エルティーディー(LTD)は、日本の老舗ギターメーカーESPが手がける海外向けブランドです。メタリカのジェームス・ヘットフィールドやカーク・ハメットをはじめとする世界的アーティストが愛用し、攻撃的なデザインと高品質なサウンドで多くのギタリストから支持を集めています。
エルティーディー(LTD)の歴史
ESPとLTDの創業背景
LTDの母体となるESPは、1975年に椎野秀聰氏によって創業された日本のギターメーカーです。当初は最高級エレクトリックギターの製造とリペアマンの養成を目的とし、東京・神宮前に「エレクトリック・サウンド・センター」を開設しました。
ESPは1981年にアメリカに進出し、現地でのニーズに応えるため、より幅広い価格帯でギターを提供するブランドとしてLTDが誕生しました。
LTDは「ESP USAがプロデュースするグローバルスタンダードシリーズ」として位置づけられ、特にヘヴィメタル系のミュージシャンから絶大な支持を得るようになりました。
代表的なモデルの発展
LTDは創設以来、数々の革新的なモデルを生み出してきました。
特にECシリーズ(レスポールタイプ)、MHシリーズ(スーパーストラト)、そして各種アーティストシグネチャーモデルは、現在でもブランドの中核を担っています。
楽器シーンへの影響
LTDは単なる廉価版ブランドではなく、「ほぼメタルに特化している」という明確なコンセプトを持っています。攻撃的なボディ形状、EMGピックアップの標準搭載、そして黒を基調としたカラーリングなど、メタル音楽に最適化された設計思想が多くのアーティストに影響を与えました。
エルティーディー(LTD)の特徴・基本性能・サウンド傾向
音のキャラクター
LTDギターの最大の特徴は、パワフルで攻撃的なサウンドです。多くのモデルにEMGアクティブピックアップが搭載されており、高出力でノイズの少ない、タイトで明瞭な音色を実現しています。特にリアピックアップのEMG81は、現代メタルの定番として多くのギタリストに愛用されています。
LTDサウンドの特徴:
- 高出力で歪みに強いアクティブピックアップ
- タイトで明瞭な低音域
- 切れ味の良い高音域
- ノイズレスな音質
ボディ形状とピックアップの特徴
LTDは多様なボディ形状を展開していますが、特にECシリーズ(レスポールタイプ)とMHシリーズ(スーパーストラット)が人気です。ECシリーズはマホガニーボディにメイプルトップの組み合わせで、温かみのある太いサウンドが特徴。MHシリーズはアルダーやバスウッドボディで、明瞭でバランスの良いサウンドを提供します。
ピックアップはEMGアクティブピックアップが標準的で、特にEMG81(リア)とEMG85またはEMG60(フロント)の組み合わせが多用されています。また、一部のモデルではセイモア・ダンカンやディマジオなどのパッシブピックアップも採用されています。
他ブランドとの違い
LTDと他の主要ブランドとの最大の違いは、メタル音楽への特化度にあります。フェンダーやギブソンが幅広いジャンルをカバーするのに対し、LTDは明確にヘヴィミュージック志向の設計を採用しています。
ブランド | 特徴 | 価格帯 | ターゲット |
---|---|---|---|
LTD | メタル特化、攻撃的デザイン | 10-30万円 | ヘヴィミュージック |
フェンダー | クリーントーン重視 | 5-50万円 | ブルース・ポップス |
ギブソン | 伝統的なロックサウンド | 20-100万円 | クラシックロック |
エルティーディー(LTD)の使用アーティスト
代表的な使用アーティスト
ジェームス・ヘットフィールド(Metallica)
リズムギタリストとして世界最高峰の技術を持つヘットフィールドは、LTDの代表的ユーザーです。SNAKEBYTE、Iron Cross、Vultureなど、数多くのシグネチャーモデルをリリースしています。
カーク・ハメット(Metallica)
メタリカのリードギタリストとして、KH-Vシリーズをはじめとする多くのシグネチャーモデルを展開。特にWhite Zombieモデルは、そのユニークなグラフィックで注目を集めています。
アレクシ・ライホ(Children of Bodom)
フィンランド出身のメロディックデスメタルの巨匠。LTDのシグネチャーモデルでその独特なメロディアスなソロを奏でました。
ステファン・カーペンター(Deftones)
オルタナティブメタルシーンの重要人物。LTDの7弦ギターを愛用し、重厚なリフを生み出しています。
ジェフ・ハンネマン(Slayer)
スラッシュメタルの伝説的ギタリスト。LTDとESPのギターを長年愛用していました。
アーティスト | 主なモデル | 特徴 |
---|---|---|
ジェームス・ヘットフィールド | SNAKEBYTE, Iron Cross, Vulture | EMG Het Set、セットネック構造 |
カーク・ハメット | KH-V, KH-602, White Zombie | Vシェイプ、フロイドローズ |
アレクシ・ライホ | Alexi-200, Alexi-600 | ランダムスターシェイプ |
ステファン・カーペンター | SC-607B, SC-608B | 7弦・8弦、バリトンスケール |
エルティーディー(LTD)の関連ギターブランド
姉妹ブランド・廉価版
ESP: LTDの上位ブランド。完全ハンドメイドの最高級モデルを展開。価格帯は50万円以上。
