始めに(特徴紹介)
五十嵐☆sun-go☆美貴さんは、日本を代表するガールズ・ハードロックバンド「SHOW-YA」のギタリストとして長年にわたり活躍を続けています。
そのサウンドは鋭さと重厚さを兼ね備え、速弾きやタッピング、ギター回しといった視覚的インパクトのある演奏スタイルも特徴的です。特にライブパフォーマンスにおいては、開放弦を活用したリフや、高速ブリッジミュートなどで観客の心を掴みます。
SHOW-YAの楽曲は80年代的なHR/HM要素に加え、近代的なモジュレーションや空間系エフェクトを駆使した厚みのあるサウンドも随所に見られます。
その音作りの要は、シグネチャーモデルのギター「Aria ProII PE-DC☆sun-go☆」を中心に、プロレベルの機材群で構成されたエフェクトボード、そして空間系を意識したセンドリターン構成のアンプ運用にあります。
この記事では、そんな五十嵐☆sun-go☆美貴さんの音作りを再現するための具体的な機材構成やセッティング、さらには初心者でも近づける代替機材まで、詳細に解説していきます。
SHOW-YAのサウンドに惹かれた方、ステージ映えするハードロック・サウンドを追求したい方に向けて、再現のヒントを惜しみなくお届けします。
使用アンプ一覧と特徴【SHOW-YA・五十嵐☆sun-go☆美貴】
五十嵐☆sun-go☆美貴さんのアンプ選びには、ステージでの音圧とクリアさ、そしてエフェクトとの親和性が重視されています。基本的には空間系エフェクターをアンプのセンド/リターンに接続して使用するスタイルを取っており、音の厚みや立体感を活かしたセッティングが特徴です。
代表的な使用アンプとしては、Marshall系アンプが挙げられます。具体的なモデル名の明言は確認されていませんが、ライブ映像やステージ写真を見る限り、Marshall JCM2000やDSLシリーズなど、ハイゲインにも対応しつつミッドの抜けが良いモデルを軸にしていると推定されます。これらは歪みの芯が太く、エフェクトのかかりもナチュラルで、SHOW-YAの楽曲にぴったりです。
また、Roland JC-120をセカンドアンプとして使用していた時期も確認されており、これはクリーントーンや空間系のかかりを重視した場面で活用されているようです。特にYAMAHA D1500などのデジタルディレイを活かすために、JC-120のような原音に忠実なアンプを選ぶことは非常に理にかなっています。
アンプの設定は、中域を強調しつつもローとハイのバランスを取り、空間系のエフェクトが濁らないようなチューニングがされていると考えられます。また、スイッチャー(PEC-2)を介してアンプチャンネルやエフェクトON/OFFを整理しており、ライブ中の音色切り替えも的確かつスムーズです。
全体としては「しっかり歪んで抜ける音」が基本ですが、コーラスやフランジャーなどのモジュレーションを乗せたときに音が破綻しないよう、アンプ側で余裕のあるヘッドルームを確保するセッティングがなされている印象です。
使用ギターの種類と特徴【SHOW-YA・五十嵐☆sun-go☆美貴】

五十嵐☆sun-go☆美貴さんがメインで使用しているギターは、自身のシグネチャーモデルである「Aria ProII PE-DC☆sun-go☆ SHOW-YA」です。このギターはSHOW-YAでの活動を象徴する一本として知られ、ライブやMVでも頻繁に登場しています。
このモデルは、メイプルトップ/マホガニーバックのボディ構成を採用し、サウンド面では豊かな中域とスムーズなサスティーンを実現。ヒールレス構造のネックジョイントは、24フレットまでスムーズにアクセス可能で、sun-go☆さんの持ち味である早弾きやタッピングといったハイポジションプレイを支えます。
ピックアップにはSeymour Duncan製を搭載しており、パワフルなハムバッカー・トーンが特徴です。歪ませても輪郭が潰れず、なおかつ空間系エフェクトを通しても芯が残る絶妙なバランスが魅力です。
また、ライブではカラーの異なる複数本を使い分けており、白と黒の2色が確認されています。どちらも“Fairy”のペイントがボディに手描きされており、個性と愛着が表れたルックスに仕上がっています。さらに、Dチューナーやアームが標準搭載されており、ドロップDチューニングやアーミング奏法にも対応する多機能性を持っています。
ギター選びにおいて、音の太さとアタック感、演奏性とルックスすべてを妥協せず追求していることが、このシグネチャーモデルから伝わってきます。
なお、過去のライブ写真や旧インタビューにおいては、ESP製モデルやIbanezのRG系のギターも一時的に使用されていた時期があるようですが、近年ではAria ProIIのsun-go☆モデルが中心であることは間違いありません。
