【Phil Collen】Def Leppard風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

コピー

始めに(特徴紹介)

Def Leppard(デフ・レパード)のギタリスト、Phil Collen(フィル・コリン)は、1982年にバンドへ加入して以降、独自のタイトでメロディアスなリードプレイを築き上げてきました。彼のサウンドは、ハードロックの力強さとポップス的なキャッチーさを融合したものが特徴で、アルバム『Hysteria』以降の大ヒットにおいて大きな役割を担っています。

Collenのギタープレイは、速弾きやライトハンド奏法といったテクニカルな要素を持ちつつも、バンド全体のサウンドに溶け込むようなプロダクション的視点を強く持っています。特に80年代後半以降、彼はトーンの明瞭さとサスティーンの長さを重視し、シグネチャーモデルであるJackson PC-1やFractal Audio Axe-Fxなどの最新機材を導入し続けてきました。

代表曲としては「Photograph」「Pour Some Sugar On Me」「Hysteria」などが挙げられます。これらの楽曲に共通するのは、分厚いコーラス処理とシンセライクなギタートーンです。Philの音作りは、単なる歪みだけでなく、コンプレッションやマルチエフェクトを活用し、まるで「壁」のように広がるサウンドを生み出している点に大きな特徴があります。

また、近年のライブではデジタルマルチ(Fractal Audio Axe-Fx III)を駆使し、過去のレコーディングサウンドを忠実に再現しつつ、現代的なミックスにも対応できるセッティングを行っています。つまり、Phil Collenの音作りを理解することは、80年代から現代まで続くアリーナロックの進化を知る上でも非常に重要です。

そのため、この記事では彼の使用アンプ・ギター・エフェクターを体系的に整理し、再現に必要なEQや初心者向けの代替機材までを徹底的に解説していきます。

以下のリンクからDef Leppardの公式MVを検索して、実際のサウンドを耳で確かめながら読み進めていただくのがおすすめです。

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使用アンプ一覧と特徴【Def Leppard・Phil Collen】

Phil Collen(フィル・コリン)のアンプ遍歴は、80年代のアナログ的なヘッドアンプから、90年代以降のラックシステム、そして現在のフルデジタル・モデリングまで、まさに時代の流れを映すものとなっています。彼の音作りは常に「分厚い壁のようなサウンド」と「ライブでの安定性」を両立することを意識しており、アンプ選びもその方向性に沿っています。

1987年の『Hysteria』レコーディング時には、BostonのTom Scholzが開発したScholz Rockmanをメインに使用していました。Rockman特有のコンプレッションと空間系処理が、あの“80年代的でシンセのようなギターサウンド”を作り出し、Def Leppardの音楽性を象徴する要素となりました。その後の『Adrenalize』期からは、よりモダンで安定したトーンを得るために、Randall RG100やラック式のMarshall JMP-1プリアンプを導入しています。

1990年代〜2000年代のライブでは、Marshall JMP-1とRandallパワーアンプの組み合わせが主力であり、さらにTC Electronicのラック式ディレイやコーラスを組み合わせることで、アルバムと同様の分厚いサウンドを再現していました。特にJMP-1はMIDI制御が可能で、セットリストに合わせたプログラム変更を瞬時に行えるため、ライブにおいて不可欠な存在だったと言えます。

近年では、完全にFractal Audio Axe-Fx II/IIIをメインに切り替えています。アンプモデリングの精度が高いFractalを採用することで、スタジオアルバムのサウンドをそのままPAに直出しでき、またステージ上の返しはAtomic CLRなどフルレンジスピーカーを使うことで一貫性を保っています。これにより、Def Leppardの世界ツアー規模においても、会場ごとの違いを最小限に抑えた再現度の高いサウンドを届けられるようになっています。