E-II: ESPとLTDの中間に位置するブランド。ESP USAが企画し、日本の職人が製作。価格帯は20-40万円。
EDWARDS: 日本国内向けブランド。国内アーティストのシグネチャーモデルが中心。価格帯は10-25万円。
ライバル・同ランクブランド
シェクター: ESPグループの一員でもあるアメリカブランド。LTDと同様にメタル系に特化。
ジャクソン: フェンダー傘下のメタル系ブランド。Vシェイプギターで有名。
アイバニーズ: 日本の星野楽器のブランド。RGシリーズなどでメタル系にも強い。
エルティーディー(LTD)ラインナップとおすすめモデル一覧
モデル名 | 特徴 | 価格帯 | 使用アーティスト | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|
EC-1000 | レスポールタイプ、EMGピックアップ | 15-20万円 | 多数のメタルアーティスト | ★★★★★ |
MH-1000 | スーパーストラト、Evertuneブリッジ | 18-25万円 | モダンメタル系 | ★★★★☆ |
SNAKEBYTE | ヘットフィールドモデル、独特シェイプ | 20-30万円 | ジェームス・ヘットフィールド | ★★★★★ |
KH-V | カーク・ハメットVモデル、スルーネック | 25-35万円 | カーク・ハメット | ★★★★☆ |
TE-401 | テレキャスタータイプ、EMG搭載 | 12-18万円 | モダンカントリー系 | ★★★☆☆ |
EC-407 | 7弦レスポールタイプ | 15-22万円 | プログレッシブメタル系 | ★★★★☆ |
エルティーディー(LTD)を実際に使用した人の声【レビュー要約+評判口コミ】
ポジティブ意見
音質・サウンド:
- EMGピックアップの高出力でノイズレスな音質
- メタル系リフに最適なタイトな低音
- 録音・ライブ両方で映える明瞭なサウンド
デザイン・外観:
- 攻撃的でかっこいいボディシェイプ
- マットブラック仕上げの質感が良い
- ステージ映えする存在感
使いやすさ:
- ネックの握りやすさとプレイアビリティ
- フレット処理の品質が高い
- チューニングの安定性
ネガティブ意見
重量・取り回し:
- マホガニーボディは比較的重い
- 長時間の演奏で肩への負担
- スタンドでのバランスが悪いモデルも
価格・コスト:
- 上位モデルは20万円超えで高価
- アクティブピックアップの電池交換コスト
- 専用ケースが別売りのモデルが多い
調整・メンテナンス:
- フロイドローズの弦交換が面倒
- アクティブピックアップの電池管理
- セットアップに専門知識が必要
総評コメント(AI要約)
LTDはメタル系音楽に特化したギターブランドとして、多くのユーザーから高い評価を受けています。特にサウンドクオリティとコストパフォーマンスのバランスが優秀で、「ESP品質を手頃な価格で」というコンセプトが実現されています。一方で、重量や価格面での課題もあり、購入前の試奏とニーズの確認が重要です。
エルティーディー(LTD)の新品・中古価格比較と最安値先
価格帯別ガイド
エントリーモデル(10-15万円):EC-256、MH-200、TE-200など
ミドルレンジ(15-25万円):EC-1000、MH-1000、各種シグネチャー
ハイエンド(25万円以上):限定モデル、スルーネック仕様など
エルティーディー(LTD)の類似・代替案おすすめギター紹介(比較付き)
同価格帯の代替候補
シェクター Omen Extreme-7(15-20万円)
LTDのEC-407と同等の7弦レスポールタイプ。アクティブピックアップ搭載で、LTDに近いメタルサウンドを実現。価格がやや安く、コスパに優れます。
ジャクソン Pro Series Soloist SL2(18-25万円)
LTDのMHシリーズに対抗するスーパーストラト。ジャクソン独特の鋭いサウンドと優れたプレイアビリティが特徴。フロイドローズ標準装備。
アイバニーズ RG652AHMFX(20-25万円)
LTDのMH-1000に匹敵するスペック。ディマジオピックアップとエッジZeroIIトレモロで、バランスの良いサウンドを提供。
比較項目 | LTD EC-1000 | シェクター Omen Extreme | ジャクソン Pro Soloist |
---|---|---|---|
価格 | 18-22万円 | 15-18万円 | 20-25万円 |
ボディ材 | マホガニー+メイプル | マホガニー | アルダー |
ピックアップ | EMGアクティブ | EMGアクティブ | セイモア・ダンカン |
特徴 | メタル特化 | コスパ重視 | バランス重視 |
エルティーディー(LTD)まとめ・選び方ガイド
LTDがおすすめな人
初心者の方:メタル系音楽を志向する初心者には、EC-256やMH-200などのエントリーモデルがおすすめ。高品質なEMGピックアップを搭載しながら手頃な価格で購入できます。
中級者の方:EC-1000やMH-1000などのミドルレンジモデルが最適。プロレベルの音質と演奏性を兼ね備え、ライブ・録音両方で活躍します。
- 公式サイト:エルティーディー 公式
- 販売サイト:
本記事はエルティーディー(LTD)の公式情報および主要販売サイトを参考にしています。
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