始めに(特徴紹介)
HEY-SMITHのギタリストである猪狩秀平は、スカパンクやメロディックハードコアを基盤としたバンドサウンドの中で、力強くも抜けのあるギタートーンを生み出してきました。彼の演奏は常にアグレッシブで、ステージ上でも観客を煽るような存在感があります。
サウンド面では、クランチを基調とした太いリズムギターに加え、疾走感を損なわないタイトなカッティングが特徴です。特に「Endless Sorrow」や「Be The One」などの代表曲では、アン直の歪みを活かしつつ、ライブ会場を包み込む迫力あるサウンドを展開しています。
また、使用機材はESPによるシグネイチャーモデル「EP」を中心に、Diezel Herbertの強力なアンプを組み合わせることで、芯のあるサウンドを実現。ディレイやブースターなどのエフェクターも必要最小限に絞り込み、バンド全体のエネルギーを最大限に引き出す音作りを徹底しています。
その結果、猪狩秀平の音はHEY-SMITHの“スピード感”と“熱量”を象徴する重要な要素となっており、ファンの間でも「唯一無二のライブサウンド」として評価されています。これから紹介するアンプ、ギター、エフェクターの詳細を通じて、そのサウンドの秘密に迫っていきましょう。
使用アンプ一覧と特徴【HEY-SMITH・猪狩秀平】
猪狩秀平のサウンドを支える中心機材は、圧倒的な出力とレンジを誇るDiezel Herbertです。通常はハイゲインアンプとして知られるHerbertですが、猪狩はクリーン〜クランチ寄りのセッティングを好み、チャンネル2を使用しています。Gainを低め(9時)、Presenceを高め(12時)に設定することで、不要な歪みを抑えつつも、突き抜けるようなスピード感と抜けの良さを実現しています。この“アン直”スタイルは、パンクロックやスカの疾走感を損なわないために必須の選択だといえるでしょう。
さらに、Herbertはプリ管・パワー管をGolden Dragonに交換しており、標準のサウンドよりもレスポンスが速くタイトな出音が得られる仕様になっています。出力も180Wと大出力ですが、やや抑える改造が施されているため、ステージ規模に応じたバランスの良い響きを確保しています。
キャビネットは外装がVHT製で、中身をEMINENCE Red Coatスピーカーに換装。これにより、アタック感と中音域のパンチを強調し、バンド全体の音圧に負けないギターサウンドを支えています。ライブの現場でも、トランペットやトロンボーンなどブラスセクションと混ざり合うHEY-SMITH特有のアンサンブルにおいて、しっかり前に出るトーンを作り上げています。
ラックには定番のKORG DTR-2000チューナーを組み込み、常に安定したピッチでの演奏を可能にしています。また、過去にはMarshall JMP-1プリアンプやMarshall EL34 100/100ステレオ・パワーアンプもシステムに加えられていた時期があり、より柔軟な音作りを試行していたことも確認されています。
総じて、猪狩のアンプ環境は「無駄を削ぎ落としたシンプルさ」と「抜け重視のチューニング」によって構築されており、スカパンクのスピード感ある楽曲において理想的なセッティングといえます。Diezel Herbertを軸に、これらの機材が組み合わされていると、想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Diezel Herbert | Diezel | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | チャンネル2(クランチ)を使用。Gain低め、Presence高め。プリ管・パワー管をGolden Dragonに交換。 |
VHT キャビネット(EMINENCE Red Coat換装) | VHT | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | 外装VHT、中身をEMINENCE Red Coatへ換装。中音域の押し出し感を強調。 |
KORG DTR-2000 | KORG | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | ラックマウントチューナー。ライブでの安定したピッチ管理に必須。 |
Marshall JMP-1 | Marshall | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | プリアンプ。過去使用歴あり。 |
Marshall EL34 100/100 | Marshall | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | 100W+100Wのステレオ・パワーアンプ。過去の使用歴あり。 |
使用ギターの種類と特徴【HEY-SMITH・猪狩秀平】
猪狩秀平のギターサウンドを象徴するのが、ESPによって製作されたシグネイチャーモデルESP EP(通称エクスポール)です。このモデルはレスポールとエクスプローラーの中間的なシェイプとサウンドを持ち、重厚さと抜けの良さを兼ね備えています。ゴールドパーツ、ピースマークのポジションマーク、蓄光サイドマークといった個性的な装飾も特徴的で、ライブでも一目で彼のギターとわかる存在感があります。
