始めに(特徴紹介)
Aerosmith(エアロスミス)の看板ギタリスト、Joe Perry(ジョー・ペリー)は、70年代から現在に至るまで、独自のブルース・ロックを基盤としたサウンドで世界中のロックファンを魅了してきました。
彼の音作りの特徴は「荒々しい中にある艶やかさ」と「リフの存在感」です。特に「Walk This Way」や「Sweet Emotion」などでは、シンプルなフレーズに圧倒的なグルーヴと歪みのニュアンスを加えることで、唯一無二のギターサウンドを生み出しています。
また、スライドギターの巧みさでも知られ、Ampeg Dan ArmstrongやSupro Ozarkといった個性的なギターを使ったスライドプレイは、Aerosmithのサウンドにブルース色を強く反映させています。ライブではMarshallやHiwattといった王道アンプを中心に、複数のアンプを同時に鳴らす“マルチアンプ構成”を用いることで、分厚く立体的な音像を作り出している点も特徴的です。
エフェクターに関しては、Klon CentaurやIbanez TS9を駆使して、ミッドレンジに芯を持たせたドライブサウンドを形成。ワウやディレイを巧みに使い分けることで、曲ごとに表情豊かな音色を作り分けています。
Joe Perryのサウンドが注目されるのは、決して派手なテクニックだけでなく、「音色そのものに語らせる」スタイルにあります。機材選びからプレイスタイルまで、彼のセンスはAerosmithの骨太なグルーヴを支えているのです。
以下では、Joe Perryが実際に使用してきたアンプ・ギター・エフェクターを詳しく解説し、さらに彼の音作りの再現方法についてもまとめていきます。
使用アンプ一覧と特徴【Aerosmith・Joe Perry】
Joe Perry(ジョー・ペリー)がAerosmithで使用してきたアンプは、ロックギタリストの王道とも言えるMarshallを中心に、FenderやHiwatt、Ampegといった個性的な機材を組み合わせた“マルチアンプ構成”が特徴です。
特にMarshall JCM800は、彼の80年代以降のハイゲインサウンドを支える中心的存在です。荒削りでありながらもミッドレンジが強調されたこのアンプは、Aerosmithのハードロック的な要素を力強く表現する上で欠かせません。
また、Marshall Plexi 1959やMarshall Major 200Wなど、60〜70年代の名機も併用され、クラシックロック的な厚みをステージ上で再現。バックアップとしてはMarshall JTM-45 reissueも用いられ、ヴィンテージライクなクランチトーンを鳴らしています。
一方で、ブルージーなトーンやクリーン寄りのサウンドを求める際にはFender VibroverbやVibroluxなどのコンボアンプを組み合わせ、温かみのあるクランチを形成。さらに、70年代の録音ではAmpeg V-2やAmpeg V-4が使用された記録があり、これらのアンプは「Walk This Way」や「Sweet Emotion」のトーンに深く関わっています。
近年では、より多彩な音色をステージ上で再現するために、EVH 5150コンボやDave Friedman Dirty Shirleyなども導入されています。また、Joe Perry専用に設計されたMorris “Mo-Joe” カスタムアンプは、彼のニーズに合わせた独自仕様で、ライブでも確認されています。
さらに、トークボックスを駆動する専用アンプとしてJet City JCA20Hを使用するなど、特定の楽曲に応じて役割を明確に分担させたアンプセッティングを行っている点もユニークです。サウンドエンジニアがライブごとに複数のマイキングを駆使することで、Joe Perry特有の立体的で存在感のある音像が構築されていると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Marshall JCM800 | Marshall | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | 80年代以降のハイゲインサウンドの中心 |
Marshall Plexi 1959 | Marshall | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | クラシックロック的な厚みを生む代表アンプ |
Marshall Major 200W | Marshall | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | 大出力ステージ用、70年代ツアーで確認 |
Fender Vibroverb/Vibrolux/Deluxe | Fender | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | 温かみあるクリーントーン、ブルージーなサウンドに |
Ampeg V-2 | Ampeg | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | 「Walk This Way」の録音で使用されたと言われる |
Ampeg V-4 | Ampeg | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | 70年代ライブセットアップの一角 |
EVH 5150 コンボ | EVH | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | 近年のライブで補助的に導入 |
Dave Friedman Dirty Shirley | Friedman | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | 5881管仕様、クラシカルな歪みが特徴 |
Morris “Mo-Joe” カスタム | Morris Amps | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | Joe Perry専用に設計された独自アンプ |
Jet City JCA20H | Jet City | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | トークボックス専用駆動用アンプとして活用 |
