① 始めに（特徴紹介）
INORAN（イノラン）氏は、LUNA SEAのギタリストとして知られ、その独特なサウンドとプレイスタイルで多くのファンを魅了しています。彼のギタープレイは、クリーントーンのアルペジオや、エフェクターを駆使した空間系サウンドが特徴です。特に、楽曲「gravity」や「I for You」などでは、その繊細で美しいギターサウンドが際立っています。
INORAN氏の音作りは、Fender Jazzmasterをベースにしたシグネチャーモデルや、様々なエフェクター、アンプを組み合わせることで実現されています。彼のサウンドは、LUNA SEAの楽曲において、メロディアスでありながらも力強さを感じさせる重要な要素となっています。
② 使用アンプ一覧と特徴【LUNA SEA・INORAN】
INORAN氏のアンプセッティングは、スタジオ収録とライブパフォーマンスで用途に応じて変化しています。特にライブでは、視認されているFender Twin ReverbやMATCHLESS、Hughes & Kettnerなどの多彩なアンプが使われており、音色の幅広さと空間的な広がりを意識したサウンド作りが際立っています。
かつてのソロステージでは、MATCHLESS DC-30やFender系アンプを中心としたセッティングが確認されています。MATCHLESSは美しいクリーントーンと暖かみのあるクランチが特徴で、INORAN氏のジャズマスターと非常に相性が良いと言えるでしょう。また、Fender Twin Reverbは、彼の繊細なアルペジオやクリーンバッキングを引き立てるための基本的な選択肢とされています。
Hughes & Kettnerは、ややドライブ感の強い設定で使用されており、LUNA SEAのラウドなパートや、より芯のある音が必要な場面で選択される傾向にあります。
これらのアンプは全て、INORAN氏の多彩なプレイスタイルを支える重要なピースであり、その組み合わせ方や用途の切り替えによって、独自の音世界が作り上げられています。以下の表は、INORAN氏が実際に使用している、または使用が推定されるアンプ機材の一覧です。
③ 使用ギターの種類と特徴【LUNA SEA・INORAN】
INORAN氏のギターサウンドを語る上で欠かせないのが、彼のシグネチャーモデルであるFender Custom Shop製Jazzmasterシリーズです。中でも「INORAN Jazzmaster #1」は59年製ジャズマスターをベースにカスタムされ、太くしっとりとした中域に特徴があります。ピックアップにはビンテージ・スタイルのシングルコイルが採用されており、クリーン〜クランチでの立ち上がりや抜け感が秀逸です。
続く「INORAN Jazzmaster #2」はホワイトフィニッシュにレリック加工が施され、より現代的な扱いやすさが加味された一本。ライブではこの#1と#2を使い分けており、音のキャラクターや視覚的演出にも大きく寄与しています。
また、1959年製のオリジナルJazzmasterも所有しており、スタジオレコーディング等で登場することがあります。そのほか、個性的なサウンドを持つFender Starcasterや、TV Jones製ピックアップを搭載した「La Cabronita BORACHA Jazzmaster」もラインナップに含まれており、ジャズマスターという枠組みを拡張したサウンドバリエーションを形成しています。
アコースティックパートでは、Martinの12弦ギターが登場し、幻想的な雰囲気や深みのある響きを生み出します。以下は、INORAN氏が使用したギターの一覧です。
| 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| INORAN Jazzmaster #1 | Fender Custom Shop | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | エレキギター | 本人初のシグネチャーモデル。59年製Jazzmasterを基に設計。 |
| INORAN Jazzmaster #2 | Fender Custom Shop | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | エレキギター | ホワイトフィニッシュ＋レリック加工。ライブ使用多数。 |
| 1959’s Jazzmaster | Fender | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | エレキギター | 所有実機。アルマイトピックガード仕様と推定。 |
| Starcaster Guitar | Fender | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | セミアコ | 70年代のリイシューモデル。エアー感ある中高域が特徴。 |
| La Cabronita BORACHA Jazzmaster | Fender Custom Shop | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | エレキギター | TV Jones製ピックアップ搭載。リバースボディ仕様。 |
| Jazzmaster (Black) | Fender | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | エレキギター | 詳細モデルは不明。ライブ中に持ち替えで使用。 |
| 12弦アコースティックギター | Martin | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | アコースティックギター | アコースティックセットで使用される重要な一本。 |
