【戸高賢史】ART-SCHOOL・MONOEYES風サウンドの作り方＋ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

始めに（特徴紹介）

ART-SCHOOLやMONOEYESのギタリストとして活動する戸高賢史は、日本のオルタナティブ・ロックシーンを代表するギタリストの一人です。彼のプレイは、空間系エフェクトを巧みに使い分けながらも、芯のあるカッティングと奥行きのあるリードワークが特徴的です。

ART-SCHOOLではアートロック的なシューゲイズサウンドの中に浮遊感のあるトーンを響かせ、MONOEYESでは細美武士のパンク・エモ的な楽曲に合わせ、疾走感を支えるクランチ〜クリーン寄りのサウンドを展開しています。戸高の音作りは単なるディストーションではなく、楽曲全体を支える「質感」を演出するのが大きな特徴です。

代表的な楽曲で言えば、ART-SCHOOLの「スカーレット」では深いリバーブと揺れるコーラスを組み合わせたアンビエントな響き、MONOEYESの「My Instant Song」ではタイトなカッティングと広がりのある空間系の組み合わせが確認できます。つまり、彼の音は「存在感と抜けの良さ」と「浮遊感ある空間処理」の両立が大きな魅力です。

また、ステージ上ではフェンダー系アンプを中心に据え、VOX AC30やDr. Zなどクランチ〜クリーンを得意とするアンプを併用。エフェクターボードにはブースターからファズ、空間系、さらには自作ABY BOXまで並ぶこだわりぶりが見られます。

このように戸高賢史のサウンドは、ART-SCHOOLのシューゲイザー的世界観とMONOEYESのエモ・パンク的な疾走感を自在に行き来しながら、独自のトーンを築き上げています。彼の音作りを理解することは、単なるコピーにとどまらず、幅広いジャンルのギターサウンドに応用できる学びとなるでしょう。

以下では、実際に使用しているアンプ・ギター・エフェクターの詳細と、それらを活かした音作りの工夫について解説していきます。

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使用アンプ一覧と特徴【ART-SCHOOL・MONOEYES・戸高賢史】

戸高賢史のアンプ選びは、その時々のバンド活動のスタイルに直結しています。初期ART-SCHOOL期にはフェンダーのクリーントーンを基盤にし、空間系エフェクトを重ねることでシューゲイズ的な深いサウンドスケープを作っていました。その象徴がFender Twin Reverbで、太くウォームなクリーンを提供し、エフェクターの響きをそのまま活かせる特性が重宝されたと考えられます。

一方で、より骨太なドライブ感を必要とした時期にはVOX AC30やDr. Z Amplification SRZ-65を使用。特にDr. Zは現在のメインアンプとして使用されており、軽いクランチからクリーンまで幅広くカバーし、MONOEYESでの疾走感のあるリフやコードワークに適しています。VOX AC30はブリティッシュクランチの象徴的サウンドを持ち、Twin Ampと組み合わせた2台構成も確認されています。

さらに特殊なケースとしてはSUNNアンプやSelmer Treble ‘n’ Bass mkⅡを短期間使用していた記録もあります。これらはハイゲイン寄りではなく、独自のクリーン〜クランチを狙ったセッティングで用いられたと推測されます。特にSelmerは60年代ブリティッシュロックの質感を持ち、ART-SCHOOLの退廃的かつ耽美な雰囲気とマッチしたと考えられます。

また、ステージでのサウンドの抜け感を高めるため、Marshall 4×12キャビネット（LOSTAGE五味氏の元所有品）を組み合わせるなど、アンプ単体だけでなくキャビネットの個性も取り入れているのが特徴です。クリーン寄りのセットとしてはFender Hot Rod Deluxe Lacquer Tweedを利用した時期もあり、軽量かつ扱いやすいモデルとしてライブや小規模ステージで使われたと推測されます。

アンプとエフェクターの接続にはMad Professor RED Cableを使用している点も特筆されます。ケーブル自体の音質変化が戸高の音作りの一端を担っていることは興味深く、彼のこだわりを示しています。