使用ギターの種類と特徴【Aerosmith・Joe Perry】
Joe Perry(ジョー・ペリー)の魅力を語る上で、ギターコレクションは外せません。彼は定番のレスポールから個性的な改造ギターまで幅広く使い分け、その楽曲ごとに最適なトーンを選び出してきました。
代表的な一本はGibson Joe Perry Signature “Boneyard” Les Paul。グリーンタイガー柄で、Bigsbyを搭載した個体も存在し、ライブでの登場頻度が高いシグネチャーモデルです。また、90年代には初代シグネチャーであるGibson Joe Perry “Translucent Blackburst”を使用し、ミッドブースト回路内蔵の独自仕様で当時のヘヴィなサウンドを形成していました。
さらに彼の象徴的存在とされるのが、妻の名前を冠した白いGibson B.B. King “Lucille”改(Billie)です。ルシールをベースに独自の改造を施し、ステージでも長年愛用されています。このモデルはJoe Perryのアイデンティティを体現する一本と言えるでしょう。
個性的な選択としては、透明アクリルボディのAmpeg Dan Armstrongが挙げられます。オープンAやスライド専用機として活躍し、スモーキーなトーンを聴かせます。また、10弦仕様のB.C. Rich Bich “Ruby Slipper”は「Livin’ on the Edge」で使用され、その分厚いサウンドを支えています。
Gretsch系も複数登場し、Duo Jet ’57は「Dude (Looks Like a Lady)」で、またWhite FalconはFred Gretsch Jr.から贈呈され、煌びやかなトーンを実現。さらに、初期にはGibson Les Paul Junior(P-90搭載)を使い「Walk This Way」のリズムギターを支えました。
近年はカスタムショップ製のFender Stratocaster(Burnt Strat含む)やTelecaster群(B-Bender搭載)、さらにはヴィンテージのSupro Ozarkをスライド専用機として投入。Echopark製の個性派モデル(Ghetto Bird、Blue Roseなど)もライブとレコーディング両方で確認されています。
このようにJoe Perryは、伝統的なギブソン系のサウンドと、個性的で実験的なギターを組み合わせることで、独自のトーンを生み出してきました。曲ごとに最適なギターを選び抜く姿勢は、サウンドの多彩さを生み出す要因と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Gibson Joe Perry Signature “Boneyard” Les Paul | Gibson | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エレキギター | グリーンタイガー柄、Bigsby付き個体あり、現場常用 |
Gibson Joe Perry “Translucent Blackburst” | Gibson | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エレキギター | 90年代のシグネチャー、ミッドブースト回路搭載 |
Gibson B.B. King “Lucille”改 “Billie” | Gibson | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | セミアコ | 妻Billieの名を冠した白い改造モデル |
Ampeg Dan Armstrong | Ampeg | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エレキギター | ルーサイト製、スライドやオープンチューニング用 |
B.C. Rich Bich 10-string “Ruby Slipper” | B.C. Rich | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | 10弦ギター | 「Livin’ on the Edge」で使用 |
Gretsch Duo Jet ’57 | Gretsch | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エレキギター | 「Dude (Looks Like a Lady)」で使用 |
Gretsch White Falcon | Gretsch | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エレキギター | Fred Gretsch Jr.から贈呈 |
Gibson Les Paul Junior(P-90) | Gibson | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エレキギター | 「Walk This Way」のリズムギターで使用 |
Fender Custom Shop Stratocaster(Burnt Strat含む) | Fender | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エレキギター | ライブ現場用のメインストラト群 |
Fender Custom Shop Telecaster(B-Bender搭載含む) | Fender | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エレキギター | 特殊チューニング用に複数本運用 |
Supro Ozark | Supro | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エレキギター | 1950年代製、スライド専用機として明言 |
Chandler RH-2 Lap Steel | Chandler | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | ラップスティール | 「Rag Doll」で使用、Open-Eチューニング |
