【Ritchie Blackmore】Deep Purple風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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始めに(特徴紹介)

ディープ・パープルのギタリストとしてロック史に名を刻むリッチー・ブラックモア。クラシック音楽の要素を取り入れた独自のフレーズ、アグレッシブかつ繊細なピッキング、そして爆音とともに繰り出されるメロディアスなソロで、多くのギタリストに影響を与えてきました。

彼のサウンドは、「Smoke on the Water」のリフに代表されるように、シンプルで力強いフレーズをアンプの爆発的な音圧で鳴らし切るスタイルが特徴です。特に70年代のライヴではMarshall Majorをフルアップで鳴らし、AIWAリール式テープデッキをプリアンプ兼エコーとして使用するなど、既存の機材を工夫して新しい音を作り出しました。

また、ブラックモアは独特のスキャロップ加工を施したストラトキャスターを駆使し、音程を微妙にコントロールするプレイスタイルを確立しました。クラシカルな旋律やハーモニック・マイナーを多用し、即興的なフレーズでも強烈な個性を発揮しています。

その後Rainbowやソロ活動、近年のBlackmore’s Nightでも、彼の音作りの根底には「ダイナミクス」と「表現力」が息づいています。爆音と繊細さ、攻撃性と優美さを併せ持つトーンこそが、リッチー・ブラックモアの最大の魅力といえるでしょう。

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使用アンプ一覧と特徴【Deep Purple・Ritchie Blackmore】

リッチー・ブラックモアの音作りを語るうえで欠かせないのがアンプです。もっとも有名なのは200Wの超大出力モデル「Marshall Major」。ディープ・パープル黄金期のライヴでは、このMarshall Majorをフルアップに近い状態で鳴らし、AIWA製リール・テープデッキをプリアンプ兼エコーとして前段に接続する独自のセッティングを行っていました。この手法により、爆発的な音圧と歪みを得つつ、ただのノイズではない独特の粘り気のあるサウンドを作り上げています。

また、ブラックモアはMarshallの音作りにおいて「Vox AC30のトレブル感と歪み」を好んでおり、インタビューで「MarshallはVoxの guts を入れる必要があった」と語っています。実際に初期のスタジオ録音ではVox AC30を使用し、Marshallに再現させようと試行錯誤していたことが確認されています。つまり、Marshallを選んだ背景には音量とライブの爆発力があり、Voxを参考にしながら自分好みのトーンを得ようとした工夫が見られるのです。

さらに、近年ではドイツのENGL社からリリースされた「ENGL Ritchie Blackmore Signature E650」も本人が言及する場面があり、ステージやリハーサルで「時々爆音を出す」と述べています。このモデルは100W出力、4チャンネル仕様、6L6GC真空管を採用しており、現代的な高いゲインとレンジの広さを備えた設計です。70年代のクラシカルなMarshallサウンドとは異なる方向性ながらも、リッチーの求める“爆音と透明感”を追求したモデルといえるでしょう。

キャビネットは主にMarshall 1960系の4×12を使用し、ライヴでも常に複数スタックを設置してステージ全体を覆うような音圧を生み出しました。また、AIWA TP-1011はプリアンプとしてだけでなく独自のエコー感を加えるためにアンプ手前に挟まれており、これがブラックモア独自の音の奥行きを支える重要な要素になっています。

総じて、ブラックモアのアンプ選びは「ライヴでの圧倒的な音量」「クラシカルなトーンの再現」「プリアンプ的な工夫による独自の質感」という三つの柱に基づいているといえるでしょう。情報には一部未確定な要素もありますが、以上が実際の使用状況として想定されます。

機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
Marshall Major (200W)MarshallAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmore70年代ライヴのメイン。AIWA TP-1011を前段に接続して使用。
Vox AC30VoxAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmore初期スタジオ録音で使用。Marshallへの音作りの参考にもなった。
ENGL Ritchie Blackmore Signature E650ENGLAmazonで探すDeep Purple / RainbowRitchie Blackmore近年使用のシグネチャー。100W、4ch仕様、6L6GC搭載。
Marshall 1960 4×12 CabinetMarshallAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmoreライヴでの定番キャビネット。Majorと組み合わせて使用。
AIWA TP-1011 Reel-to-ReelAIWAAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmoreプリアンプ兼エコーとして1974年以降のライヴで常用。