総じて、戸高賢史のアンプ選びは「楽曲ごとの雰囲気に合わせたクリーン〜クランチ主体のレンジ感重視」と言えます。エフェクターを多用するスタイルゆえ、アンプ自体が過度にキャラクターを主張せず、プレイのニュアンスと空間処理を引き出すためのキャンバスとして機能していると、想定されます。

機材名	メーカー	Amazon最安値URL	アーティスト	ギタリスト	備考
Fender Twin Reverb	Fender	Amazonで探す	ART-SCHOOL / MONOEYES	戸高賢史	初期使用。クリーン主体、空間系エフェクトの基盤。
Fender Twin Amp	Fender	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	クリーントーン主体。VOX AC30との2台構成あり。
VOX AC30	VOX	Amazonで探す	ART-SCHOOL / MONOEYES	戸高賢史	ブリティッシュクランチ用途。ライブでTwin Ampと併用。
Dr. Z SRZ-65 Large Box	Dr. Z Amplification	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	現メインアンプ。軽クランチ〜クリーンまで幅広く対応。
SUNN Amp	SUNN	Amazonで探す	ART-SCHOOL	戸高賢史	短期間使用。詳細不明。
Selmer Treble ‘n’ Bass mkⅡ	Selmer	Amazonで探す	ART-SCHOOL	戸高賢史	クランチ用途と推定。60年代的なブリティッシュトーン。
Marshall 4×12 Cabinet	Marshall	Amazonで探す	ART-SCHOOL / MONOEYES	戸高賢史	LOSTAGE五味氏の元所有品を使用。ステージ用。
Fender Hot Rod Deluxe Lacquer Tweed	Fender	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	クリーン用として使用。小規模ライブ対応。
Fender Tweed Deluxe?	Fender	Amazonで探す	ART-SCHOOL	戸高賢史	一時期使用と推測。確定情報ではない。
Mad Professor RED Cable	Mad Professor	Amazonで探す	MONOEYES / ART-SCHOOL	戸高賢史	アンプ接続用。ケーブル音質にもこだわり。

使用ギターの種類と特徴【ART-SCHOOL・MONOEYES・戸高賢史】

戸高賢史のギター遍歴は、バンド活動のスタイルや時期ごとに大きく変化しています。ART-SCHOOLではシューゲイザー的な音響を支えるためにフェンダーのジャズマスターをメインに使用し、MONOEYESではよりストレートなロックサウンドを支えるテレキャスターやストラトキャスター系を取り入れるなど、多彩な選択をしています。

特に印象的なのは1965年製Fender Jazzmaster（ブラック）で、ライブのメイン機材として長く使用されています。オリジナル塗装からのリフィニッシュが行われている個体で、甘い中域と空間系エフェクトとの相性の良さから、ART-SCHOOLの浮遊感あるサウンドを支えてきました。また、塗装剥がれのあるナチュラルフィニッシュの1965年製Jazzmasterも登場しており、こちらも深いリバーブやコーラスに馴染む温かみのあるトーンを発揮しています。

一方でMONOEYESではSago New Material Guitars Custom Model : JM（レイクプラシッドブルー）を使用。リアにP-90を搭載した改造仕様で、テレキャスター的な歯切れとジャズマスターの深みを併せ持つ独自のキャラクターを生み出しています。さらにSago Custom : JG（ブラック／ジャガータイプ）も使用されており、パワフルかつタイトな音を求めるMONOEYESでのアンサンブルにフィットしています。

また、Fender Telecaster Deluxe（モカブラウン）やFender Telecaster（シースルーレッド／Lace Sensorピックアップ搭載）など、テレキャスター系を複数導入している点も注目です。特にLace Sensor搭載モデルはノイズレスかつクリアなサウンドで、MONOEYESのスピード感ある楽曲に適しています。

さらにFender Japan Stratocaster（黒／リアP-94搭載）やFender JV Stratocaster（キャンディアップルレッド／電装改造）、Fender Custom Shop ’65 Stratocaster（シャーウッドグリーン）といったストラトキャスター系も多用。これらはクリーントーンやアルペジオでの立ち上がりの良さを狙い、楽曲のダイナミクスを強調する際に使用されていると考えられます。

こうしたギター群の選択は、「アンサンブルの中で埋もれない立ち上がり」「空間系と融合しても存在感を失わないトーン」を重視したものであり、まさに戸高賢史の音作りの核となっていると想定されます。

