- 始めに(特徴紹介)
- 使用アンプ一覧と特徴【BABYMETAL・神バンド・DELUHI・GALNERYUS・藤岡幹大】
- 使用ギターの種類と特徴【BABYMETAL・神バンド・DELUHI・GALNERYUS・藤岡幹大】
- 使用エフェクターとボード構成【BABYMETAL・神バンド・DELUHI・GALNERYUS・藤岡幹大】
- 音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【BABYMETAL・神バンド・DELUHI・GALNERYUS・藤岡幹大】
- 比較的安価に音を近づける機材【BABYMETAL・神バンド・DELUHI・GALNERYUS・藤岡幹大】
- 総括まとめ【BABYMETAL・神バンド・DELUHI・GALNERYUS・藤岡幹大】
始めに(特徴紹介)
藤岡幹大(ふじおか みきお)さんは、BABYMETALの神バンドのギタリストとして圧倒的な存在感を放った名プレイヤーです。
クラシックギターから始まり、メタル、フュージョン、ジャズまで幅広いジャンルを習得したそのスキルは、まさに職人芸の域。彼のサウンドは、アグレッシブでありながら繊細、テクニカルでありながらエモーショナルという絶妙なバランスで成立しています。
BABYMETALの楽曲では、7弦ギターによる重厚なリフから高速スウィープやタッピングまで、楽曲の屋台骨を支えつつも「歌うようなギター」ソロを奏でており、まさにバンドの中核とも言えるギタリストでした。
また、ESP製のカスタムモデルやKEMPERを駆使した現代的な音作りと、ワウやピッチシフターなどの表現系エフェクトの活用により、ライブでは多彩な音色をスムーズに切り替える技術も披露されていました。
藤岡さんの音作りは、決して派手な機材量でごまかすものではなく、必要な音を必要なだけ出す「最適化」の哲学に貫かれています。特に「ラフに弾いても弾きやすい音を目指している」というご本人の言葉通り、ニュアンスの出やすいトーン設計が特徴です。
この記事では、藤岡幹大さんが神バンドで使用した実機材をもとに、アンプ・ギター・エフェクターの選定理由やセッティングの工夫、そして再現性の高い代替機材までを丁寧に解説していきます。
音に少しでも近づきたいすべてのギタリストにとって、有益な一助となれば幸いです。
使用アンプ一覧と特徴【BABYMETAL・神バンド・DELUHI・GALNERYUS・藤岡幹大】
藤岡幹大さんはBABYMETALの神バンドでのライブ活動を中心に、KEMPER Profilerを使用していました。
KEMPERはプロファイリング機能により、実機アンプの音を忠実に再現できるため、ツアーや現場ごとに環境の変わるBABYMETALのステージにおいて、非常に理想的な選択でした。
2016年4月のライブでは、神バンドの他のギタリストである大村孝佳氏と同様のリグを使用していたとされており、リグの統一感も意識されていたことがわかります。
KEMPERには複数のアンププロファイルを取り込み、曲ごとに音色の切り替えを行うことで、バッキングのハイゲイン・リフ、ソロ用のリードトーン、クリーンなアルペジオなどを瞬時に呼び出せる環境を構築していたと考えられます。
また、KEMPER以外にFractal Audio Systemsのモデラー(AXE-FXなど)を使用していた可能性も指摘されており、詳細なセッティングは本人しか把握できない部分もありますが、非常にモダンかつ安定性の高いシステムであることに間違いはありません。
藤岡さんの音作りは「ピッキングのニュアンスが出やすく、でも暴れすぎない」という、演奏の表現力を最大限引き出す設計に重点が置かれており、アンプもその一端を担っていたことが伺えます。
こうした特性を活かすためには、KEMPERやFractalのようなプロファイル/モデリングアンプが最適と言えるでしょう。
使用ギターの種類と特徴【BABYMETAL・神バンド・DELUHI・GALNERYUS・藤岡幹大】

藤岡幹大さんがBABYMETALの神バンドで使用していたギターは、ESPによる完全オーダーメイドの「SNAPPER Fujioka Custom」シリーズが中心でした。
特に注目されるのは、7弦仕様の「ESP SNAPPER-7 Fujioka Custom」。このモデルは、EMG 707(リア)と707TW(フロント)というハイゲインかつ明瞭なピックアップを搭載し、メタル楽曲でのヘヴィリフとソロワークの両立に適した設計です。
ネックはT-5 Ultimate Accessジョイントと呼ばれるハイフレットでの演奏性を重視した構造で、スムーズな運指を可能にしています。また、コイルタップ切り替えができるミニスイッチにより、太いハムバッカーサウンドと繊細なシングルコイルトーンを自在に切り替えることができ、多彩な音作りを実現していました。