また、ラックの補助機材としてMesa/Boogieの20/20 Dyna-Wattを使用した言及もあり、サウンドの厚みやレスポンス補強に活用していたようです。現在のライブではアンプヘッドの存在感は薄れていますが、デジタル機材がアナログのトーンを忠実に再現しているため、観客にとっては“あの頃と変わらないDef Leppardの音”を楽しむことができるのです。

総合すると、Phil Collenのアンプシステムは「Rockmanによるレコーディング特化」「Marshall/Randallによる90年代のライブ安定性」「Fractal Audioによる現代的再現性」という三段階を経てきたと整理できます。各時代の特徴が彼のキャリアを通じて音に刻まれており、これらを意識することで音作りの方向性をつかめると想定されます。

機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
Fractal Audio Axe-Fx IIIFractal AudioAmazonで探すDef LeppardPhil Collen現行のメインアンプシステム。PA直出しでライブ運用。
Fractal Audio Axe-Fx IIFractal AudioAmazonで探すDef LeppardPhil Collen2010年代中盤まで使用。モジュレーションやコンプを主に担当。
Marshall JMP-1MarshallAmazonで探すDef LeppardPhil CollenMIDI対応プリアンプ。90年代ライブの主力。
Randall RG100RandallAmazonで探すDef LeppardPhil CollenHysteria期ライブで使用。ソリッドステート特有のタイトな歪み。
Scholz RockmanScholz ResearchAmazonで探すDef LeppardPhil CollenHysteria録音で中心的役割。独特の圧縮感と煌びやかさを演出。
Mesa/Boogie 20/20 Dyna-WattMesa/BoogieAmazonで探すDef LeppardPhil Collenラックの補助パワーアンプとして使用されたとされる。

使用ギターの種類と特徴【Def Leppard・Phil Collen】

an electric guitar in a case with a note

Phil Collen(フィル・コリン)のサウンドの核を担うのは、何と言っても自身のシグネチャーモデルであるJackson PC-1シリーズです。1990年代以降、ライブでもレコーディングでもPC-1をベースとした構成が基本となっており、ハイゲインに対応しつつも豊かなサスティーンを実現しています。特に搭載されているSustainer回路は彼のリードトーンを特徴づける重要な要素であり、単音でも伸びやかに持続するフィードバックライクなサウンドを可能にしています。

代表的な個体としては、Jackson USA Signature Phil Collen PC-1(30周年記念モデル/スプラッター塗装)があります。これはMahoganyボディにQuartersawn Mapleネックを組み合わせ、ブリッジにはDiMarzio Super 3、ネックにはSustainer Driverを搭載。ゲージも.013–.054というヘヴィな仕様で、アリーナ規模のライブにおいても音の密度を確保しています。

他にも、PC-1 Satin Natural(キルトメイプルトップ/HS-2 DP116搭載のHSS構成)や、PC-1 Curly Maple neck仕様(DiMarzio X2N+Sugar Chakra+Sustainer)といったバリエーションモデルが存在します。いずれもCollenのこだわりを反映した仕様で、音の分離感とサステインを両立しています。

特筆すべきは、50歳記念で制作されたPC-1 “London 57”や、超厚Uネックを備えたPC Supremeシリーズ。これらはFU-Toneチタンパーツを採用し、チューニングの安定性とサウンドのダイレクト感を高めています。また、2014年以降はX-Stroyerも投入され、ライブでのインパクトを演出しつつも、Super 3やX2Nを中心としたパワフルなサウンドを展開しています。

個性的なギターとしては、1986年製の“Bela”(ホラー俳優ベラ・ルゴシの塗装が施されたJackson)、そして70年代日本製のストラトを改造した“Felix”も有名です。特にFelixは名盤『Hysteria』の大半で使われており、後にFloyd RoseやDiMarzio Tone Zone Sへの換装も行われています。アコースティック的な要素では、近年Fender Acoustasonic Telecasterを導入し、ライブのアコースティック曲でも活用しています。