使用ギターの種類と特徴【Deep Purple・Ritchie Blackmore】

brown Fender head stock

リッチー・ブラックモアといえば、やはりスキャロップ加工されたFender Stratocasterのイメージが強烈です。1970年代初頭からオリンピックホワイトのストラトキャスターを中心に運用し、特に1974年製ローズ指板モデルは、代表的な一本として知られています。このギターはネックの指板をスキャロップ(彫り込み)加工し、弦に触れる面積を減らすことで、より繊細なビブラートや素早いフィンガリングを可能にしました。中PUはダミー化されており、フロントとリアのみを使用する独自仕様で、音作りの個性を際立たせています。

ピックアップは時期によって大きく変遷しています。初期はFenderストックを使用していましたが、その後、Dawkリワインド、Schecter F-500T、Velvet Hammer、DiMarzio HS-2、OBL Black Label、Bill Lawrence L-450/XL-250/L-250などを試しながら、自分に合うトーンを模索しました。これにより、クラシカルな旋律を正確に再現できる透明感のあるクリーントーンから、ライヴでの爆発的なディストーションまで幅広い表現が可能になったのです。

また、初期パープル期にはGibson ES-335を使用していた記録もあり、アルバム『Shades of Deep Purple』の頃にはその姿が確認されています。この頃はまだ現在のようなストラト中心のスタイルに固まっておらず、ブルースやジャズ的なアプローチも垣間見えるトーンを持っていました。

さらに、レコーディングでは時折Fender Telecaster Thinlineを使用していたことも知られています。シングルコイルの歯切れ良いサウンドを求める場面で用いられ、ストラトの持つ粘りと異なる音色を補完していました。

そして近年では、Fenderからリリースされた「Ritchie Blackmore Stratocaster」が本人仕様を忠実に再現したシグネチャーモデルとして存在します。特徴的なスキャロップ加工や、Seymour Duncan Quarter Pound SSL-4(フロント/リア)、ダミーのセンターピックアップ、3点止めネック、3Way配線といった仕様は、彼の実機を忠実に反映したものです。これによりファンやギタリストは、ブラックモアの音作りに一歩近づくことができるのです。

総合すると、ブラックモアのギター選びは「表現力のための改造」と「ステージでの存在感」を軸にしているといえます。ストラトを中心にしつつも、音楽性に応じてES-335やテレキャスターを使い分けた歴史があり、最終的にはシグネチャー・モデルとして結実しました。これらが実際に使用されてきたギターであると想定されます。

機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリストギターの種類備考
Fender Stratocaster(1974 Olympic White)FenderAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmoreエレキギタースキャロップ加工・中PUダミー化。70年代のメイン機材。
Fender Telecaster ThinlineFenderAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmoreエレキギターレコーディングで時折使用。ストラトと異なる歯切れ良さ。
Gibson ES-335GibsonAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmoreセミアコースティックギター初期パープル期に使用。ブルース寄りのトーン。
Fender Ritchie Blackmore StratocasterFenderAmazonで探すDeep Purple / RainbowRitchie Blackmoreエレキギター(シグネチャー)Seymour Duncan SSL-4(N/B)、中PUダミー、スキャロップ指板など本人仕様。

使用エフェクターとボード構成【Deep Purple・Ritchie Blackmore】

リッチー・ブラックモアは「アンプ直結で勝負するギタリスト」として語られることが多いですが、実際には独自の方法でエフェクターを活用していました。その象徴的存在がAIWA TP-1011リール・テープデッキです。本来は録音機材であるこのユニットをプリアンプ兼テープエコーとしてアンプの手前に接続し、ブラックモア独特のサウンドに不可欠な奥行きとハリを生み出しました。特に1974年以降のライヴでは常用されており、Marshall Majorとの組み合わせによって生まれる爆発的かつ立体的な音像は、他のギタリストには真似できないものでした。

初期にはHornby Skewes Treble Boosterを使ってアンプの入力をブーストし、AC30やMarshallをより歪ませる工夫も行っていました。また、Vox/Thomas Organ Cry Baby系のワウペダルを使ってニュアンスをつけたり、Dallas-Arbiter Fuzz FaceやUni-Vibeを導入してサイケデリックな質感を出す場面もありました。特に「Child in Time」や「Lazy」などの長尺ソロでは、ワウやフェイザー的効果を活かした即興演奏が光ります。

さらに実験的な機材としてEMS Synthi Hi-Fliを試用した時期があり、これはギターシンセ的に多彩なフィルターやモジュレーションを掛けられるアナログ・マルチFXでした。Rainbow初期にはSchulte Compact Phasing “A”(通称クラウトロック・フェイザー)を導入しており、空間系の揺らぎを重視する姿勢も垣間見えます。

