【Nuno Bettencourt(ヌーノ・ベッテンコート)・Extreme(エクストリーム)】風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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90年代のギターシーンに衝撃を与えた「ファンキー・メタル」の旗手、ヌーノ・ベッテンコート。バンド「Extreme(エクストリーム)」のギタリストとして、その圧倒的なリズム感、超絶技巧のタッピング、そして「パーカッシブ」と評される独自のギターサウンドで世界中のプレイヤーを魅了し続けています。

ヌーノのサウンド最大の特徴は、歪んでいるのに一音一音が驚くほどクリアでタイトな点にあります。低域が膨らみすぎず、アタックが強調されたその音作りは、テクニカルなリフを弾きこなす上で理想的な形と言えるでしょう。2023年にリリースされたアルバム『SIX』の収録曲「RISE」での衝撃的なソロも記憶に新しく、還暦を前にしてもなお進化を続ける彼の機材術は、現代のギタリストにとっても学びの宝庫です。

この記事では、ヌーノ・ベッテンコートの長年にわたるキャリアを支えてきたメイン機材から、最新のライブリグ、さらにはその独特なトーンを再現するためのセッティングのコツまでを徹底的に解説します。ヌーノの「あの音」を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

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②使用アンプ一覧と特徴【Extreme・ヌーノ・ベッテンコート】

ヌーノ・ベッテンコートのアンプ選びは、キャリアを通じて「自身のピッキングニュアンスを殺さないタイトさ」を追求してきました。デビュー当初、彼の代名詞となったのが「ADA MP-1」という真空管プリアンプです。1stから、世界的ヒット作である2nd『Pornograffitti』までのサウンドはこのMP-1によるもので、非常にきめ細かく、かつコンプレッション感のある歪みが特徴でした。

その後、自身の理想とする「RATを繋いだ時のタイトなレスポンス」を一台で実現すべく開発されたのが、Randallのシグネチャーモデル「NBKing100」です。このアンプはプリ部にRATの回路が組み込まれており、外付けペダルなしでもヌーノ特有の「バキッ」とした質感が得られる設計になっています。しかし、近年(特に最新アルバム『SIX』以降)のメインアンプは意外にも「Marshall JCM2000 DSL100」です。

このDSL100との出会いは偶然で、ライブでレンタル機材として借りた際にその個体の音を非常に気に入り、その場ですぐに買い取ったという逸話があります。1998年製のこの個体こそが、現在のヌーノの「オーガニックかつハイゲイン」なサウンドの心臓部となっています。クリーン用にはFender系のコンボアンプを別途用意し、クリアで煌びやかなトーンを確保するスタイルも、彼の多彩な楽曲構成を支える重要なポイントです。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
JCM2000 DSL100 Marshall 検索 検索 検索 検索 検索 検索 近年のメインアンプ。1998年製を特に愛用しており、『SIX』でも活躍。
NBKing100 Randall 検索 検索 検索 検索 検索 検索 自身のシグネチャー。RATの回路を内蔵し、単体でタイトな歪みを実現。
MP-1 ADA 検索 検索 検索 検索 検索 検索 初期~中期の代名詞的プリアンプ。80年代後半~90年代のサウンドの核。
TriAmp Hughes & Kettner 検索 検索 検索 検索 検索 検索 一時期使用されていた多機能アンプ。レンジの広いサウンドが特徴。
’65 Twin Reverb Fender 検索 検索 検索 検索 検索 検索 クリーン・トーン専用としてライブやレコーディングで使用。

最新のツアー機材やインタビューに基づくと、Marshall JCM2000 DSL100が現在の彼のトーンを決定づける最重要アンプであると想定されます。

③使用ギターの種類と特徴【Extreme・ヌーノ・ベッテンコート】

ヌーノ・ベッテンコートのギターと言えば、世界で最も有名なシグネチャーモデルの一つ「Washburn N4」を抜きには語れません。1991年から今日まで、ヌーノはほぼ全てのキャリアをこのN4と共に歩んできました。特に、ステファン・デイヴィスが考案した「Stephen’s Extended Cutaway」という独自の5点止めボルトオン構造は、ハイポジションでの圧倒的な演奏性を実現しており、彼のテクニカルなプレイには不可欠な要素です。

ボディ材はアルダーが基本ですが、長年使い込まれたメインの個体は、オイルフィニッシュによって木材の鳴りが最大限に引き出されています。ピックアップ構成も独特で、リアには高出力でバイト感の強い「Bill Lawrence L-500」、フロントにはウォームな「Seymour Duncan ’59」を搭載。この組み合わせが、あの「粘りがあるのにキレが良い」サウンドの源です。さらに1ボリューム、3ウェイセレクターという極めてシンプルな操作系は、演奏中の誤操作を防ぐ実戦的な仕様となっています。

