フジゲン(Fujigen)は、1960年創業の日本を代表するギターメーカーです。フェンダージャパンやアイバニーズなど世界的ブランドのOEM製造を手がけ、現在は自社ブランド「FUJIGEN」「FGN」として高品質なギターを製造しています。
フジゲン(Fujigen)の歴史
創業者、創業年、発祥地について
フジゲン株式会社は1960年(昭和35年)に長野県で創業されました。旧社名は「富士弦楽器製造株式会社」で、1989年4月に現社名に変更されています。創業当初はクラシックギター製造からスタートしましたが、翌1961年にはエレキギター製造に転向し、エレキブームと共に成長を遂げました。
現在の本社は長野県松本市にあり、製造拠点は長野県大町市に置いています。昭和58年には「ギター生産数世界一」を記録するほどの規模に成長し、日本のエレキギター製造業界をリードする存在となりました。
フジゲンの代表的なモデル紹介
フジゲンは長年にわたり多くの名機を製造してきました:
- フェンダージャパン製品:1982年から2015年まで製造を担当し、「ジャパンヴィンテージ」として現在でも高く評価されています
- アイバニーズ Prestige・J-Customシリーズ:現在も製造を継続している高級モデル
- エピフォン エリーティストシリーズ:2002年から2008年まで製造したギブソンモデルの上位グレード
- FGN Expertシリーズ:自社ブランドの最高峰モデル
- FGN Neo Classicシリーズ:コストパフォーマンスに優れたレギュラーモデル
フジゲンが楽器シーンに与えた影響
フジゲンは日本のエレキギター製造技術の発展に多大な貢献をしました。世界的ブランドのOEM製造を通じて培った技術力は、日本製ギターの品質向上に大きく寄与しています。
特にフェンダージャパンの製造では、アメリカ本国をしのぐとも言われるほどの高品質を実現し、「Made in Japan」ギターの価値を世界に知らしめました。また、2002年に開発したサークル・フレッティング・システム(C.F.S.)は、フレットを微妙な円弧状に配置することでピッチの安定性を向上させる独自技術として特許を取得しています。
フジゲン(Fujigen)の特徴・基本性能・サウンド傾向
フジゲンの音のキャラクター
フジゲンのサウンドはタイトかつハイレンジが特徴で、精密に組み込まれた国産ギターらしい安定感のある音質を持っています。音の立ち上がりが良く、どんなアンプやエフェクターとも相性が良いため、特にセッションミュージシャンやエフェクターを多用するミュージシャンに愛用されています。
全体的にバランスの取れた音色で、癖が少なく音作りがしやすいのが大きな魅力です。ジャンルを問わず対応できる汎用性の高さが評価されています。
ボディ形状やピックアップの特徴
フジゲンは伝統的なボディシェイプを基調としながら、現代的な演奏性を追求した設計を行っています:
- ネックグリップ:Uシェイプ、Cシェイプなど、モデルに応じて最適化
- フレット処理:非常に丁寧で、フレットエンドの角処理が美しく仕上げられている
- コンター加工:ハイポジションでの演奏性を向上させるため、ネック取り付け部分に大胆なコンター加工を施したモデルもある
- ピックアップ:自社開発のFGN OS-1シリーズなど、バランスの取れた出力とニュアンスを両立
- ハードウェア:GOTOHペグやブリッジなど、高品質なパーツを標準装備
他ブランドとの違い(フジゲン vs 他社)
フジゲンの優位点
- 製造精度の高さと品質の安定性
- コストパフォーマンスの良さ
- オーダーメイド対応の充実
- サークル・フレッティング・システム(C.F.S.)