総じて、Phil Collenのギター群は「Jackson PC-1シリーズによるモダンでサステイン豊かな音」「改造ストラトによる80年代的な煌びやかさ」「特殊モデルによるステージ演出」の三本柱で構成されていると整理できます。これらの選択肢が彼の幅広いトーンバリエーションを支えていると想定されます。

機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリストギターの種類備考
Jackson USA Signature Phil Collen PC-1 (30th Anniv. スプラッター)JacksonAmazonで探すDef LeppardPhil Collenエレキギターサスティナー搭載。メイン個体の一つ。
Jackson PC-1 Satin NaturalJacksonAmazonで探すDef LeppardPhil CollenエレキギターHSS構成。5Wayスイッチ搭載。
Jackson PC-1 Curly Maple neck仕様JacksonAmazonで探すDef LeppardPhil CollenエレキギターDiMarzio X2N搭載。チタンパーツ採用。
Jackson PC-1 “London 57”JacksonAmazonで探すDef LeppardPhil Collenエレキギター50歳記念モデル。FU-Toneチタンパーツ仕様。
Jackson PC Supreme / PrototypeJacksonAmazonで探すDef LeppardPhil Collenエレキギター超厚Uネック。青プロトタイプはチタンパーツ仕様。
Jackson X-StroyerJacksonAmazonで探すDef LeppardPhil Collenエレキギター2014/2022年個体。X2NやSuper 3搭載。キルスイッチあり。
“Bela” (Jackson 1986)JacksonAmazonで探すDef LeppardPhil Collenエレキギターベラ・ルゴシ塗装。ライブで話題のモデル。
“Felix” (70s Fender Strat 改造)Fender JapanAmazonで探すDef LeppardPhil Collenエレキギター『Hysteria』の大半で使用。後年改造あり。
Fender Acoustasonic TelecasterFenderAmazonで探すDef LeppardPhil Collenアコースティックギターブリッジピンをチタンに交換。近年のライブで使用。

使用エフェクターとボード構成【Def Leppard・Phil Collen】

Phil Collen(フィル・コリン)のエフェクト構成は、時代とともに大きく変化してきました。80年代はラックシステムを中心としたセッティング、90年代以降はプリアンプやマルチエフェクターを組み合わせたハイブリッド運用、そして現在はFractal Audio Axe-Fx IIIを中心とするフルデジタルのシステムへと進化しています。

特に有名なのは『Hysteria』期のラックシステムです。この時代、PhilとバンドはBostonのTom Scholzが開発したScholz Rockmanを核に、TC Electronic 1210(Expander/Chorus/Flanger)TC 2290 Digital Delayなどを組み合わせ、シンセのように分厚いコーラスとディレイを重ねた音を生み出しました。これによりDef Leppard特有の「スタジアム・ロックに最適化されたサウンド」が確立されたのです。

90年代以降はラック構成が進化し、Marshall JMP-1と連動する形でエフェクトをMIDI制御。RJM Mastermind GT/22RJM IS-84といったシステムコントローラーを用いることで、ステージ外のテクニカルチームが楽曲ごとにプログラムを切り替えていました。これにより、曲ごとに必要な音色を瞬時に再現できる体制を整えていた点が特徴です。

2010年代以降は、デジタルマルチの進化を取り入れ、Fractal Axe-Fx II/IIIがほぼ全てのエフェクト処理を担当するようになりました。ここではアンプモデリングだけでなく、ディレイ・コーラス・コンプレッサー・サスティナー・リバーブまですべてを網羅し、ライブのPAへ直接出力する運用が定着しました。これにより、会場ごとの音響差を最小限に抑えつつ、アルバムさながらの再現度を誇っています。

ワイヤレスシステムとしては、Shure AxientUR4D+を導入。ギターの入力切替はRadial JX42を用い、複数のシグネチャーモデルを効率的に運用可能にしています。さらに、ステージ返しにはAtomic CLRを使用し、ギターの音をフルレンジでモニターする環境を構築しています。