機材名	メーカー	Amazon最安値URL	アーティスト	ギタリスト	ギターの種類	備考
Sago Custom Model : JM（Lake Placid Blue）	Sago New Material Guitars	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	オリジナルカスタム（JMタイプ）	リアP-90改造、サーモウッドネック、ライブ使用多数。
Sago Custom Model : JG（Black）	Sago New Material Guitars	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	オリジナルカスタム（Jaguarタイプ）	ジャガーシェイプ。パワフルでタイトなサウンド。
Fender Jazzmaster 1965（Black）	Fender	Amazonで探す	ART-SCHOOL	戸高賢史	ジャズマスター	メイン使用機。リフィニッシュ個体。ライブ映像多数確認。
Fender Jazzmaster 1965（Natural / 塗装剥がれ）	Fender	Amazonで探す	ART-SCHOOL	戸高賢史	ジャズマスター	塗装剥がれのヴィンテージ。浮遊感あるトーン。
Fender Telecaster Deluxe（Mocha Brown）	Fender	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	テレキャスター	ハムバッカー搭載モデル。タイトなリズムに適応。
Fender Telecaster（See-through Red / Lace Sensor）	Fender	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	テレキャスター	Lace Sensor PU搭載。ノイズレス＆クリア。
Fender Japan Stratocaster（Black / P-94搭載）	Fender Japan	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	ストラトキャスター	リアにP-94搭載。パワフルでハム的トーン。
Fender Japan JV Stratocaster（Candy Apple Red / Mod）	Fender Japan	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	ストラトキャスター	JVシリアル、電装改造済。鮮やかな赤フィニッシュ。
Fender Custom Shop ’65 Stratocaster（Sherwood Green）	Fender Custom Shop	Amazonで探す	MONOEYES / ART-SCHOOL	戸高賢史	ストラトキャスター	カスタムショップ製。抜けの良いクリーントーン。

使用エフェクターとボード構成【ART-SCHOOL・MONOEYES・戸高賢史】

戸高賢史のサウンドの核を支えているのは、実に豊富で緻密に組まれたエフェクターボードです。ART-SCHOOLのシューゲイザー的サウンドを支える空間系から、MONOEYESでのタイトなドライブまで、幅広い表現を可能にしています。特にブースターやオーバードライブの組み合わせが巧みで、場面ごとに歪みの質感を細かく切り替えているのが特徴です。

ワウやボリューム系ではCry Baby（TBP改造）やXotic XW-1（Lake Placid Blue）を使用。繊細なニュアンス付けから派手なフィルター効果まで、楽曲に合わせて自在に操作しています。また、Shin’s Music Baby Perfect Volumeなど高精度のボリュームペダルも導入されており、ライブ中のダイナミクス調整が可能となっています。

オーバードライブはANALOG.MAN King of ToneやLovepedal AMP Eleven、BJFE Honey Bee ODなどを軸に、多段構成で重ね掛けするセッティングが目立ちます。特にKing of Toneはブーストとクランチの両立ができ、MONOEYESでの骨太なカッティングに多用されていると考えられます。ファズ系はEarthQuaker Devices HoofやMASF Pedals RAPTIOを用いて、ART-SCHOOLのノイジーなパートを彩っています。

モジュレーションではNeunaber Inspire Tri ChorusやMXR Phase90、Electro-Harmonix Small Cloneなどが確認され、揺らぎのある空間処理を演出。ART-SCHOOLの浮遊感あるリフやアルペジオに欠かせない存在となっています。ディレイ／リバーブ系ではBOSS RE-20やstrymon El Capistan、BigSkyなどハイエンド機を多用し、アンビエントな響きをライブで再現しています。

特殊系としてはElectro-Harmonix Micro POGやEventide H9を導入。オクターブや多機能マルチエフェクトで厚みを加えたり、アンビエント系サウンドを一台で作り出したりしています。また、自作ABY BOX（位相調整機能付）を利用するなど、ステレオ出力や2アンプ構成を前提にしたボード構成が彼のサウンドの柔軟性を裏付けています。