④ 使用エフェクターとボード構成【LUNA SEA・INORAN】
INORAN氏のエフェクトボードは、ライブ・スタジオ問わず非常に多彩で、音色の質感や空間的演出に重点が置かれています。2014年のソロステージをはじめとする各時期の情報によると、FREE THE TONE製のスイッチングシステム「ARC-3」を中心に、多種多様なエフェクターがコンパクトにまとめられています。
歪み系は、BOSSのBD-2（WEEDモディファイ）や、GNI PedalsのXD-1、さらにPrescription ElectronicsのExperience Fuzzなど、レンジの異なる歪みを複数用意。特にBD-2はソロ活動やLUNA SEAのクリーントーンとの相性が良く、粒立ちの良いクランチが得られる定番モデルです。
モジュレーション系は、electro-harmonix（以下E-H）のPOLY CHORUS、SMALL CLONE、POG2といった空間系を軸に、厚みのあるサウンドやオクターブ処理を実現。特にPOG2は12弦風の倍音付加に貢献しており、アコースティックとエレキの中間的な役割を果たします。
ディレイにはLINE6 DL4を使用。プリセットの切替が容易で、空間の広がりを演出するための不可欠なツールとなっています。加えて、ライブでは電飾やキャンドルといった視覚的演出と共に、エフェクトの演出力が楽曲世界を拡張しています。
以下に使用エフェクターの詳細をまとめました。
| 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ARC-3 | FREE THE TONE | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | スイッチングシステム | 多機能ルーティング・スイッチャー。ライブ用に安定性◎ |
| BD-2 (WEED mod) | BOSS | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | オーバードライブ | 定番ブルースドライバーに高音質モディファイを施したモデル |
| XD-1 X-TREME DISTORTION | GNI Pedals | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | ディストーション | 高出力ハムバッカーとの相性も良いディストーション |
| Experience Fuzz | Prescription Electronics | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | ファズ | アナログライクで野太いトーン。ビブラートも内蔵。 |
| POG2 | electro-harmonix | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | オクターブ | ポリフォニック仕様で12弦風の重厚サウンドが可能 |
| POLY CHORUS | electro-harmonix | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | コーラス | アナログ的な揺らぎが美しい定番モジュレーション |
| SMALL CLONE | electro-harmonix | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | コーラス | Nirvanaのカートも愛用。暖かい音像が特徴 |
| DL4 | LINE6 | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | ディレイ | 複数プリセット切替が可能な万能ディレイ。ライブ向け |
⑤ 音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【LUNA SEA・INORAN】
INORAN氏の音作りは、LUNA SEAおよびソロ名義において共通して「空間性」「温度感」「ダイナミクス」を重視しているのが特徴です。そのセッティングは、ギター本体の個性を活かしつつ、エフェクトを通じて立体的かつミッドが豊かなトーンを形成しています。特にジャズマスター特有の広帯域なレンジをうまく活かすセッティングが見られ、EQやピックアップ選択に対する感度も非常に高いです。
アンプ側はローとハイをやや抑え、ミドル〜中高域を強調したセッティングが多く、ギターの持つ倍音を自然に引き出しています。また、ライブ環境ではあえてアンプのドライブを控えめにして、BOSS BD-2やGNI XD-1などで「音の芯」を作り、その上でコーラスやディレイで空間を設計するというアプローチを採用。特にelectro-harmonix製のモジュレーションエフェクトは、音の厚みと柔らかさの両立に貢献しています。
EQに関しては、ギター側でトーンを絞ることに加え、アンプEQの設定も頻繁に調整されており、具体的には以下のような傾向があります：
- Treble（高域）：4〜5（少し抑え気味。耳に痛くない範囲で）
- Middle（中域）：7〜8（ジャズマスターのミッドを活かす）
- Bass（低域）：3〜4（輪郭を保つため控えめ）
ライブPA側でも中域の厚みを意識し、ヴォーカルと被らない帯域設計が行われています。特にLUNA SEAでは、SUGIZO氏との住み分けが重要となり、INORAN氏はクランチ寄りで立体感のあるバッキングを担う場面が多いです。このため「広がり感」「奥行き」が表現できるよう、ディレイやリバーブ、コーラスのミックスバランスが緻密に管理されています。