まとめると、Phil Collenのエフェクトシステムは「RockmanとTCラックによる80年代的サウンド」「JMP-1連動ラックによる90年代的ライブ対応」「Fractal Axe-Fxによる現代的フルデジタル運用」の三段階を経ており、現在はほぼ全てのエフェクトをFractalが担当していると整理できます。これらは時代ごとの機材進化を反映しつつも、常にDef Leppardの楽曲を最大限に活かす方向性で設計されていると想定されます。

機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリストエフェクターの種類備考
Fractal Audio Axe-Fx IIIFractal AudioAmazonで探すDef LeppardPhil Collenギター用マルチエフェクター現行システムの中核。アンプ・空間系を全て内包。
Fractal Audio Axe-Fx IIFractal AudioAmazonで探すDef LeppardPhil Collenギター用マルチエフェクター2010年代使用。モジュレーションやコンプ中心。
TC Electronic 1210TC ElectronicAmazonで探すDef LeppardPhil Collenモジュレーション系Hysteria期ラックで使用。コーラス/フランジャー。
TC Electronic 2290 Digital DelayTC ElectronicAmazonで探すDef LeppardPhil Collenディレイラック式ディレイ。空間的な広がりを演出。
RJM Mastermind GT/22RJMAmazonで探すDef LeppardPhil Collenスイッチングシステムオフステージでテックが制御可能。
RJM IS-84RJMAmazonで探すDef LeppardPhil Collenジャンクションボックス入力セレクター。複数ギターを効率的に管理。
Radial JX42 V2Radial EngineeringAmazonで探すDef LeppardPhil Collenダイレクトボックスギター切替用。Shureワイヤレスと連動。
Shure AxientShureAmazonで探すDef LeppardPhil Collenワイヤレスシステム現行ワイヤレス。高音質と安定性を確保。
Shure UR4D+ShureAmazonで探すDef LeppardPhil Collenワイヤレスシステム2014年前後のライブで使用。

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Def Leppard・Phil Collen】

close up photography of guitar amplifier

Phil Collen(フィル・コリン)の音作りは、単なる「歪み」と「空間系」の組み合わせにとどまらず、バンド全体のサウンドを意識したミックス的なアプローチが大きな特徴です。Def Leppardはスタジオアルバムにおいて、何十層ものギターをオーバーダブし、分厚いコーラスワークと同期させることで“壁”のような音圧を作り出してきました。その中でPhilのギターは、Rick AllenのドラムやJoe Elliottのボーカルとぶつからないように、緻密にEQが調整されています。

まずディストーションの基本セッティングですが、Philはミドルを強調しつつもローをカットし、ハイはギラつきすぎない程度にブーストする傾向があります。これは大規模なアリーナやスタジアムでの演奏を前提としたもので、低域が膨らみすぎるとベースやドラムと被り、逆に高域が刺さりすぎるとボーカルを覆い隠してしまうからです。したがって、彼のEQは「中域を前に出して、他の楽器と混ざった時にもしっかり聴こえる」設定が基本となっています。

具体的には、Marshall JMP-1などラックプリアンプ使用時は、Trebleを6〜7、Middleを7〜8、Bassを3〜4程度に抑え、Presenceは控えめに設定していたとされます。これにより、ピッキングのニュアンスを生かしつつもハイゲイン特有の潰れ感を回避しています。また、Fractal Axe-Fx IIIを使用する現代のライブでは、楽曲ごとにプリセットを用意し、曲調に合わせてEQやコンプレッションを微調整。たとえば「Photograph」では明るくシャープなトーン、「Hysteria」ではディレイを深めにかけたシンセライクな質感といった具合です。

