始めに(特徴紹介)
怒髪天(どはつてん)のギタリスト・上原子友康(うえはらこ ともやす)は、バンドのサウンドを支える「豪快かつ繊細」なギタープレイで知られています。彼のギターサウンドは、泥臭さを残しつつも芯のあるクリーンと骨太なドライブを行き来し、パンクロックやロックンロールの血を感じさせる音色が特徴です。
特にメインで使用するFender Stratocasterは、アメリカンヴィンテージの持つきらびやかなトーンに加え、Gotoh製ロックペグやピックガード交換など、本人のこだわりが反映されています。ライブでも99%以上の楽曲で使われるほど、信頼度の高い一本です。
また、バラードやアコースティック色の強い楽曲ではGibson J-45を持ち替えることもあり、楽曲ごとのニュアンスに合わせたプレイが光ります。アンプはFender Super-Sonicをメインに据え、ステージの環境に応じてサブアンプを切り替える柔軟さも特徴です。
怒髪天の楽曲「愛の出番だ!」や「孤独クラブ」では、エフェクターの選び方や使い分けが明確に表れています。前者ではワウによる単音カッティング、後者ではロングディレイによる広がりのある空間演出が聴きどころです。
上原子友康の音作りが注目される理由は、単にエフェクターを多用するのではなく、必要な場面に必要なだけを投入する「引き算の美学」にあります。そのため、彼のギターサウンドはどの時代でもバンドサウンド全体の中で強い存在感を放っています。
これから彼の使用アンプ、ギター、エフェクターを順に掘り下げながら、音作りの秘密に迫っていきます。
使用アンプ一覧と特徴【怒髪天・上原子友康】
上原子友康のアンプ選びは「クリーンと歪みの両立」を基盤としています。ライブでもレコーディングでも使用するメインアンプは、Fender Super-Sonicです。フェンダーらしい透明感のあるクリーンと、ブーストした際のエッジの効いた歪みを兼ね備えており、怒髪天の骨太なロックサウンドを支えるには最適といえます。彼のストラトキャスターとの相性も抜群で、コードストロークでも単音リフでもしっかりとした芯を出してくれる点が特徴です。
また、会場ごとの音響に合わせて補助的に使用するのが、One Control BJF-S66です。これはいわゆる「サブアンプ」としての役割を担い、PAやステージの環境に応じてEQ補正を行う目的で使用されます。怒髪天のように全国を飛び回るバンドにとって、どんな会場でも安定した音を出せることは大きな強みであり、彼がこのサブアンプを導入している背景がよく分かります。
実際、怒髪天のライブ映像や機材紹介記事ではSuper-Sonicのキャビネットと共に設置される姿が確認でき、さらにBJF-S66を切り替えることで空間の違いに柔軟に対応していることが分かります。こうしたセッティングは、ただ大音量で鳴らすだけではなく、バンド全体のバランスを重視する上原子友康らしい選択といえるでしょう。
なお、過去の音楽誌や一部のファンサイトではMarshall系アンプを使用していた時期があったのではないかと推測されていますが、信頼できるインタビューや公式情報としては確認できていません。現在はほぼ確実にFender Super-SonicとOne Control BJF-S66の二本柱が中心であるといえます。
このことから、上原子友康のアンプセットは「ライブとレコーディングで共通」「サブアンプによる環境補正」という非常に実用的かつ現場主義的な構成であると考えられます。音作りにおいては、歪みをエフェクターに任せるよりも、アンプ自体の素直な特性を重視している点が印象的です。
以上の点を踏まえると、怒髪天のギターサウンドはFender Super-Sonicを軸とした骨太なロックトーンに、One Control BJF-S66による環境適応力が加わったものであると想定されます。
使用ギターの種類と特徴【怒髪天・上原子友康】
上原子友康のギターサウンドの核を担っているのは、間違いなくFender American Vintage ’57 Stratocaster(1987年製)です。この個体は99%以上の楽曲で使用されており、怒髪天のトレードマーク的存在といえます。メイプル指板によるブライトで抜けの良い音が特徴で、コード弾きでも単音リードでも前に出る存在感を持っています。
さらに、彼はこのストラトを自分好みに改造しており、ピックガードを3プライに交換、ペグをGotoh製ロック式に変更しています。また、トレモロスプリングを養生テープで補強するというユニークな工夫もしており、ツアーやハードなステージ環境でも安定したチューニングを維持できるようにしています。こうした「現場対応型」の改造は、実直なバンドマンである彼らしいエピソードといえるでしょう。
一方、アコースティックギターとしてはGibson J-45を使用。特に「令和(狂)哀歌」などのレコーディングでは、そのウォームで深みのある音色が楽曲の雰囲気を引き立てています。ストラトキャスターの鋭さと対比するように、アコギでは包容力のある響きを生かし、バンドサウンドの幅を広げています。
過去のライブ写真やファンのレポートでは、他のギターを試している時期もわずかに確認されていますが、現在に至るまでほぼ一貫してこのストラトキャスターを中心に活動しており、「上原子の音=このストラト」と言っても過言ではありません。
