【Angus Young】AC/DC風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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始めに(特徴紹介)

AC/DCのリードギタリストであるAngus Young(アンガス・ヤング)は、ロック史において最もアイコニックな存在のひとりです。小柄な体格にスクールボーイ姿でSGを抱え、ステージを縦横無尽に駆け回る姿は、ファンに強烈な印象を残してきました。

彼のサウンドは、Marshallアンプをクリーン〜クランチで鳴らし、ギターとピッキングだけでダイナミクスを操るシンプルかつ強力なものです。代表曲「Highway to Hell」「Back in Black」「Thunderstruck」における彼の音は、余計な歪みやエフェクトを排し、ストレートでパンチのあるクランチサウンドに支えられています。

また、アンガスは弦を太めに張ることでタイトなレスポンスを得ており、独特のクランチ感を生み出しています。バッキングではリズムのキレを活かし、リードでは力強さと歌心を両立させるプレイが特徴です。

その音作りの本質は「余計な要素を削ぎ落とすこと」。アンガス・ヤングのサウンドは、ギター・アンプ・ピッキングという3要素の絶妙なバランスで成立しています。

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使用アンプ一覧と特徴【AC/DC・Angus Young】

アンガス・ヤングのサウンドの核を担うのは、Marshallアンプです。特に1970年代から現在に至るまで「Marshall 1959 Super Lead 100W」をメインに使用しており、その爆音によるクランチサウンドがAC/DCの代名詞となっています。100Wヘッドをステージで全開にし、ピッキングの強弱だけでクリーンからクランチまでを操るのが彼のスタイルです。

レコーディングでは「Marshall JMP50」や「JTM45」を使用しているとされ、より低出力で飽和感のあるサウンドを収録しています。また、近年は小型リイシューモデルとして「Marshall Studioシリーズ(ST20、SV20)」や「Marshall Originシリーズ」も推定使用候補として挙げられており、自宅や小規模スタジオでの再現にも向いているとされます。

さらに、プリアンプ「Marshall JMP-1」や、ステレオ・パワーアンプ「Marshall EL34 100/100」を用いたラックシステムが導入された時期もあり、ライブ環境や会場規模に応じて複数のMarshallを使い分けてきたと考えられます。

このようにアンガスのアンプ選びは常にMarshall一筋で、音色の太さとキレを両立するために用途に応じたモデルを採用してきた、と想定されます。

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Marshall 1959 Super Lead 100WMarshallAmazonで探すAC/DCAngus Youngメインアンプ。ライブで爆音クランチを支える存在。
Marshall JMP50MarshallAmazonで探すAC/DCAngus Youngレコーディング用。低出力で飽和感のあるサウンド。
Marshall JTM45MarshallAmazonで探すAC/DCAngus Youngレコーディングで使用。ブルース寄りの温かみ。
Marshall ST20 Studio JTMMarshallAmazonで探すAC/DCAngus Young小型リイシュー。自宅練習や小規模向け。
Marshall SV20 Studio VintageMarshallAmazonで探すAC/DCAngus Young1959SLPの20W版。小音量でも再現可能。
Marshall OriginシリーズMarshallAmazonで探すAC/DCAngus Youngチルトコントロール搭載。モダンな再現性。
Marshall JMP-1MarshallAmazonで探すAC/DCAngus Youngプリアンプ。ラックシステムでの使用例あり。
Marshall EL34 100/100MarshallAmazonで探すAC/DCAngus Young100W+100Wステレオ・パワーアンプ。

使用ギターの種類と特徴【AC/DC・Angus Young】

a green electric guitar in a case on a table

アンガス・ヤングといえば「Gibson SG」のイメージが強烈です。1967〜1969年製を中心に愛用しており、軽量で小ぶりなボディ、そしてミディアムスケールによる弾きやすさが彼の小柄な体格(身長157cm)にフィットしています。その結果、ステージ上での激しいアクションにも耐え、音の太さとレスポンスの良さを両立させています。

特に「Gibson SG Standard ’61」は彼の象徴的モデルのひとつで、クラシックなPAF系ピックアップを搭載し、クランチサウンドに最適なトーンを奏でます。また、廉価版の「Epiphone SG Standard」も登場しており、60年代後期仕様のラージピックガードデザインを備え、SGらしいルックスとサウンドを手軽に楽しめるモデルとして人気です。