Echopark Ghetto Bird / Blue Rose / South Sider | Echopark | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エレキギター | スタジオ・ライブ両方で確認された個性派 |
Fender Jeff Beck Esquire / ’52 Tele系 | Fender | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エレキギター | 特殊チューニング用、曲ごとに使い分け |
Gibson Chet Atkins | Gibson | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エレアコ | 「Janie’s Got A Gun」で使用 |
使用エフェクターとボード構成【Aerosmith・Joe Perry】
Joe Perry(ジョー・ペリー)のペダルボードは、シンプルながらもロックギタリストらしい「ブースト+ワウ+ディレイ」を軸に構築されています。特にドライブ系では、Ibanez TS9 Tube ScreamerやKlon Centaur/KTRを愛用し、歪みのキャラクターを自在にコントロール。TS9はほぼ常時オンでミッドレンジを押し出し、Centaurはソロ時にゲインの芯を加える役割を果たしています。
さらに、Boss BD-2 Blues Driverを組み合わせたゲイン・スタッキングも確認されており、楽曲によってはブルージーで荒々しい歪みを強調します。加えて、MXR Micro Boost(Micro Amp)やStrymon Compadreを利用し、シーンに応じた音量調整やコンプレッションを行うなど、ライブでの実用性が高い構成が特徴です。
空間系は、TC Electronic Flashback DelayやHall of Fame Reverbを長年固定的に使用。さらに、MXR Carbon CopyやElectro-Harmonix Deluxe Memory Manといったアナログディレイも併用し、ソロやリードフレーズに厚みを持たせています。スラップバックディレイ的な使い方も多く、ブルース色の強いJoe Perryのトーンにフィットしています。
モジュレーション系としては、TC Electronic Vortex Flangerを薄くかけるセッティングが知られ、全体の音像に広がりを与えています。また、Dunlop JH-1/JH-1B Wahによるワウプレイはライブで頻繁に見られ、代表曲「Sweet Emotion」などのソロに欠かせません。
特殊効果としては、DigiTech Whammyを導入し、遠隔コントローラーでの操作も確認されています。さらに、ヴィンテージトーンを補うためにSoloDallas Schaffer Replicaを導入し、アンプ前段のブースト/プリアンプとして活用。ラックシステムのコントロールにはRJM Music MastermindやBradshaw系スイッチャー、ヘッド切替にはRadial Headboneが組み込まれており、ステージ上での自由度を確保しています。
全体的にJoe Perryのエフェクターボードは、基本はシンプルですが、必要に応じて多彩なペダルを加えて「シーンごとにトーンを切り替える」柔軟性を備えています。彼の荒々しいブルース・ロックトーンは、こうした堅実なペダル選びと使い分けによって支えられていると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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Ibanez TS9 Tube Screamer | Ibanez | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | オーバードライブ | 常時ONに近く、ミッド強調の要 |
Klon Centaur / KTR | Klon | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | オーバードライブ | ソロ時のゲイン強化、核となるブースト |
Boss BD-2 Blues Driver | BOSS | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | オーバードライブ | ブルース感のある歪みを追加 |
MXR Micro Boost (Micro Amp) | MXR | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | ブースター | ソロ時の音量・ゲイン補強 |
Strymon Compadre | Strymon | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | コンプレッサー | コンプ+ブースト機能で安定感を追加 |
Origin Effects RevivalDrive | Origin Effects | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | プリアンプ/アンプシミュレーター | プリアンプ的ドライブとして導入 |
Fulltone Tape Echo (TTE) | Fulltone | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | エコー | テープエコー系、ヴィンテージ感を追加 |
TC Electronic Flashback Delay | TC Electronic | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | ディレイ | 長年固定、メインディレイ |
TC Electronic Hall of Fame Reverb | TC Electronic | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | リバーブ | ライブで必須の空間系 |