6弦仕様の「ESP SNAPPER Fujioka Custom」も、リアにSH-4、フロントにSH-1n、ミドルにSSL52-1と、Seymour Duncan製の実戦的ピックアップを搭載しており、どのポジションでも抜けのよいサウンドが得られます。
その他、EDWARDSブランドのE-SN7-194MFやE-SN-190MFなど、コストを抑えつつも信頼性の高いモデルも使用されており、ステージや環境によって使い分けていたと推測されます。
またアコースティックギターとしてはMartin OOOC-16GTEを使用しており、静寂パートやバラード風の楽曲でもその存在感を示していました。
いずれのモデルにも共通して言えるのは、プレイヤビリティと音抜け、そして「ピッキングニュアンスが出やすい」セッティングに最適化されているという点です。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ESP SNAPPER-7 Fujioka Custom | ESP | Amazonで探す | BABYMETAL | 藤岡幹大 | エレキギター(7弦) | 神バンドでのメイン機材。EMG707搭載、ラウドかつ明瞭な音質。 |
ESP SNAPPER Fujioka Custom | ESP | Amazonで探す | BABYMETAL | 藤岡幹大 | エレキギター(6弦) | Duncan製ピックアップによる幅広い音作り。コイルタップ付き。 |
ESP E-II HORIZON FR-7 | ESP | Amazonで探す | BABYMETAL | 藤岡幹大 | エレキギター(7弦) | サブ機として使用された可能性あり。高出力ピックアップ搭載。 |
EDWARDS E-SN7-194MF | EDWARDS | Amazonで探す | BABYMETAL | 藤岡幹大 | エレキギター(7弦) | コストパフォーマンスに優れるモデル。ライブ用のサブとして使用。 |
Martin OOOC-16GTE | Martin | Amazonで探す | BABYMETAL | 藤岡幹大 | アコースティックギター | クリーンなアルペジオなどで使用。温かみあるサウンド。 |
使用エフェクターとボード構成【BABYMETAL・神バンド・DELUHI・GALNERYUS・藤岡幹大】
藤岡幹大さんのエフェクトボードは、プレイスタイルと同様に多様かつ繊細な音色づくりを支える構成になっていました。
特に印象的だったのが、ワウやピッチシフターなど、表現力を広げる系統のエフェクターが多く使われていたことです。
ライブやレコーディングで確認されている主なエフェクターには、「DigiTech Whammy DT」や「Morley MAVERICK」などがあり、特にWhammy DTはドロップチューニング機能を活用していたと推測されます。
歪み系には「FAT 412.D」を使用しており、太く滑らかでありながらも芯のあるドライブサウンドを実現していました。FATのペダルは国内製ならではの解像度の高さと反応性で、藤岡さんの繊細なピッキングを的確に出力できる点が評価されていたようです。
また、ワウには「Morley MAVERICK」を採用。コンパクトながらもアクティブバッファ回路を搭載しており、輪郭のはっきりとしたワウサウンドを生み出すのに適しています。
さらに、使用されていた可能性が高いのが「Fractal Audio Systems」製品です。詳細なモデルまでは確認できませんが、AX8やFXシリーズのようなギター用マルチエフェクターをメインのアンプシミュレーター兼エフェクターとして用いていた可能性があり、ライブでもラック不要で高品質な音作りができた理由の一つとも考えられます。
これらの機材に共通しているのは「ラフに弾いても弾きやすい音作り」。これは本人の発言にも表れており、ステージやリハでの即応性を考慮した実用的なエフェクト構成だったことが伺えます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
DigiTech Whammy DT | DigiTech | Amazonで探す | BABYMETAL | 藤岡幹大 | ピッチシフター | 半音〜1オクターブまでのピッチ変更や和音対応のドロップチューニングが可能。ライブでの多彩な音作りを支える。 |
Morley MAVERICK | Morley | Amazonで探す | BABYMETAL | 藤岡幹大 | ワウペダル | 小型設計ながらフルサイズ級のサウンド。アクティブ回路により明瞭なカット・ブーストを実現。 |
