始めに(特徴紹介)
アリス九號.(Alice Nine.)のギタリスト「虎(Tora)」は、硬質でありながらもメロディアスなリフと、空間系エフェクトを活かした立体的なギターサウンドで知られています。ヴィジュアル系の中でもバンドの世界観を支えるギターアレンジが特徴で、メタル寄りのヘヴィリフから透明感のあるクリーンまで自在に操る幅広さが魅力です。
代表曲として「RAINBOWS」や「閃光」では、タイトなリフと鮮烈なリードギターがバンド全体のグルーヴを牽引しています。虎の音作りは、MESA/Boogieのハイゲインアンプを軸にした分厚い歪みと、Roland JC-120による澄み切ったクリーンを曲ごとに切り替えるスタイルが大きな特徴です。さらに、コンバット製のシグネチャーモデルやエクスプローラーなど、個性的なシェイプのギターを駆使して独自の存在感を演出しています。
また、ステージでは激しいアクションの中でも安定したトーンを維持できるよう、ブースターやプリアンプを効果的に使用。特にProvidence STAMPEDE OVERDRIVEやHughes & Kettner Tubemanなど、プロ仕様のエフェクターで安定した歪みのキャラクターを作り上げています。
その結果、虎のギターは単なるリードではなく、バンド全体の音圧をコントロールする役割を果たしつつ、曲の世界観をドラマチックに彩るものとなっています。ヴィジュアル系のファンだけでなく、モダンロックやメタルのリスナーからも支持される理由は、この多層的で完成度の高い音作りにあるといえるでしょう。
虎の音作りを理解することは、アリス九號.サウンドを再現する第一歩です。以下ではアンプ、ギター、エフェクターの具体的な使用機材を紹介し、その特徴と選ばれる理由を掘り下げていきます。
使用アンプ一覧と特徴【アリス九號.・虎】
虎のサウンドの核を担っているのが、MESA/Boogie TRIPLE RECTIFIERとRoland JC-120という、対照的な個性を持つアンプです。MESA/Boogieは150Wのハイゲインヘッドで、圧倒的な音圧と粒立ちの良いディストーションを生み出し、ヴィジュアル系バンド特有のヘヴィで攻撃的なリフに最適といえます。特に「閃光」や「RAINBOWS」のような力強い楽曲では、このアンプ特有の重厚で引き締まった歪みが虎のリズムギターを支えています。
一方、Roland JC-120は世界的に定番のクリーンアンプで、煌びやかで奥行きのあるクリーントーンが魅力です。虎はバラードやクリーン主体の曲で、このアンプの透明感を活かしています。特にJC-120に搭載されているステレオ・コーラスは、浮遊感を演出するために重要な役割を果たしており、幻想的な楽曲に欠かせない存在です。
ステージでは、曲ごとにアンプを切り替えるか、またはラインアウトやエフェクターボードを経由して両者を併用していると考えられます。MESA/Boogieによる重厚な歪みとJC-120のクリーンの切り替えは、PA側でも扱いやすく、バンド全体の音作りにおいても理にかなっています。実際にライブ写真や音源のトーンからも、この二種類のアンプを用途ごとに使い分けていることが確認できます。
また、レコーディング時には、MESA/Boogieの歪みに加え、他のブティック系アンプやアンプシミュレーターを併用している可能性も指摘されています。特に真空管アンプの特性を強調した「厚み」と「存在感」が音源から感じられるため、複数のマイキングやアンプを組み合わせて音作りをしていると考えられます。
虎のアンプ選びは、ただの音量や歪みの強さだけでなく、「楽曲ごとに最適な空間を構築する」ことを意識した結果だといえます。そのため、ライブの迫力を再現したいギタリストにとって、MESA/Boogie TRIPLE RECTIFIERとRoland JC-120の組み合わせは必須の構成、と想定されます。
使用ギターの種類と特徴【アリス九號.・虎】
虎のプレイを特徴づけている大きな要素が、コンバット製のオリジナルギターとギブソン系ギターを中心にしたラインナップです。特にCombat Guitarsは虎のシグネチャーモデルを展開しており、ライブやPVでの登場頻度も非常に高いことから、彼のトーンの核を担っているといえるでしょう。
代表的なのは「COMBAT Custom Guitar(テレキャスター+SG風オリジナルモデル)」で、これはテレキャスターの鋭さとSGのパワーを融合させたような独特のシェイプが特徴です。見た目だけでなく、シングルコイルとハムバッカーのバリエーションを切り替えられる仕様で、虎の多彩な音作りを支えています。
さらに、Combat Guitarsからは「TORA SIGNATURE MODEL 3 SINGLE」や「TORA SIGNATURE MODEL 2 HUMBUCKER」といった明確なシグネチャーモデルが存在し、楽曲ごとに歪みの質感やピッキングニュアンスを使い分けています。前者はシングルコイル特有のクリアさとカッティング向きのサウンドが魅力で、後者はハムバッカーによる分厚いリフワークに最適です。