メイン機として使用されているESP EPはライブでの使用率が圧倒的で、本人も「高音がキラキラしてきた」とコメントしています。加えて、透明ピックガード仕様や色違いのサブ機も用意されており、セットリストやコンディションに応じて使い分けられています。
さらに、ESP ORIGINAL MODELも存在しており、販売時には「EP」名義でリリースされました。こちらはオリジナル設計に基づき、パリッとした高音と力強いミドルを強調した個体です。迷彩ボディ仕様の「ORIGINAL MODEL #2」も確認されており、サブとして使われることが多いようです。
初期のHEY-SMITHでは、ESPのエクスプローラー型を使用していた時期もあり、ピックアップをSeymour Duncan SH-5に換装することで攻撃的な歪みを確保していました。また、YouTube企画ではGibson CS Japan LTD Run 1960 Les Paul Customを購入(約89万円)しており、主にレコーディングで活用されています。
これらのギター選びには「ステージでの存在感」「アンサンブルの中で埋もれない音」「パンクとスカを両立するトーン」といった意図が感じられます。サウンドメイクにおける最重要ポイントとして、ライブ主体のバンド活動に適したギターが選択されているといえるでしょう。総じて、彼のメインサウンドはESP EPを中心に構築されていると、想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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ESP EP(猪狩秀平シグネイチャーモデル) | ESP | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | エレキギター | メイン使用。ゴールドパーツ、ピースマークのポジションマーク、蓄光サイドマーク付き。 |
ESP EP(色違い・サブ機) | ESP | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | エレキギター | 透明ピックガード仕様など。サブ機として使用。 |
ESP ORIGINAL MODEL | ESP | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | エレキギター | 販売時は「EP」名義。高音がキラキラする特性。 |
ESP ORIGINAL MODEL #2(迷彩ボディ) | ESP | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | エレキギター | サブ用。高音がパリパリでミドルが強め。 |
ESP エクスプローラー型 | ESP | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | エレキギター | 2014年頃まで使用。PUはSeymour Duncan SH-5に換装。 |
Gibson CS Japan LTD Run 1960 Les Paul Custom | Gibson | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | エレキギター | YouTube企画で購入(約89万円)。主にレコーディング用。 |
使用エフェクターとボード構成【HEY-SMITH・猪狩秀平】
猪狩秀平のペダルボードは「必要最小限で実用的」という点が大きな特徴です。彼のサウンドは基本的にアン直のクランチサウンドを中心に構築されており、歪み系のペダルはほとんど使用されません。その代わりに、ディレイやブースターといった「補助的な役割」のエフェクターを組み込むことで、楽曲ごとの表現力を高めています。
まず重要なのはBOSS DD-20を2台同時に使用している点です。1台はリードギター用のショートディレイ、もう1台は曲全体に厚みを与えるロングディレイといった形で、楽曲ごとに異なるプリセットを呼び出せるようになっています。また、深いアナログ感を持つBOSS DM-2Wも導入されており、特にダブのセクションや空間的な表現に活用されています。
ブースト系では、One Control Granith Grey Boosterを使用。音量を自然に持ち上げる設計で、ソロ時に音を太くしすぎず、バンドサウンドに溶け込みながら前に出すことが可能です。また、One Control Mosquito Blender Trailはブレンダーとして、空間系エフェクトの直列接続による音痩せを回避し、原音とエフェクト音を自然にブレンドするために使用されています。
さらに、プログラマブル・スイッチャーであるOne Control Crocodile Tail Loop OC10を導入し、複数のエフェクターを一括で切り替え可能にすることで、ライブ中の操作性を格段に向上させています。加えて、フットスイッチのBOSS FS-5Uも補助的に用意され、セットリストに応じた切り替えを担っています。