FAT 412.D | FAT | Amazonで探す | BABYMETAL | 藤岡幹大 | ディストーション | 国産ディストーション。芯のあるローと解像度の高いハイを両立し、テクニカルなフレーズでも潰れない。 |
Fractal Audio Systems(AX8など) | Fractal Audio | Amazonで探す | BABYMETAL | 藤岡幹大 | ギター用マルチエフェクター | 使用モデルは不明だが、Fractal系のサウンド傾向が演奏音に見られる。KEMPERと並行して使用された可能性。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【BABYMETAL・神バンド・DELUHI・GALNERYUS・藤岡幹大】

藤岡幹大さんの音作りにおける最大の特徴は「明瞭さ」と「太さ」の絶妙なバランスです。BABYMETALという激しく複雑なバンドサウンドの中でも埋もれず、かつ主張しすぎないトーンは、細やかなEQ設定と出音の設計によって実現されています。
まず注目したいのが、KEMPERを中心としたデジタルアンプの活用です。藤岡さんは2016年時点でKEMPERを導入しており、大村孝佳さんと同じリグを使用していたことが確認されています。KEMPERのプロファイルにより、レコーディング環境やライブ会場に左右されない安定した音質を確保しつつ、細かなEQ微調整を積極的に行っていたと考えられます。
特に中域(ミドル)の扱いが絶妙で、ローエンドがもたつかず、ハイが痛くならない「抜けの良さ」を意識したセッティングが印象的です。BABYMETALの複雑なアレンジにおいてもギターがしっかりと機能するのは、この中域中心のEQバランスが支えているからでしょう。
また、フロントピックアップをコイルタップ可能な構成にしていたのも特徴です。ESP SNAPPER Fujioka Customの例では、Seymour DuncanのSH-1nやSSL52-1といったクリアなサウンドが特徴のPUを使い、コイルタップで繊細なクリーントーンにも即座に対応できるよう設計されていました。
リードパートではEMG 707TWや81-7などのアクティブPUを使用し、低ノイズかつ高出力でしっかりと前に出る音を確保。一方でクリーンやアルペジオでは、ミドルを少し持ち上げ、ローを若干カットすることで、空間の中でクリアに浮き立つようなトーンに仕上げていたようです。
歪みに関しては、FAT 412.Dによって歪み量をやや抑えめに設定し、弾き手のニュアンスが反映される余地を確保。これは藤岡さんの「ラフに弾いても弾きやすい音」を目指す発言にもつながります。
ライブでは会場ごとにKEMPER側でEQプリセットを微調整し、ミックスエンジニアと連携して最終的な音像を作り上げていたと考えられます。リハ段階からPAとの意思疎通を重視し、ギターが前に出すぎないように空間系やEQで引き算するバランス感覚も持ち合わせていました。
空間系においては、リバーブは控えめ、ディレイはタイトに設定することで、バンドアンサンブルの中で音が「残りすぎない」工夫も見られます。テンポシンクしたディレイは使用せず、手動でタップテンポを合わせるスタイルだったようで、フレーズごとに細やかな調整が可能でした。
結果的に藤岡さんのギターサウンドは、構成音の一部として完璧に機能する一方、ソロやオブリでは強烈な存在感を放つ「万能型」。プレイヤーとしてだけでなく、エンジニアリングにおいても極めて緻密な感性を持っていたことがうかがえます。
比較的安価に音を近づける機材【BABYMETAL・神バンド・DELUHI・GALNERYUS・藤岡幹大】
藤岡幹大さんのサウンドを完全に再現するのは、使用機材の質の高さやプレイスタイルの繊細さゆえに容易ではありません。しかし、初心者や中級者が手に取りやすい価格帯で「雰囲気を近づける」ことは可能です。以下にそのためのおすすめ機材を紹介します。
まずアンプ系では、藤岡さんが使用していたKEMPERのようなモデリングアンプは高価ですが、Line 6の「POD Go」や「Helix Stomp」は、5〜10万円程度でKEMPERに近い操作性とモデリング精度を持ち、コストパフォーマンスに優れています。
また、手軽に導入できる「BOSS GT-1000CORE」や「NUX MG-30」も高性能なマルチエフェクターで、藤岡さんのようなハイゲイン&クリーンの両立を目指す音作りに対応できます。とくにGT-1000COREはライブにも対応できる堅牢性と音質を備えており、システム構築にも適しています。
ギター面では、ESPのSNAPPERカスタムモデルは高額なため、代替として「Edwards」や「GrassRoots」から出ているSNAPPERタイプの7弦や6弦モデルがコスパに優れます。特に「Edwards E-SN7-190MF」などは10万円以下でも中古市場で入手可能です。
