① 始めに(特徴紹介)
Hump Backのボーカル兼ギタリスト、林萌々子さんは、90年代邦楽ロックの香りを感じさせる真っ直ぐなバンドサウンドと共に、 エモーショナルでありながらエッジの効いたギタープレイが際立つ存在です。
彼女のギターサウンドは、シンプルでありながら芯があり、楽曲の熱量をより増幅させる役割を果たしています。 特にパワーコードと単音リフを組み合わせたスタイルが多く、ディストーションに頼り過ぎない抜けの良さが魅力です。
代表曲「拝啓、少年よ」や「LILLY」、そして「月まで」などでは、ストラトタイプのギターに太めの歪みを加えたサウンドで、 彼女ならではの”女性ならではの柔らかさ×オルタナ的な硬質感”というギターサウンドの融合を体現しています。
また、ライブではORANGEやMarshallのアンプを駆使し、アナログペダルによる手作り感ある音作りが特徴的。 バンドの熱量に対して音の輪郭が埋もれない絶妙なバランス感は、演奏面だけでなくPAや音作りの工夫も垣間見えます。
SNS(特にInstagram)では彼女の足元や機材配置が確認でき、日々アップデートされていくギター愛も注目ポイントの一つです。 実際に公式Fender Newsでは自身の転機としてギター遍歴を語っており、音へのこだわりも強いギタリストであることがうかがえます。
本記事では、そんな林萌々子さんのギターサウンドに焦点を当て、使用しているギター・アンプ・エフェクターを丁寧に解説しつつ、 実際に彼女のような音に近づけるための機材選びのヒントまでを総まとめしていきます。
まずは彼女のギターサウンドの原点を、映像から感じ取ってみてください。
②使用アンプ一覧と特徴【Hump Back・林萌々子】
林萌々子さんのアンプサウンドは、太く伸びのある歪みと、バンド全体の音像に埋もれない中域重視の設計が際立ちます。 主にライブではORANGEやMarshallのアンプを使用しており、その選定には彼女なりの明確な音のこだわりが見受けられます。
まず、メインのアンプヘッドとして使用されているのが、ORANGE / Rockerverb 100H MKII。 これは100W出力のハイゲインアンプで、ORANGE特有の太い中低域と甘めのハイが特徴。 林さんのエモーショナルな歌声を邪魔せず、バンド全体での分離感がよく出るセッティングに一役買っています。
このヘッドに合わせて使われているキャビネットは、ORANGE PPC212(クローズドバック2発)で、 サウンドの指向性が高く、ライブでも音抜けが非常に良い組み合わせです。 一方で、MV「拝啓、少年よ」では、Marshall 1960Aキャビネットとの組み合わせが確認されており、 こちらはよりブリティッシュな音像、つまり少しザラついた質感が特徴的です。
過去には同じくORANGEの中でも扱いやすいモデルとして、TH30W Twin Channel Headや、 開放感あるクリーンサウンドが得られるPPC212OB(オープンバック)も使用。 ただしこれらは現在のメインではなく、2020年以前のライブやスタジオリハでの使用が報告されています。
また、補助的に使用された可能性があるのがMarshall JCM800。 これはパンクやオルタナ系ギタリストにも好まれる往年の定番アンプで、 林さんの硬質ながらも輪郭を残したディストーションサウンドには非常にマッチしています。
全体として、林萌々子さんのアンプ選びには「ライブでの音抜け」「女性ボーカルの帯域とぶつからないEQ設計」「エモーショナルな中域を支えるパワー感」という三つのキーワードがあり、特にORANGEの現行モデルがその理想を叶えています。
以下に、実際に確認された使用アンプを表形式でまとめます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Rockerverb 100H MKII | ORANGE | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | メイン使用アンプヘッド(ライブ使用) |
PPC212 | ORANGE | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | メインキャビネット(ライブ使用) |
1960A | Marshall | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | MV「拝啓、少年よ」で使用確認 |
TH30W Twin Channel Head | ORANGE | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | 過去使用(ライブやリハーサル用) |
PPC212OB | ORANGE | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | 過去使用。開放的な音色が特徴 |
JCM800 | Marshall | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | スタジオ等で使用された可能性 |
③使用ギターの種類と特徴【Hump Back・林萌々子】
林萌々子さんのギター選びは、ステージ映え・サウンドの輪郭・手元の操作性という3点を基準にされており、 プレイスタイルの変化に応じてメインギターを変遷させながらも、常に“太くて抜ける音”を追求しています。
現在のメインギターとして確認されているのは、 Gibson Custom Shop / 1959 ES-355 Bigsby Watermelon Red Ultra Light Aged。 2022年以降にライブで多用されており、華やかなルックスと甘く芯のある音が特徴のセミアコモデルです。 ディストーションを乗せても潰れすぎず、ミドルが豊かに響くので、 林さんのコードワークや単音リフのニュアンスがしっかり前に出てきます。
一方、デビュー当時から所有しているのが、 Fender / American Performer Stratocaster HSS Black。 リアにハムバッカーを搭載しており、太めのディストーションサウンドが出せるのがポイント。 軽量でネックが細く、歌いながらの演奏でもストレスがない仕様です。