レコーディング時の工夫としては、Scholz Rockmanを使った80年代の特徴的なサウンドが挙げられます。Rockman特有のコンプレッションは中域が非常にタイトで、倍音を含んだ独特の伸びやかさを演出しました。これを複数テイク重ねることで、シンセに近い広がりを実現したのです。さらに、左右パンニングを細かく調整し、ギター同士がマスキングしないように定位を振り分けるなど、プロダクション面の工夫が音作りに直結しています。

ミックス段階では、Def LeppardのプロデューサーMutt Langeによる徹底したレイヤリングとEQ処理が重要な役割を果たしました。ギターは単体ではやや細身の音に聴こえることもありますが、他の楽器と重なった瞬間に「理想的な厚み」として機能するよう計算されているのです。このアプローチは、Philのライブ用セッティングにも受け継がれており、デジタルマルチのプリセットも「バンド全体で完成する音」を基準に調整されています。

また、サスティナーの活用も彼ならではの工夫です。PC-1搭載のSustainer回路をオンにすることで、ソロパートではフィードバックを自在にコントロールし、持続音や倍音を活かした「歌うようなリードトーン」を実現。これにより、EQだけでは得られない表現力を音作りに組み込んでいます。

総合すると、Phil Collenの音作りは「中域重視のEQ」「ディレイとコーラスによる奥行き」「サスティナーによる持続感」「ミックス全体を考えた設計」という要素で成り立っています。単に機材を揃えるだけでは不十分で、いかにバンド全体の音像の中で自分のギターを配置するかという視点が不可欠であると想定されます。

比較的安価に音を近づける機材【Def Leppard・Phil Collen】

Phil Collenのシグネチャー機材はJackson PC-1やFractal Axe-Fx IIIなど、プロフェッショナル仕様で高価なものが多いのが現実です。しかし、初心者や中級者でも比較的安価な機材を使うことで「Def Leppard風の分厚いサウンド」に近づけることは十分可能です。ここでは1〜10万円程度で入手できる製品を中心に、再現性の高い機材を紹介します。

まずアンプシミュレーター/マルチエフェクター系としておすすめなのが、Line 6 POD GoBOSS GT-1000COREです。Fractal Axe-Fxのようなプロ仕様は難しくても、これらはアンプモデリングと空間系エフェクトを豊富に内蔵しており、コーラス+ディレイを組み合わせたDef Leppard風の音作りをシンプルに再現できます。また、BOSSのマルチは操作性が直感的で、ライブでも扱いやすい点が強みです。

エフェクター単体で導入するなら、BOSS DS-1 DistortionMXR Super Badass Distortionが候補になります。Philの使用するDiMarzio Super 3やX2Nに似たタイトでハイゲインなトーンを再現するには、こうした歪みペダルを基盤に、コンプレッサーとディレイを組み合わせると雰囲気が出ます。コンプはBOSS CS-3が定番で、音の粒を揃えつつサステインを伸ばす役割を担えます。

空間系ではBOSS DD-8 Digital DelayTC Electronic Flashback 2 Delayが便利です。これらはステレオ対応で、Def Leppard特有の広がり感を演出するのに最適です。さらに、BOSS CE-2W Chorusなどのコーラスを組み合わせることで「Photograph」や「Hysteria」で聴ける煌びやかなトーンが手軽に再現できます。

ギターについてはJackson PC-1が理想ですが、手頃な価格帯ではJackson X Series SoloistIbanez RGシリーズが適しています。これらはFloyd Rose搭載モデルが多く、Philのプレイに欠かせないアーミングやチューニングの安定性を確保できます。さらにDiMarzio製のピックアップに換装すれば、かなり近いサウンドに仕上げられます。

最後にアクセサリー系として、Philがこだわるチタン製パーツ(FU-Toneなど)の代替として、GotohやWilkinsonの高品質パーツを導入するのも効果的です。チューニング安定性とサウンドの芯が増すため、ステージでも安定したトーンを得られるでしょう。