また、近年はテレキャスター・シェイプの「Nele」という新しいシグネチャーも導入。こちらはFreeway Ultra switchにより6通りの多彩なトーンが出せるようになっています。アコースティックギターにおいては、名曲「More Than Words」で見られる薄胴のEAシリーズから、より豊かな鳴りを持つカスタムモデルまで、Washburn製を一貫して使用しています。ヌーノにとってギターは単なる道具ではなく、自身の体の一部のような存在と言えるでしょう。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス ギターの種類 備考
N4 Washburn 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ソリッド・エレキ 30年以上メインとして君臨する究極のシグネチャーモデル。
Nele Washburn 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ソリッド・エレキ テレキャスター・シェイプ。6通りのトーン切り替えが可能。
EA20 / EA22 Washburn 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレアコ 「More Than Words」等で使用。ステージ映えする薄胴ボディ。
WJ45SCE Washburn 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エレアコ カスタムフレット採用のジャンボボディ。豊かな低音が特徴。

デビューから現在に至るまで、Washburn N4シリーズが音作りの根幹であることは間違いありません。最新モデルではカーボン指板などの新素材も試行錯誤されていると想定されます。

④使用エフェクターとボード構成【Extreme・ヌーノ・ベッテンコート】

ヌーノ・ベッテンコートのエフェクターボードにおいて、最も重要な役割を果たしているのが「ProCo RAT」です。しかし、彼はこれを一般的なディストーションとして使っているわけではありません。歪み量(Distortion)をほぼゼロにし、フィルターとボリュームで調整することで、アンプの歪みを「タイトに引き締める」ブースターとして使用しています。これにより、ハイゲインながらも低域がぼやけず、ヌーノ特有の高速リフがクリアに響くようになります。この使い方は彼を目指すギタリストなら必ずマスターすべき手法です。

また、彼の独創的なリフを象徴するのが「Boss OCシリーズ(オクターバー)」です。「Flight of the Wounded Bumblebee」などの単音フレーズにおいて、オクターブ下の音を薄く加えることで、ベースと一体化したような強烈な厚みを生み出しています。また、空間系については「Boss GT-8」などのマルチエフェクターを活用している時期が長く、ディレイやコーラス、リバーブを一括管理しています。これは複雑なルーティングを避け、ライブでの操作性を重視した結果と言えるでしょう。

さらに、エディ・ヴァン・ヘイレンからの影響が色濃い「MXR Phase 90」や、飛び道具的な「Whammy」、そしてファンキーな楽曲で欠かせない「Talkbox」など、効果的なスパイスとしてのエフェクト使いもヌーノの真骨頂です。ノイズ対策には「Boss NS-2」を、中域の微調整には「Boss GE-7」を配置するなど、基礎的な補正もしっかりと行われています。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス エフェクターの種類 備考
RAT (Vintage/Whiteface) ProCo 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ブースター 最重要ペダル。歪みを抑えて低域をタイトにする目的で使用。
OC-3 / OC-5 Boss 検索 検索 検索 検索 検索 検索 オクターブ 単音リフに厚みを持たせるための長年の愛用機。
GT-8 Boss 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ギター用マルチエフェクター 空間系エフェクトを一括管理。ライブリグの中心。
Phase 90 MXR 検索 検索 検索 検索 検索 検索 フェイザー エディ直系のサウンドに欠かせない定番フェイザー。
DD-3 Boss 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ディレイ ソロ時の残響や特定のトリッキーな効果のために使用。

近年の足元は、よりコンパクトなペダルと最新のスイッチャーを組み合わせた構成にアップデートされていると想定されます。

⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Extreme・ヌーノ・ベッテンコート】

ヌーノ・ベッテンコートの音作りにおける最大の秘訣は、「ゲインの稼ぎ方」と「低域のカット」にあります。多くのギタリストが歪みを増やす際に低域(Bass)も強調しがちですが、ヌーノは全く逆のアプローチを取ります。アンプ自体の歪みは十分に稼ぎつつも、RATを「Tightener(引き締め役)」として前段に置くことで、ピッキングの瞬間のアタックを鋭く際立たせています。

具体的なEQ設定の傾向としては、Mid(中域)を非常に重視しています。ヌーノのギターは、バンドアンサンブルの中でベースの帯域と被らないよう、ローエンドはバッサリと削られています。その代わり、800Hzから1kHzあたりの「芯」となる部分を強調することで、速いパッセージでも音が埋もれないように工夫されています。また、トレブル(高域)は刺さるほど強くはせず、プレゼンスを上げることで「空気感」と「キレ」を両立させています。これは彼がファンク由来のパーカッシブなカッティングを多用するため、コンプレッション感が強すぎるとリズムのキレが失われるのを嫌っているからです。