さらにピックアップ面では「Seymour Duncan High Voltage HB」が注目されます。これはAC/DCの1stアルバム『High Voltage』にちなんで名付けられたモデルで、Alnico II マグネットを採用し、PAF系に近い低出力設計。アンガス特有の「太く、しかし歪みすぎない」クランチを実現するうえで最適な仕様です。

弦についても特徴的で、太めのゲージを使用することでタイトなレスポンスを確保し、強烈なピッキングでも音が潰れずに芯を保つことが可能です。この組み合わせにより、シンプルながら強靭なロックサウンドを支え続けている、と想定されます。

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Gibson SG(1967〜1969年製)GibsonAmazonで探すAC/DCAngus Youngソリッドメイン使用機。小柄な体格にフィットし、クラシックなロックトーンを実現。
Gibson SG Standard ’61GibsonAmazonで探すAC/DCAngus YoungソリッドPAF系ピックアップ搭載。クランチに最適。
Epiphone SG Standard(60年代後期仕様)EpiphoneAmazonで探すAC/DCAngus Youngソリッドラージピックガード仕様。廉価でSGの雰囲気を楽しめる。
Seymour Duncan High Voltage HBSeymour DuncanAmazonで探すAC/DCAngus YoungハムバッカーPU低出力設計でPAF系サウンドに近く、アンガス特有のクランチに最適。

使用エフェクターとボード構成【AC/DC・Angus Young】

アンガス・ヤングのエフェクター事情は非常にシンプルで、基本的にはアンプ直結に近い構成です。AC/DCの楽曲の多くは「Marshallアンプのクランチサウンド」と「ギター本体の操作」のみで成立しており、過度に歪ませるのではなく、ギターとピッキングのニュアンスを忠実に反映させています。

その中で特筆すべきは「Schaffer-Vega Diversity System」です。本来はワイヤレスシステムですが、アンガスのサウンドにとってはコンプレッションとサチュレーションを加える重要な役割を果たしており、事実上の“隠れたブースター”として機能していました。代表曲「Back in Black」「Highway to Hell」の迫力あるサウンドには、この機材の影響が色濃く表れています。

また、モジュレーション系では「MXR Phase 90」を使用。リードプレイにほんのりとした揺らぎを加え、楽曲「Let There Be Rock」や「Riff Raff」でその効果を確認できます。ごくシンプルながらもライブの勢いを増すアクセントとして機能していました。

その他、推定では「T-Rex Overdrive」を補助的に使用した記録もあり、クランチサウンドに厚みを持たせるための選択肢として用いられたと考えられます。ただし、基本的な歪みはMarshallアンプから得ているため、あくまで補助的なポジションでした。

このように、アンガスのペダルボードは決して複雑ではなく、「ワイヤレス+軽いモジュレーション+ブースト的要素」という構成に留まり、ロックンロールにおけるシンプルな美学を体現している、と想定されます。

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Schaffer-Vega Diversity SystemKen SchafferAmazonで探すAC/DCAngus Youngブースター / コンプレッサーワイヤレス兼ブースター効果。サチュレーションが特徴。
MXR Phase 90MXRAmazonで探すAC/DCAngus Youngフェイザー「Let There Be Rock」「Riff Raff」で使用。
T-Rex OverdriveT-RexAmazonで探すAC/DCAngus Youngオーバードライブアンプのクランチを補う場面で使用されたとされる。

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【AC/DC・Angus Young】

red and white electric guitar

アンガス・ヤングの音作りは、一見すると「シンプルにMarshall直結」で片付けられがちですが、その裏には徹底したニュアンスコントロールとエンジニアリング的工夫があります。大きな特徴は「アンプの歪みに頼らず、ピッキングとギターのボリューム操作でダイナミクスを作る」点にあります。つまり、同じセッティングでもクリーンからクランチ、リードまでを右手の強弱でコントロールしているのです。

代表的なセッティングの一例として、Marshall 1959 Super Lead 100Wを使用する際は、ボリュームを7〜8程度に設定し、自然なパワー管の歪みを得ています。EQは以下のような傾向が確認されています:

  • Bass:3〜4(低域は控えめにし、タイトさを確保)
  • Middle:6〜7(中域をしっかり持ち上げ、ギターの存在感を前に)
  • Treble:6〜7(アタック感を強調するが刺々しくならない範囲)
  • Presence:5〜6(ライブで抜けやすく調整)