電源には信頼性の高いStrymon Zuma R300を採用し、安定した電源供給でライブ中のトラブルを防止。また、独自改造のオリジナル・ボリュームペダルはKORG XVP-10の回路を流用し、設定した最小値をワンタッチで呼び出せる仕様となっています。これにより、バッキングからリードへの移行がスムーズになり、ダイナミクスコントロールの幅が広がっています。
このように、猪狩のペダルボードは「音を派手に加工するため」ではなく「必要なときに必要な効果を最小限で加える」思想のもとで構築されています。これにより、バンド全体のエネルギーを壊さずにギターを際立たせることができ、HEY-SMITHのライブ感あふれるサウンドに直結しているといえるでしょう。総じて、彼のエフェクターボードはシンプルながら非常に実用的に設計されていると、想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
One Control Crocodile Tail Loop OC10 | One Control | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | スイッチングシステム | プログラマブル・スイッチャー。ライブ中の切り替え効率化。 |
BOSS DD-20 | BOSS | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | ディレイ | 2台使用。曲ごとに異なるプリセットで活用。 |
BOSS DM-2W | BOSS | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | ディレイ | 深めのアナログディレイ。ダブに使用。 |
One Control Granith Grey Booster | One Control | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | ブースター | ソロ用。音量を自然にアップ。 |
One Control Mosquito Blender Trail | One Control | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | ブレンダー | 原音とエフェクト音を自然にブレンド。 |
BOSS FS-5U | BOSS | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | フットスイッチ | 補助的な切り替えに使用。 |
Strymon Zuma R300 | Strymon | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | パワーサプライ | 安定した電源供給を確保。 |
オリジナル・ボリュームペダル(KORG XVP-10改造) | KORG/改造 | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | ボリュームペダル | 最小値をワンタッチで呼び出せる独自仕様。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【HEY-SMITH・猪狩秀平】
猪狩秀平の音作りの最大の特徴は「シンプルかつ抜け重視」のセッティングです。基本的にアンプのチャンネル2(クランチ)を使用し、歪みはアン直で作られています。Gainは低め(9時付近)に抑えることで不要な歪みを削り、Presenceを高め(12時付近)に設定することで、スカパンク特有の速いカッティングやストロークでも音が埋もれず、スピード感を持って前に出るトーンを実現しています。
EQバランスについては、中域を軸に据えたセッティングが中心です。低域はタイトに抑え、ブラスセクションやベースと音がぶつからないように調整。高域はPresenceと相まって「キラキラ」した成分を加え、会場全体に抜けるサウンドを形成しています。特にライブハウス規模では高域が不足すると音が団子状になってしまうため、彼のセッティングは「抜け」を最優先に設計されているといえるでしょう。
楽曲ごとの工夫も見られます。例えば、スカ要素の強いアップテンポナンバーではクランチ寄りの設定を活かし、コード感を前に押し出すサウンドに仕上げています。一方で、エモーショナルなリードパートやソロではOne Control Granith Grey Boosterで音量を持ち上げ、バンド全体の厚みに負けない存在感を確保。さらに、ディレイ(BOSS DD-20やDM-2W)を用いて空間的な広がりを持たせることで、単なるパンクサウンドではない多層的な表現を可能にしています。
ミックス面では、PAやエンジニアとの連携も重要です。HEY-SMITHの楽曲はブラス、ベース、ドラムと音数が多く、ギターが埋もれやすいため、ライブPAではミッドレンジをしっかり前に出すEQ処理が行われる傾向があります。具体的には、250Hz以下の低域をカットしつつ、1kHz〜2kHzを持ち上げることで、リズムギターがタイトかつ明瞭に聴こえるように工夫されています。
