【Eric Johnson(エリック・ジョンソン)・Alien Love Child(エイリアン・ラブ・チャイルド)】風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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エリック・ジョンソン Alien Love Child 音作り解説

① 始めに(特徴紹介)

ギターの求道者、トーン・マニアの代名詞とも言えるエリック・ジョンソン(Eric Johnson)。彼のキャリアにおいて、よりブルージーで即興性を重視したプロジェクトが「Alien Love Child(エイリアン・ラブ・チャイルド)」です。
1996年の名盤『Venus Isle』から一転、2000年にリリースされたライブ盤『Live and Beyond』で見せるサウンドは、これまでの緻密に計算された「バイオリン・トーン」をベースにしつつも、よりワイルドで生々しい質感を伴っています。

エリックのサウンドが注目される最大の理由は、その圧倒的な「透明感」と「太さ」の共存にあります。通常、ハイエンドを削ると音は籠もりますが、彼の音は高域がマイルドでありながら、音の芯が驚くほどはっきりしています。
Alien Love Childでは、トリオ編成ということもあり、コードワークでの空間の埋め方や、シングルコイル特有の粘り強いクランチサウンドがより強調されており、ストラトキャスター使いにとっては究極の教本とも言える内容になっています。

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②使用アンプ一覧と特徴【Alien Love Child・エリック・ジョンソン】

エリック・ジョンソンのサウンドシステムの根幹は、用途に合わせた「完全独立3系統」のルーティングにあります。Alien Love Childの時期もこの基本形は変わらず、100Wのマーシャルとフェンダー・アンプを複雑なスイッチングシステムで切り替えています。
リードトーンには1968年製のMarshall Super Leadを使用。これは「バイオリン・トーン」と呼ばれる、滑らかでサステイン豊かなリードを生み出すための心臓部です。

特筆すべきは、この時期に長年愛用していたDumble Steel String Singerを手放している点です。故障とその後の修理による音色の変化を嫌ったエリックは、このクリーン用の要であったアンプをカルロス・サンタナへ譲渡し、代わりにFender Twin ReverbやDeluxe Reverbをステレオで使用する構成にシフトしました。
これにより、クリーンサウンドはよりフェンダーらしい、鈴鳴りのような高域とタイトな低域を持つものへと変化しています。また、クランチ(ダーティ・リズム)用にはMarshall Super Bassを使用し、低域の太さを確保したままエッジのあるサウンドを構築しています。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
1968 Marshall 100W Super Lead Marshall 検索 検索 検索 検索 検索 検索 リード用の核。マスターなし、4インプット仕様。
Fender Twin Reverb Fender 検索 検索 検索 検索 検索 検索 クリーン・リズム用。Dumbleに代わるメインクリーン。
1969 Marshall Super Bass 100W Marshall 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ダーティ・リズム用。Super Leadより低域が強調される。

上記機材構成により、Alien Love Childでのダイナミックなライブサウンドが構築されていると想定されます。

③使用ギターの種類と特徴【Alien Love Child・エリック・ジョンソン】

エリック・ジョンソンといえば1954年製や57年製のメイプル指板ストラトキャスターのイメージが強いですが、Alien Love Child(特に『Live and Beyond』時期)においては、ローズウッド指板の1960年製ストラトキャスターの使用が目立ちます。
このギターはフロリダでのツアー中にファンから譲り受けたというエピソードを持つ個体で、メイプル指板よりもミッドレンジが豊かで、粘りのあるトーンが特徴です。ブルージーな楽曲が多いこのバンドにおいて、その中域の太さが非常にマッチしています。

一方で、長年の愛機である1957年製ストラトも引き続き使用されています。また、フロント・ミドルがシングル、ブリッジがDiMarzio HS-2(シングルサイズハムバッカー)という変則的な構成を持つ1954年製「Virginia」も、特定のトーンを狙う際に投入されています。
さらに、ライブ中盤のジャジーな楽曲や「Last House on the Block」のような重厚なトーンが求められる場面では、1964年製のGibson ES-335やSGが登場し、ストラトとは異なる甘く太いサステインを聴かせてくれます。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス ギターの種類 備考
Fender Stratocaster (1960) Fender 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ストラトキャスター この時期のメイン。ローズウッド指板、3TS。
Fender Stratocaster (1954 “Virginia”) Fender 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ストラトキャスター HS-2ピックアップをリアに搭載した改造機。
Gibson ES-335 (1964) Gibson 検索 検索 検索 検索 検索 検索 セミアコースティック 「Last House on the Block」で使用。

Alien Love Childのブルージーな質感を出すために、意図的にローズ指板のモデルを多用していたと想定されます。

④使用エフェクターとボード構成【Alien Love Child・エリック・ジョンソン】

エリック・ジョンソンのペダルボードは、そのサウンドの「色付け」において非常に重要な役割を果たします。特に有名なのが、リードトーンの核となるB.K. Butler製Tube Driverです。真空管を内蔵したこのオーバードライブは、マーシャルアンプをドライブさせるためのブースターとして機能し、あの滑らかな質感を生み出します。