80年代に入るとギターシンセも取り入れ、Roland GR-700やGR-50をステージに設置していました。Moog Taurusのベースペダルと組み合わせ、ソロや楽曲全体に厚みを加えることで、Deep PurpleやRainbowの楽曲にシンフォニックな広がりを持たせています。

総じて、ブラックモアのエフェクト選びは「爆音に埋もれない個性」「クラシカルで立体的なサウンド」を追求した結果といえます。必要最低限ながらも強烈に個性を放つ機材構成であり、使用していたものは上記の通りと想定されます。

機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリストエフェクターの種類備考
Hornby Skewes Treble BoosterHornby SkewesAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmoreブースター初期に使用。MarshallやVoxをブーストし歪みを増強。
AIWA TP-1011AIWAAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmoreエコー / プリアンププリアンプ兼テープエコー。74年以降ライヴで常用。
Vox / Thomas Organ Cry BabyVox / Thomas OrganAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmoreワウペダルソロや即興でニュアンスを加えるため使用。
Dallas-Arbiter Fuzz FaceDallas-ArbiterAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmoreファズ使用言及あり。サイケデリックな質感を付与。
Uni-VibeShin-eiAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmoreモジュレーション系深みのある揺れを加えるために使用。
EMS Synthi Hi-FliEMSAmazonで探すDeep Purple / RainbowRitchie Blackmoreギター用マルチエフェクター1973年前後に試用。多機能なギター“シンセ”。
Schulte Compact Phasing “A”SchulteAmazonで探すRainbowRitchie BlackmoreフェイザーRainbow初期で使用。クラウトロック・フェイザーとして有名。
Moog TaurusMoogAmazonで探すDeep Purple / RainbowRitchie Blackmoreオクターブ / シンセペダルソロ時に低音補強として使用。
Roland GR-700 / GR-50RolandAmazonで探すRainbow / Blackmore’s NightRitchie Blackmoreギターシンセサイザー80年代中盤〜90年代半ばに使用。ステージ上に設置確認あり。

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Deep Purple・Ritchie Blackmore】

black audio mixer turned on at 4

リッチー・ブラックモアの音作りは「爆音に埋もれない明瞭さ」を追求した結果であり、Marshall Majorをフルアップに近い状態で鳴らすという極端なセッティングに支えられていました。200Wという桁外れの出力を持つMajorを基盤とし、その前段にAIWA TP-1011をプリアンプとして接続することで、歪みすぎずにエッジが立ったサウンドを実現していました。AIWAの増幅回路は独特のコンプレッション感を生み出し、爆音の中でも粒立ちの良いトーンを得られたと考えられます。

EQ面では、ブラックモアは「ローを削りすぎず、ミッドを強調、トレブルは突き抜けるように設定」という傾向が見られます。Marshall Majorは元々クリーン寄りのアンプであるため、AIWAとトレブルブースターを通すことで倍音豊かな歪みが形成されました。例えば「Smoke on the Water」ではギターリフを中域に集中させることで、他の楽器が混ざってもリフが前面に出るミックスを可能にしています。

また、ライブにおいてはアンプを壁のように並べ、PAを通さずに会場全体を音圧で支配するスタイルを貫きました。音量によるサステインの確保と、自然なフィードバックコントロールが可能となり、「Child in Time」の長尺ソロに代表されるような、無限に伸びるトーンを作り出しています。エンジニア側からすれば制御不能に近い爆音ですが、ブラックモアはピッキングや指板のタッチで繊細に音を操っていました。

楽曲ごとに見ると、「Highway Star」ではトレブルをさらに上げ、速いアルペジオやクラシカルなスケールをはっきり聴かせるよう調整していたと考えられます。「Lazy」ではワウやモジュレーションを絡め、ミッドレンジを強調してジャジーかつブルース寄りのトーンを作っていました。さらにRainbow期になると、フェイザーやギターシンセを導入し、立体的な広がりを重視する方向に進化していきました。

ミックス面では、ブラックモアのギターはステレオ定位でややセンター寄りに配置され、オルガンやボーカルとの干渉を避けながらも前に出る音像が作られていました。リバーブは最小限、代わりにテープエコー由来のナチュラルな空間感を活かし、PAでは過度な加工を避けてギター本来の迫力を伝えることを優先していたと想定されます。