ギターの選択はサウンドの個性に直結しますが、上原子友康の場合、改造や使い込みによって「世界に一つだけのトーン」を作り出しているのが大きな魅力です。フェンダーらしいブライトさを持ちながらも、本人の手によって太さと安定感がプラスされ、怒髪天の音楽性にぴったりフィットするサウンドになっています。
以上を踏まえると、上原子友康のギター構成はメインにカスタム済みのFender Stratocaster、場面に応じてGibson J-45を使い分ける二本立てが中心であると想定されます。
使用エフェクターとボード構成【怒髪天・上原子友康】
上原子友康のエフェクターボードは、数多くのペダルを使い分けながらも、必要以上に音を加工せず「楽曲にフィットさせる」ことを重視しています。メインの歪みはXotic BB Preampを中心に構築されており、レコーディング時にもメインの歪みペダルとして使用されています。バンドサウンドの芯を支える上で、ナチュラルでありながら力強いサウンドを提供する点が特徴です。
ソロや楽曲の盛り上がり部分では、Rockbox Boiling PointやRockbox Super 763を追加し、オーバードライブによる音の厚みやニュアンスの違いを表現。クリーンに少し味付けをしたいときにはSuper 763が活躍します。こうした複数のオーバードライブを状況に応じて組み合わせることで、怒髪天の多彩な曲調に対応しています。
また、ワウペダル(Jim Dunlop JB95 Joe Bonamassa Cry Baby)は「愛の出番だ!」の単音カッティングで印象的に使われ、BOSS BF-2フランジャーは「欠けたパーツの唄」で独特の空間感を演出しています。さらに「孤独クラブ」ではTC Electronic Flashback X4のロングディレイを使用し、広がりのあるサウンドを作り出しています。
低音補強や厚みを出す場面では、BOSS OC-2やElectro-Harmonix POG2といったオクターバーを使い分け、特定のフレーズやイントロの単音プレイに深みを加えています。また、ライブでの実用性を考慮し、Free The Tone ARC-3などのスイッチングシステムや、BamBasic Loop Selector、One Control White Loopといったループ系を組み合わせ、効率的な操作を可能にしています。
さらにコンプレッサーとしてはMooer Yellow CompやMXR Dyna Compを使い分け、「ジャナイWORLD」のカッティングなどで安定したアタック感を実現。空間系としてはAnimals Pedal Bath Time ReverbやStrymon Lex(ロータリーシミュレーター)、Maxon AD-999(アナログディレイ)なども加わり、場面ごとのサウンドを緻密に構築しています。
チューナーはKORG Pitchblack XSやPB-01を状況に応じて使用し、電源はOne Control Distro Minimalを使用。さらにノイズ処理にはISP Decimator IIを常用し、特定のツアーではFree The Tone IG-1Nも導入されています。
このように、上原子友康のエフェクトシステムは非常に多彩でありながら「用途に応じて必要最小限を活かす」という考え方で構築されています。結果として、怒髪天の楽曲ごとに最適な音色を生み出すことに成功していると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Yellow Comp | Mooer | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | コンプレッサー | アタック感を調整、カッティング時に使用。 |
JB95 Joe Bonamassa Cry Baby | Jim Dunlop | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | ワウペダル | 「愛の出番だ!」で単音カッティングに使用。 |
Presence & Boost | BamBasic Effectribe | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | ブースター | ソロの音量・プレゼンスを補強。 |
ARC-3 | Free The Tone | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | スイッチングシステム | プログラマブルスイッチャー。複数ペダルを効率的に操作。 |
Flashback X4 | TC Electronic | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | ディレイ/ルーパー | 「孤独クラブ」でロングディレイを使用。 |
Bath Time Reverb | Animals Pedal | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | リバーブ | 空間系リバーブとして使用。 |