使用エフェクターとボード構成【SHOW-YA・五十嵐☆sun-go☆美貴】
五十嵐☆sun-go☆美貴さんのエフェクターボードは、そのプレイスタイル同様に緻密かつパワフルな構成となっています。エフェクターひとつひとつに意味があり、実用性と音楽的個性を兼ね備えたセレクトが光ります。
ボード上段の右側から配置されているのは、まずEX-PRO / 32VOLT。32V昇圧仕様による超低ノイズ設計のクリーンブースターで、トレブル・ベース・ゲインの3コントロールにより、繊細なトーンの調整が可能です。ソロ時の音抜け向上や、軽いブーストが必要な場面で活躍しています。
続いてZOOM / MS-50Gは、コンパクトながら100種類のエフェクトを搭載したマルチストンプで、ライブごとの楽曲に応じて柔軟に役割を変更できる万能機材です。シンプル操作とパッチメモリー機能により、sun-go☆さんのような多彩な楽曲に即応可能です。
その横には、希少なアナログコーラスMAXON / BC-01が並びます。2系統のアナログ回路を内蔵しており、併用時には厚みのある独自の揺れ感を生み出します。激しいリフの中にも広がりを感じさせる演出に最適です。
モジュレーション系では、BOSS / BF-2のような定番フランジャーを使用。攻撃的なトーンから揺らぎのあるサウンドまで幅広く対応し、sun-go☆さんの多様な演奏にフィットしています。また、Eventide / MOD FACTORはフランジャーやコーラス、フェイザーなどの高品質モジュレーションが詰まったプロ仕様のデジタル機材で、プリセット管理も容易なためライブでも重宝されています。
ディレイ系には2系統が用意されています。ひとつは足元に配置されたt.c.electronic / ND-1 NOVA DELAYで、ディレイラインやダイナミックディレイなど6種類のアルゴリズムを搭載。さらに、ラック型のYAMAHA / D1500はアンプのセンドリターンで空間的広がりを演出するために使用され、MIDI制御にも対応しており、まさにプロ仕様です。
ノイズリダクションには、超定番のiSP Technologies / DECIMATOR G STRING IIが採用されており、センドリターンやギター入力に応じた柔軟なルーティングが可能です。
そして、全てのエフェクターを統合する心臓部がProvidence / PEC-2。5つの直列ループと3つの独立ループ、MIDI対応、ミュート機能などを備えたスイッチャーで、複雑な構成でも即座に音色を切り替えることができます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
32VOLT | EX-PRO | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | ブースター | 32V昇圧による超低ノイズ仕様。ソロ用クリーンブースト。 |
MS-50G | ZOOM | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | ギター用マルチエフェクター | 100種類のデジタルエフェクトを搭載。ライブ毎に設定変更可能。 |
BC-01 | MAXON | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | コーラス | 2系統のアナログコーラス搭載。厚みのある揺れ感。 |
ND-1 NOVA DELAY | t.c.electronic | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | ディレイ | 6種類のディレイモード+モジュレーション機能付き。 |
BF-2 | BOSS | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | フランジャー | 攻撃的な効果から繊細な揺れまで対応する定番。 |
MOD FACTOR | Eventide | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | モジュレーション系 | 多彩なモジュレーションを高音質で実現するプロ用機。 |
PEC-2 | Providence | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | スイッチングシステム | MIDI対応。複雑なボードを統合管理する心臓部。 |
