始めに(特徴紹介)
氣志團のギタリスト・西園寺瞳は、バンドの「ヤンキー×ロックンロール」という強烈な個性を支える重要な存在です。彼のギターサウンドは、豪快でありながらもどこか上品さを漂わせ、ロックの荒々しさとメロディアスな歌心を絶妙に両立しています。
代表曲「One Night Carnival」に象徴されるように、西園寺のギターは楽曲全体をドライブさせる推進力を持っています。レスポール特有の分厚い中低域と、マーシャルアンプの爆発的な鳴りが合わさり、観客を一瞬でステージへ引き込むパワーを発揮します。さらに、初期には「足元のエフェクターを全外し」するほど直アン志向で、音の芯を太く貫くサウンドを追求していたことも特徴です。
また、西園寺のスタイルはシンプルでありながら徹底的に音色を磨き込む姿勢にあります。派手なテクニックを前面に出すよりも、リフやコードワークの「音圧」と「存在感」で魅せるのが彼の流儀。特にライブではマーシャルのフルスタックを豪快に鳴らし、氣志團のステージパフォーマンスを支えています。
このように西園寺瞳のギターサウンドは、ただ歪ませるのではなく「音の太さ」「ロックの荒さ」「楽曲に寄り添う温度感」を軸に形成されているのが特徴的です。次の章では、彼の音を支えるアンプの具体的な構成について掘り下げていきます。
使用アンプ一覧と特徴【氣志團・西園寺瞳】
西園寺瞳のサウンドを語る上で欠かせないのが、マーシャルアンプの存在です。氣志團のライブ現場では、クラシックな1959モデルやJMP100を中心に、ステージ背面にフルスタックやハーフスタックを複数並べた迫力あるセッティングが確認されています。これにより、見た目のインパクトと同時に、分厚い音圧を確保するのが特徴です。
Marshall 1959+1960AXは、西園寺の代表的な選択肢です。1959は「プレキシ」と呼ばれる時代から受け継がれる、クリーン~クランチの伸びやかなトーンが魅力。さらに1960AXキャビネットのグリーンバック・スピーカーと組み合わせることで、中域に独特の粘りが生まれます。ロックンロールを基調とする氣志團の楽曲において、分厚く前に出るギターサウンドを作るのに最適なアンプと言えるでしょう。
Marshall JMP100+1936もまた重要な存在です。JMP100は1970年代の代表的なハードロックサウンドを象徴するアンプで、1959よりもゲインが高く、より荒々しく歪む特性があります。西園寺はこれを2×12キャビネット1936と組み合わせることで、フルスタックほどの低域を持たせず、ややタイトなサウンドにコントロールしていると考えられます。特に中音域の歯切れの良さが際立ち、リフを強調するスタイルには効果的です。
ライブでは、この両アンプをステージに同時に並べて使用する場面もあり、「見た目の演出」と「サウンドの多層性」を兼ね備えています。曲によってチャンネルやスタックを切り替え、ギターの個性とアンプの個性を組み合わせながら変化をつけていると推測されます。なお、公式インタビューやYamaha ARTの「BACKSTAGE」レポートにもこれらの機種名が記載されており、使用は確定的といえるでしょう。
このように、西園寺瞳は「直アン志向」を掲げながらも、クラシックなマーシャルの複数スタックを巧みに組み合わせ、氣志團の音楽に必要な音圧と表現力を獲得しています。派手なエフェクターで作り込むのではなく、アンプの持つキャラクターをそのまま押し出すスタイルは、ロックの王道を体現しているといえます。最終的には、ライブ会場の広さや演奏曲に応じて選択を変える運用がされている「と、想定されます」。
使用ギターの種類と特徴【氣志團・西園寺瞳】
西園寺瞳のメインギターとして最も知られているのが、Gibson Les Paul Standard ’89(改)です。公式プロフィールに記載されているほか、ライブ写真でもその存在が明確に確認されています。レスポールらしい分厚いミッドレンジとサステインは、氣志團サウンドの根幹を形成しています。特に「One Night Carnival」など代表曲では、その図太いコードストロークがバンド全体を支えています。
レスポールは80年代後期の個体であり、モディファイが施されていることも特徴です。一般的に80年代のレスポールは重量があり、力強い低音域を生み出す傾向があります。そこに改造要素が加わることで、西園寺独自の音抜けと存在感を実現していると考えられます。厚みのあるドライブサウンドをマーシャルに直結するスタイルは、ロックンロール直系のアプローチといえるでしょう。
また、サブとしてFender Telecasterを使用している点も見逃せません。こちらも公式プロフィールに記載があり、ライブやレコーディングでの併用が確認されています。テレキャスターはレスポールと比較してブライトかつタイトなサウンドが特徴で、歯切れの良いカッティングや、メロディックなフレーズを前に出す際に適しています。レスポールの厚みある音と対照的に使い分けることで、楽曲ごとに音色の幅を広げています。