ピックアップに関しては、藤岡さんのシグネチャーであるEMG 707や81-7は音の要であり、7弦ギターにこれらを搭載すれば、出音のキャラクターがグッと近づきます。代替として、Fishman Fluence ModernやSeymour Duncan Blackoutsなども、アクティブPU特有のロー・ノイズ&ハイゲインな特性を持ち、近い印象が得られるでしょう。
歪みに関しては「FAT 412.D」が手に入りにくいこともあるため、BOSSの「DS-1」や「SD-1」+「ブースター」構成で似た歪みを狙えます。特に「Suhr Eclipse」のような2ch対応の歪みペダルは、リードとバッキングの切り替えにも向いています。より安価な選択肢として「Joyo UZI」や「MOSKY Golden Horse」も使えます。
ワウは「Morley Maverick」が実機使用されていましたが、代替として「VOX V847」や「Cry Baby GCB95」など、クラシック系のワウを使うと比較적近い操作感が得られます。これらは新品でも1〜1.5万円で入手可能です。
空間系は「TC Electronic Flashback」シリーズが推奨です。とくに「Flashback Mini」は小型で安価ながら多彩なディレイを再現可能。空間演出の要として、ミックスに馴染むディレイを簡単にセッティングできます。
最後に、サウンドの明瞭さやレスポンスを補助するための「ノイズゲート」や「ブースター」も重要です。ISPの「Decimator」は高価ですが、代替としては「NUX NR-100」や「Mooer Noise Killer」などが安価かつ効果的です。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ギター用マルチエフェクター | POD Go | Line 6 | Amazonで検索 | BABYMETAL | 藤岡幹大 | KEMPERの代替として実用的。ハイゲインからクリーンまで幅広く対応。 |
ギター用マルチエフェクター | GT-1000CORE | BOSS | Amazonで検索 | BABYMETAL | 藤岡幹大 | ライブ向けの堅牢な筐体と柔軟な音作りが魅力。 |
ディストーション | DS-1 | BOSS | Amazonで検索 | BABYMETAL | 藤岡幹大 | クラシックなディストーション。ブースターと併用でより近づく。 |
ワウペダル | V847 | VOX | Amazonで検索 | BABYMETAL | 藤岡幹大 | Morley Maverickの代替として定番。操作性が高い。 |
ノイズリダクション | Noise Killer | Mooer | Amazonで検索 | BABYMETAL | 藤岡幹大 | 低価格で高性能なノイズゲート。歪みとの組み合わせで効果的。 |
総括まとめ【BABYMETAL・神バンド・DELUHI・GALNERYUS・藤岡幹大】

藤岡幹大さんのギターサウンドは、一聴して「美しく整っているのに、どこか熱を感じる」そんな不思議な魅力があります。BABYMETALという超高精度なライブアンサンブルの中で、楽曲の世界観を壊さず、かつギタリストとして強く自己を主張するプレイスタイルは唯一無二でした。
その鍵は「柔らかさと芯の共存」にあります。使用機材を見ても、アクティブPUと高精度なKEMPER、信頼性のあるエフェクターやラック機器など、ハイエンド機材を選ぶ一方で、それをストイックに使いこなすというよりも「自分の手グセやタッチで自然に音を出せる環境」を整えていたように感じられます。
また、ピックアップの選定にも彼のこだわりが見られます。EMG707TW-Rと81-7の組み合わせや、6弦時代のダンカンSH-1n、SH-4などのコイルタップ対応PUの導入など、”ギター1本で多彩な音を出す”という方向性がはっきりしています。ライブ中に機材に手間取らず、演奏そのものに集中できるセッティングを常に追求していたのでしょう。
EQや空間系の処理も絶妙で、「ギターの音が主張しすぎず、でも聴こえる」という、PA・エンジニア泣かせの逆をいくような理想的なバランスが常に保たれていました。材だけでなく「耳」と「手」が支えていたサウンドです。
この記事を読んでくれている皆さんが彼の音を真似したいと思ったとき、機材選びももちろん大切ですが、もっと重要なのは「どうやって演奏したいか」という気持ちかもしれません。
藤岡幹大さんの音の再現には、彼のように演奏と真摯に向き合い、1音1音を愛しながら弾く姿勢こそが何よりのヒントになるはずです。
ぜひ、「聴き手の心に残る音」を、あなたの手から生み出してみてください。
コメント