総じて、Phil Collenの音作りを完全に再現するのは難しいものの、「ハイゲインペダル+コンプレッサー+ディレイ+コーラス」の基本構成を押さえれば十分に近づけます。さらにマルチエフェクターを導入すれば、セットリストごとの音色切り替えも容易になり、Def Leppard風のアリーナロックサウンドを体感できると考えられます。

種類機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
ギター用マルチエフェクターLine 6 POD GoLine 6Amazonで探すDef LeppardPhil CollenFractalの代替。コーラス+ディレイ構成が容易。
ギター用マルチエフェクターBOSS GT-1000COREBOSSAmazonで探すDef LeppardPhil Collen高性能マルチ。ライブでも扱いやすい。
ディストーションBOSS DS-1 DistortionBOSSAmazonで探すDef LeppardPhil Collen廉価ながら王道ディストーション。80年代風の歪みを再現可能。
ディストーションMXR Super Badass DistortionMXRAmazonで探すDef LeppardPhil Collen幅広いゲインレンジを持ち、モダンなリードサウンドに適する。
コンプレッサーBOSS CS-3 Compression SustainerBOSSAmazonで探すDef LeppardPhil Collen音の粒を揃え、サステインを確保。Rockman風質感に寄せやすい。
ディレイBOSS DD-8 Digital DelayBOSSAmazonで探すDef LeppardPhil Collenステレオ対応。広がり感を演出。
ディレイTC Electronic Flashback 2 DelayTC ElectronicAmazonで探すDef LeppardPhil Collen多機能ディレイ。Hysteria的サウンドを模倣可能。
コーラスBOSS CE-2W ChorusBOSSAmazonで探すDef LeppardPhil Collen80年代コーラスを忠実に再現。Photograph風トーンに最適。
ギターJackson X Series SoloistJacksonAmazonで探すDef LeppardPhil CollenPC-1の廉価ライン。Floyd搭載でアーミング可能。
ギターIbanez RG SeriesIbanezAmazonで探すDef LeppardPhil Collenモダンメタル向き。ピックアップ換装で近づけやすい。

総括まとめ【Def Leppard・Phil Collen】

まとめイメージ

Phil Collen(フィル・コリン)の音作りを振り返ると、その本質は「単体での派手さ」よりも「バンド全体のサウンドに溶け込みつつも際立つ存在感」を実現することにあります。Def Leppardというバンドは、プロデューサーMutt Langeの徹底したプロダクション手法のもと、ギター、ボーカル、ドラム、シンセサイザーを幾重にも重ねて壮大なサウンドスケープを描いてきました。その中でPhilのギターは、壁のような分厚い音像を形作る柱でありながら、ソロではリードを確実に歌わせる役割を担っています。

彼のシグネチャーモデルであるJackson PC-1シリーズに搭載されたSustainerは、単なるエフェクトではなく、プレイスタイルに密接した「表現の武器」です。倍音をコントロールしながら伸びやかに響くリードトーンは、Phil独自の歌心を強調し、Def Leppardの楽曲に必要不可欠な“泣きの要素”を与えています。さらに、Fractal Audio Axe-Fx IIIを中心とした現代的なマルチエフェクト運用は、過去の名盤『Hysteria』や『Pyromania』の音を忠実に再現しつつも、現代のアリーナ規模PAにも適応する柔軟性を備えています。

また、彼のEQバランスは「中域重視」であり、これは単にギターを前に出すだけでなく、バンド全体のミックスを考慮した結果でもあります。Def Leppardの楽曲をコピーする際には、歪みを深くかけすぎるのではなく、コンプレッサーやディレイ、コーラスを適度に組み合わせて“抜けの良さ”と“広がり”を重視するのがポイントです。特に「Photograph」や「Hysteria」のリフを弾く際は、ドライな音ではなく、空間的な奥行きを意識することでPhilらしさが際立ちます。