例えば、疾走感のあるアップテンポ曲やバラード調の楽曲ではテレキャスターを用い、より軽快で抜けの良いトーンを演出する傾向があると考えられます。一方で、バンドの代名詞ともいえるアンセム的楽曲ではレスポールを軸に据え、重厚で圧倒的な存在感を持たせているのです。
このように西園寺瞳は、メインにレスポール、補助的にテレキャスターという二本柱を運用し、氣志團の幅広い楽曲スタイルに対応しています。レスポールでバンドの屋台骨を支えつつ、テレキャスターで音色に多様性を持たせるという構図は、彼のサウンド作りにおける戦略的選択といえるでしょう。結果として、観客には常に新鮮で迫力あるギターサウンドが届けられている「と、想定されます」。
使用エフェクターとボード構成【氣志團・西園寺瞳】
西園寺瞳のサウンド構築において特筆すべきは、「直アン志向」と呼ばれる徹底したシンプルさです。氣志團の初期には、足元のエフェクターをすべて外し、ギターからシールド1本でマーシャルに直結するスタイルを採用していました。これは余計な色付けを排除し、ギターとアンプ本来の鳴りをそのまま出すという哲学的な選択であり、ロックンロールにおける「音の芯」を体現しています。
一方で、西園寺はTone Bender系ファズについて言及したことがあります。本人曰く「制御しきれない凶暴さが魅力」とのことで、近年のモダンなハイゲインディストーションとは異なる、荒々しく暴れるようなファズサウンドを好む傾向があるようです。Tone Benderは1960年代に登場した伝説的ファズで、ローリング・ストーンズやジミー・ペイジも愛用したモデル。西園寺がこのペダルを好んでいることは、氣志團の「古き良きロックンロール精神」を象徴しているといえるでしょう。
ただし、ライブや公式映像では常にファズを踏んでいる姿が確認されているわけではなく、使用は曲や時期によって限定的と考えられます。ファズ特有の倍音の多い歪みは、重厚なバンドサウンドの中で一層の荒々しさを演出し、シンプルな構成の楽曲に劇的なインパクトを与える効果があります。
また、氣志團のサウンド制作に関するインタビューでは、「代表曲制作時にエフェクターを排除して音作りを見直した」との証言も残されています。この方針からも、西園寺が「エフェクターに頼るよりも、手元のタッチやアンプのボリュームコントロールで音色を作る」タイプのギタリストであることが伺えます。彼のプレイでは、ピッキングの強弱やギターのボリュームノブの操作によって、クリーンからクランチ、さらにはディストーションに至るまでを自在にコントロールしているのです。
つまり、西園寺瞳の足元は一般的なロックギタリストのように多彩なペダルで埋め尽くされるのではなく、必要最小限。場合によってはファズ1台、あるいは完全な直アンという潔さ。これにより、常に「生のロックサウンド」を観客に届けるスタイルを徹底している「と、想定されます」。
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【氣志團・西園寺瞳】
西園寺瞳の音作りにおいて最大のポイントは、「余計なエフェクトを極力使わず、アンプとギターの個性を前面に出す」ことです。これは彼がかねてから語っている「直アン志向」にも直結しており、レスポールやテレキャスターの持つ生の響き、マーシャルの爆発力をそのままリスナーに届けることを狙っています。
マーシャル1959やJMP100のセッティングについては、クラシックロックの定石に沿ってプレゼンス高め・ミドルややブースト・ベース控えめ・トレブル中程度といった設定が考えられます。具体的には、ベース3〜4、ミドル6〜7、トレブル5前後、プレゼンス6〜7といったレンジ。これにより、ギターが埋もれることなく前に飛び出すようなロックサウンドが作り出されます。
歪みに関しては、アンプのボリュームを大きく上げてパワー管を飽和させる手法を重視していると推測されます。マーシャルのクラシックモデルはマスターボリュームを持たない場合が多いため、自然なパワーアンプドライブによる倍音の豊かさが特徴となります。この点も「直アン志向」と深く結びついており、ペダルで歪みを稼ぐのではなく、ギターのボリュームノブ操作とタッチコントロールで音色をコントロールするスタイルに直結しています。
一方で、Tone Benderファズを使用する場合は、アンプ側のEQを少しシェイプする必要があります。ファズは低域と高域が暴れやすいため、ベースをさらに下げ(2〜3程度)、ミドルを厚めにブーストすることで、アンサンブルに馴染ませつつ存在感を出すバランスを取っていると考えられます。ファズを加えると、ギターが前に飛び出し過ぎるため、ミックス段階ではコンプレッションを薄くかけるか、ダブルトラックで厚みを補う工夫もされている可能性があります。