また、Combat Guitars STRATOCASTER SHAPE WHITEも使用が確認されており、ストラトらしいバランスの良さと、やや煌びやかな高音域を活かしたフレーズで登場します。これらの多彩なCombat製ギターは、虎のステージごとのキャラクターを明確に色付けしているといえるでしょう。
一方で、ギブソン製のギターも頻繁に登場します。特に「Gibson Explorer」や「Gibson Explorer B-2 (Satin Ebony)」はライブでの存在感が大きく、鋭角的なシェイプとパワフルなサウンドで虎のロック的側面を強調しています。Explorer系のギターは、分厚い低音と攻撃的なトーンを得意としており、バンドのアグレッシブな楽曲では欠かせません。
さらに、アコースティックパートでは「TAKAMINE Acoustic Guitar」が使用されています。これはバラードやアンプラグド編成での演奏時に登場し、煌びやかで安定感のあるサウンドを提供しています。タカミネは国内外のプロに愛用されるブランドであり、ライブでの信頼性も抜群です。
このように、虎はシグネチャーのCombat Guitarsを主軸にしつつ、Explorerなどの王道ロックギターを曲ごとに切り替えて使用することで、アリス九號.の幅広い楽曲に対応しています。音作りだけでなくステージ映えも考慮されたギター選びであり、まさに虎の音楽性を象徴していると言えるでしょう。総合的に見れば、「楽曲のキャラクターに合わせて最適なギターを選び抜くスタイル」と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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COMBAT Custom Guitar(テレキャスター+SG風) | Combat Guitars | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | エレキギター | オリジナルモデル。テレキャスの切れ味+SGのパワーを融合 |
Combat Guitars TORA SIGNATURE MODEL 3 SINGLE | Combat Guitars | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | エレキギター | シングル仕様。カッティングやクリーントーン向き |
Combat Guitars TORA SIGNATURE MODEL 2 HUMBUCKER | Combat Guitars | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | エレキギター | ハムバッカー仕様。分厚いリフに最適 |
Combat Guitars STRATOCASTER SHAPE WHITE | Combat Guitars | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | エレキギター | ストラトシェイプ。煌びやかな高音域が特徴 |
Gibson Explorer | Gibson | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | エレキギター | 攻撃的なトーンとステージ映えするシェイプ |
Gibson Explorer B-2 (Satin Ebony) | Gibson | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | エレキギター | 漆黒の外観。モダンなルックスと低音の迫力 |
TAKAMINE Acoustic Guitar | Takamine | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | アコースティックギター | バラードやアンプラグド編成で使用 |
使用エフェクターとボード構成【アリス九號.・虎】
虎のエフェクターボードは、シンプルながらもライブでの実用性を重視した構成であることが確認されています。基本的にメインの歪みはアンプ(MESA/Boogie TRIPLE RECTIFIER)に依存していますが、トーンの微調整や楽曲ごとのキャラクター付けを行うために複数のペダルを併用しています。
まず重要なのが「MXR Micro Amp」です。これはシンプルなブースターで、ソロパートや楽曲の盛り上がり部分で音量を一段階持ち上げるために活用されます。虎のように重厚な歪みサウンドをメインにする場合、バンド全体の中でギターが埋もれてしまうこともありますが、このペダルを使用することで輪郭をはっきり浮かび上がらせることができます。