他にも同シリーズからの派生で、American Performer Telecaster Humや Telecaster Blackといったテレキャスター系も複数使用。 中でも、トレモロアームなし・ボリュームノブなし・リアPUセレクターをテープ固定という 改造が施されたストラトモデルは、本人の完全カスタム仕様であり、 「シンプルで壊れにくく、ライブでトラブルを起こさない」ことを目的とした設計になっています。
かつてのメインとして使われていたのが、 Fender Telecaster Customで、現在はライブの予備機として待機中。 そのほか、GretschのElectromaticモデルも数回ステージで確認されています。
ギターの選び方としては、サウンドだけでなく、 「ルックス」「重さ」「ネックの感触」など演奏のトータルバランスを重視しており、 ギターごとにチューニングや曲ごとの使い分けも徹底されています。
以下に、確認された使用ギターの一覧をまとめます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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1959 ES-355 Bigsby Watermelon Red Ultra Light Aged | Gibson Custom Shop | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | セミアコ | 2022年以降メイン使用。ライブ映えも意識 |
American Performer Stratocaster HSS Black | Fender | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | ストラトキャスター | デビュー当時から所有。リアハム搭載 |
American Performer Telecaster Hum | Fender | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | テレキャスター | ライブ用として複数使用 |
Telecaster Black | Fender | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | テレキャスター | ライブ用・ストラトと併用 |
改造Stratocaster(フロントハム/トレモロレス/ボリュームなし) | Fender | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | ストラトキャスター | 本人改造機。固定リアPUセレクター |
Telecaster Custom | Fender | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | テレキャスター | かつてのメイン。現在は予備機 |
Electromatic | Gretsch | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | セミアコ | ステージでの使用確認あり |
④使用エフェクターとボード構成【Hump Back・林萌々子】
林萌々子さんのペダルボードは、彼女のシンプルかつ力強いギタースタイルを支える実戦型構成となっています。 使用されているエフェクターはほとんどがコンパクトペダルで、用途に応じた適切な選定がなされており、 「太くて粘りがある」「でも抜ける」という彼女の音を下支えしています。
主なオーバードライブは、BOSS / BD-2 Blues Driver。 ナチュラルな中域の持ち上がりと、手元のタッチによる表現力を活かせる点で、 歌と一体感のあるギターサウンドを作り出しています。
また、エモーショナルなソロやリフでのディストーションには、 コンパクトながら荒々しいキャラクターが魅力のMooer / Hustle Driveが用いられており、 「拝啓、少年よ」のMVでもこのペダルの存在が確認されています。
さらに、Animals Pedalの製品が多用されている点も彼女の特徴のひとつ。 Diamond Peak Hybrid ODやVintage Van Driveは、 ブルージーかつモダンな歪みが得られ、フェンダー系のギターとの相性が抜群。 加えて、ディレイエフェクトにはWalrus Delayを使用し、 空間系も適度に織り交ぜることで、奥行きのある演奏を実現しています。
ブースターには、One Control / Purple Humper、 そしてあまり市場には出回っていない隠れた一品、TDC / TDC-001 Crunch Booster HOT TONEも確認されています。 この二つを使い分けることで、ソロ時や音圧を必要とするパートでの持ち上げに対応しています。
ボリュームペダルはBOSS / FV-500Hと、ERNIE BALL / VOLUME PEDALの2種を用途によって使い分け。 特にERNIE BALLはMV「拝啓、少年よ」で足元がはっきり映っており、正確な操作性の高さが評価されています。
チューナーはtc electronic / Polytune 3とBOSS / TU-3を併用し、 状況に応じて選択。信頼性と精度が両立されています。
全体のシグナルは、One Control / Crocodile Tail Loop Wing OC10Wで管理されており、 ライブ中の操作性向上と音質の安定化に貢献しています。 また、パワーサプライには、Vital Audio / VA-08Mk2が用いられており、 小型ながら安定供給に定評のあるモデルです。
以下にエフェクター構成をカテゴリ別に整理しました。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