レコーディングやPAでの処理についても特徴があります。氣志團の楽曲はブラスやキーボードなど複数の楽器が重なるアレンジが多いため、西園寺のギターは「音圧を保ちながらも中域で抜ける」設計が必要です。PAでは、200Hz付近を軽くカットし、2kHz〜4kHzを少し持ち上げることで、ボーカルやホーンに被らず前に出るサウンドが実現します。また、ライブ現場ではギターキャビのマイキングにSM57やMD421など定番ダイナミックマイクを使用し、キャビのスピーカーコーン外側を狙うことで、輪郭を損なわずに録る工夫がされていると想定されます。
さらに、楽曲ごとの使い分けも重要です。例えば、アンセム的な「One Night Carnival」ではレスポール+1959の組み合わせで王道の分厚いロックサウンドを展開し、バラードやシングルカット曲ではテレキャスターを用いてクリーン〜クランチ寄りの爽やかな音を演出するなど、状況に応じて音の重さと明るさをコントロールしています。
まとめると、西園寺瞳の音作りは「ギターそのものとアンプの持つ音を最大限に活かす」ことに徹底しており、EQの微調整やファズの限定的な導入で多彩な表現を加えています。派手な多段エフェクトやデジタル処理を使わず、ロックンロールの本質を体現する生々しいサウンドを貫く姿勢こそが、彼の最大の特徴である「と、想定されます」。
比較的安価に音を近づける機材【氣志團・西園寺瞳】
西園寺瞳のサウンドを完全に再現するには、GibsonのヴィンテージレスポールやMarshallフルスタックなど高額な機材が必要となります。しかし、予算を抑えつつも彼の「直アン志向」「太く荒々しいロックンロールサウンド」に近づける方法はいくつか存在します。ここでは、初心者〜中級者でも導入しやすい、比較的安価な代替機材を紹介します。
まず、ギターに関してはEpiphone Les Paul Standardがおすすめです。Gibson直系ブランドであり、5〜7万円程度で購入できる個体ながら、レスポール特有の中低域の厚みをしっかりと体感できます。Gibson ’89年製改造モデルの迫力には及ばないものの、歪ませた際の図太さは同系統で、氣志團らしいリフワークを再現しやすいです。テレキャスターに関しても、Fender JapanやSquierのTelecasterシリーズが実用的で、カッティングの切れ味や軽快さを安価に手に入れられます。
アンプについては、自宅練習や小規模ライブであればMarshall DSL20CRやMarshall MG30FXが候補になります。これらは5〜8万円程度で入手可能で、クラシックマーシャルの音色をシミュレートできる点が魅力です。特にDSLシリーズは真空管アンプであり、1959やJMPのキャラクターを簡易的に体感できます。中域を持ち上げ、ベースを控えめに調整することで、西園寺の直アン志向的なトーンに近づけることができます。
エフェクター面では、ファズを導入することで「制御しきれない凶暴さ」を再現可能です。オリジナルのTone Benderは高額ですが、代替としてBOSS FZ-5 FuzzやElectro-Harmonix Big Muff Nanoが手頃です。いずれも1〜2万円程度で購入でき、荒々しい倍音を含んだ歪みを得られます。特にFZ-5はヴィンテージファズのキャラクターをモデリングしているため、Tone Bender風のサウンドに近づけやすいです。
さらに、マルチエフェクターを活用するのも実用的です。例えばBOSS GT-1やZoom G3Xnは3〜4万円程度で購入でき、アンプシミュレーションとEQを駆使すれば、西園寺の直アン風セッティングを練習環境で手軽に再現できます。特にアンプ直結で音を作る哲学を学ぶには、マルチエフェクターでシンプルに歪みとEQのみを活用するスタイルが役立ちます。
つまり、レスポール系+マーシャル系アンプ+ファズペダルを組み合わせ、EQを「ベース控えめ・ミドル高め・プレゼンス強調」に調整すれば、予算を抑えながらも西園寺瞳の骨太なサウンドに近づくことが可能です。「直アン志向」という本質を押さえ、あえて足元をシンプルにすることも忘れてはいけません。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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ギター | Epiphone Les Paul Standard | Epiphone | Amazonで検索 | 氣志團 | 西園寺瞳 | Gibson直系。5〜7万円程度で入手可。レスポール特有の分厚い音を再現可能。 |
ギター | Squier Telecaster | Squier (Fender) | Amazonで検索 | 氣志團 | 西園寺瞳 | Fender Telecasterの廉価版。明るくタイトなサウンドを安価に再現。 |