また、ステージ規模によってもセッティングを変化させています。大規模フェスでは、低音域をやや強調して迫力を出す一方、ライブハウスでは中高域の抜けを重視するなど、場面に応じた柔軟な調整がなされています。これにより、どの会場でもHEY-SMITHらしいアグレッシブなサウンドを届けられるのです。
総括すると、猪狩の音作りは「余計な歪みを避け、抜けの良さを最大化する」「必要なときだけエフェクターで彩る」「PAと連携して会場ごとに微調整する」という3本柱で成立しています。このアプローチは、HEY-SMITHのように多楽器編成のバンドにおいてギターを際立たせる最適解のひとつだといえるでしょう。これらのセッティングは本人の長年の経験に基づいた結果であり、今後もライブシーンで磨かれ続けると、想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【HEY-SMITH・猪狩秀平】
猪狩秀平のサウンドを完全に再現するにはESPのシグネイチャーモデルやDiezel Herbertのような高額機材が必要になりますが、初心者や中級者が比較的安価に音を近づけることは可能です。ここでは、1万円〜5万円程度で購入できる市販機材を中心に「なぜ似ている音が出せるのか」という理由と共に紹介します。
まずギターに関しては、ESP EPのようにレスポール系の厚みとエクスプローラー系の抜けを兼ね備えるのは難しいですが、コストパフォーマンスに優れたEpiphone Les Paul Standardが選択肢となります。ミッドの押し出し感とロック向きのトーンが特徴で、ブラスやベースと混ざっても前に出やすいサウンドを得られます。さらに、Grass Rootsシリーズにも「EP系」の廉価モデルが存在するため、ビジュアル面でも近い感覚を楽しめます。
アンプに関しては、Diezel Herbertの圧倒的な出力を再現するのは難しいですが、代替としてBOSS Katana 100 MkIIが有効です。クランチ〜ハイゲインまで幅広く対応でき、PresenceやEQを細かく調整できるため、抜けのあるクランチサウンドを作りやすいモデルです。自宅練習からライブまで対応できる万能性もポイントです。
エフェクターについては、猪狩が実際に使うDD-20は生産終了していますが、後継機のBOSS DD-8が現行品として入手可能です。多彩なディレイモードを搭載しており、ソロやダブでの空間表現を再現できます。また、アナログ感を求めるならBOSS DM-2Wの廉価版として、TC Electronic Echobrainなども検討に値します。
ブースターに関しては、One Control Granith Grey Boosterの代替としてBOSS GE-7(イコライザー)を推奨します。特定の周波数を持ち上げることでソロ時の存在感を確保でき、単なる音量アップ以上の効果を得られます。さらに、初心者であればZoom G1 Fourなどのマルチエフェクターを導入することで、ディレイ・ブースター・アンプシミュレーターを一通り体験でき、再現性も高まります。
このように、猪狩秀平の音作りの本質である「アン直のクランチを基盤に抜けを最優先する」という要素は、必ずしも高額機材が必須ではありません。適切な中価格帯のギター、アンプ、エフェクターを組み合わせることで、十分に近いトーンを得ることが可能です。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ギター | Epiphone Les Paul Standard | Epiphone | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | ミッドの押し出しが強く、レスポール系の厚みを安価に体感できる。 |
アンプ | BOSS Katana 100 MkII | BOSS | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | クランチ〜ハイゲイン対応。Presence調整で抜けの良いトーンを再現可能。 |
エフェクター(ディレイ) | BOSS DD-8 | BOSS | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | DD-20の後継機。多彩なモードでソロやダブに対応。 |
エフェクター(アナログディレイ) | TC Electronic Echobrain | TC Electronic | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | 安価ながらアナログ的な質感を得られるディレイ。 |
エフェクター(ブースター/EQ) | BOSS GE-7 | BOSS | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | イコライザーで特定帯域を強調し、ソロ時の存在感を再現。 |