BD-2 Blues Driver | BOSS | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | オーバードライブ | メインOD。ナチュラルな中域の粘り |
Hustle Drive | Mooer | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | ディストーション | MVで使用確認済み。荒めの歪み |
Diamond Peak Hybrid OD | Animals Pedal | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | オーバードライブ | モダンな中域重視の歪み |
Vintage Van Drive | Animals Pedal | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | オーバードライブ | ブルージーなキャラクター |
Walrus Delay | Animals Pedal | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | ディレイ | 適度な空間演出に使用 |
Purple Humper | One Control | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | ブースター | ソロ時の持ち上げに使用 |
TDC-001 Crunch Booster HOT TONE | TDC | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | ブースター | 限定流通。歪みと音圧を強化 |
FV-500H | BOSS | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | ボリュームペダル | 汎用型。ライブ用に導入 |
VOLUME PEDAL | ERNIE BALL | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | ボリュームペダル | MV「拝啓、少年よ」で使用確認 |
Polytune 3 | tc electronic | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | チューナー | コンパクトで精度高 |
TU-3 | BOSS | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | チューナー | 定番モデル。MVで確認 |
Crocodile Tail Loop Wing OC10W | One Control | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | スイッチングシステム | 全体のルーティングを一括管理 |
VA-08Mk2 | Vital Audio | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | パワーサプライ | 安定供給の小型モデル |
⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Hump Back・林萌々子】
林萌々子さんのギターサウンドを支えているのは、単なる機材の選定だけではありません。 実際のライブやレコーディングにおいては、細かなEQ設定やミックス処理により、 バンドの中で埋もれず、かつ歌と絶妙に溶け合う“ミッドレンジ主体の輪郭あるトーン”が確立されています。
まず、アンプの基本設定としては、中域(Mid)をやや上げめに、低域(Bass)を適度に絞り、高域(Treble)はギターの種類に応じて微調整する形が多く見られます。 特にORANGE Rockerverb 100H MKIIは中域の張りが強いため、ピッキングの強さに応じてTrebleを5〜6あたりに調整し、 ミックスで刺さりすぎないようコントロールしていると考えられます。
歪み系エフェクター(BD-2やAnimals Pedal系OD)では、 あえてGainを抑えめに設定し、アンプの歪みとブレンドして音の“厚み”と“レスポンス”を同時に獲得。 このセッティングにより、コード感のクリアさと、アタックの存在感が両立されているのが特徴です。
ディレイ系(Walrus Delay)では、あくまで空間的な奥行きを出すためのスラップバック風にセッティングされており、 Feedbackは抑えめ(1〜2回の残響)、Mixも30%以下にして原音の芯を損なわないよう配慮されています。 こうすることで、3ピースバンドという最小編成でも“広がり”のあるサウンドが表現できるのです。
ミックス面では、ボーカル帯域(1〜3kHz)にかぶらないよう、 ギターのEQをやや下げ気味にしつつ、Presenceや上位帯域(5kHz以上)をブースト。 これにより、林さんの透き通る歌声が映える一方、ギターは耳に残る“芯”を維持したまま抜けるトーンとなっています。
また、ステージPAとの連携においては、ギターアンプから出力された信号をマイク取り(SM57など)する際、 キャビネットのコーン中心ではなく、やや外側を狙うポジションで収音することで、 “ギラつきすぎず、温かみが残る”トーンを実現しているとも報告されています。
リハーサル段階でPAに対し「もう少しローミッドがほしい」「高域が刺さる」といった細かな要求を出している点も、 林萌々子さんがいかに“音のバランス”を重視しているかの証左と言えるでしょう。
さらに、リアPU固定+トレモロレスのストラトカスタムモデルでは、ピッキングに対するレスポンスが極めて早く、 ボリュームノブの無い仕様によって“常にフルの出力”でプレイされるため、 演奏のダイナミクスが音作りそのものに直結しています。
このように林萌々子さんの音作りは、「機材の特性を最大限活かすセッティング」と 「PA・エンジニアとの丁寧な連携」によって完成されたものであり、 彼女の音が“曲を支えるギター”として成立している所以なのです。