このように戸高のエフェクト構成は「多段歪み＋揺れ系＋深い空間処理」が柱であり、時期ごとに入れ替わりはあるものの基本的な思想は一貫しています。ライブでの再現度と音の厚みを両立するため、彼のボードは単なる集合ではなく一つの「楽器」として機能していると、想定されます。

機材名	メーカー	Amazon最安値URL	アーティスト	ギタリスト	エフェクターの種類	備考
Cry Baby（TBP改造）	Dunlop	Amazonで探す	ART-SCHOOL / MONOEYES	戸高賢史	ワウペダル	トゥルーバイパス改造。ライブで頻繁に使用。
Xotic XW-1（Lake Placid Blue）	Xotic	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	ワウペダル	限定カラー。繊細なニュアンス調整に使用。
ANALOG.MAN King of Tone	Analog.Man	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	オーバードライブ	クランチとブーストを両立。定番の中心機材。
BJFE Honey Bee OD	BJFE	Amazonで探す	ART-SCHOOL	戸高賢史	オーバードライブ	ウォームなローゲインOD。ART-SCHOOLの浮遊感に適応。
Lovepedal AMP Eleven	Lovepedal	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	オーバードライブ	ブースター＋OD構成でリード強調。
EarthQuaker Devices Hoof	EQD	Amazonで探す	ART-SCHOOL	戸高賢史	ファズ	3ノブ仕様。ノイジーな質感。
Neunaber Inspire Tri Chorus	Neunaber	Amazonで探す	ART-SCHOOL	戸高賢史	コーラス	浮遊感あるトーンを実現。シューゲイザー要素に必須。
BOSS RE-20	BOSS	Amazonで探す	ART-SCHOOL / MONOEYES	戸高賢史	ディレイ	空間処理の定番。深いリピートサウンド。
strymon BigSky	strymon	Amazonで探す	MONOEYES / ART-SCHOOL	戸高賢史	リバーブ	ハイエンドリバーブ。アンビエントサウンド必須。
Eventide H9	Eventide	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	マルチエフェクター	多機能ペダル。空間処理からモジュレーションまで幅広く対応。
自作ABY BOX（位相調整機能付）	Handmade	Amazonで探す	MONOEYES / ART-SCHOOL	戸高賢史	スイッチングシステム	2アンプ構成の切り替え用。位相調整可能。

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【ART-SCHOOL・MONOEYES・戸高賢史】

戸高賢史の音作りの真髄は「クリーンを基盤にした緻密な積み重ね」にあります。ART-SCHOOLでは空間系エフェクトを多用し、深いリバーブやモジュレーションで浮遊感を演出。MONOEYESでは疾走感ある楽曲に対応するため、タイトで輪郭のはっきりしたクランチトーンを選択しています。そのため、アンプのEQ設定やエフェクターのかけ具合は、常に「楽曲全体のミックスの中でどう聞こえるか」を意識したものとなっています。

アンプ設定としては、Fender Twin AmpやDr. Z SRZ-65を用いた場合、基本はクリーン〜軽いクランチを基調に、Bassは4〜5、Middleは5〜6、Trebleは6前後というバランスが想定されます。過度に低域を持ち上げず、中高域をやや強調することで、バンドサウンドの中でも抜けやすいトーンを実現。特にMONOEYESのようにダブルギター構成でスピード感のある楽曲では、戸高の音が濁らず、かつ細美武士のギターを邪魔しない帯域に調整されているのがポイントです。

ディストーションやオーバードライブは、King of ToneやLovepedal AMP Elevenを基盤にしているため、基本的に「歪ませすぎない」設定が多いです。歪み量は9〜11時程度に抑え、ブースター的に音量や質感を調整するケースが多く、ソロやリフで抜け感を出したいときのみゲインを上げる傾向にあります。これにより「常時抜けるサウンド」を保ちながらも、必要な場面で厚みを出す工夫がなされています。

空間処理に関してはstrymon BigSkyやBOSS RE-20が鍵となっています。ART-SCHOOLではPlateリバーブやModulatedリバーブを深めに設定し、Decayを3〜4秒に設定することでシューゲイズ的な残響を作成。MONOEYESでは逆にDecayを1.5〜2秒程度に短めに設定し、スピード感を損なわない自然な広がりを演出しています。ディレイはリズムに同期させるケースが多く、特に八分や付点八分のディレイを活用してリフに奥行きを加えるのが特徴です。