TC Electronic Vortex Flanger | TC Electronic | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | フランジャー | 薄く質感を付けるために使用 |
MXR Carbon Copy | MXR | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | ディレイ | アナログディレイ、厚み付けに使用 |
Electro-Harmonix Deluxe Memory Man | Electro-Harmonix | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | ディレイ | スラップバックやソロで使用 |
Dunlop JH-1/JH-1B Wah | Dunlop | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | ワウペダル | 現場ボードに常設、ソロで多用 |
DigiTech Whammy | DigiTech | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | ピッチシフター | 遠隔コントローラ併用で使用 |
SoloDallas Schaffer Replica | SoloDallas | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | ブースター | ヴィンテージトーン補完、アンプ前段に使用 |
RJM Music Mastermind | RJM Music | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | スイッチングシステム | ラック&フロアの統合コントローラ |
Bradshaw RS-10系 | Bradshaw | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | スイッチングシステム | プロ仕様のボード管理 |
Radial Headbone | Radial | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | ジャンクションボックス | アンプヘッドの切替専用 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Aerosmith・Joe Perry】
Joe Perry(ジョー・ペリー)の音作りは、単にギターやアンプの組み合わせだけでなく、セッティングやEQ、さらにはPAやスタジオでのミックス処理が大きく影響しています。Aerosmithの楽曲は70年代から現在まで幅広いサウンド変遷がありますが、その中心にあるのは「ミッドレンジを強調し、リフを前面に押し出す」設計です。
アンプセッティングでは、Marshall JCM800やPlexi系を使用する際、ゲインはフルにせず6〜7程度に抑え、代わりにブースター(TS9やKlon Centaur)でミッドを押し出すのが基本。これにより荒々しさを保ちながらも、ソロ時には音が前に抜けてくるバランスを実現しています。トーンコントロールはトレブルをやや上げ(6〜7)、ベースは控えめ(4程度)、プレゼンスを加えることでステージ上でも抜けのある音色が得られると想定されます。
一方、Fender VibroverbやDeluxeなどのクリーン系アンプを使う場合は、クランチの入り口ギリギリで使うのがJoe Perry流。ピッキングの強弱に応じて歪み方が変わり、ブルース的ニュアンスが色濃く出ます。この際、コンプレッサー(Strymon Compadreなど)を軽くかけることで、サステインと音量の安定感を確保していると考えられます。
スライドギターに関しては、Ampeg Dan ArmstrongやSupro Ozarkをオープンチューニング(主にOpen-AやOpen-E)で使用し、EQはローを削り気味にして濁りを回避。中高域を前に出すことで、スライド特有の粘っこい音がミックスでも埋もれずに響きます。
空間系のセッティングでは、MXR Carbon CopyやDeluxe Memory Manを用いたスラップバックディレイ(ディレイタイム100〜150ms、リピート1〜2回)が頻出。これによりリズム感がタイトになり、ブルースロックのグルーヴが強調されます。リードソロでは、Flashback Delayを400ms前後に設定し、リバーブ(Hall of Fame)を軽くかけることで立体感を加えています。
ワウペダル(Dunlop JH-1B)は、EQ的な使い方が中心で、特定の周波数帯を強調してフィルター効果を狙うことが多いです。「Sweet Emotion」や「Draw the Line」などでは、踏み込み具合でトーンをコントロールし、バッキングからリードまで表情を付けています。
スタジオミックスにおいては、Joe Perryのギターは左右に広げず、中央付近に配置されるケースが多い傾向があります。Steven Tylerのボーカルとの掛け合いを重視し、ギターはあえてセンター寄りに厚みを持たせ、リズムギターとリードを重ねる際にはEQで帯域を分けています。例えばリズムギターは250Hz〜400Hzを軽く削り、リードは2kHz〜4kHzをブーストするなど、周波数分離が徹底されています。
また、ライブミックスではRadial Headboneを活用したアンプ切替によって、Marshall系とFender系のトーンを瞬時に切り替え。これをPAで複数マイキング(SM57+リボンマイクなど)してブレンドし、厚みと立体感を両立しています。特に大規模アリーナでは、低域をPAで補強し、ステージ上のアンプサウンドをミッド重視に仕上げることで全体のバランスを整えていると推測されます。
総じてJoe Perryの音作りは、エフェクターに頼り切らず、アンプとギター本来のキャラクターを前に出す方向性です。EQやミックスの工夫によって「太くて抜ける」サウンドを実現している点こそが、彼の音作りの本質であると想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【Aerosmith・Joe Perry】