- 長年のOEM製造で培った技術力
他社との差別化ポイント
- フェンダー・ギブソンほどのブランド力はない
- 音の個性は控えめでオーソドックス
- アーティストエンドース数は大手より少ない
- 海外での知名度は限定的
フジゲン(Fujigen)の使用アーティスト
フジゲンを使用する有名アーティスト
フジゲン公式サイトによると、以下のアーティストがフジゲン製品を使用しています:
- 麻井寛史(Sensation) – NCJB5-10R/AL/BK/Custom使用
- 安部智樹(Solo) – ELAN Custom×3 / EOS-AL使用
- 篤志(Solo) – EOS-AL使用
- 幾見雅博(Solo) – MSA / NCTL / MFA使用
- 石井聡(Solo) – フジゲン製品使用
また、フジゲンが製造したフェンダージャパンやアイバニーズを使用する国内外の著名アーティストも多数存在します。
フジゲン × モデル × アーティスト対応表
アーティスト | 使用モデル | ジャンル | 特徴 |
---|---|---|---|
麻井寛史 | NCJB5-10R/AL/BK/Custom | フュージョン | 5弦ベースでのテクニカルプレイ |
安部智樹 | ELAN Custom、EOS-AL | ジャズ・フュージョン | 滑らかなトーンとロングサスティン |
篤志 | EOS-AL | ロック・ポップス | 汎用性の高いストラトタイプ |
幾見雅博 | MSA、NCTL、MFA | ジャズ・ファンク | セミアコとテレキャスの使い分け |
フジゲン(Fujigen)の関連ギターブランド
フジゲンの姉妹ブランド・廉価版
フジゲンは現在3つの自社ブランドを展開しています:
- FUJIGEN:最高級ライン(オーダーメイド品やショーモデル)
- FGN:レギュラーライン(Expert、Neo Classic、J-Standardシリーズ)
- pupukea(ププケア):ウクレレ専用ブランド
過去にはHeartfieldやAnboy Fujigenといったブランドも展開していましたが、現在は上記3ブランドに集約されています。
フジゲンのライバル・同ランクブランド
日本の同ランク帯のギターメーカーとして以下が挙げられます:
- ESP:自社ブランドとOEM製造を両立、メタル系に強い
- TOKAI:ヴィンテージ系レプリカで定評
- Bacchus(ディバイザー):コストパフォーマンスで競合
- Crews Maniac Sound:カスタムショップ系の競合
- Momose:高級ハンドメイドギターメーカー
フジゲン(Fujigen)ラインナップとおすすめモデル一覧
モデル名 | フジゲンの特徴 | 価格帯 | 使用アーティスト | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|
Expert ODYSSEY (EOS) | 最高峰モデル、C.F.S.搭載、GOTOH製パーツ | 20-30万円 | 安部智樹、篤志 | ★★★★★ |
Expert ELAN | ジャズ・フュージョン向け、滑らかなトーン | 25-35万円 | 安部智樹 | ★★★★☆ |
Neo Classic NST | ストラトタイプ、コスパ良好 | 8-15万円 | – | ★★★★☆ |
Neo Classic NTE | テレキャスタータイプ、初心者にも最適 | 8-15万円 | 幾見雅博 | ★★★★☆ |
Boundary BIL | 軽量設計、エントリーモデル | 6-10万円 | – | ★★★☆☆ |
Masterfield MSA | セミアコ、ES335タイプ | 15-25万円 | 幾見雅博 | ★★★★☆ |
フジゲン(Fujigen)を実際に使用した人の声【レビュー要約+評判口コミ】
ポジティブ意見:フジゲンの音質・デザイン・使いやすさ
- 製造品質の高さ:「仕上げがとにかく丁寧で驚いた」「フレット処理が美しく、触り心地もスムーズ」
- 音の安定性:「音の立ち上がりがよくてライブで映える」「どのポジション/どの弦を弾いてもバランスの良い音が出る」
- 演奏性の良さ:「ネックが合えば、かなり弾きやすい」「ハイポジションのコンター加工が演奏しやすい」
- コストパフォーマンス:「スペックを考えると破格」「国産でありながら10万円以下を実現した高コスパモデル」
- 長期使用への信頼:「長く付き合いたくなるギター」「一生付き合える楽器を作っている」
ネガティブ意見:フジゲンの重量・価格・調整の難しさ
- C.F.S.への疑問:「メリット皆無のC.F.S.が要らなかった」「普通のギターと変わらない」
- フレットの問題:「フレットが柔らかくて削れやすい」「リフレットが困難で高額」
- 音の個性:「期待より大人しい音だった」「このギターでしか出せない音は少ない」
- ブランド力:「アウトレット・ブランドの印象」「有名アーティストの使用例が少ない」
- 初期調整:「弾きにくいと感じることがある」「個体による当たり外れ」
総評コメント(AI要約)
フジゲンの総合評価: フジゲンは製造技術の高さと品質の安定性で高く評価されている国産ギターメーカーです。特に製造精度やフレット処理の丁寧さ、コストパフォーマンスの良さが多くのユーザーから支持されています。
