴らすか、歌をどう支えるか、余白をどう作るか——その感覚こそが羊文学の音作りの核です。エフェクトを深くかけるだけでなく、「どのタイミングで鳴らすか」「どれだけ残響を残すか」を意識することが、最も塩塚らしいサウンドに近づくための鍵となるでしょう。
まとめると、羊文学の音作りは「シンプルな歪み+豊かな空間処理+バンド全体との調和」。ギター単体で完結するのではなく、歌やリズム、会場の響きまでを含めて設計されているのが特徴です。この哲学を理解することで、塩塚モエカのサウンドをより深く体感し、自身の演奏にも活かせるはずです。
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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
Guitars
Fender Custom Shop ’66 Jaguar Deluxe Closet Classic
・ライブで“奥行き”が欲しい曲で使用/主ピックアップはセンター+フロントMIX/レギュラーチューニング/Elixir Optiweb .010–.046
Fender American Vintage ’65 Jaguar(USA/FSR 2013)
・インディーズ期からの相棒/ブリッジサドル=ブラスに交換/レギュラー/D’Addario XTS .010–.046/ボディにYo La Tengo(James McNew)サインの記載あり
k.yairi YF-018B(Acoustic)
・ライヴでも使用確認(例:FUJI ROCK EXPRESS ’22)
(エピソード)初めてのギターは水色のFender Stratocaster
Pedalboard / Effects
チューナー・IO
YOUSAYSOUNDS Custom Junction Box(パッチ/DCケーブルも同工房の特注)
KORG Pitchblack X(2024ボード)
tc electronic Polytune 2 mini(2022ボード記載)
オーバードライブ/ブースト
Fulltone OCD(常時ONで基礎クランチ/長年の定番)
Vemuram SHANKS ODS-1(OCDのクランチをプッシュ用途)
A.Y.A TOKYO JAPAN drivesta(ソロ等で使用)
WEEHBO Dumbledore V2(プリ/ODとして)
ファズ/ディストーション
Electro-Harmonix Ram’s Head Big Muff Pi(曲によりソロで使用)
Electro-Harmonix Big Muff π “3rd”
Devi Ever Shoegazer(所有・使用歴の記載)
コーラス
Arion SCH-Z mod
リバーブ
Ninevolt Pedals Bath Time Reverb(「1999」イントロの幽玄残響)
Strymon blueSky
ディレイ/その他空間系
Red Panda RASTER(多モード。リバース・ディレイ用途)
Red Panda RASTER V2(2024ボードで置換)
Electro-Harmonix Canyon(一部記載ではジャンクションBOXアウト後に接続)
bananana effects WORMHOLE(2016年購入・使用歴)
パワーサプライ
Strymon Ojai
Strymon Zuma
Free The Tone PT-5D(一部ボード記載)
配線/並び(要点)
・ギター → Junction Box → ③OCD → ④SHANKS ODS-1 → ⑤drivesta → ⑥Ram’s Head → ⑦SCH-Z → ⑧Bath Time Reverb → ⑨RASTER → ⑩blueSky → ⑪Canyon → アンプ
・空間系(⑦〜⑪)が羊文学の“リバービーで立体的”な核。
・2020:RASTER初期型/2022:構成大差なし(Polytune 2 mini・Junction Box under tuner)/2024:RASTER→V2、Pitchblack X採用。
Amps / Mic
Fender 1978 Dual Showman Reverb(Head)
・真空管はすべてTung-Solに交換/基板パーツもカスタム
String Driver SD212(Cabinet)
・タイト化のため10kgの重り×2を内蔵
Marshall(型番不詳) 使用ポストあり
AKG C414(Amp Mic)(右側に設置の記載)
そのほか運用メモ
Jaguar CSは音色が上品、マッチングヘッドがお気に入り。
American Vintage ’65 Jaguarは“ジャキーン”かつまとまり良い音。Sonic Blue/ラッカーでエイジングを楽しんでいる。
ライブではクリーン設定のアンプ+OCD常時ONで基本クランチを作成、曲によりdrivesta/Ram’s Headでソロを切替。
ジャガー選定背景やオルタナ嗜好(Nirvana/Yo La Tengo等)に紐づくBig Muff愛用の記述あり。
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