⑥比較的安価に音を近づける機材【Hump Back・林萌々子】
林萌々子さんの音は、プロ仕様の高価なギターやアンプを使用しているため一見敷居が高く感じるかもしれません。 しかし、サウンドの本質を捉えたうえで、代替機材を工夫して選ぶことで、 比較的安価な機材でも十分に彼女の音に近づけることが可能です。 ここでは、初心者から中級者までにおすすめできる再現性の高い機材を紹介していきます。
まず、ギターについては林さんの使用するギターの特徴である「リアハムバッカー搭載ストラト」や 「ミッドが太く歪みに強いセミアコサウンド」を狙うなら、以下のようなモデルがコスパ的にも最適です。 たとえば、Squier Contemporary Stratocaster HHはリアにハムバッカーを搭載しつつ、 モダンなプレイにも対応したストラト型で、林さんの初期サウンド再現に最適。 また、Epiphone ES-339はコンパクトで取り回しの良いセミアコとして人気があり、 現行のES-355の代替機として非常に相性が良いです。
アンプについては、林さんが好む中域強調の太いブリティッシュ系トーンを得るには、 ORANGE風のモデリングが得意なアンプを選ぶのがポイント。 具体的には、BOSS Katana-50 MkIIの「Brown」チャンネルや、 VOX VT20Xのブリティッシュモデリングが狙い目。 これらは5万円以下でも十分なクオリティを持ち、ライブでも使用可能な出力を備えています。
エフェクター類についても、彼女が多用するオーバードライブ~ディストーションのレンジを再現するには、 下記のペダルが有効です。 特に、JHS 3 Series Overdriveはミッドの持ち上がりが秀逸で、 BD-2に近いトーンが得られます。また、NUX Horsemanは、 クリーンブースト~軽い歪みまで幅広く対応可能で、Animals Pedal系の代替にも適しています。
また、空間系ではTC Electronic The Prophet Digital Delayなど、 安価ながら原音を損なわないクリアなディレイが林さんの使用感に近い音像を作り出してくれるでしょう。
以下に、初心者・中級者向けで再現性の高いおすすめ機材を表形式でまとめます。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ギター | Contemporary Stratocaster HH | Squier | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | リアハム+ストラトという構成で初期サウンドに近づけやすい |
ギター | ES-339 | Epiphone | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | ES-355の小型代替。温かみあるトーンが魅力 |
アンプ | Katana-50 MkII | BOSS | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | 中域の押し出しが強く、ライブ使用も可能 |
アンプ | VT20X | VOX | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | ブリティッシュ系モデリングでORANGE的トーンに近づく |
オーバードライブ | 3 Series Overdrive | JHS | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | ミッドが太く、BD-2のキャラに近い |
ブースター | Horseman | NUX | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | クリーン〜軽歪みに対応。Animals Pedalの代替に |
ディレイ | The Prophet Digital Delay | TC Electronic | Amazonで検索 | Hump Back | 林萌々子 | 安価でスラップバック風にも使える万能ディレイ |
⑦総括まとめ【Hump Back・林萌々子】
林萌々子さんのギターサウンドは、機材のスペックに頼らず、「音の役割」と「バンドとの一体感」を重視した設計がなされています。 そのため、歪みの量を抑えた設定でも「抜ける」、中域を中心に構成したEQでも「埋もれない」という絶妙なサウンドバランスが成立しているのです。
使用機材は、高品質なGibsonやFender、ORANGEのアンプなどを中心に構成されてはいるものの、 そのすべてが「歌を支える」ための音作りに徹しているのが最大の特徴。 どれほどの音量でも、どれほどの感情でも、ギターが“引き立て役”として存在している姿勢が、 林萌々子というギタリストの真髄と言えるでしょう。
また、ペダルボードやアンプの設定も非常にシンプルで、 過度なエフェクトに頼らず、「弾き方」「ピッキングのニュアンス」「セッティング」で音を作り出す姿勢は、 若手ギタリストにとって非常に参考になります。
セミアコ・ストラト・テレキャスターと、ギターのタイプによってしっかりと用途を使い分ける点、 そしてそれに応じてアンプやペダルのバランスを微調整している点からも、 「1音1音に対する責任感」が感じられます。
音楽的にも精神的にも、「自己主張」ではなく「バンド全体の調和」を追求しているのが林さんのサウンド哲学。 その上で、どの楽曲にも芯の通ったギターが存在しているからこそ、Hump Backのサウンドはどこか懐かしく、そして熱いのです。
最後に、本記事で紹介したように彼女の音作りは、 再現可能な範囲も広く、パーツを分解して理解することで多くのギタリストが実践できる要素にあふれています。
「拝啓、少年よ」のようなアツく真っ直ぐなサウンドを、ぜひあなた自身の手で体験してみてください。 「ギターは誰かのために鳴らすもの」。そんな林萌々子さんの音を通して、その意味を感じていただけたら幸いです。
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