ミックス面でも戸高の音は大きな役割を果たします。ART-SCHOOLではステレオイメージを意識し、ジャズマスター＋空間系の組み合わせを左右に広げることで、楽曲全体を包み込むようなレイヤーを形成しています。MONOEYESでは逆に、センター〜やや右寄りの定位でタイトなリフを支えるポジションを取り、細美武士のギターと左右でバランスをとる形が多いと考えられます。

さらに、彼のボードには自作ABY BOX（位相調整機能付）が組み込まれていることから、ステージやPAの環境に応じて2台アンプの出力バランスを即座に調整できる点も注目です。これにより、ライブごとに会場の響きに合わせた柔軟なサウンドメイクが可能となり、常に安定したクオリティを保っています。

総じて戸高賢史のセッティングは、「シンプルに聞こえるが実は緻密」というものです。歪み量を抑えつつEQと空間処理で音の奥行きを作り、バンドの中での役割を明確にしたミックスを実現しています。このアプローチは単なる機材選びではなく、PAやエンジニアとの連携も含めた「トータルの音作り」であり、まさにプロフェッショナルなギタリストの姿勢そのものと、想定されます。

比較的安価に音を近づける機材【ART-SCHOOL・MONOEYES・戸高賢史】

戸高賢史のサウンドを完全に再現するには、ビンテージのジャズマスターやDr.Zアンプ、strymon BigSkyといった高価な機材が必要です。しかし、初心者や中級者でも「音のキャラクター」を掴むことは十分可能です。ここでは比較的安価（1万円〜5万円前後）で入手でき、かつ戸高サウンドに近づけられる機材を紹介します。

まずアンプに関しては、本家Dr.ZやVOX AC30は高額ですが、VOX Pathfinder 10やRoland JC-22といった小型アンプで代用可能です。Pathfinderはブリティッシュ系のクランチを再現しやすく、JC-22は空間系エフェクトとの相性が抜群で、ART-SCHOOL的な浮遊感のあるサウンドに適しています。

ギターについては、フェンダー系の中古ジャズマスターやストラトキャスターを狙うのが現実的です。特にSquier Classic Vibe Jazzmasterは4〜5万円程度で入手可能で、深いリバーブやコーラスを加えれば戸高のART-SCHOOL期のサウンドに近づけます。MONOEYES寄りの音を出したい場合はSquier Classic Vibe Telecasterがおすすめで、タイトなリズムに適した音色を得られます。

エフェクターは、戸高が愛用するハイエンドモデルの代替となる「BOSSコンパクト」や「MXRシリーズ」が特に有効です。例えばBOSS OD-3やBD-2はKing of ToneやHoney BeeのようなローゲインODの代用になり、アルペジオやクランチ主体のサウンドに対応可能です。ファズの代替としてはBOSS FZ-5やElectro-Harmonix Big Muff Nanoが挙げられます。

空間系についてはBOSS RV-6やTC Electronic Hall of Fame 2が安価で高性能な選択肢です。リバーブのモードをPlateやShimmerに設定すれば、ART-SCHOOLのような深い広がりを再現可能です。ディレイについてはBOSS DD-8やTC Electronic Flashback 2がコストパフォーマンスに優れ、付点八分ディレイなどMONOEYESでよく使われる空間処理にも対応できます。

さらに、ステージや自宅練習で利便性を求めるならZOOM G3XnやLine6 HX Stompなどのマルチエフェクターも有効です。HX Stompはやや価格が上がりますが、アンプシミュレーションや空間系の質感が優れており、戸高のセッティングを一台で疑似再現できるのは魅力的です。

つまり「高級機材を揃えずとも、方向性の近い特性を持つ機材を組み合わせる」ことが重要です。戸高サウンドは単純な歪みではなく、クリーン＋空間系の積み重ねと、EQの緻密なコントロールによって成立しています。再現に挑戦する際は、ギターとアンプをシンプルにしても、リバーブとディレイを活用すればかなり近づけるといえるでしょう。