Joe Perry(ジョー・ペリー)の音作りは、ヴィンテージのギブソンやマーシャルなど高額な機材が中心ですが、実は初心者や中級者でも比較的安価にそのサウンドを再現することが可能です。ここでは5万円前後を目安に、手に入りやすい代替機材を紹介し、それぞれどのようにJoe Perryのサウンドに近づけられるかを解説します。
まずドライブ系の要となるのは、Ibanez TS9 Tube Screamerの代替としてBOSS SD-1 Super OverDriveです。SD-1は中域を持ち上げる特性を持ち、Marshallアンプと組み合わせることでPerryのような芯のあるクランチを作り出せます。さらにソロの抜け感を求めるなら、近年注目されているJHS Bonsaiなども選択肢になります。
また、伝説的なKlon Centaurは入手困難ですが、その代替としてはElectro-Harmonix Soul Foodが最も有名です。安価ながらもKlon系のブースト特性を持ち、Joe Perryが得意とする「音の押し出し感」を再現可能です。
空間系では、MXR Carbon Copyの代わりにBOSS DD-8 Digital DelayやNUX Analog Delayが手頃で効果的。短めのディレイタイムでセッティングすれば、スラップバックやソロの厚みを簡単に再現できます。リバーブに関してはBOSS RV-6が万能で、Hall of Fame Reverbの代替として十分活躍できます。
アンプに関しては、本物のMarshall PlexiやJCM800は高額ですが、安価に近づけるならMarshall DSL20CRやBOSS Katanaシリーズがおすすめです。特にKatanaは自宅練習からライブまで対応でき、TS系のペダルと組み合わせることでJoe Perryらしいロックトーンを得やすいです。
ギターに関しても、レスポールの高額モデルでなくとも、Epiphone Les Paul StandardやEpiphone Les Paul Juniorはコストパフォーマンスに優れています。シンプルなP-90搭載モデルを選べば「Walk This Way」のようなザクザクリフを再現可能です。また、スライド専用にするなら、安価なGretsch Electromatic Duo JetやEpiphone Casino Coupeなども選択肢になります。
こうした代替機材を組み合わせることで、Joe Perryの本質的なサウンドである「ミッドに芯のある歪み」「ブルースロック的なグルーヴ」「スライドでの存在感」を、比較的低予算で再現できると考えられます。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
オーバードライブ | BOSS SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | TS9の代替に最適、中域強調でPerry的なクランチを再現 |
オーバードライブ | Electro-Harmonix Soul Food | Electro-Harmonix | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | Klon Centaur系のサウンドを安価に再現 |
ディレイ | BOSS DD-8 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | スラップバックやリード用のディレイ再現に有効 |
リバーブ | BOSS RV-6 Reverb | BOSS | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | Hall of Fameの代替として万能 |
アンプ | Marshall DSL20CR | Marshall | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | JCM800系のサウンドを低価格で再現可能 |
アンプ | BOSS Katana 50 MkII | BOSS | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | 自宅からライブまで対応可能、エフェクト内蔵で万能 |
ギター | Epiphone Les Paul Standard | Epiphone | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | 本家レスポールの雰囲気を安価に再現 |
ギター | Epiphone Les Paul Junior (P-90搭載) | Epiphone | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | 「Walk This Way」のリズムトーンを再現可能 |
ギター | Gretsch Electromatic Duo Jet | Gretsch | Amazonで探す | Aerosmith | Joe Perry | Duo Jet ’57の代替として手頃で実用的 |
総括まとめ【Aerosmith・Joe Perry】

Joe Perry(ジョー・ペリー)の音作りを振り返ると、その本質は「ブルースを基盤としたロックの荒々しさ」と「多彩な機材選びによる表現力」に集約されます。ギブソンのレスポールやセミアコ、フェンダーのストラトやテレキャスター、さらには個性的なAmpeg Dan ArmstrongやEchoparkなど、時代ごとに異なるギターを駆使しながら、彼は常に楽曲に最適なサウンドを追求してきました。
アンプに関しては、Marshallを中心にFenderやAmpegなどを組み合わせたマルチアンプ構成を多用。これにより「分厚く」「抜ける」サウンドを同時に実現し、ステージでもスタジオでもJoe Perry特有の存在感を発揮しています。エフェクターは決して派手に多用するわけではなく、TS9やKlonなどのブースターを軸に据え、必要に応じてワウやディレイを加えるシンプルかつ効果的な構成です。
そのサウンドの特徴は、単なる歪みの強弱ではなく「どの帯域を押し出すか」というEQやミックスの工夫に表れています。リフでは中域を強調し、ソロでは高域を伸ばすことで、曲全体におけるギターの役割を明確に分けています。さらにスライドギターや特殊チューニングを積極的に取り入れることで、同じブルースロックの枠組みの中に多彩なニュアンスを生み出しているのもJoe Perryらしさです。