また、ファズサウンドにはヴィンテージのFuzz Face(シリコントランジスタ)を使用。ボリュームノブの操作によってクリーンから激しい歪みまでを自在に操ります。空間系では、Maestro Echoplex EP-3(テープエコー)がリードトーンにのみかかり、独特の「奥行き」と「減衰」を付加します。クリーンサウンドにはTC ElectronicのSCFを常時かけ、ステレオコーラスによる立体感を演出するのがエリック流です。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス エフェクターの種類 備考
Tube Driver B.K. Butler 検索 検索 検索 検索 検索 検索 オーバードライブ リードサウンドの要。真空管搭載モデル。
Fuzz Face Dallas Arbiter 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ファズ ヴィンテージのシリコンモデルを使用。
TS808 Tube Screamer Ibanez 検索 検索 検索 検索 検索 検索 オーバードライブ リズムチャンネルのプッシュ用。
SCF Stereo Chorus Flanger TC Electronic 検索 検索 検索 検索 検索 コーラス クリーンサウンドに厚みを出す常時ONの定番。

各機材の電源供給(電池かアダプターか)まで拘る彼のスタイルが、Alien Love Childでも徹底されていると想定されます。

⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Alien Love Child・エリック・ジョンソン】

エリック・ジョンソンの音作りで最も重要なのは、高域の処理(トーン・シェイピング)です。彼はストラトのリアピックアップにもトーン配線を施しており、リード時にはトーンを「6〜7」程度まで絞ることで、あの耳に痛くない「甘い」リードサウンドを作っています。
EQ設定に関しては、Marshall Super LeadのTrebleはかなり低め(時には0〜2程度)に設定され、代わりにMidを強調することで、密度の高いサウンドを作り上げます。

Alien Love Childのようなライブ環境において、彼は「部屋の鳴り」を極めて重視します。A/Bスイッチを使用してクリーンとドライブを切り替える際、音量差が出ないよう細心の注意を払い、PAエンジニアには「マイクの立て方」まで細かく指定することで知られています。
具体的には、アンプのスピーカー中心部ではなく、少し端を狙う(オフアクシス)ことで、不要なハイ成分を物理的にカットしています。また、エフェクトの接続順も重要で、Fuzz Faceはギターから最初に入力される必要があり(バッファーを介さない)、これによりギター側のボリュームに対するダイナミクスを確保しています。

ミックス面での工夫としては、クリーンのステレオ・コーラスと、モノラルのドライなリードトーンの対比が挙げられます。クリーンでは空間を広く使い、ソロではセンターに音を凝縮させることで、トリオとは思えない音の壁を作り出しています。これらは、長年の研究に基づいた「エリック・ジョンソン・メソッド」の集大成と言えるセッティングであると想定されます。

⑥比較的安価に音を近づける機材【Alien Love Child・エリック・ジョンソン】

エリック・ジョンソンのシステムを完全に再現するには数百万円単位の予算が必要ですが、現代の優れた機材を使えば、そのエッセンスを安価に再現可能です。
まず、リードトーンの再現には「Tube Driver」系のサウンドを持つペダルが不可欠です。本物は高価ですが、真空管をシミュレートしたペダルや、中域に粘りのあるオーバードライブを代用することで近づけます。

また、空間系の処理も重要です。TC ElectronicのSCFは現在「Gold」モデルとして復刻されており、比較的手に入れやすい価格になっています。
デジタル・モデリング・アンプやマルチエフェクターを使用する場合、マーシャルのプレキシ系モデルにエコーを深くかけ、高域を意図的にEQでロールオフさせるのがコツです。

種類 機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
オーバードライブ Crayon Electro-Harmonix 検索 検索 検索 検索 検索 検索 Tube Driver的な中域の太さを再現可能。
ファズ Fuzz Face Mini Silicon Dunlop 検索 検索 検索 検索 検索 検索 小型で扱いやすいシリコンファズ。本人の音に近い。
エコー Flashback 2 Delay TC Electronic 検索 検索 検索 検索 検索 検索 Echoplexのシミュレーション(Tapeモード)が優秀。

⑦総括まとめ【Alien Love Child・エリック・ジョンソン】

エリック・ジョンソンの音作りの本質とは、単に高価な機材を揃えることではなく、「耳障りな周波数を徹底的に管理し、音楽的なミッドレンジを抽出する」という点にあります。Alien Love Childでの活動においては、そのストイックな姿勢はそのままに、よりライブらしい躍動感が加わっているのが特徴です。

彼のような音を目指す読者の皆さんにとって、まず第一歩となるのは「引き算」の思考です。ディストーションで歪ませすぎるのではなく、アンプとペダルを組み合わせて「中域の密度」を稼ぎ、ギターのトーンノブを少しだけ絞ってみてください。それだけで、これまで聴こえなかった「滑らかなトーン」の片鱗が見えてくるはずです。

彼の機材は確かに複雑ですが、その一つひとつには「この曲のこの部分で、聴き手にこう届いてほしい」という明確な意図があります。Alien Love Childの『Live and Beyond』を聴き込み、どの音がどのアンプから出ているのかを想像しながら音作りをすることは、ギタリストとしての耳を鍛える最高のトレーニングになるでしょう。まずはシンプルなセットからでも、その「質」に拘ってみてください。その先に、エリック・ジョンソンが見ているトーンの世界が広がっていると想定されます。


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