最終的に、ブラックモアのセッティングは「Marshall Majorを基盤に、AIWAで色付け、ブースターやワウでアクセントを加える」という非常にシンプルかつ個性的なものです。爆音と繊細さを同時に成立させるため、PAやエンジニアにも特殊な調整が必要だったと考えられます。これらのセッティングは確定情報ばかりではありませんが、当時の写真・インタビュー・音源分析をもとにすると上記のように構成されていたと想定されます。

比較的安価に音を近づける機材【Deep Purple・Ritchie Blackmore】

リッチー・ブラックモアのサウンドを完全に再現するには、Marshall MajorやAIWA TP-1011といった入手困難かつ高価な機材が必要になります。しかし、現代のプレイヤーが比較的手に入れやすい機材でブラックモアの音に近づけることも可能です。ここでは初心者〜中級者が導入しやすい価格帯(1〜5万円程度)で、特徴的なサウンドを再現できるモデルを紹介します。

まずアンプシミュレーターや小型アンプとしては「Marshall DSL20C」や「Boss Katanaシリーズ」が有効です。特にKatanaはクリーントーンからハイゲインまで幅広くカバーでき、EQ調整で中域を前に出せば「Smoke on the Water」のリフのような押し出し感を作れます。Marshall DSLは真空管アンプらしいダイナミクスを持っており、少しブースターを加えることでブラックモア的なサウンドに近づきます。

エフェクターとしては、ブラックモアが多用したトレブルブースターを模した「BOSS GE-7 EQ」や「Xotic EP Booster」が便利です。GE-7は中域を持ち上げることでリフを前に出しやすく、EP Boosterはプリアンプ的な色付けでAIWAの役割を簡易的に再現可能です。さらに「TC Electronic Spark Booster」もコストパフォーマンスが高く、音を太くしながらニュアンスを残せます。

ワウペダルは「Dunlop Cry Baby GCB95」が定番で、ブラックモアのソロでの表情付けを再現できます。また、空間系では「Electro-Harmonix Small Stone(フェイザー)」や「MXR Phase 90」を導入することでRainbow期の揺らめきあるサウンドを模倣できます。Uni-Vibe系の「TC Electronic Viscous Vibe」も廉価で導入でき、ブルージーかつクラシカルな揺れを表現するのに最適です。

ギター面では、Fender Player Stratocaster(メキシコ製)が現実的な選択肢です。指板をスキャロップ加工すれば、ブラックモア独自の表現力に一歩近づけます。ピックアップをSeymour Duncan SSL-4に換装すれば、シグネチャーモデルと近い仕様を作ることも可能です。

まとめると、初心者がブラックモア風サウンドを狙うなら「ストラト系ギター+ブースター+中域重視のアンプ設定」が基本。そこにCry Babyワウや簡易的なフェイザーを加えることで、Deep Purple期からRainbow期までのブラックモア的ニュアンスを十分に感じられるでしょう。

種類機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
アンプMarshall DSL20CMarshallAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmore真空管20W。小音量でもクランチ〜ドライブが作れる。
アンプシミュレーターBOSS Katana-50 MkIIBOSSAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmore多機能。EQでミッドを強調すればSmoke on the Water風。
ブースターXotic EP BoosterXoticAmazonで探すDeep PurpleRitchie BlackmoreAIWAテープデッキ的な色付けを再現可能。
EQ/ブースターBOSS GE-7BOSSAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmore中域を強調してリフを前に出す設定が可能。
ワウペダルDunlop Cry Baby GCB95DunlopAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmoreソロでの表情付けに必須のペダル。
フェイザーMXR Phase 90MXRAmazonで探すRainbowRitchie BlackmoreRainbow期の空間的な揺れを再現。
モジュレーションTC Electronic Viscous VibeTC ElectronicAmazonで探すDeep Purple / RainbowRitchie BlackmoreUni-Vibeの廉価代替。立体感ある揺れを再現。
ギターFender Player StratocasterFenderAmazonで探すDeep PurpleRitchie Blackmoreスキャロップ加工で本人仕様に近づけられる現行ストラト。

総括まとめ【Deep Purple・Ritchie Blackmore】

まとめイメージ

リッチー・ブラックモアの音作りの本質は、単に「ストラト+Marshall」という組み合わせにとどまらず、独自の発想と徹底したこだわりにあります。AIWAテープデッキをプリアンプとして導入する工夫や、ストラトの中PUをダミー化して独特の配線を施す姿勢は、常に「自分だけの音」を探し続けた証拠です。クラシック音楽をルーツにした旋律と、圧倒的な爆音を武器にしながらも、繊細なタッチコントロールで表現力を最大化させた点にこそ、ブラックモアの唯一無二の魅力が宿っています。