ソロ活動ではより実験的なアプローチも見られ、ファズやオクターブを大胆に使った音像の構築が行われています。特にPOG2は上下オクターブを個別に調整し、ステレオでの広がりを重視した設定で用いられることが多いです。
加えて、ライブ演出との融合も重要で、電飾やキャンドルの演出とシンクロするような「揺らぎ」や「残響」が意識されており、単なる音響的処理ではなく視覚と聴覚の連動まで設計されているのが印象的です。
このように、INORAN氏の音作りは機材単体の性能だけでなく、「空気を震わせる」ような質感・深さを生み出すための創意工夫が随所に詰まっています。
⑥ 比較的安価に音を近づける機材【LUNA SEA・INORAN】
INORAN氏の音は、フェンダー・ジャズマスターを中心にした広がりのあるクリーン〜クランチサウンドと、空間系エフェクトを巧みに組み合わせた立体感のあるトーンが特徴です。高価なFender Custom ShopやMATCHLESSアンプを再現するのは難しい部分もありますが、近年はコストパフォーマンスに優れた機材でもかなり近いニュアンスを実現できます。以下に、初心者や中級者でも導入しやすい1〜5万円台で手に入る、INORAN風サウンド再現におすすめの代替機材を紹介します。
| 種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ギター | Squier Classic Vibe ’60s Jazzmaster | Squier | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | フェンダー直系の廉価ブランド。ジャズマスターの特徴的なピックアップとスケール感を手軽に再現。 |
| オーバードライブ | BD-2 Blues Driver | BOSS | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | 本人も使用するモデル。WEED MODではないが、素直なクランチと音抜けで近いサウンドを出せる。 |
| ディストーション | GNI X-TREME DISTORTION XD-1（中古推奨） | GNI Pedals | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | 中古市場で入手可能。本人使用機と同型で、鋭く太い歪みが特徴。 |
| ディレイ | NUX Time Core Deluxe | NUX | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | LINE6 DL4の代替に。多モード搭載でコストパフォーマンスに優れる。 |
| コーラス | electro-harmonix NANO Clone | electro-harmonix | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | SMALL CLONEの廉価版。モジュレーション深めで空間的広がりを再現可能。 |
| アンプシミュレーター | Joyo American Sound | Joyo | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | Fender系アンプのトーン再現に優れるペダル型シミュレーター。自宅練習やDTMに最適。 |
| 空間系マルチエフェクター | ZOOM MS-70CDR | ZOOM | Amazonで探す | LUNA SEA | INORAN | リバーブ、ディレイ、コーラスが1台に。ライブでも重宝する高品質な空間系。 |
上記のような機材を組み合わせれば、INORAN氏の透明感と深みを両立したサウンドにかなり近づくことができます。特にSquierのジャズマスターとBOSS BD-2は、導入コストと効果のバランスが優れており、初心者にもおすすめです。
⑦ 総括まとめ【LUNA SEA・INORAN】
INORAN氏のギターサウンドは、単なる機材の集合ではなく、彼自身の音楽的美学と表現哲学が凝縮された「空気のような音」だといえます。ジャズマスターを中心にしたフェンダー系のレンジ感あるトーンを土台に、空間系エフェクトを自在に操ることで、LUNA SEAというバンドサウンドの中で自らの居場所を繊細にデザインしています。
特にライブでは、その音の「抜け」や「間の使い方」、コーラスやディレイの残響が楽曲全体を包み込むように演出され、単なる伴奏ではなく“もうひとつのボーカル”のように機能しています。本人が使用するBD-2（WEED MOD）やSMALL CLONE、POG2などは、彼の持つサウンドビジョンを具体的に支えるツールであり、それぞれが非常に重要な役割を担っています。
また、近年ではMATCHLESSアンプやシグネチャーJazzmasterのように、音の「太さ」や「温かさ」にフォーカスしたセットアップも見られます。その結果として、初期のオルタナ寄りな鋭いサウンドから、より円熟したグルーヴ感のあるトーンへと進化している点も注目です。
読者の皆さんがINORAN氏のサウンドを再現するうえで大切なのは、「音を削ぎ落とすこと」「空間を生かすこと」「表現の余白を感じること」。これらを意識するだけでも、単なるコピーではなくINORAN流の“音を聴かせる美学”に近づくことができるでしょう。
最後に、INORAN氏の最新の活動や音作りの変遷をチェックしたい方は、彼のInstagram（@inoran_official）もぜひご覧ください。彼の機材写真やスタジオ風景など、貴重なヒントが詰まっています。
LUNA SEAファンのみならず、空間系ギターに魅せられた全てのギタリストにとって、INORAN氏の音作りは大きな学びとインスピレーションを与えてくれる存在です。
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