読者がJoe Perryの音を再現する際に重要なのは、高額な機材そのものを揃えることではなく、彼が持つ「選び方の哲学」を理解することです。つまり、アンプの荒々しさをブースターで整える、ブルース的なフィーリングを前面に出す、スライドや空間系をシーンごとに的確に配置する。この考え方を軸にすれば、手持ちの機材でも十分にJoe Perry的なサウンドに近づけることが可能です。
Aerosmithは今なお世界を代表するロックバンドであり、その中心に立つJoe Perryのギターサウンドは、世代を超えてロックギタリストに影響を与え続けています。彼の音作りを理解することは、単に機材を学ぶだけでなく、ロックギターの真髄に触れることでもあるのです。
もしあなたが自宅で練習しているギタリストでも、ライブでバンドを支えるプレイヤーでも、Joe Perryの音作りから学べることは多くあります。荒削りでありながら計算され、シンプルながら深みのあるトーン。それが「Aerosmithの心臓部」として、半世紀以上ロックを鳴らし続けてきたJoe Perryのギターサウンドなのです。
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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸ギター
• Gibson Joe Perry Signature “Boneyard” Les Paul(Green Tiger/一部個体はBigsby搭載)— シグネチャー、現場常用。
• Gibson Joe Perry “Translucent Blackburst”(1996–97頃の初代シグネチャー)— ミッドブースト内蔵。
• Gibson B.B. King “Lucille” 改(愛称 “Billie”/白、妻Billieのグラフィック)— 代表機。
• Ampeg Dan Armstrong(ルーサイト)— オープンAやスライドで多用。
• B.C. Rich Bich 10-string(“Ruby Slipper”)— 10弦、“Livin’ on the Edge”など。
• Gretsch Duo Jet ’57(“Dude (Looks Like a Lady)”などで使用。
• Gretsch White Falcon(Fred Gretsch Jr.から贈呈)
• Gibson Les Paul Junior(ダブルカット/P-90)— “Walk This Way”のリズムで使用。
• Fender Custom Shop Stratocaster(“burnt Strat”含む近年の現場ギター)
• Fender Custom Shop Telecaster群(B-Bender搭載個体含む)
• Supro Ozark(’50s)— スライド専用機として明言。
• Chandler RH-2 Lap Steel(“Rag Doll”で使用/Open-E)
• Echopark Ghetto Bird(P-90+HB配列)/Blue Rose/South Sider などEchopark各種 — 現場・スタジオで導入。
• Fender Jeff Beck Esquire/’52 Tele系(曲ごとに特殊チューニング指定個体)
• Gibson Chet Atkins(エレアコ・ソリッド、曲“Janie’s Got A Gun”仕様)
🔊アンプ
• Marshall JCM800(ハイゲインの要)
• Ampeg V-4(ライブのマルチアンプ構成に含む)
• Hiwatt Custom 50(Joe用25Wカスタムも)
• Fenderコンボ各種(Vibroverb/Vibrolux/Deluxe “non-reverb”)— クリーン~クランチの柱。
• Suproコンボ(古い個体をステージで併用)
• EVH 5150 コンボ(近年の増強用)
• Ampeg V-2(“Walk This Way”録音で使用)
• Marshall Plexi 1959(’69-’70個体など。常用ヘッド)
• Marshall Major 200W(ステージの一角)
• Marshall JTM-45 reissue(バックアップ含め複数台)
• Dave Friedman “Dirty Shirley/Dirty Sheila”系ヘッド(5881管、15”と組み合わせ)
• Morris “Mo-Joe” カスタム(Joe向け仕様のヘッド)
• Budda Verbmaster 1×12” 80W(ツアーで使用歴)
• Jet City JCA20H(トークボックス駆動用に愛用)※単独ソース寄り
🎛️エフェクター/ユーティリティ
• Ibanez TS9 Tube Screamer(常時ONに近い使い方)
• Klon Centaur/KTR(ゲインの核)
• Boss BD-2 Blues Driver(ゲイン・スタッキング)
• MXR Micro Boost(=Micro Amp系、ブースト要員)
• Strymon Compadre(コンプ/ブースト)
• Origin Effects RevivalDrive(プリアンプ的ドライブ)
• Fulltone Tape Echo(テープ系エコー:TTE系)
• TC Electronic Flashback Delay/Hall of Fame Reverb(長年固定)
• TC Electronic Vortex Flanger(薄く質感付け)
• MXR Carbon Copy(アナログ・ディレイ)
• Electro-Harmonix Deluxe Memory Man(ソロ/スラップ用でも言及)
• Dunlop JH-1/JH-1B Wah(現場ボードの記録)
• DigiTech Whammy(各所で遠隔コントローラ併用)
• SoloDallas Schaffer Replica(プレアンプ/ブースト)
• RJM Music Mastermind(ラック&床置きのコントローラ)
• Bradshaw系スイッチャー(RS-10等)/Radial Headbone(ヘッド切替)
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