初心者にとってはJackson PC-1やFractalは高価すぎる存在ですが、BOSSやLine 6のマルチエフェクター、手頃なJackson X SeriesやIbanez RGシリーズといったモデルを組み合わせることで、かなりの再現度を得ることができます。重要なのは「機材の値段」ではなく「音作りの方向性」であり、Philのように“バンド全体の音像を意識する”という視点を持つことが、最もDef Leppard的なサウンドに近づく第一歩だと言えるでしょう。

総じて、Phil Collenの音作りは「テクニック・機材・プロダクション」の三位一体で成り立っています。テクニックとしては速弾きやタイトなピッキング、機材面ではSustainerやFractalによる表現力、そしてプロダクション的にはMutt Lange譲りの緻密な音の積み重ね。これらを理解し、自分の演奏に取り入れることで、単なるコピーを超えて“Def Leppard的世界観”を体感できるはずです。

もしあなたがDef Leppardの名曲を演奏するなら、Philのように「ギター単体の音」ではなく「バンド全体の完成形」を意識してみてください。その瞬間、彼のサウンドの本質に一歩近づけるはずです。

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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!

🎸ギター
• Jackson USA Signature Phil Collen PC-1(30th Anniv. “スプラッター”:Mahogany/Quartersawn Maple、Floyd、DiMarzio Super 3(B)+PC1 Sustainer Driver(N)、サスティナーON/OFF+基音/倍音/ブレンド切替、.013–.054).
• Jackson USA Signature PC-1(Satin Natural:キルトメイプルトップ、HS-2 DP116(M)搭載のHSS、5Way).
• Jackson PC-1(Curly Maple neck仕様/DiMarzio X2N+Sugar Chakra(M)+Sustainer、チタン・サドル&ブロック).
• Jackson PC-1 “London 57”(50歳記念個体/FU-Toneチタン・サドル&ブロック).
• Jackson Phil Collen PC Supreme(超厚Uネック、Floyd、DiMarzio×2+Sugar Chakra(M)+Sustainer)/PC Supreme Prototype(青、Floyd+青チタン).
• Jackson X-Stroyer(2014個体:Super 3×2+Jackson Sustainer〈センターはダミー〉/Floyd+FU-Toneチタン)→ 2022個体:X2N×2+Sustainer+Floyd+キルスイッチ有。
• “Bela”(Jackson 1986/ベラ・ルゴシ塗装、Super 3、Floyd、チタンHW).
• “Felix”(’70s日本製Fender Strat.『Hysteria』の大半で使用→近年Floyd&Tone Zone Sへ換装).
• Fender Acoustasonic Telecaster(ブリッジピンをチタンへ交換).
• 参考:PC-1標準構成(Super 3/HS-2/PC1 SustainerのHSS、Floyd)。

🔊アンプ/システム
• Fractal Audio Axe-Fx III(デジタルアウトでPA直;Atomic CLRをステージ返し)+Radial JX42 V2(インプットSW)+Shure Axient(Wireless).
• Fractal Audio Axe-Fx II(モジュレーション/コンプ等を担当)+Marshall JMP-1(MIDIプリアンプ)+Randall RRM 2-200(ステレオ・パワー)+EVH 4×12キャビ.
• Randall RG100(’87–88 Hysteriaツアー時のプリアンプ).
• Scholz Rockman(Hysteriaレコーディングで使用:Tom Scholz改造版のRockmanを主に使用と記載).
• (補足)Mesa/Boogie 20/20 Dyna-Watt(ラックのパワーアンプとして使用言及あり).

🎛️エフェクター/コントロール
• Fractal Axe-Fx III/II(現行・過去いずれも“ほぼ全エフェクト処理”を担当).
• TC Electronic 1210(Expander/Chorus/Flanger)、TC 2290(Digital Delay)— ’88 HysteriaツアーのラックFX.
• RJM Mastermind GT/22(MIDIコントローラー;テックがオフステージで制御)/RJM IS-84(入力セレクター).
• Shure Axient/UR4D+(Wireless)— 現行/2014期。

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