次に「Providence STAMPEDE OVERDRIVE」は、オーバードライブながらも自然な中域のプッシュと芯のあるトーンを特徴としています。これはアンプの歪みを補強したり、リフにパンチを与える用途で用いられていると考えられます。特にメタル寄りの曲ではハイゲインアンプにブーストをかけることで、虎特有の硬質で切れ味のあるリフが完成します。
また「Hughes & Kettner Tubeman」は真空管を搭載したプリアンプ系エフェクターで、ソロやスタジオワークで多用される傾向にあります。これを通すことで、アンプ直のサウンドよりもより温かみと奥行きのあるディストーションが得られるため、レコーディングでも重宝されていると推測されます。
さらに、ライブで特徴的なのが「Jim Dunlop DB01(Dimebag Darrellシグネチャーワウペダル)」です。これは故ダイムバッグ・ダレルのモデルとして有名で、激しいカッティングやソロでのアクセントとして虎も導入しています。ワウのレンジが広いため、虎のリードギターに表情をつける際に欠かせないペダルといえるでしょう。
このように、虎のエフェクターボードは決して多数のペダルを並べるものではなく、「必要最小限のエフェクターを的確に使う」スタイルです。アンプのキャラクターを生かしつつ、エフェクターは音量調整やトーン補正、そして一部楽曲での表情付けに活用されている、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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MXR Micro Amp | MXR | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | ブースター | ソロ時の音量アップやバンド内での存在感強調に使用 |
Providence STAMPEDE OVERDRIVE | Providence | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | オーバードライブ | アンプの歪みを補強し、リフやソロに芯を与える |
Hughes & Kettner Tubeman | Hughes & Kettner | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | プリアンプ/アンプシミュレーター | 真空管搭載プリアンプ。スタジオやレコーディングで活躍 |
Jim Dunlop DB01 | Jim Dunlop | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | ワウペダル | リードやカッティングで表情を付与。ダイムバッグモデル |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【アリス九號.・虎】
虎の音作りは、単にアンプやエフェクターの組み合わせだけではなく、EQバランスやミックス処理に強く依存しています。特にアリス九號.の楽曲は、リズム隊とシンセ、そしてボーカルが重厚に絡み合うため、ギターの帯域を適切にコントロールしなければ全体の中で埋もれてしまいます。虎はこの課題を解決するために、徹底した帯域整理を行っていると考えられます。
例えば、MESA/Boogie TRIPLE RECTIFIERを使用する際の基本設定は、ゲインを過度に上げすぎず、歪みの「密度」を重視しています。ベースは12時付近から少し下げ、中低域が膨らみすぎないように調整。ミドルはややブースト気味にすることで、虎特有の硬質なリフがバンド全体の中でしっかり存在感を発揮します。トレブルは曲ごとに調整されますが、ライブでは高めに設定して抜けを重視する傾向が見られます。
Roland JC-120を使用する際は、クリーントーンの透明感を最大限活かすために、ベースをややカットし、トレブルを強調するEQが選ばれやすいです。さらに、ステレオ・コーラスをオンにして空間的な広がりを演出することで、アリス九號.特有の幻想的なアレンジを再現しています。これは特に「ブループラネット」などの透明感あふれる楽曲で効果的に機能しています。
エフェクターに関しては、MXR Micro Ampを用いたブーストの際、EQはほぼアンプ設定そのままにし、ボリュームだけを押し上げる運用をしている可能性が高いです。Providence STAMPEDE OVERDRIVEでは、ミッドの押し出しをさらに強調し、リードフレーズやギターソロで前に出すサウンドを作り出します。特にツインギター編成でのギターソロでは、もう一人のギタリストと音が混ざり合うため、虎は中域を中心にした「抜ける帯域」を意識していると考えられます。
レコーディングにおいては、ダブルトラッキングが多用されています。リズムギターは左右にパンを広げ、異なるEQやマイキングを組み合わせることで立体的なサウンドを形成。例えば、片方はローを抑えてミドルを強調、もう片方はハイを強調することで、音の壁を作り出しています。また、ソロやリードパートでは、ややディレイやリバーブを加えて前後感を演出。ライブよりも奥行きを強調したサウンドメイクがなされていると推測されます。