種類	機材名	メーカー	Amazon最安値URL	アーティスト	ギタリスト	備考
アンプ	VOX Pathfinder 10	VOX	Amazonで探す	ART-SCHOOL / MONOEYES	戸高賢史	AC30の廉価代替。ブリティッシュ系クランチが得意。
アンプ	Roland JC-22	Roland	Amazonで探す	ART-SCHOOL	戸高賢史	空間系エフェクトとの相性が抜群。シューゲイザー的広がりに最適。
ギター	Squier Classic Vibe Jazzmaster	Squier	Amazonで探す	ART-SCHOOL	戸高賢史	5万円以下で購入可能。深いリバーブと好相性。
ギター	Squier Classic Vibe Telecaster	Squier	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	MONOEYES寄りのタイトなカッティングを再現可能。
オーバードライブ	BOSS BD-2 Blues Driver	BOSS	Amazonで探す	ART-SCHOOL / MONOEYES	戸高賢史	King of Tone代替。ローゲインODでニュアンスを再現。
リバーブ	BOSS RV-6	BOSS	Amazonで探す	ART-SCHOOL	戸高賢史	多機能リバーブ。PlateやShimmerで浮遊感を演出。
ディレイ	TC Electronic Flashback 2	TC Electronic	Amazonで探す	MONOEYES	戸高賢史	付点八分ディレイなど多彩な設定。MONOEYES的疾走感を再現。
マルチエフェクター	ZOOM G3Xn	ZOOM	Amazonで探す	ART-SCHOOL / MONOEYES	戸高賢史	低価格マルチ。練習用や自宅用で一通りの音作りが可能。

総括まとめ【ART-SCHOOL・MONOEYES・戸高賢史】

戸高賢史の音作りの本質は、「空間のコントロール」と「楽曲全体に馴染むバランス感覚」にあります。ART-SCHOOLでは深いリバーブやモジュレーションを駆使し、ギターが単なるリード楽器ではなく「音の風景」を描く存在となっているのに対し、MONOEYESではバンドのスピード感やエモーショナルな熱量を支えるため、タイトで芯のあるクランチサウンドを基盤としています。この二面性こそが戸高サウンドの大きな魅力です。

使用するギター群は、フェンダーのビンテージ・ジャズマスターからカスタムのSagoモデル、さらにテレキャスターやストラトキャスターまで幅広く、いずれも「エフェクトとの相性」「アンサンブル内での抜け感」を重視して選ばれています。アンプもフェンダーやVOX、Dr.Zといったクリーン〜クランチ主体のモデルが中心で、過度な歪みを避け、プレイのニュアンスを忠実に表現する方向性が見て取れます。

エフェクターボードにおいては、オーバードライブやブースターを複数用意して歪みの質感を場面ごとに切り替え、空間系ではstrymonやBOSSを駆使してアンビエントからタイトなリバーブまで使い分けています。特に自作ABY BOXや高品質ケーブルを取り入れる姿勢は、「細部までこだわることで最終的なサウンドクオリティを保証する」という彼の哲学を表しています。

また、音作りは単なる機材選びだけでなく、EQ設定やPA・エンジニアとの連携も含めた「トータルのサウンドデザイン」となっています。低域を控えめにして中高域を前に出すEQ処理、楽曲ごとに変化するリバーブのDecay設定、ディレイタイムをリズムに同期させる工夫など、すべてが「バンド全体の音にどう馴染むか」という視点で組まれています。

総じて、戸高賢史の音作りを再現したい場合は、「ビンテージ系フェンダー＋クリーン基調アンプ＋多彩な空間系」の三要素を揃えることが近道です。ただし、完全に同じ機材でなくても、歪みを抑えたクランチと深いリバーブを組み合わせるだけで、そのエッセンスを感じることは可能です。読者が再現を試みる際は「音の厚みをどう作るか」「バンドに馴染ませつつ存在感を出すにはどうEQするか」という視点を持つことが最も重要です。

戸高賢史のサウンドは単なる機材の集合ではなく、彼自身のプレイスタイルと世界観が反映された「音楽的表現そのもの」です。ART-SCHOOLの退廃的で幻想的な響きも、MONOEYESの疾走するロックグルーヴも、すべては彼の音作り哲学から生み出されています。その本質を理解することが、最終的にあなた自身のギタープレイを豊かにする大きなヒントとなるでしょう。