Loop Selector | BamBasic Effectribe | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | スイッチングシステム | ループ切替に使用。 |
OC-2 | BOSS | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | オクターブ | イントロやソロで使用。 |
POG2 | Electro-Harmonix | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | オクターブ | 厚みのある和音感を演出。 |
G1 Four | Zoom | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | マルチエフェクター | 「100万1回ヤロウ」でハーモナイザー使用。 |
Super 763 | Rockbox | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | オーバードライブ | クリーンに味付け。 |
White Loop | One Control | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | スイッチングシステム | シンプルなループ切替。 |
BB Preamp | Xotic | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | プリアンプ/アンプシミュレーター | レコーディング歪みのメイン。 |
MY FOOT | funk ojisan × 山中さわお | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | オーバードライブ | 特定ライブで使用。 |
Boiling Point | Rockbox | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | オーバードライブ | ソロ時に使用。 |
Integrated Gate IG-1N | Free The Tone | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | ノイズリダクション | 特定ツアーで使用。 |
Lex | Strymon | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | モジュレーション系 | ロータリーシミュレーター。 |
BF-2 | BOSS | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | フランジャー | 「欠けたパーツの唄」で使用。 |
AD-999 | Maxon | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | ディレイ | アナログディレイ。 |
Pitchblack XS | KORG | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | チューナー | コンパクトサイズ。 |
Distro Minimal | One Control | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | パワーサプライ | ボードの電源供給。 |
Persian Green Screamer | One Control | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | オーバードライブ | ボード外に配置、入替検討用。 |
GB-1V | GIGS BOSON | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | オーバードライブ | 補助的に使用。 |
Tender Octaver Pro | Mooer | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | オクターブ | 厚み補強に使用。 |
Decimator II | ISP Technologies | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | ノイズリダクション | 普段使用するノイズゲート。 |
Dyna Comp | MXR | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | コンプレッサー | 「ジャナイWORLD」のカッティングで使用。 |
Pitchblack PB-01 | KORG | Amazonで探す | 怒髪天 | 上原子友康 | チューナー | 定番モデル。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【怒髪天・上原子友康】