このEQバランスは「バンドアンサンブルで埋もれず、かつ耳に痛くないサウンド」を実現しています。特にAC/DCの2ギター編成では、リズム担当のマルコム・ヤングとの住み分けが重要で、アンガスはより高域と中域に寄せたセッティングで抜けの良さを追求しています。

楽曲ごとに見ると、「Back in Black」ではややミドルを強調し、リードラインを前に出す設定に寄せています。一方で「Highway to Hell」ではリズムのタイトさを重視し、ローを抑えたセッティングが多いとされます。また、「Thunderstruck」のようなライトハンド主体の楽曲では、ピッキングニュアンスを最大限に拾えるようゲインを抑えめにし、音の粒立ちを際立たせています。

レコーディングにおいては、アンプの爆音をキャプチャーするために「Shure SM57」と「Neumann U67」を組み合わせたマイキングが多く用いられているとされます。SM57でスピーカーの芯を捉え、U67で空気感と倍音を収録することで、アルバム全体の力強さと奥行きを実現しているのです。

ミックス段階では、EQ処理で中域を際立たせる一方、コンプレッションはほぼかけずに自然なダイナミクスを尊重。これはアンガス自身の右手コントロールを最大限活かすためであり、「人間的な揺らぎ」をそのまま残すことに重きが置かれています。さらに、パンニングではアンガスのリードを片側に寄せ、マルコムのリズムと対比させることで、AC/DC独特の広がりを演出しています。

総じて、アンガス・ヤングの音作りは「EQバランスの徹底管理」と「ミックスにおける自然なダイナミクス保持」が重要であり、技術的な工夫とプレイヤー自身の表現力の融合によって完成されている、と想定されます。

比較的安価に音を近づける機材【AC/DC・Angus Young】

アンガス・ヤングのサウンドを完全に再現するには、ビンテージのGibson SGやMarshall 1959 Super Leadといった高額機材が必要になります。しかし、初心者〜中級者でも比較的安価に「AC/DC風クランチサウンド」に近づける手段はいくつもあります。ここでは10万円以下で導入可能な機材を紹介し、それぞれがどのようにアンガスらしいサウンドへ寄与するのかを解説します。

まずギターに関しては、「Epiphone SG Standard」が最有力候補です。エピフォンはギブソン直系ブランドであり、ラージピックガードや薄めのボディ構造などSGの特徴をしっかり踏襲しています。低価格ながらも軽量で弾きやすく、アンガスのように激しいステージアクションをする人にも扱いやすいでしょう。

アンプでは「Marshall DSL20CR」や「Marshall Origin 20C」がオススメです。20Wクラスで自宅やスタジオ練習でも使いやすく、EQやゲイン調整によってクリーン〜クランチまで幅広くカバー可能です。特にOriginシリーズはクラシックなMarshallトーンを現代的にリイシューしており、アンガスが好む1959 Super Leadのキャラクターをコンパクトに体感できます。

エフェクターでは「MXR Phase 90」が定番。アンガスが使用した実績があり、シンプルな1ノブ操作で軽い揺らぎを加えられます。また「BOSS SD-1 Super OverDrive」や「Joyo JF-01 Vintage Overdrive」なども、低出力ギター+Marshallアンプ風サウンドを補強するために有効です。これらはクランチ領域を押し出すブーストとして機能し、アンガス的な「弾き方で音が変わる歪み感」を演出できます。

さらに、オールインワンで揃えたい人には「BOSS GT-1000CORE」や「Line 6 HX Stomp」などのマルチエフェクターもおすすめです。アンプシミュレーションとフェイザーを組み合わせれば、安価ながらAC/DC的サウンドに非常に近づけます。

つまり「Epiphone SG + Marshall Originシリーズ + MXR Phase 90」が揃えば、かなりリアルにアンガスの音を再現可能です。加えてブースター系を足すことで、さらにライブ感のあるクランチを再現できるでしょう。