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下記恐らく使用（所持）している機材のまとめです。参考までに！

ギター

Sago New Material Guitars Custom Model : JM（レイクプラシッドブルー／ベッコウPG、TOMブリッジ、ロックペグ、リアP-90改造、サーモウッドネック、11-48弦）

Sago New Material Guitars Custom Model : JG（ブラック／ホワイトPG、ジャガータイプ）

Fender Jazzmaster 1965年製（黒）（ライブメイン、塗装変更歴あり）

Fender Telecaster Deluxe（モカブラウン）

Fender Jazzmaster 1965年製（ナチュラル／塗装剥がれ）

Fender Telecaster（シースルーレッド／Lace Sensorピックアップ構成）

Fender Japan Stratocaster（黒／リアP-94搭載）

Fender Japan Stratocaster JVシリアル（キャンディアップルレッド／電装改造）

Fender Custom Shop ’65 Stratocaster（シャーウッドグリーン）

アンプ

Fender Twin Reverb（初期使用）

SUNNアンプ（短期間使用）

Fender Twin Amp（クリーン主体）

VOX AC30（クランチ用途、Twin Ampとの2台構成あり）

Dr. Z Amplification SRZ-65 Large Box（現メイン、軽クランチ〜クリーン）

Selmer Treble ‘n’ Bass mkⅡ（クランチ用途と推定）

Marshall 4×12キャビネット（LOSTAGE五味氏元所有）

Fender Hot Rod Deluxe Lacquer Tweed（クリーン用）

Fender Tweed Deluxe?（一時期使用と推測）

Mad Professor RED Cable（SRZ-65接続で使用）

エフェクター（時期別重複を排除し総まとめ）

ワウ／ボリューム系

Cry Baby（TBP改造）

MORLEY MAVERICK

Xotic XW-1（Lake Placid Blue）

Shin’s Music Baby Perfect Volume

Peterson StroboStomp HD

Sonic Research ST-200

オーバードライブ／ブースター系

HUMAN GEAR PASSIONATE

ANALOG.MAN KING of TONE

Lovepedal AMP ELEVEN

BJFE Honey Bee OD

Mad Professor Sweet Honey Overdrive（HW含む）

Bondi Effects Del Mar

CULT Ray

OKKO DiABLO Boost+

Suhr Eclipse

Keeley Muse Driver

Phantom FX EVR Bleu OD / EVR Cliffs / HACK / Sabbath “Bliss”

Soldano SLO Pedal

Leqtique RFD

Z.VEX Box of Rock（カスタムペイント）

Ear Fuzz Effects The Rat

Decibelics Golden Horse（未接続時あり）

ファズ系

EarthQuaker Devices Hoof（3ノブ）

MASF Pedals RAPTIO

モジュレーション系

Neunaber Technology INSPIRE tri chorus plus / CHROMA STEREO CHORUS

MXR Phase90

Electro-Harmonix Small Clone（初期推定）

EarthQuaker Devices Aurelius（推定）

ディレイ／リバーブ系

BOSS RE-20

Keeley ECCOS Delay/Looper（推定）

FOXGEAR ECHOSEX Baby

EMPRESS Vintage Modified Superdelay / Superdelay

strymon El Capistan / Big Sky / blueSky / cloudburst

Keeley Halo（白／エクスプレッション接続）

その他空間／特殊系

Electro-Harmonix micro POG

Eventide H9

Phantom FX Mother（Snow含む）

Handmade Booster（EQ2バンド）

自作ABY BOX（位相調整機能付）

L` Roger

MASF pedals RAPTIO

パワーサプライ

Free the Tone PT-3D

One Control Distro / Minimal Series Distro MKII Isolated

CAJ AC/DC Station2

Providence PAE-101P / PRX-2S

アクセサリー

ピック：MASTER 8 JAPAN（ジャズ3系 0.8mm／MONOEYES名義）、Jim Dunlop Tortex Standard .73（黄）、MASTER 8 JAPAN D-801 + Hard Grip – TEARDROP

ストラップ：Trophy Straps “Golden Gate”、Fenderモノグラム（70年代後半仕様）、S_IX Gz Black、Ernie Ball（黒）

ケース：Nazca、Sago製