上原子友康の音作りにおけるEQやミックスは、そのシンプルさと実用性が特徴です。彼は基本的にアンプのクリーンチャンネルをベースに音作りをしており、EQは中域をやや強調しつつ、高域のきらめきを維持する設定が多いです。
歪みは主にアンプのナチュラルなクランチを利用し、必要に応じてエフェクターでブーストします。特に中域を豊かにすることで、バンドサウンド全体でロックの力強さを保ちながらも、ギターの存在感をしっかりと確保しています。
ミックスにおいても、ギターはあくまでバンドの一部として機能するよう配慮されています。上原子友康はギターの定位をステレオで分厚くするよりも、シンプルにセンターに配置し、他の楽器とのバランスを取ることを心掛けています。これにより、歌詞やメロディがクリアに前面に出るようになっており、バンド全体の調和を大切にしています。
比較的安価に音を近づける機材【怒髪天・上原子友康】
上原子友康のサウンドを比較的安価に再現するための機材例を以下に示します。初心者でも手軽に手に入る製品で、彼のサウンドに近い音を出すことが可能です。
総括まとめ【怒髪天・上原子友康】

上原子友康の音作りは、ギターとアンプの素直な特性を最大限に活かしつつ、必要最低限のエフェクターで音色を補強するスタイルが特徴です。このシンプルさと実用性により、彼の音楽はどの時代でも色あせることなく、多くのファンに支持されています。
彼の音作りは、エフェクターに頼らずギターそのものの音を活かす姿勢が顕著で、結果として音楽そのものの魅力を引き立たせる役割を果たしています。これからも怒髪天の音楽を支える要として、その存在感は増すばかりでしょう。
以上、怒髪天・上原子友康のギターサウンドの特徴と機材の選び方について解説しました。彼の音作りを参考にすることで、より深い音楽的理解と演奏技術の向上が期待できるでしょう。
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸 ギター
Fender / American Vintage ’57 Stratocaster (1987年製)
メインギター。99%以上の楽曲で使用。
メイプル指板。ピックガードを3プライに交換。
ペグはGotoh製ロック式ペグへ換装。
トレモロスプリングを養生テープで補強したエピソードあり。
Gibson / J-45
レコーディングで使用(例:「令和(狂)哀歌」)。
🔊 アンプ
Fender / Super-Sonic
メインアンプ(ライブ・レコーディング共に使用)。
One Control / BJF-S66
サブアンプ。会場ごとの音響に応じてEQ調整用として使用。
🎛 エフェクター
Mooer / Yellow Comp(コンプレッサー)
Jim Dunlop / JB95 Joe Bonamassa Signature Cry Baby(ワウ)
→ 「愛の出番だ!」の単音カッティングで使用
BamBasic Effectribe / Presence & Boost(ブースター)
Free The Tone / ARC-3(プログラマブル・スイッチャー)
TC Electronic / Flashback X4(ディレイ/ルーパー)
→ 「孤独クラブ」でロングディレイ使用
Animals Pedal / Bath Time Reverb(リバーブ)
BamBasic Effectribe / Loop Selector(スイッチャー)
BOSS / OC-2(オクターバー)
→ ソロ・イントロ単音フレーズで使用
Electro-Harmonix / POG2(オクターバー)
Zoom / G1 Four(マルチ)
→ 「100万1回ヤロウ」でハーモナイザー使用
Rockbox / Super 763(オーバードライブ)
→ クリーンに味付け
One Control / Minimal Series White Loop(スイッチャー)
Xotic / BB Preamp(プリアンプ)
→ レコーディング歪みのメイン
funk ojisan × 山中さわお / MY FOOT(オーバードライブ)
Rockbox / Boiling Point(オーバードライブ)
→ ソロ時に使用
Free The Tone / Integrated Gate IG-1N(ノイズゲート)
→ 特定ツアーでテック所有のものを使用
Strymon / Lex(ロータリーシミュレーター)
BOSS / BF-2(フランジャー)
→ 「欠けたパーツの唄」で使用
Maxon / AD-999(アナログディレイ)
KORG / Pitchblack XS(チューナー)
One Control / Distro Minimal(パワーサプライ)
One Control / Persian Green Screamer(オーバードライブ)
→ ボード外に配置、入替検討用
GIGS BOSON / GB-1V(オーバードライブ)
Mooer / Tender Octaver Pro(オクターバー)
ISP Technologies / Decimator II(ノイズゲート)
→ 普段使用
MXR / Dyna Comp(コンプレッサー)
→ 「ジャナイWORLD」のカッティングで使用
KORG / Pitchblack PB-01(チューナー)
コメント