DECIMATOR G STRING II | iSP Technologies | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | ノイズリダクション | 高性能なノイズ除去。センドリターン・ルーティング対応。 |
D1500 | YAMAHA | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | 空間系マルチエフェクター | センドリターンにて使用。MIDI対応ラック型ディレイ。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【SHOW-YA・五十嵐☆sun-go☆美貴】

五十嵐☆sun-go☆美貴さんの音作りは、「厚み」「明瞭さ」「存在感」を三本柱に構成されています。ハードロック/メタルというジャンルにおいて、歪みの質とミッドの抜け感は非常に重要な要素であり、彼女のサウンドはそのバランスに優れています。
まずアンプのセッティングについては、基本的にクランチ〜ハイゲインチャンネルをベースとし、ピッキングニュアンスが残るようゲインは過剰に上げず、トーンバランスでキャラクターを調整していると考えられます。EQ設定としては、おおよそ以下のようなバランスが推奨されます:
- Gain:5.5〜6.5(過剰な飽和を避ける)
- Bass:4〜5(低音はタイトに)
- Middle:6〜7(バンド全体で前に出る)
- Treble:5〜6(エッジ感を出しすぎず抑制)
ミッドレンジを中心に据えるこのセッティングは、歪んでいても音の輪郭を失わず、コーラスやフランジャーなどのモジュレーションエフェクトを重ねても埋もれない明瞭さを保ちます。
空間系エフェクトについては、YAMAHA D1500をアンプのセンドリターンに接続し、ステレオ的な広がりを演出。これはリードギターがバンドの壁を突き破るような存在感を放つために非常に効果的です。特にSHOW-YAのようにキーボードやツインボーカルが入り混じる編成では、ギターが埋もれるリスクが高いため、この処理は重要な役割を果たします。
ディレイは「ディレイライン」「ピンポンディレイ」などを楽曲に応じて使い分け、NOVA DELAYではテンポ同期された設定も可能。BPMに合わせてディレイタイムを設定することで、演奏に一体感を生み出します。
一方で、MS-50GやMOD FACTORでは、ピッチシフトやフェイザー、スローなトレモロなどを楽曲ごとに使い分ける設定が可能で、スイッチャーPEC-2によって全体の音色チェンジを瞬時に実現。これにより、ライブ中の音作りが「動的」かつ「精密」にコントロール可能になっています。
さらに、EX-PRO 32VOLTのトーンセクションは非常に優秀で、ゲインを上げすぎずとも中域が自然に前に出るような質感が得られます。トレブル・ベースを軽く調整することで、会場に応じた音色の最適化も可能です。
ミックス視点では、リードギターに過度なローを持たせない工夫や、広がりすぎないモノラルセッティングなどがされている可能性もあります。また、歪みや空間系が複数重なることで起こる音痩せやマスキング現象を避けるため、ノイズリダクター(DECIMATOR G STRING II)の導入も大きなポイントです。
このようにして構築されたsun-go☆さんのギターサウンドは、単なるハイゲインの爆音ではなく、繊細なコントロールと明快な輪郭を伴った“説得力のある音”に仕上がっているのです。
比較的安価に音を近づける機材【SHOW-YA・五十嵐☆sun-go☆美貴】
五十嵐☆sun-go☆美貴さんのようなプロ仕様の音を完全に再現するのは難しいものの、実売1〜5万円台の機材でも驚くほど近づけることができます。ここでは、初心者〜中級者でも扱いやすく、SHOW-YA風の鋭くて厚みのあるギターサウンドを手に入れるための代替機材を紹介します。
まずは歪み系。SHOW-YAのようなハードロックサウンドを再現するなら、BOSS DS-1XやMXR M75 Super Badass Distortionがおすすめです。特にDS-1Xは中域の抜けがよく、モダンな歪みサウンドにも対応可能。ローがダブつかず、ソロもリフもくっきり聴こえるため、sun-go☆さんのようなピッキング主体のサウンドにマッチします。
次に、モジュレーション系。NUX Mod Core Deluxe IIは、コーラス/フランジャー/フェイザー/トレモロを一台に集約した多機能ペダル。sun-go☆さんのように曲ごとにエフェクトを切り替えるスタイルにも柔軟に対応できます。特にコーラスの音像が広がりすぎずタイトで、ライブ向きです。