一方で、独自技術のC.F.S.については賛否が分かれており、音の個性についても「オーソドックス」「癖が少ない」という評価が多く見られます。これは長所でもあり短所でもあり、幅広いジャンルに対応できる汎用性の高さとして評価する声と、個性不足として指摘する声の両方があります。
総じて「安心して長く使える品質の高いギター」として、初心者からプロまで幅広い層に支持されているブランドと言えるでしょう。
フジゲン(Fujigen)の新品・中古価格比較と最安値先
価格相場:
- Expert ODYSSEY(新品):20-30万円 →(中古)15-25万円
- Neo Classic NST(新品):8-15万円 →(中古)6-12万円
- Boundary(新品):6-10万円 →(中古)4-8万円
※フジゲン製品はリセールバリューが高く、中古市場でも価格が下がりにくい傾向があります。
フジゲン(Fujigen)の類似・代替案おすすめギター紹介(比較付き)
フジゲンと同価格帯や特徴が近いギター2〜3本紹介
1. TOKAI Traditional Series
価格帯: 10-20万円|特徴: ヴィンテージ系レプリカに定評、フジゲンより音に個性あり
おすすめポイント: よりヴィンテージライクな音を求める方に最適
2. Bacchus Universe Series
価格帯: 8-18万円|特徴: コストパフォーマンス重視、モダンな仕様
おすすめポイント: フジゲンより価格を抑えつつ高品質を求める方に
3. Crews Maniac Sound
価格帯: 15-30万円|特徴: カスタムショップレベルの仕上げ、少量生産
おすすめポイント: より個性的で希少性の高いギターを求める方に
音・価格・デザインの比較ポイント(フジゲン vs 他ブランド)
比較項目 | フジゲン | TOKAI | Bacchus | Crews |
---|---|---|---|---|
音の個性 | オーソドックス・安定 | ヴィンテージライク | モダン・パンチあり | 個性豊か・多様 |
価格帯 | 8-30万円 | 10-25万円 | 5-20万円 | 15-40万円 |
製造精度 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
コスパ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
アフターサービス | 充実(直営店あり) | 標準的 | 標準的 | 充実(少数精鋭) |
オーダー対応 | 豊富(WEBシステム) | 限定的 | 豊富 | フルオーダー |
フジゲン(Fujigen)まとめ・選び方(初心者向け、プロ向け?)
フジゲンがどんな人に向いているか(初心者/プロ/ジャンル別)
こんな人におすすめ
- 初心者:品質が安定しており、長く使える最初の1本として
- セッションミュージシャン:どんな現場でも安定したサウンド
- エフェクター愛用者:癖が少なく音作りしやすい
- 国産ギター好き:Made in Japanの高品質を求める方
- コスパ重視:価格に対して高い品質を求める方
- カスタマイズ好き:WEBオーダーシステムで自分好みに
他のブランドも検討すべき人
- ブランド志向:フェンダー・ギブソンの歴史性を重視する方
- 個性重視:独特なサウンドキャラクターを求める方
- ヴィンテージ好き:より枯れたサウンドを求める方
- メタル系:よりアグレッシブなサウンドが欲しい方
- 予算重視:とにかく安く済ませたい方
ジャンル別適性
- ポップス・ロック:★★★★★(万能性が活かされる)
- ジャズ・フュージョン:★★★★☆(Expert ELANが特におすすめ)
- ブルース:★★★☆☆(他社のほうが味のある音も)
- メタル・ハードロック:★★★☆☆(可能だが他に特化モデルあり)
- カントリー・ファンク:★★★★☆(テレキャスタイプが優秀)
- セッション・スタジオワーク:★★★★★(最適)
最終まとめ
フジゲン(Fujigen)は、60年以上の歴史を持つ日本を代表するギターメーカーです。世界的ブランドのOEM製造で培った技術力を活かし、現在は自社ブランド「FUJIGEN」「FGN」として高品質なギターを製造しています。
最大の魅力は、製造精度の高さとコストパフォーマンスの良さ。特に以下の点で高く評価されています:
- 品質が安定しており、個体差が少ない
- フレット処理などの細部まで丁寧な仕上がり
- 癖が少なく、どんな音楽ジャンルにも対応可能
- WEBオーダーシステムでカスタマイズも充実
- 直営店でのアフターサービスが充実
一方で、音の個性については「オーソドックス」という評価が多く、独特なサウンドキャラクターを求める方には物足りない場合もあります。しかし、これは汎用性の高さの裏返しでもあり、特にセッションミュージシャンやエフェクターを多用するギタリストには大きなメリットとなります。
初心者からプロまで、「安心して長く使える高品質なギター」を求める方には、フジゲンは間違いない選択肢と言えるでしょう。特に「最初の本格的なギター」や「メインギターとして長く付き合える1本」をお探しの方には強くおすすめできるブランドです。
- 公式サイト:フジゲン 公式
- 販売サイト:
本記事はフジゲン(Fujigen)の公式情報および主要販売サイトを参考にしています。
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