ミックス面では、ギターのローエンドを過度に膨らませず、ベースギターとバスドラムに帯域を譲る工夫が施されています。その代わり、1.5kHz~3kHz付近のプレゼンス帯域を持ち上げることで、虎のピッキングニュアンスやリフのアタック感を際立たせています。この帯域処理が、彼のサウンドが「硬質で切れ味のある」と評される理由のひとつです。
ライブでは、PAエンジニアがアンプマイキングに加え、ライン出力を組み合わせてサウンドの輪郭を確保していると考えられます。特にMESA/BoogieはSM57やMD421といった定番マイクで拾われることが多く、ローを抑えてミドルを際立たせたセッティングでミックスされる傾向があります。これにより、重厚さを保ちながらも埋もれないギターサウンドが完成します。
総じて虎の音作りは、歪みの「量」ではなく「質」と「帯域整理」を重視した設計になっています。アンプやエフェクター単体の性能だけでなく、EQやミックスの工夫で他のパートとバランスを取りながらも、しっかりと存在感を主張するサウンドを築き上げている、と想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【アリス九號.・虎】
虎が使用しているCombat GuitarsやMESA/Boogie TRIPLE RECTIFIERは、プロ仕様の高価な機材が多く、初心者や中級者には手が届きにくいのが現実です。しかし、音作りのエッセンスを押さえれば、比較的安価な市販機材でも「虎サウンド」に近づけることは可能です。ここでは、1万円〜5万円程度で購入可能な再現性の高い機材を紹介します。
まず、アンプに関してはMESA/Boogie TRIPLE RECTIFIERの代替として「BOSS Katana-100 MkII」が非常におすすめです。内蔵のハイゲインチャンネルは、MESA系の分厚い歪みに近いキャラクターを持ち、さらにエフェクトやEQの自由度も高いため、虎の分厚いリフを再現するのに向いています。自宅練習からライブまで幅広く使える点も魅力です。
クリーントーンについては、Roland JC-120の代替として「Roland JC-22」を推奨します。JC-120の弟分で、ステレオコーラスや煌びやかなクリーンサウンドをそのまま引き継いでいるため、アリス九號.特有の透明感のあるサウンドを安価に体感できます。小型ながらライン出力を備えているため、レコーディングでも活躍可能です。
ギターについては、Combat GuitarsやGibson Explorerの代替として「Epiphone Explorer」や「YAMAHA PACIFICAシリーズ」を選ぶと良いでしょう。Epiphone Explorerは本家Gibsonよりもリーズナブルながら、十分にパワフルで攻撃的なトーンを持っており、虎のステージ映えする存在感を味わえます。一方、PACIFICAはシングル+ハムのSSH構成が多く、虎の多彩な楽曲に対応しやすい点が魅力です。
エフェクターでは、「MXR Micro Amp」の代替として「BOSS GE-7(グラフィックイコライザー)」を推奨します。単なるブーストだけでなく、ミドルを強調して虎らしい抜けの良いサウンドを作れる点が大きなメリットです。また、「Providence STAMPEDE OVERDRIVE」の代替としては「BOSS SD-1 Super OverDrive」が最適です。定番ながら中域の押し出しが強く、MESA系アンプと組み合わせれば非常に近いトーンを得られます。
さらに、虎がワウで使用しているJim Dunlop DB01の代替として「Jim Dunlop Cry Baby GCB95」を挙げられます。ワウの定番モデルであり、表現力は十分。派手なプレイで虎のリードの雰囲気を再現することが可能です。
これらの機材を組み合わせれば、総額10万円以下でも「虎サウンド」を再現可能です。大切なのは、高級機材の完コピを目指すよりも、「中域を強調した抜けのあるリフ」「透明感あるクリーン」「ワウでの表情付け」といった本質的な特徴を押さえることです。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
アンプ | BOSS Katana-100 MkII | BOSS | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | MESA系の分厚い歪みを安価に再現可能 |
アンプ | Roland JC-22 | Roland | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | JC-120の小型版。クリーンとコーラスが秀逸 |
ギター | Epiphone Explorer | Epiphone | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | 本家より安価で攻撃的なサウンドを再現 |