ディレイ系では、Donner Yellow Fall DelayやTC Electronic The Prophetが優秀。コンパクトで低価格ながら、アナログライクな暖かみのあるディレイサウンドを持ち、ミッドレンジ主体の音作りと相性が良いです。特にThe Prophetは、センド/リターン接続時にも自然に馴染みます。
マルチエフェクターで全体をカバーしたい場合は、ZOOM G3nやNUX MG-300が非常に高コスパです。MS-50Gに似た使い勝手で、複数のエフェクトチェーンを自由に組め、音色の切り替えもスムーズです。
また、スイッチャー機能を簡易的に代替したいなら、Rowin LEF-317 Loop Boxなどの安価なループスイッチャーを導入することで、ライブでの音切り替えがスムーズになります。
以下の表では、それぞれの代替機材とその選定理由を一覧にしています。これらをうまく組み合わせれば、五十嵐☆sun-go☆美貴さんのようなパワフルで繊細な音作りにかなり近づくことが可能です。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディストーション | DS-1X | BOSS | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | 中域が前に出るモダンな歪み。太くて抜けの良いリードにも対応。 |
ディストーション | M75 Super Badass | MXR | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | 広いゲインレンジと音の太さがsun-go☆サウンドに近い。 |
モジュレーション系 | Mod Core Deluxe II | NUX | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | 1台で複数モジュレーションを搭載。ステレオ対応で空間演出にも強い。 |
ディレイ | The Prophet | TC Electronic | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | 高音質でミックスに馴染む。シンプル操作が魅力。 |
ギター用マルチエフェクター | G3n | ZOOM | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | MS-50Gに近い操作感。柔軟な音作りが可能でコスパ良。 |
スイッチングシステム | LEF-317 Loop Box | Rowin | リンク | SHOW-YA | SHOW-YA | 安価でシンプルなループ切替機。PEC-2の簡易代替に。 |
総括まとめ【SHOW-YA・五十嵐☆sun-go☆美貴】

五十嵐☆sun-go☆美貴さんのギターサウンドは、単なる「ハードロックの歪み」という言葉では語り尽くせない深みと完成度を持っています。彼女の音は、パワー感と繊細さを両立させながら、どのフレーズでもしっかりとバンドサウンドの中に存在感を残す“主役級のトーン”です。
その背景には、シグネチャーモデルであるAria ProII PE-DC☆sun-go☆のようなこだわりのギター選び、空間系を的確に使い分ける高度なエフェクトコントロール、そしてステージでの一瞬の音色変化を可能にするスイッチャーやノイズリダクターの導入といった、システマティックかつ戦略的な音作りが存在します。
また、プレイスタイルも見逃せません。ギターを回すようなアクションプレイ、タッピングや早弾きといった技巧的なテクニックを駆使しつつ、開放弦を活かしたリフやブリッジミュートで重厚なリズムを刻む、表現力の振れ幅がとても大きいギタリストです。だからこそ、彼女の音は楽曲ごとに異なるキャラクターを持ちながら、常に“sun-go☆らしさ”が聴き手に届きます。
再現を目指すうえで大切なのは、単に同じ機材を集めるだけでなく、「中域の存在感」「明瞭さ」「空間的な広がり」の3つを意識してトーンを作ることです。ブースターで押し出しを調整し、モジュレーションで彩りを加え、ディレイで余韻を演出する——その組み合わせと順序がsun-go☆サウンドの鍵を握っています。
もしあなたがステージで“映える”ギターを弾きたい、ロックバンドの中で確実に存在感を出したい、そんな想いを持っているなら、五十嵐☆sun-go☆美貴さんの音作りは最高の参考となるはずです。ぜひこの記事で紹介した構成を基に、自分なりのsun-go☆トーンを追求してみてください。
コメント