アンプ | Marshall DSL20CR | Marshall | Amazonで検索 | 氣志團 | 西園寺瞳 | 真空管コンボ。中域を持ち上げることでクラシックロック的サウンドに近づける。 |
アンプ | Marshall MG30FX | Marshall | Amazonで検索 | 氣志團 | 西園寺瞳 | 入門用モデリングアンプ。マーシャル的な音色を安価に体験可能。 |
エフェクター | BOSS FZ-5 Fuzz | BOSS | Amazonで検索 | 氣志團 | 西園寺瞳 | ヴィンテージファズをモデリング。Tone Bender的な荒々しいサウンドが得られる。 |
エフェクター | Electro-Harmonix Big Muff Nano | Electro-Harmonix | Amazonで検索 | 氣志團 | 西園寺瞳 | 定番ファズ。迫力ある倍音と持続感。1万円台で入手可能。 |
マルチエフェクター | BOSS GT-1 | BOSS | Amazonで検索 | 氣志團 | 西園寺瞳 | 3〜4万円程度。アンプシミュとEQで直アン志向的な練習環境を再現可能。 |
総括まとめ【氣志團・西園寺瞳】

西園寺瞳の音作りを振り返ると、最大のキーワードは「直アン志向」と「ロックンロールの王道」です。ギターからシールド一本でアンプに直結し、レスポールやテレキャスターが持つ生の響きを最大限に活かす姿勢は、氣志團というバンドの世界観と完全に一致しています。そこには、余計な加工を排除して純粋なロックのエネルギーを伝えたいという強い意思が感じられます。
使用機材の選択にもその思想は現れています。Gibson Les Paul Standard ’89(改)の分厚いミッドレンジと、Fender Telecasterの歯切れの良さという二本柱を状況によって使い分け、Marshall 1959やJMP100といったクラシックアンプで爆発的に鳴らす。足元には必要最小限のTone Benderファズを置くこともありますが、基本的にはアンプの自然な歪みを尊重する。まさに「シンプルこそ最強」を体現したスタイルといえます。
また、音作りの工夫はプレイスタイルとも直結しています。ピッキングの強弱やギターボリュームの微妙な調整で、クリーンからドライブまで幅広いニュアンスを操る。エフェクター任せにするのではなく、自分のタッチを通して楽曲に表情を与える点が、西園寺サウンドの真骨頂です。観客がライブで感じる「爆音なのに耳に心地よい」「荒いのに洗練されている」という印象は、まさにこのアプローチの賜物です。
さらに重要なのは、氣志團の音楽性全体の中での役割です。ブラスやボーカル、リズム隊が華やかに彩るアンサンブルの中で、西園寺のギターは常に「骨格」として機能しています。余分な装飾を削ぎ落とした直球のロックサウンドがあるからこそ、氣志團の楽曲はどんなに派手な演出をしてもブレない軸を保てるのです。
総括すると、西園寺瞳の音作りの本質は「シンプルさと豪快さの両立」です。レスポールやテレキャスターとマーシャルを組み合わせ、時折ファズで荒々しさを加える。その潔さが氣志團サウンドの迫力を支え、観客に「本物のロックンロール」を体感させているのです。もし読者が西園寺の音を再現したいなら、機材の豪華さよりも、まずは直結サウンドでギターとアンプの魅力を引き出す姿勢を意識することが何よりも大切だといえるでしょう。
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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸ギター
Gibson Les Paul Standard ’89(改)
備考:公式プロフィールに記載。ライブ写真でもレスポール使用が確認できます。
ウィキペディア
Fender Telecaster
備考:公式プロフィールに記載。テレキャスター併用。
ウィキペディア
🔊アンプ
Marshall 1959(ヘッド)+1960AX(4×12″ キャビ)
備考:ライブ現場レポートに機種名の記載あり。
Yamaha ART “BACKSTAGE”
Marshall JMP100(ヘッド)+1936(2×12″ キャビ)
備考:同上。ステージに複数スタックが並ぶ構成。
Yamaha ART “BACKSTAGE”
🎛️エフェクター
Tone Bender(ファズ)
備考:本人が「好きなエフェクター」として言及。近年のヘヴィ歪みとは異なる“制御しきれない凶暴さ”が魅力とコメント。※モデル詳細は不明。
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(運用方針)初期は“足元のエフェクターを全外し”で直アン志向
備考:代表曲制作時のエピソードとして、エフェクター排除で音作りを見直した旨をメンバーが語るインタビュー。
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