種類機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
ギターEpiphone SG StandardEpiphoneAmazonで探すAC/DCAngus Young廉価版SG。小柄で扱いやすく、アンガスのメイン機材に近い特性を持つ。
アンプMarshall Origin 20CMarshallAmazonで探すAC/DCAngus YoungクラシックMarshallのリイシュー。家庭用〜小規模ライブ向け。
アンプMarshall DSL20CRMarshallAmazonで探すAC/DCAngus Young20Wコンボ。クランチ〜リードまで幅広く対応。
エフェクターMXR Phase 90MXRAmazonで探すAC/DCAngus Youngフェイザー。実使用モデルでリードに揺らぎを付加。
エフェクターBOSS SD-1 Super OverDriveBOSSAmazonで探すAC/DCAngus YoungローゲインOD。Marshallのクランチを補強可能。
マルチエフェクターLine 6 HX StompLine 6Amazonで探すAC/DCAngus Youngアンプシミュ+空間系をまとめて搭載。自宅や宅録にも最適。

総括まとめ【AC/DC・Angus Young】

まとめイメージ

アンガス・ヤングの音作りの本質は、「シンプルであること」と「弾き手自身のダイナミクスを最大限に活かすこと」に尽きます。MarshallアンプとGibson SGという、いわばロックンロールの王道とも言える組み合わせをベースに、余計なエフェクトを排し、右手のピッキングとギターのボリュームノブで音色を操るスタイルこそが、AC/DCサウンドの核です。

彼の音は派手なハイゲインや複雑なエフェクトに頼るものではなく、むしろ「制御されたクランチ」と「生々しいニュアンス」が魅力です。例えば「Back in Black」におけるキレのあるリフや、「Highway to Hell」のタイトなリズム、「Thunderstruck」の圧倒的なエネルギーは、シンプルなセッティングから生まれるダイナミクスがあってこそ実現しています。

また、バンドにおける音の役割も大きなポイントです。アンガスはリードを担当し、兄マルコム・ヤングがリズムを支えることで、2本のギターが互いに補完しあい、シンプルながら分厚いサウンドを生み出しています。この「余白を活かしたサウンド構成」は、コピーやカバーを試みる際にも重要な観点になるでしょう。

再現を目指す場合、必ずしもビンテージSGや1959 Super Leadを用意する必要はありません。Epiphone SGやMarshall Originシリーズ、さらには手軽なオーバードライブやフェイザーを組み合わせるだけでも、十分に「アンガスらしさ」に近づけます。大切なのは機材以上に、右手のニュアンスコントロールやリズム感を意識することです。

総じて、アンガス・ヤングの音作りは「機材の豪華さ」ではなく「プレイヤー自身の表現力」を最大限に引き出す哲学に基づいています。あなたが彼の音を追求するなら、まずはシンプルな機材で「弾き方」や「ダイナミクス」を磨くことが、最も大きな近道になるでしょう。

下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!

ギター

Gibson SG(1967~1969年製を中心に愛用)

軽量で小ぶりなボディ、ミディアムスケールによる弾きやすさが特徴。

Gibson SG Standard ’61

Epiphone SG Standard(60年代後期ラージピックガード仕様/廉価モデルとしてリリース)

ピックアップ

Seymour Duncan High Voltage HB

AC/DC 1stアルバム『High Voltage』にちなんで命名。

Alnico II マグネット使用、PAF系に近い低出力でアンガスのクランチに最適。

備考

弦は太めを使用し、タイトなクランチサウンドを実現。

身長157cmの小柄な体格ゆえ、SGの軽さと取り回しの良さがフィットしている。

アンプ

Marshall 1959 Super Lead 100W(メインアンプ)

ECC83×3、EL34×4 搭載。クラシックなマーシャルサウンドを象徴。

Marshall JMP50(レコーディング使用)

Marshall JTM45(レコーディング使用)

Marshall ST20 Studio JTM(JTM45のリイシューモデル/小型版)

Marshall SV20 Studio Vintage(1959SLPをベースにした20Wモデル)

Marshall Originシリーズ(小型〜50W、チルトコントロールやゲインブースト搭載)

備考

基本的にクリーン〜クランチ領域で鳴らし、ピッキングでニュアンスをコントロール。

ライブでは100Wの1959を大音量で鳴らすことが多い。

エフェクター

Schaffer-Vega Diversity System(ワイヤレス兼ブースター的効果)

独特のコンプレッションとサチュレーションを加え、代表曲「Back in Black」「Highway to Hell」で特徴的。

MXR Phase 90

リードに軽いモジュレーションを付与。「Let There Be Rock」「Riff Raff」で使用。

T-Rex Overdrive(クランチを補う場面ありとされる)

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