マルチエフェクター | Zoom G1 Four | Zoom | Amazonで探す | HEY-SMITH | 猪狩秀平 | アンプシミュレーター・ディレイ・ブースターを網羅。初心者に最適。 |
総括まとめ【HEY-SMITH・猪狩秀平】

猪狩秀平(HEY-SMITH)の音作りを振り返ると、その本質は「シンプルで無駄がなく、抜けを最優先したトーン」にあります。Diezel Herbertを中心に据えたアン直クランチは、過剰な歪みを排除し、疾走感とアンサンブルの一体感を最大限に引き出す設計です。そこに必要最小限のディレイやブースターを組み合わせることで、楽曲ごとに立体感や表情を加えています。
ギター面ではESP EPシグネイチャーモデルが圧倒的な存在感を放っており、レスポールの厚みとエクスプローラーの鋭さを融合させた唯一無二のサウンドを体現しています。ライブではこのギターを中心に、シンプルながら迫力のあるトーンを作り上げることで、HEY-SMITH特有の“エネルギッシュな空気感”を支えています。サブ機やオリジナルモデル、さらにはレコーディング用のGibson Les Paul Customなども状況に応じて使い分けられ、幅広い対応力を発揮しています。
また、エフェクター構成は驚くほどシンプルでありながら、音の厚みやダイナミクスを操作するための必須ツールが揃えられています。BOSS DD-20やDM-2Wといったディレイ、One Control系のブースターやブレンダー、さらには独自改造のボリュームペダルなど、猪狩ならではの工夫が随所に見られます。これらは単なる“音色加工”ではなく、“バンド全体を活かすための補助装置”として機能している点が大きなポイントです。
総じて、猪狩秀平の音作りを再現するために必要なのは「高額機材を揃えること」ではなく、「余計な歪みを避け、抜けの良いクランチを基盤に、場面ごとに適切なエフェクトを加える」という考え方です。特にミッドレンジを大切にし、ブラスやボーカルと混ざってもギターがしっかり前に出るトーン作りは、どのプレイヤーにとっても参考になるはずです。
HEY-SMITHの楽曲は、ライブハウスでも大型フェスでも一貫して“前に飛び出すギターサウンド”を武器にしています。その裏には、猪狩の経験に裏打ちされた緻密なセッティングとシンプルな美学が存在しているのです。読者が自身の音作りに取り入れる際は、「シンプルに削ぎ落とす勇気」と「抜けを最優先する姿勢」を意識することが、最も大きなヒントになるでしょう。
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸 ギター
ESP EP(猪狩秀平シグネイチャーモデル/通称エクスポール)
レスポールとエクスプローラーの中間的なサウンド。
ゴールドパーツ、ピースマークのポジションマーク、蓄光サイドマーク。
コントロール:下=マスターボリューム、中=PUセレクター(押し引き式)、上=ダミースイッチ。
Edwards/Grass Roots でも下位モデル展開あり。
ESP EP(色違い・サブ機)
透明ピックガード仕様など。
ESP ORIGINAL MODEL
本人オリジナルモデル。販売時は「EP」名義。
メイン器:ライブで絶対的な使用率。高音が「キラキラ」してきたと本人談。
ESP ORIGINAL MODEL #2(迷彩ボディ)
サブ用。メインより高音がパリパリ、ミドル強め。
ESP エクスプローラー型(2014年頃まで使用)
ピックアップは Seymour Duncan SH-5 に換装。
Gibson CS Japan LTD Run 1960 Les Paul Custom
YouTube企画で購入(約89万円)。レコーディング用。
🔊 アンプ
Diezel Herbert(ヘッドアンプ)
借りパク状態で使用中。
プリ管・パワー管=Golden Dragon に交換。
出力180Wを少し抑える改造済み。
使用チャンネル=2(クランチ)。歪みはエフェクターを使わずアン直。
Gainは低め(9時)、Presenceを高め(12時)。スピード感ある抜け重視。
VHT キャビネット
外装はVHT、中身は EMINENCE Red Coat スピーカーに換装。
KORG DTR-2000(ラックチューナー)
🎛 エフェクター
One Control Crocodile Tail Loop OC10(プログラマブル・スイッチャー)
BOSS DD-20(ディレイ)×2台
曲ごとに異なるディレイタイムをプリセット。
BOSS DM-2W(ディレイ)
深めのアナログディレイ。ダブで使用。
One Control Granith Grey Booster(ブースター)
ソロ用。太くならず自然に音量アップ。
One Control Mosquito Blender Trail(ブレンダー)
BOSS FS-5U(フットスイッチ)
Strymon Zuma R300(パワーサプライ)
オリジナル・ボリュームペダル
KORG XVP-10 の回路を流用。設定した最小値をワンタッチで呼び出せる仕様。
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