ミックスの視点で見ると、ヌーノのギターはステレオの広がりよりも「センターでの強さ」が際立っています。特にレコーディングでは、あえて音を細めに設定し、それをダブリング(同じフレーズを2回弾く)することで、厚みと分離の良さを両立させています。ソロパートにおいては、ディレイを薄くかけつつ、ドライな音を前面に出すことで「すぐそこで弾いているような」生々しさを演出しています。PAエンジニアの間でも、ヌーノの音は「EQで補正する必要がほとんどないほど完成されている」と言われるほど、出口の音が整理されています。

また、クリーン・トーンの切り替えにはBoss LS-2などのラインセレクターを使用し、歪み用アンプとクリーン用アンプ(Fender系)を完全に分けるバイアンプ方式を採用することが多いです。これにより、エフェクターによる劣化のない、ピュアで煌びやかなクリーンを実現しています。これらの工夫は、単に歪みを追求するだけでなく、楽曲全体のダイナミクスを考慮したプロフェッショナルな視点によるものと想定されます。

⑥比較的安価に音を近づける機材【Extreme・ヌーノ・ベッテンコート】

ヌーノのサウンドを予算内で再現するためには、高級なアンプや希少なヴィンテージ機材を揃えるよりも、「タイトな歪み」と「オクターブ効果」をいかに安価に実現するかが鍵となります。最近のマルチエフェクターや定番のペダルを組み合わせることで、初心者の方でも十分にあのサウンドに近づくことが可能です。

まず、歪みの核としておすすめしたいのが「Boss DS-1W」や「ProCo RAT2」です。RAT2は本人が長年愛用しているモデルの現行品であり、ヌーノ本人のように歪みを下げてフィルターを調整すれば、手持ちのアンプをヌーノ風のレスポンスに変えることができます。また、リフに厚みを出すためのオクターバーは、Boss OC-5がベストですが、予算を抑えるなら中古のOC-3や、安価なMOOER製のピッチシフターでも代用可能です。

さらに、1台で全てを完結させたい場合は、最新のマルチエフェクター「Boss GX-100」や「GT-1000core」が非常に優秀です。ヌーノ本人がかつてGT-8を使用していたこともあり、Bossのマルチ内にあるMarshall DSL系のモデリングとRATのモデリングを組み合わせれば、驚くほど似た質感が得られます。特にBossのマルチは「アサイン機能」が強力で、一踏みでソロ用のディレイとEQを同時にオンにするといった、ヌーノの複雑な足元操作を簡単にシミュレートできます。

種類 機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
ディストーション RAT2 ProCo 検索 検索 検索 検索 検索 検索 本人の音作りの核心。フィルターを絞ることでタイトな低域を再現。
マルチエフェクター GX-100 Boss 検索 検索 検索 検索 検索 検索 空間系からアンプシミュレートまで完結。本人のGT-8使用歴からも親和性高。
オクターブ OC-5 Boss 検索 検索 検索 検索 検索 検索 現行最高峰のオクターバー。単音リフの厚み再現にはこれ一択。

これらの機材を組み合わせ、アンプの歪みを補正する意識でセッティングすれば、安価なセットアップでも「ヌーノらしさ」は十分に引き出せると想定されます。

⑦総括まとめ【Extreme・ヌーノ・ベッテンコート】

ヌーノ・ベッテンコートの音作りの本質、それは「引き算の美学」と「リズムへの執着」にあると言えます。多くのハードロック系ギタリストがより深く、より重いサウンドを求める中で、彼はあえて低域を削り、ピッキングのアタックが最も美しく響くポイントを探し当てました。あの「バキッ」とした硬質なトーンがあるからこそ、彼の代名詞であるパーカッシブなリフや、弦を叩くようなタッピングが最大限の効果を発揮するのです。

再現するために必要な視点は、機材のスペック以上に「いかに音を整理するか」です。アンプのゲインを上げすぎず、RATのようなペダルで「締める」という感覚。そして、自分のピッキングがどう音に変換されているかを冷静に聴く耳。ヌーノの機材選びが30年以上大きく変わらないのは、彼が自身の「指の音」を最も信頼しているからに他なりません。

この記事で紹介した機材やセッティングを入り口に、ぜひあなた自身のピッキングと向き合ってみてください。ヌーノ・ベッテンコートという巨人の背中を追うことは、単なるコピーに留まらず、ギタリストとしての基礎体力を極限まで高める最高の修行になるはずです。あのタイトで躍動感あふれるファンキーなサウンドが、あなたの指先から放たれる日を楽しみにしています。

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