ギター | YAMAHA PACIFICA 612 | YAMAHA | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | SSH構成で多彩なサウンドをカバー可能 |
エフェクター | BOSS GE-7 | BOSS | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | ブースト兼EQ補正で抜けの良さを再現 |
エフェクター | BOSS SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | Providence系の中域ブーストを手軽に再現 |
エフェクター | Jim Dunlop Cry Baby GCB95 | Jim Dunlop | Amazonで探す | アリス九號. | 虎 | 定番ワウ。表情付けに最適 |
総括まとめ【アリス九號.・虎】

虎(Tora)のギターサウンドは、ヴィジュアル系ギタリストの中でも特に「硬質さ」と「透明感」のバランスが取れたスタイルとして高く評価されています。彼の音作りの根幹には、MESA/Boogie TRIPLE RECTIFIERの分厚いハイゲインと、Roland JC-120の煌びやかなクリーントーンという二極構成があります。これにCombat GuitarsのシグネチャーモデルやGibson Explorerを組み合わせることで、楽曲ごとのキャラクターを鮮やかに描き分けています。
また、エフェクターの使い方も特徴的です。ブースターやオーバードライブは「歪みの補正と芯の強化」に用いられ、ワウペダルは「楽曲の表情付け」に使われています。数多くのペダルを並べるのではなく、必要最小限の機材を的確に使いこなすことで、虎はステージ上で安定したサウンドを実現しています。これは、プロの現場で求められる「確実に再現できる音」を追求した結果といえるでしょう。
さらに重要なのが、EQとミックスの工夫です。虎の音は単独で聴くと決して過度に歪んでいるわけではありませんが、バンド全体に加わることで初めて「壁のような音圧」として成立します。中域をしっかり持ち上げたセッティングは、ボーカルやシンセの存在感を邪魔せず、かつリズム隊と溶け合う役割を果たしています。この「帯域整理」の発想こそが、彼のサウンドの本質です。
初心者や中級者が虎の音を再現したい場合、高価なシグネチャーモデルやフルスタックアンプがなくても、「中域を意識したEQ」「ブースターでの音量コントロール」「クリーンとハイゲインの二極切り替え」という要素を押さえることが重要です。比較的安価な機材でも、音作りの方向性を理解して調整すれば十分に「虎らしさ」を再現可能です。
総じて、虎の音作りは「豪快で重厚な歪み」と「繊細で透明感のあるクリーン」を自在に切り替え、バンドの世界観を支えることにあります。それは単なるギタリストの個性にとどまらず、アリス九號.全体の音楽性を形作る中核的な要素といえるでしょう。虎のサウンドを学ぶことは、単に機材を揃えることではなく、「曲全体の中でギターをどう響かせるか」という視点を身につけることでもあります。
アリス九號.をコピーしたい人はもちろん、自分のバンドで存在感のあるサウンドを作りたい人にとっても、虎の音作りは非常に参考になるはずです。機材の豪華さよりも、「音の本質」をどう捉えるか。それこそが虎サウンドの核心です。
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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸 ギター
COMBAT Custom Guitar(テレキャスター+SG風オリジナルモデル)
Combat Guitars TORA SIGNATURE MODEL 3 SINGLE
Combat Guitars TORA SIGNATURE MODEL 2 HUMBUCKER
Combat Guitars STRATOCASTER SHAPE WHITE
Gibson Explorer
Gibson Explorer B-2 (Satin Ebony)
TAKAMINE Acoustic Guitar
🔊 アンプ
MESA BOOGIE TRIPLE RECTIFIER(150Wハイゲインアンプヘッド)
Roland JC-120(Jazz Chorus、クリーンサウンド定番)
🎚️ エフェクター
MXR Micro Amp(ブースター)
Providence STAMPEDE OVERDRIVE(オーバードライブ)
HUGHES & KETTNER Tubeman(真空管プリアンプ/歪み)
Jim Dunlop DB01(Dimebag Darrell シグネチャーワウペダル)
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