また、彼の音は「爆音と明瞭さの両立」によって成立しています。Marshall Majorのフルアップにより得られるサステインと自然なフィードバック、そこにトレブルブースターやAIWAプリアンプで付与された輪郭が加わり、オルガンやボーカルとぶつかることなくリフが前に出るトーンを確立しました。これこそが「Smoke on the Water」や「Highway Star」といった伝説的リフを永遠のものにした理由でもあります。

さらに、エフェクターの選び方にも「必要最低限だが強烈な個性を持たせる」という哲学が見て取れます。ワウやフェイザーは単なる装飾ではなく、楽曲の中でドラマを演出する役割を果たし、ギターシンセやMoog Taurusを導入することでクラシカルで壮大な音像を作り上げました。Rainbow期やBlackmore’s Nightではその傾向がさらに強まり、音楽的世界観を拡張していきました。

読者がブラックモア風の音を目指す際には、完璧な機材コピーを目指すよりも、「中域を活かすEQ」「弦のタッチに敏感なアンプ」「爆音でも埋もれないトーン」を意識することが重要です。現代の機材であっても、ストラト+ブースター+ミッド強調のアンプ設定で十分に彼のエッセンスを体感できます。

最後に強調すべきは、ブラックモアの音作りは「技術」よりも「発想」に支えられているという点です。人と同じ機材をそのまま使うのではなく、自分のイメージに近づけるために改造・調整を惜しまなかった姿勢が、後のギタリストに多大な影響を与えました。彼の音を再現することは、単なる模倣ではなく「独自性を追求する姿勢」を学ぶことでもあるのです。これこそがリッチー・ブラックモアの音作りの核心だといえるでしょう。

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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!

🎸 ギター
• Fender Stratocaster(各期・主戦力):70年代は複数本を運用。代表的に1974年製 Olympic White/ローズ指板・スキャロップ加工。中PUはダミー化(固定して不使用)。ピックアップは時期によりFenderストック → Dawkリワインド/Schecter F-500T/Velvet Hammer/DiMarzio HS-2/OBL “Black Label”/Bill Lawrence L-450/XL-250/L-250などを試用。
• Fender Telecaster Thinline:レコーディングで時折使用。
• Gibson ES-335:60年代〜初期パープル期に使用(「Shades of Deep Purple」期の発言記録あり)。
• Fender Ritchie Blackmore Stratocaster(シグネチャー):ローズ指板グラデーション・スキャロップ、Seymour Duncan Quarter Pound SSL-4(N/B)、中PUはダミー、3点止めネック/3Way配線など本人仕様を反映。

🔊 アンプ
• Marshall Major(200W/“Model 1967/Marshall 200”):ライブの主力。チャンネルのカスケード改造で大音量とゲインを確保。
• Vox AC30(初期〜スタジオ):本人はAC30の歪み/トレブル感を好み、Marshallが再現できず“Voxの guts をMarshallに入れた”という本人談(のちに語り・再掲)。
• ENGL Ritchie Blackmore Signature E650(100W):近年も“たまにENGLで爆音を出す”と発言。4ch構成/6L6GC×4搭載の本人シグネチャー。
• Marshall 4×12 キャビネット(1960系)を併用。
• (関連ユニット)AIWA TP-1011 リール-to-リール:プリアンプ兼エコーとしてMajorの手前に接続(74年以降のライブで常用)。

🎛️ エフェクター
• Hornby Skewes Treble Booster(初期のブースト要):
• AIWA TP-1011(改造機):テープエコー/プリアンプとして使用(上記アンプ欄参照)。
• Wah(Vox/Thomas Organ Cry Baby 系):使用言及あり。
• Uni-Vibe:使用例記載。
• Dallas-Arbiter Fuzz Face:使用例記載。
• Octave Divider:使用例記載。
• EMS Synthi Hi-Fli(’73前後):ギター“シンセ”として試用(実体は多機能アナログ・マルチFX)。
• Schulte Compact Phasing “A”(いわゆる“Krautrock Phaser”):Rainbow初期での使用が記録に残る。
• Moog Taurus(ベース・ペダル):ソロの補助で使用。
• Roland GR-700/GR-50(ギター・シンセ):80年代中盤〜95–96まで舞台上に確認、のちGR-50へ。

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